コンペティション追加ノミネート発表*サンセバスチャン映画祭2024 ⑦ ― 2024年08月07日 09:56
ノミネート11作が追加発表―コスタ・ガヴラス、フランソワ・オゾン・・・
★先月30日、セクション・オフィシアル(コンペティション)の追加11作が発表になり、オープニング作品のオドレイ・ディヴァンの「Emmanuelle」(仏)、スペインの4作を含めると16作になり、一応全体像が明らかになりました。エドワード・ベルガー、コスタ・ガヴラス、フランソワ・オゾン、ディエゴ・レルマン、マイテ・アルベルディなどの新作、なかには長編デビュー作が3作も含まれています。再追加があるかもしれませんが、現時点で新たに発表された11作を簡単に列挙しておきます。今回は黒沢清監督が1998年に撮った『蛇の道』をフランスに舞台を移してセルフリメイクしたサスペンスがノミネートされています。言語はフランス語、既に劇場公開されている作品がノミネートされるのも珍しい。3回に分けてアップします。
◎第72回セクション・オフィシアル作品16作 ①◎
1)「Emmanuelle」オープニング作品、フランス
監督:オドレイ・ディヴァン(1980)
*紹介記事は、コチラ⇒2024年07月01日
6)「El lugar de la otra」(邦題『イン・ハー・プレイス』)チリ
監督:マイテ・アルベルディ(サンティアゴ・デ・チレ1983)、ドキュメンタリー作家、脚本家。セクション・オフィシアルには初登場ですが、2020年の『83歳のやさしいスパイ』、2023年の「La memoria infinita」がペルラス部門で上映されています。
★ストーリー他、データ紹介は、別途に予定しています。
*『83歳のやさしいスパイ』紹介は、コチラ⇒2020年10月22日/同年11月22日
*「La memoria infinita」紹介は、コチラ⇒2024年01月18日
*『イン・ハー・プレイス』紹介は、コチラ⇒2024年08月14日
7)「On Falling」イギリス、ポルトガル、長編デビュー作
監督・脚本:ラウラ・カレイラ(オポルト1994)、監督、脚本家、フィルム編集者、スコットランドのエディンバラを拠点にしているポルトガル出身の監督です。リスボンのアントニオ・アロイオ芸術学校で視聴覚コミュニケーションの学位、エディンバラ大学で映画監督優等学位を取得している。短編「Red Hill」がエディンバラ映画祭2018のニュービジョン賞を受賞、BAFTAスコットランド賞にノミネートされた。つづく「The Shift」がベネチア映画祭2020でプレミアされ、ヨーロッパ映画賞、ロンドン映画批評家協会賞にノミネートされました。
データ:製作国イギリス・ポルトガル、2024年、英語・ポルトガル語、ドラマ、104分、撮影地エディンバラ、SSIFF2024セクション・オフィシアルでプレミア
キャスト:ジョアナ・サントス、ニール・ライバー、オラ・フォーマン、イネス・ヴァス、デボラ・アーノット、ダニエル・マクガイア、他
ストーリー:スコットランドの広大な倉庫で働くポルトガル人労働者アウロラの物語。共同アパートの孤独と仕事場の壁のなかに閉じ込められている。彼女は孤立と疎外感、取るに足りないお喋りを乗りこえようとしているが、そのことが彼女の自己意識を脅かし始める。私たちを隔てるために設計されたアルゴリズムに基づくエコノミーが支配する環境のなかで、意味と繋がりを見つけるための静かで重たい闘いを探求している。
8)「The Last Showgirl」米国
監督:ジア・コッポラ(ロスアンゼルス1987)、監督、脚本家、女優。フランシス・フォード・コッポラが祖父、ソフィア・コッポラが叔母、ロマン・コッポラが叔父になる。短編、ミュージックビデオ、TVシリーズを手掛けている。ベネチア映画祭2013オリゾンティ部門ノミネート「Palo Alto」(『パロアルト・ストーリー』2015公開)、同映画祭2020同部門「Mainstream」(『メインストリーム』2021公開)、新作が単独での監督3作目になり、脚本はケイト・ガーステン。
データ:製作国米国、2024年、英語、ドラマ、85分、撮影地ラスベガス、SSIFF2024セクション・オフィシアルでプレミア
キャスト:パメラ・アンダーソン、キーナン・シプカ、ブレンダ・ソング、ビリー・ラド、デイブ・バウティスタ、他
ストーリー:ベテランのショーガールは、30年間も続いていたショーが突然打ち切りになり、自分の将来の計画を立て直さねばならなくなります。50歳のショーガールとして続けるためには何をなすべきかに苦悩することになる。母親として、自分の人生でしばしば脇においていた娘との張り詰めた関係を修復しようと努力する。ショーガールにパメラ・アンダーソンが扮する。
9)「Le dernier souffle / Last Breath」フランス
監督・脚本:コスタ・ガブラス(ギリシャのルトラ・イレアス1933)、ギリシャ系フランス人、両国の二重国籍、SSIFF2019のドノスティア栄誉賞受賞者、初めてギリシャ語で撮った「Adults in the Room」が特別上映された。フランス映画『ザ・キャピタル マネーにとりつかれた男』(12)で金貝賞を受賞している。キャリア&フィルモグラフィーは、以下にアップしています。
*主にキャリア&フィルモグラフィーの紹介は、コチラ⇒2019年08月25日
*ドノスティア栄誉賞授与式の記事は、コチラ⇒2019年09月25日
データ:製作国フランス、2024年、フランス語、ドラマ、100分、原作レジス・ドゥブレ&クロード・グランジュの ”Le dernier souffle”、撮影ナタリー・デュラン、美術キャサリン・ヴェルナー・シュミット、音楽アルマン・アマール、製作者KGプロダクションのミシェル・レイ、アレクサンドル・がヴラス、コスタ・ガヴラス
キャスト:デニス・ポダリデス(作家トゥーサン)、カド・メラド(マセット医師)、マリリン・カント、アンヘラ・モリーナ、シャーロット・ランプリング、ハイム・アッバス、カリン・ヴィアール、アガテ・ボニツア
ストーリー:オーギュスタン・マセット医師は、有名な作家ファブリス・トゥーサンを生と死についての哲学的対話に参加させます。医師が案内者であり、作家である同乗者が自分自身の恐怖や不安に立ち向かうことになった一連の出会いの錯綜、それぞれの患者のエモーション、笑い、涙のかたまりのなかの詩的なダンス、私たちを人生の核心に導く旅である。死にゆく人々をどうケアするかというテーマを扱っている。
(左からマイテ・アルベルディ、ラウラ・カレイラ、ジア・コッポラ、コスタ・ガヴラス)
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