アロンソ・ルイスパラシオスにバレンシア・ルナ賞*シネマ・ジュピター2024年06月29日 17:59

      『グエロス』のアロンソ・ルイスパラシオスがバレンシア・ルナ賞

   

       

      (受賞者アロンソ・ルイスパラシオス、バレンシアFF 621日)

 

621日、2014『グエロス』で鮮烈デビューを果たした、メキシコのアロンソ・ルイスパラシオス監督(メキシコシティ1978)が、バレンシアの第39回シネマ・ジュピター・フェスティバルで「バレンシア・ルナ賞」を受賞しました。本賞は過去のキャリアよりこれからの活躍が期待される独創的なシネアストに与えられる賞です。マラガ映画祭の特別賞の一つ「才能賞」に似ています。昨年トロフィーを受け取るためにバレンシアにやってきたのは、今年のカンヌ映画祭で「Anora」(1030日公開予定)で初めてパルムドールに輝いたショーン・ベイカー(ニュージャージー1971)でした。

 

★フェスティバルは、授賞理由として作品が「新鮮さ、知性、ヒューマニズム」に貢献し、「非常に異なるキャラクター、特に互いに相反する精神に対しても惜しみない理解を示した」こと、「現代メキシコの有為転変の大いなる記録者であり、皮肉やユーモアを失うことなく日々の不条理を活写した」ことなどをあげております。ルイスパラシオスは「とても感動して興奮しています。大人になりたくない登場人物という点で、私の映画には青春の要素があると思います。テーマの一つにピーターパン症候群のようなものがあります」と語っている。

 

★メキシコのボブ・ディランを探すロードムービー『グエロス』の登場人物がそうでした。デビュー作の成功で、第2作「Museo」にガエル・ガルシア・ベルナルを起用することができました。既に作品紹介で書きましたように、この物語は1985年のクリスマスイブにメキシコ人類学歴史博物館で起きた150点にものぼる美術品盗難事件にインスパイアされたもので、ベルリン映画祭で脚本賞を受賞しました。つづく第3作「Una película de policías」も、ベルリン映画祭2021の映画貢献銀熊賞を受賞、『コップ・ムービー』の邦題でNetflixで配信されています。ドキュメンタリーとジャンル分けされていますが、個人的にはドラマドキュメンタリー(ドクドラ)、フィクション性の高いユニークなドラマの印象です。2人の警察官に扮するモニカ・デル・カルメンラウル・ブリオネスの演技に注目です。

  

『グエロス』の作品紹介は、コチラ20141003

Museo」の作品紹介は、コチラ20180219

Una película de policías」『コップ・ムービー』の紹介は、コチラ20210828

    

       

(第4作「La cocina」のポスター)

 

★第4作がアメリカで撮った「La cocina」(24139分、モノクロ、メキシコ=米国合作)で、言語は英語とスペイン語、前作『コップ・ムービー』主演のラウル・ブリオネスと『ドラゴン・タトゥーの女』やトッド・ヘインズの『キャロル』でカンヌ映画祭2015女優賞を手にしたルーニー・マーラが主演しています。いずれ作品紹介を予定していますが、イギリスのアーノルド・ウェスカーの戯曲 The Kitchen 1957)がベースになっている。20世紀半ばのロンドンから現代のニューヨークのタイムズスクエアに舞台を移しかえている。ランチタイムのラッシュ時に、世界中の文化が混ざりあうレストランの厨房で働く移民の料理人たちの生活を描いた群像劇。監督はロンドンの王立演劇学校で演技を学んでいたとき、レストランでアルバイトしていたときの経験が役に立ったと語っています。本作はベルリンFFコンペティションでプレミアされ、トライベッカ映画祭のワールド・ナラティブ・コンペティションにもノミネートされました。いずれ公開されるでしょう。

    

    

 (左から、製作者ラミロ・ルイス、アンナ・ディアス、ラウル・ブリオネス、

 ムーニー・マーラ、ルイスパラシオス監督、ベルリン映画祭2024のフォトコール)

  

 

  「メキシコで文化が贅沢品でないと見なされることを願っています」と監督

   

