ペルラス部門17作*サンセバスチャン映画祭2022 ⑪ ― 2022年08月31日 21:14
ペルラス部門は各映画祭で高評価ながらスペイン未公開作品が対象

★ペルラス部門は、この1年間に国際映画祭で高評価を受けながらもスペイン未公開の長編映画が対象です。アルマーニ・ビューティArmani Beautyが後援しています。サンセバスティアン市よりドノスティア(サンセバスティアン)観客賞には副賞として、50,000ユーロとスペイン国内での公開、ヨーロッパ映画賞には20,000ユーロが授与される。今年はアウト・オブ・コンペティションを含めて17作が選出されました。オープニングはフランソワ・オゾンの「Peter Von Kant」(ベルリンFF出品)、クロージングはアメリカのブレット・モーゲンのデヴィッド・ボウイのドキュメンタリー「Moonage Daydream」(カンヌFFアウト・オブ・コンペティション出品)です。他にクリスティアン・ムンジュウ、リューベン・オストルンド(パルムドール受賞作品)、ダルデンヌ兄弟(第75回カンヌFF記念賞受賞作)など三大映画祭の常連さんの新作がアナウンスされました。韓国映画ですが、2018年にアジアで初めてドノスティア栄誉賞を受賞した是枝裕和の『Broker ベイビー・ブローカー』も選出されています。

(フランソワ・オゾンの「Peter Von Kant」のポスター)

(ブレット・モーゲンの「Moonage Daydream」のポスター)

(是枝裕和の「Broker」のポスター)
★スペイン関連映画は、ベネチア映画祭コンペティション正式出品のサンティアゴ・ミトレの「Argentina, 1985」以下、同じくベネチアFFのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの「Bardo, Falsa, cronica de unas cuantas verdades」、なかでカンヌ映画祭に出品されたロドリゴ・ソロゴジェンの「As Bestas」やベルリンFFのイサキ・ラクエスタの「One Year, One Night」のように既に作品紹介をしている作品もあります。ベネチアFFに出品されるフアン・ディエゴ・ボットの監督デビュー作「On the Fringe」、アウト・オブ・コンペティションですが、特別上映のオリオル・パウロの「Los renglones torcidos de Dios」です。スペイン語映画の6作は以下の通り。
*ペルラス部門のスペイン語映画6作*
1)「Argentina, 1985」アルゼンチン=米国、2022、140分、ベネチアFFコンペティション出品
監督:サンティアゴ・ミトレ(ブエノスアイレス1980)、別途作品紹介を予定しています。
キャスト:リカルド・ダリン、ピーター・ランサニ、アレハンドラ・フレッチェネル、ノルマン・ブリスキ
*作品紹介は、コチラ⇒2022年09月06日

2)「Bardo, Falsa, crónica de unas cuantas verdades / Bardo, False Chronicle of a Handful of Truths」 メキシコ、2022,180分
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(メキシコシティ1963)、別途作品紹介を予定しています。
キャスト:ダニエル・ヒメネス・カチョ、グリセルダ・シチリアーニ、ヒメナ・ラマドリド、イケル・サンチェス
*作品紹介は、コチラ⇒2022年09月08日

3)「As Bestas / The Beasts」スペイン=フランス、2022,138分、フランスとの合作、カンヌ映画祭2022プレミア部門上映、11月スペイン公開予定
監督:ロドリゴ・ソロゴジェン(マドリード1981)、2018年の「El reino」でゴヤ賞監督賞・オリジナル脚本賞を受賞、2019年の『おもかげ』と2016年の『ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女強姦殺人事件』が公開された。
キャスト:ドゥニ・メノーシュ、マリナ・フォイス、ルイス・サエラ、ディエゴ・アニド
*監督キャリア&フィルモグラフィーの主な紹介記事は、コチラ⇒2018年03月26日
*新作紹介は、コチラ⇒2022年06月10日


4)「Un año, una noche / One Year, One Night」スペイン=フランス、2022、130分、言語フランス語、ベルリン映画祭2022コンペティション部門出品
監督:イサキ・ラクエスタ(ジローナ1975)
キャスト:ナウエル・ぺレス・ビスカヤート、ノエミ・メルラン、キム・グティエレス、ナタリア・デ・モリーナ
解説:2015年に起きたパリ同時多発テロの実話にインスパイアされた作品。11月13日の夜、パリ11区にある伝説的なコンサートホール「バラクラン劇場」にISLLジハーディスト4人のテロリストが武器をもって襲撃した事件の生存者のその後が描かれる。
*作品紹介と監督フィルモグラフィーの紹介記事は、コチラ⇒2022年01月31日


5)「En los márgenes / On the Fringe」スペイン=ベルギー、2022,スリラードラマ、105分、10月7日公開
監督:フアン・ディエゴ・ボット(ブエノスアイレス1975)は、アルゼンチンとスペインの二重国籍をもっている。長く俳優として活躍しているが、今回本作で監督デビューした。
キャスト:ペネロペ・クルス、フアン・ディエゴ・ボット、ルイス・トサール、他
解説:家族、愛、孤独をめぐる、3人による三つの物語が絡みあって語られる。初監督作品、別途作品紹介を予定しています。
*作品紹介は、コチラ⇒2022年09月03日


6)「Los renglones torcidos de Dios / Gods Crooked Lines」スペイン、2022,ミステリー、155分
特別上映、アウト・オブ・コンペティション
監督:オリオル・パウロ(バルセロナ1975)監督、脚本家。犯罪スリラー『ロスト・ボディ』(12)で長編デビュー、第2作『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』(16)は大ヒット、ミステリー『嵐の中で』(18)はNetflixストリーミングで配信された。マリオ・カサス、ホセ・コロナド、バルバラ・レニーなどが主演した『インビジブル・ゲスト悪魔の証明』の作品紹介で、監督キャリア&フィルモグラフィーを紹介しています。新作はトルクアト・ルカ・デ・テナが1979年に上梓した小説の映画化。

キャスト:バルバラ・レニー(アリス)、エドゥアルド・フェルナンデス(サムエル・アルバル)、パブロ・デルキ、アデルファ・カルボ、ロレト・マウレオン、ハビエル・ベルトラン、他
*『インビジブル・ゲスト悪魔の証明』の記事は、コチラ⇒2017年02月17日

(エドゥアルド・フェルナンデス、バルバラ・レニー)

(オリオル・パウロ監督とバルバラ・レニー)

(ロドリゴ・ソロゴジェン、イサキ・ラクエスタ、フアン・ディエゴ・ボット、オリオル・パウロ)
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