★「ハリウッドで仕事をしても、自分はメキシコを離れることはありません。ハリウッドに移住してグリンゴの物語を撮ることに興味はありません」と強調している。先だってのメキシコ大統領選挙で勝利を手にした新大統領クラウディア・シェインバウム101日付で就任します。彼女の助言者である現大統領アンドレス・ロペス・オブラドールとの決別を願う監督は、「女性が遂にこのような権力の座についたことは喜ばしい。人によってはいろいろ感情が入り混じることですが、メキシコが必要としていたことです。現大統領との繋がりが深いため事態はより複雑ですが、関係を断ち切ることを願っています。彼から独立して自由になることを信じています」と。

    

     

     (バレンシア・ルナ賞の受賞スピーチをするルイスパラシオス監督)

 

★現大統領の6年の任期が「文化に背を向けてきた」と指摘する監督は、「文化が贅沢だと見るのを止める」よう求めた。文化が贅沢品で生活必需品ではないという文化軽視は、多かれ少なかれどこの国でもスペインでも日本でも見られる現象ですが、監督は「メキシコ映像ライブラリーが果たす役割の重要性」を受賞スピーチで強調しました。メキシコに変化があることを認める監督は、それでも「道のりはまだ遠い」と語り、映画を作るのはお金がかかることなので誰でも可能ではないが、「映画は私にとって抗議の手段なのです」ともコメントしている。

 

★私生活では女優イルセ・サラスとの間に2人の息子がいる。『グエロス』や「Museo」出演の他、『グッド・ワイフ』(18)、TVシリーズ『犯罪アンソロジー:大統領候補の暗殺』(19)、ロドリゴ・ガルシアの『Familia:我が家』(23)主演などで、日本では監督より認知度が高いかもしれない。

   

     

         (監督とイルセ・サラス、ベルリン映画祭2018

   

*追加情報:第4作La cocina」が『ラ・コシーナ/厨房』の邦題で、2025年6月13日公開。


映画国民賞2024に製作者マリア・サモラ*スペイン映画賞2024年06月16日 14:45

2024年の映画国民賞はヒット作を連発しているマリア・サモラが受賞

   

       

      (インディペンデント映画製作者マリア・サモラの近影)

 

★今年の映画国民賞は、インディペンデント映画製作者マリア・サモラ(バレンシア1976)が受賞することになりました。映画国民賞の選考母体は文化スポーツ教育省で、副賞は30,000ユーロと控えめですが、毎年一人という名誉ある賞です。ほかにスポーツ、文学、科学など各分野ごとに選ばれます。映画部門の審査員は文化省とスペイン映画アカデミーなどで構成されます。基本的に年齢に拘らず、前年に活躍した人から選ばれることが多い。

 

★今年の受賞者は、昨年の受賞者カルラ・シモンの「Alcars」(22)やハイオネ・カンボルダがガリシア語で撮った「O corno」(23)などを手掛けています。前者でベルリン映画祭金熊賞を受賞した初のスペイン女性プロデューサーとなりました。後者はサンセバスチャン映画祭で金貝賞を受賞、製作者でもあったカンボルダ監督、もう一人の製作者アンドレア・バスケス3人で喜びを分かち合いました。本作は東京国際映画祭2023ワールド・フォーカス部門バスク映画特集で『ライ麦のツノ』として上映されました。

映画国民賞の授与式は、第72回サンセバスチャン映画祭2024の開催中に行われ、プレゼンターは選考母体である文化省の大臣です。

    

      

   (金熊賞受賞のマリア・サモラとカルラ・シモン、ベルリン映画祭2022ガラ)

     

        

       (金貝賞受賞のマリア・サモラ、サンセバスチャンFF2023、プレス会見)

 

★授賞理由は、マリア・サモラは「国際市場におけるスペインの独立系映画の存在感を高め、感受性豊かで多様性のある視点に影響を与えている」こと、「サンセバスチャン映画祭で金貝賞を受賞し、2024年のゴヤ賞で8部門ノミネートされた複数の作品」を手掛けたことを挙げている。複数の作品の一つが『ライ麦のツノ』(新人女優賞受賞ジャネット・ノバス)、ほかにアルバロ・ガゴの「Matria」(新人監督・主演女優賞)やエレナ・マルティン・ヒメノがガウディ賞を制覇するもゴヤ賞はノミネートに終わった「Creatura」(監督・助演男優・助演女優・新人女優賞)などが含まれます。

 

                  

         

     

 

★審査員は以前から危険を顧みずに無名のプロジェクトに支援を続ける独立系の制作会社に光を与えたいと考えていたようでした。それも監督や俳優のように常に脚光を浴びる存在ではなく、縁の下の力持ちである製作者を選びたかったそうです。というのも製作者が選ばれたのは2018年、アルモドバル兄弟が設立した「エル・デセオ」のエステス・ガルシアまで遡る必要があったからです。彼女が女性プロデューサーの初の受賞者でした。

エステル・ガルシアの紹介&授与式の記事は、コチラ201809170926

  

★マリア・サモラは、1976年バレンシア生れの47歳、プロデューサー。バレンシア大学で企業経営と運営管理を専攻、視聴覚制作管理の修士号を取得した。2000年、バレンシアのテレビ局チャンネル9(現チャンネルNou)でキャリアをスタートさせる。2001年、マドリードに移り、アバロン・プロダクションのプログラム・アシスタント、プロデューサーとして働く。20075月、アバロンPCの創設メンバーとなり、エグゼクティブディレクターとなる(~2021)。

 

★初期には、ダニエル・サンチェス・アレバロ(04Física II」)、ダビ・プラネル(05Ponys」)、ベアトリス・サンチス(08La clase」、10La otra mitad」)、カルラ・シモン(19Después también」)などの短編を手掛けている。その後ダビ・プラネルの「La vergünza」、ベアトリス・サンチスの「Todos están muertos」、カルラ・シモンの『悲しみに、こんにちは』などの長編で成功をおさめている。

 

2021年にアバロンPCを退社、エンリケ・コスタ(アバロンの配給会社兼パートナー)とエラスティカ・フィルム Elastica Films を設立、独立系の主に女性監督の映画を手掛ける。その1作目がカルラ・シモンの「Alcarràs」で、幸先よくベルリンの金熊賞を受賞する。続いてカンボルタの『ライ麦のツノ』、アルバロ・ガゴのデビュー作「Matria」、エレナ・マルティン・ヒメノの「Creatura」と先述した通りの快進撃、今年から来年にかけて、話題作が目白押しである。シモンの3作目「Romería」は撮影も終わり、ロドリゴ・ソロゴジェンのパートナーで『おもかげ』に主演したマルタ・ニエトを監督として長編デビューさせるようです。

 

★マリア・サモラはインタビューで「製作する映画を選ぶ理由は常に同じとは限りません。脚本だけに拘るわけではないのです。しかし決して安易な決定ではなく、それらがありきたりでなく語られるに値するストーリーのあることが決め手です。自分にインパクトをあたえたり共鳴したりするプロジェクトであれば、興味を持ってくれる人が増えるのではないかと思っているからです」と語っている。一例としてカルラ・シモンの『悲しみに、こんにちは』を挙げている。本作のメインのプロデューサーは、バレリー・デルピエールでしたが、サモラも共同プロデューサーとして参画しています。脚本の要約を読んだとき「嘘が微塵もなかったことに感銘を受けました。瞬時に共感できる真実があり、まさにそれは純金でした」と、エルパイスのインタービューに応えている。

 

★サモラは長いあいだ女性監督とタッグを組んできた理由として、「男女間の平等の欠如を懸念していた時期があり、そのことが女性監督をサポートしてきた理由」であることを認めている。これからは「多様性に焦点を当てて、新しいジャンル、新しい視点、あまり馴染みがない、自分にとって居心地がよくない場所から語られる物語も探求したい。しかし、それは挑戦です」と。まだ公表できる段階ではないが、3つのプロジェクトが進行中ということでした。

   

審査員の紹介:審査委員長はイグナシ・カモス・ビクトリアICAA映画視聴覚芸術研究所長官)、カミロ・バスケス・ベリョICAA副長官)、理事としてフアン・ビセンテ・コルドバ・ナバルポトロ(スペイン映画アカデミー代表)、ジョセップ・ガテル・カストロ(視聴覚メディア著者文学代表)、ダニエル・グラオ・バリョ(俳優組合代表)、パウラ・パラシオス・カスターニョCIMAスペイン女性映画製作者協会代表)、ICAA理事デシレ・デ・フェス・マルティンスサナ・エレラス・カサドアリアドナ・コルテス・プリオ、前年の受賞者カルラ・シモン10名です。

 

 

フィルモグラフィー(邦題、監督名、短編・TVシリーズは除く)

2008Acné」『アクネACNE』フェデリコ・ベイロ(ハバナ映画祭新人監督賞)

2009La vergünza」ダビ・プラネル(マラガ映画祭2009金のビスナガ賞)

2009La mujer sin piano」ハビエル・レボーリョ(サンセバスチャン映画祭銀貝監督賞)

2010Un lugar lejano」ジョセップ・ノボア

2011La cara oculta」『ヒドゥン・フェイス』アンドレス・バイス

2012Mapa」(ドキュメンタリー)エリアス・レオン・シミニアニ

  (セビーリャ・ヨーロッパ映画祭ドキュメンタリー賞)

2014Todos están muertos」ベアトリス・サンチス

  (マラガ映画祭銀のビスナガ審査員特別賞)

2016María ( y los demás)」『マリアとその家族』共同プロデューサー、ネリー・レゲラ

  (メストレ・マテオ賞)

2017Verano 1993」『悲しみに、こんにちは』エグゼクティブディレクター、

   カルラ・シモン (ベルリン映画祭新人監督賞)

2017Amar」『禁じられた二人』

   エステバン・クレスポ&マリオ・フェルナンデス・アロンソ

2018Apuntes para una pelícla de atracos」(ドキュメンタリー)

   エリアス・レオン・シミニアニ

2019Los días que vendrán」カルロス・マルケス≂マルセ(マラガ映画祭金のビスナガ賞)

2019My Mexican Bretzel」『メキシカン・プレッツェル』(ドキュメンタリー)

   ヌリア・ヒメネス・ロラング

2021Libertad」『リベルタード』クララ・ロケ&エドゥアルド・ソラ(ゴヤ新人監督賞)

以下はElastica Films エラスティカ・フィルム製作

2022Alcarràs」カルラ・シモン

2022Qué hicimos mal」リリアナ・トーレス

2023Matria」アルバロ・ガゴ

2023Creatura」エレナ・マルティン・ヒメノ

2023O corno」『ライ麦のツノ』ハイオネ・カンボルダ

2024Polvo serás」カルロス・マルケス≂マルセ

プレ&ポストプロダクション

2025Romería」プレプロダクション、カルラ・シモン3作目

Hildegart」ポストプロダクション、パウラ・オルティス、「La novia」(15)の監督

Las madres no」同上、マル・コル、2009年『家族との3日間』で長編デビュー

La mitad de Ana」同上、マルタ・ニエト、短編「Son」(22)に続く長編デビュー作

 

 

       関連記事・管理人覚え

『ライ麦のツノ』の作品紹介記事は、コチラ20230717

Creatura」の作品紹介記事は、コチラ20230522

Matria」の作品紹介記事は、コチラ20230308

Alcarràs」の作品紹介記事は、コチラ20220127

『リベルタード』の作品紹介記事は、コチラ20211012

『メキシカン・プレッツェル』の作品紹介記事は、コチラ20200914

Los días que vendrán」の作品紹介記事は、コチラ20190411

『悲しみに、こんにちは』の作品紹介記事は、コチラ20170222

『マリアとその家族』の紹介記事は、コチラ20160814

Todos están muertosの作品紹介記事は、コチラ20140411


マルセロ・ピニェイロ、レトロスペクティブ賞ガラ*マラガ映画祭2024 ⑨2024年03月18日 17:04

        アルゼンチンの監督マルセロ・ピニェイロにレトロスペクティブ賞

     

       

38日金曜日、日刊紙マラガ・オイがコラボするレトロスペクティブ賞―マラガ・オイが、アルゼンチンの監督、脚本家、製作者のマルセロ・ピニェイロに与えられました。総合司会者はセリア・ベルメホでした。本賞は映画功労賞の意味合いがありベテラン・シネアストが受賞する賞です。1953年ブエノスアイレス生れのピニェイロは、70歳を超えていますが勿論現役です。プレゼンターは撮影監督のアルフレッド・マヨ、監督で製作者のヘラルド・エレーロNetflix ラテンアメリカ担当の副会長フランシスコ・ラモス、俳優のホアキン・フリエル、作家で脚本家のクラウディア・ピニェイロ5名でした。

      

        

  

 ★プレゼンター各氏の温かい紹介スピーチを会場で聞き入っていた受賞者は、セリア・ベルメホに促されて颯爽と登壇すると、クラウディア・ピニェイロの手からトロフィーを受けとりました。40代で監督デビューした受賞者は、「まず何よりも、私を受賞者に選んでくださったフェスティヴァルに御礼を申し上げたい。以前にこの賞を誰が受賞したか知ったとき、この賞の価値に気づきました。私は多くの素晴らしい人々に支えられて幸運でした、例えば映画や演劇の先生、脚本家、撮影監督、プロデューサー、俳優、私の映画を輝かせてくれた沢山の人々です。皆さんにありがとうを言いたい」と拍手に囲まれながらエモーショナルに締めくくった。

       

             

             (右端にクラウディア・ピニェイロ)

    

★当ブログでは2回にわたってキャリア&フィルモグラフィー紹介をしていますが、系統だった記事ではないので補足します。アルゼンチンのラプラタ大学で映画を専攻、1983年、ルイス・プエンソと制作会社シネマニアを設立、アルゼンチンに初めてオスカー像をもたらした『オフィシャル・ストーリー』85)の製作を手掛けました。アルゼンチン映画アカデミー設立メンバーの一人で副会長に就任している。1993年、「Tango feroz: la leyenda de Tanguito」で監督デビュー、監督第1作に与えられる銀のコンドル賞オペラ・プリマ賞を受賞した。監督デビューが遅かったこともあり、映画作家としては寡作です。しかし評価は高く多くが映画祭や映画賞を受賞している。フィルモグラフィーは以下の通り:

 

1995年「Caballos salvajes」監督・脚本(共同アイダ・ボルトニク)

    サンダンス映画祭1996オナラブルメンション、レリダ映画祭1997観客賞

1997年「Cenizas del paraíso」監督・脚本(共同アイダ・ボルトニク)

    ゴヤ賞1998スペイン語外国映画賞、ハバナFF1997脚本賞、レリダFF1998観客賞

2000年「Plata quemada」監督・脚本(共同マルセロ・フィゲラス)

    邦題は『炎のレクイエム』『逃走のレクイエム』『燃やされた現ナマ』

    ゴヤ賞2001スペイン語外国映画賞、銀のコンドル脚色賞

2001年「Historias de Argentina en Vivo」監督

2002年「Kamchatka」監督・脚本(共同マルセロ・フィゲラス)

    カルタヘナ映画祭2003脚本賞、バンクーバーFF2003ポピュラー賞、

    ハバナ映画祭2003脚本賞・サンゴ賞3

2005年「El método」監督・脚本(共同マテオ・ヒル)

    ゴヤ賞2006脚本賞、シネマ・ライターズ・サークル賞、フランダース映画祭観客賞

2009年「Las viudas de los jueves」監督・脚本(共同マルセロ・フィゲラス)

   『木曜日の未亡人』DVDタイトル

2013年「Ismael」監督・脚本(共同マルセロ・フィゲラス、ベロニカ・フェルナンデス)

2021~23年「El reinoTVシリーズ、監督・脚本(共同クラウディア・ピニェイロ)

 邦題『彼の王国Netflix配信、銀のコンドル2022オリジナル脚本賞、

  イベロアメリカ・プラチナ賞2022 TVミニシリーズ部門作品賞

  

クラウディア・ピニェイロとは、彼女のベストセラー小説 Las viudas de los jueves2005年刊)を映画化した。公開には至らなかったが『木曜日の未亡人』09)の邦題で2010DVD化された。最近ではTVミニシリーズ「El reino8話)の共同執筆者でもあり、また今回のマラガ映画祭セクション・オフシアルの審査委員長を務めている。また本シリーズには主演男優賞を受賞したホアキン・フリエルが重要な役どころで出演している。アップが受賞結果と前後したので3月8日段階では 分からなかったが、監督お気に入りのようです。

    

       

           (監督と脚本家クラウディア・ピニェイロ)

    

       

         (ヘラルド・エレーロ、監督、ホアキン・フリエル)

 

アルフレッド・マヨは「Caballos salvajes」「Cenizas del paraíso」「Plata quemada」「Kamchatka」「El método」とヒット作を手掛けているスペインの撮影監督です。マドリード出身のヘラルド・エレーロは監督と同じ1953年生れ、スペインだけでなく多くのラテンアメリカの監督とタッグを組んでいる。ピニェイロとは、「Plata quemada」や「El método」を製作している。

 

El método」の作品紹介は、コチラ20131219

『逃走のレクイエム』の作品紹介は、コチラ20220616

ハビエル・カマラにマラガ-スール賞ガラ*マラガ映画祭2024 ⑥2024年03月06日 18:12

    プレゼンターは作家エルビラ・リンド―ハビエル・カマラにマラガースール賞

   

         

       (エモーショナルな受賞スピーチをしたハビエル・カマラ)

 

34日、セルバンテス劇場でハビエル・カマラ(リオハ1967)のマラガ・スール賞のガラが開催されました。ガラに先立って地中海を臨むマラガの遊歩道アントニオ・バンデラス通りに受賞者の手形入りのモノリス記念碑の除幕式がありました。マラガ出身のバンデラスは本祭に資金提供をしているマラガ名誉市民です。除幕式にはマラガ市長フランシスコ・デ・ラ・トーレ、マラガ文化市議会議員マリアナ・ピネダ、コラボの日刊紙「スール」編集長アナ・ペレス≂ブライアン、総ディレクターのフアン・アントニオ・ビガルが参加しました。

    

     

       (自身の手形入り記念碑の前のハビエル・カマラ、34日)

       

   

 (左から、フアン・アントニオ・ビガル、受賞者、マラガ市長デ・ラ・トーレ、

   市議会議員マリアナ・ピネダ、スール編集長アナ・ぺレス≂ブライアン)

 

★ガラの進行役はリカルド・フランコ賞ガラと同じマラガ出身の女優ノエミ・ルイス、トロフィーのプレゼンターはジャーナリスト、作家、脚本家、女優と幾つもの顔をもつエルビラ・リンド、監督フェリックス・サブロソパロマ・フアネス、リカルド・フランコ賞2008の受賞者でもあるキャスティングディレクターのルイス・サン・ナルシソ4人が登壇しました。日本では『めがねのマノリート』で認知度が高いエルビラ・リンドがプレゼンターには少し驚きましたが、彼女が脚本を手掛けたホルヘ・トレグロッサの「La vida inesperada」(仮題「予期せぬ人生」)主演の繋がりでしょうか。俳優として更なる成功を求めてニューヨークに渡るも現実は厳しく期待したようにはならない。従兄役のラウル・アレバロが共演している。マラガ映画祭2014のクロージング作品だった。

       

   

  (左から、エルビラ・リンド、ハビエル・カマラ、フェリックス・サブロソ、

    パロマ・フアネス、ルイス・サン・ナルシソ)

 

★エルビラ・リンドは、市井の人物を演じるカマラを「私たちは一目で友人になった。やがていとこになり、今では姉弟です。生れながらの演技者、詩人、語りて、アーティスト。あなたのような人材が必要であり、人生を捧げて庶民を体現するコメディアンである」と称賛した。フェリックス・サブロソは「彼の創造的な成熟と生命力は、その芸術的プロセスに影響を与えたシネアストの一人」と評し、才能だけでなく彼のやさしさを強調した。ルイス・サン・ナルシソは「ハビエルについては議論されていないが賞賛されている」と語り、女優のパロマ・フアネスは、「彼は偉大な俳優だが、それ以上に人間的」と断言した。

   

      

      (エルビラ・リンド、ハビエル・カマラ、フェリックス・サブロソ)

 

★受賞者は、「ありがとう、ありがとう、ありがとう、この町が私に与えてくれた沢山の愛情に圧倒されています。度々私を招いて賞を授与してくれました」と感謝の言葉を述べた。スペインの小さな町で俳優になるための勉強をしている若い世代に向けて「マドリードやマラガのような都会にやってきた人々を励ましたい。この仕事には皆さんのような才能が必要です。私たちは計り知れない才能を秘めている若い世代を引き受けねばなりません」と変革を訴えたようです。トロフィーを俳優、映画製作者を目指しているすべての人々に捧げました。リオハの片田舎から20歳で大都会マドリードにやってきた受賞者らしいスピーチでした。

    

    「監督も私もマラガには本当に感謝しています」とハビエル・カマラ

 

★セルバンテス劇場内のロッシーニ・サロンで、恒例のフアン・アントニオ・ビガルによるインタビューがありました。マラガでの受賞歴は、2004パブロ・ベルヘルの『トレモリノス73』と2008ナチョ・G・ベリリャの『シェフズ・スペシャル』の銀のビスナガ男優賞、プラス今回のマラガ―スール賞の3賞です。そういえば『トレモリノス73』のパブロ・ベルヘルの姿はなく、多分オスカー賞にノミネートされている『ロボット・ドリームズ』のプロモーションで国内にいないのでしょう。

 

★カマラは「コメディ役者としてやってきたが、マラガは『トレモリノス73』以来ずっと私を支えてきてくれたと思っています。パブロ・ベルヘルも、役者の私も本当にマラガには感謝しています。本映画祭は常に才能ある人々を支えてくれています」とインタビューに答えている。ベルヘルにとってはデビュー作、カマラもアルモドバルの『トーク・トゥ・ハー』(02)のベニグド役でゴヤ賞主演男優賞にノミネートこそされたが、コメディ俳優の本領を発揮できたとは言い難かった。

    

       

    (フアン・アントニオ・ビガルのインタビューを受けるハビエル・カマラ)

 

★現在台頭してきた女性映画製作者について「彼女たちの声に耳を傾け、サポートすべき」と指摘した。また見向きもされない才能が隠れているので、それを探す必要性を語り、映画製作は複雑だが、特権を持つ人々が古いままではいけない、新しい才能に対して両手を広げることも重要と力を込めていた。おしゃべり好きな受賞者は「準備万端整えてセットに出向きます。口出しをしてはいけないときは黙っていますが、それが私には難しい」と冗談をとばした。

 

★スペイン映画での演技者の成長過程や共に作品を作り上げていく監督たちの貢献については「できる限りよくなるように仕事をしているし、監督たちが私を成長させてくれる。成長にはプロフェッショナルだけでなく個人的なものも必要である」と断言している。カマラは映画俳優を夢見ていたわけではなく舞台俳優を目指していた。しかし落ちこぼれを経験して、ある教師から本格的に演技学校で学ぶように忠告された。しかし演技学校に入ると、舞台は彼の目には小宇宙に見え、自分のやりたいことができるように感じられなかったとも語っている。

 

★カマラをお茶の間の人気者にした長寿TVシリーズ「7 vidas」(9906)の撮影休憩中に、共演中のベテラン女優アンパロ・バロ19372015)に、リハーサルではナーバスになるが、あなたはどうですかと聞いたら、「もっともっと多くなるのよ、ハビエル」と言われた。経験を積めば積むほど、それだけ責任も重くなる。「その通りです、この大女優の言葉を肝に銘じています」と締めくくった。

    

        

         (アンパロ・バロと、TVシリーズ「7 vidas」から)

 

★ハビエル・カマラのフィルモグラフィー紹介として、ダビ・トゥルエバの『「ぼくの戦争」を探して』でアップしておりますが、それ以降の話題作はセスク・ゲイの『しあわせな人生の選択』(15)、ゴヤ賞2016助演男優賞受賞、コロンビア映画になりますがフェルナンド・トゥルエバの『あなたと過ごした日に』(20)を紹介しています。

『「ぼくの戦争」を探して』の主な記事は、コチラ20141121

『しあわせな人生の選択』の記事は、コチラ2016010920170804

『あなたと過ごした日に』の主な記事は、コチラ20200614


マラガ才能賞&リカルド・フランコ賞授与式*マラガ映画祭2024 ⑤2024年03月05日 10:02

           アナ・アルバルゴンサレスにリカルド・フランコ賞

     

     

    (メンデス=レイテからトロフィーを受け取るアナ・アルバルゴンサレス)

 

32日セルバンテス劇場で、特別賞の一つ、リカルド・フランコ賞の授与式がありました。プレゼンターはマラゲーニャのノエミ・ルイス、登壇した列席者はスペイン映画アカデミー会長フェルナンド・メンデス≂レイテ、フアン・ルイス・イボラ監督、製作者のイソナ・パソラほか。カルロス・サウラ、ビセンテ・アランダ、ヘラルド・ベラ、アグスティ・ビリャロンガの美術や衣装デザインを手掛けたアナ・アルバルゴンサレスに光が当たった。サウラ以下監督すべてが既に鬼籍入りしており、30年以上というキャリアに感慨無量です。

  

       

           

              (受賞スピーチをする受賞者)

  

        

 

           ピラール・パロメロ監督にマラガ才能賞

 

33日セルバンテス劇場で、マラガ才能賞―マラガ・オピニオンの授与式が賑やかに行われました。受賞者ピラール・パロメロの母親も登壇するというちょっとしたサプライズ、親孝行娘に母親も大喜びでした。プレゼンターはセリア・ベルメホ、デビュー作『スクールガールズ』(20)出演者のナタリア・デ・モリーナ、ソエ・アルナウ、アンドリア・ファンドス、第2作「La maternal」(22)のカルラ・キルス、マラゲーニョの応援団アントニオ・デ・ラ・トーレ、若い監督を見守る製作者バレリー・デルピエール、母親、兄弟も登壇するという賑やかさでした。

    

         

      

                     (ピラール・パロメロ監督と母親)

     

   

(壇上に並んだデルピール左端、デ・モリーナ右端、デ・ラ・トーレなどの応援団)

       

   

 (総ディレクターのフアン・アントニオ・ビガルのインタビューを受ける監督)

 

34日には大賞マラガ・スール賞のハビエル・カマラが予定されています。


ビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞*マラガ映画祭2024 ②2024年03月01日 20:57

        ビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞―ロラ・エレーラの軌跡

   

      

    (権力や性的虐待を避けることが「最重要」と語る受賞者、20242月)

 

ロラ・エレーラ(バジャドリード1935)、舞台、テレビ、映画女優として68年のキャリアを誇る現役女優です。20歳でマドリードのコメディ劇場でエドガー・ウォーレス作品で舞台女優としてのキャリアをスタートさせる。個性の強い奮闘する女性を得意としている。1979年、マドリードのマルキナ劇場でミゲル・デリーベスの Cinco horas con Mario(翻訳タイトル『マリオとの五時間』)の一人舞台で好評を博し、40年間のロングランという成功をおさめる。カルメン・ソティリョ役で美術サークル金のメダルを受章、2006年には勤労功労勲章金のメダルも受章した。さらに2022年にはこのカルメン役で生れ故郷バジャドリード金のメダルを受賞している。

ストーリーは心臓発作で急死した夫マリオの通夜に、23年間連れ添った妻カルメンが彼の無理解、利己主義を亡骸にえんえんと独白するが、最後には自らの不実にも直面するという人間の孤独を描いたベストセラー小説。

     

   

       (生れ故郷のバジャドリード金のメダルを受賞、2022年2

 

★現在でもマギー・ミラの演出で、息子ダニエル・ディセンタ・エレーラフアンマ・ゴメスの「Adictos」の舞台に立っており、国内を巡業している。また第41回演劇祭(121日、22日、マラガのセルバンテス劇場)にも参加している。

   

      

      (3人の女性が織りなす「Adictos」のポスター、中央がエレーラ)

 

60年代後半からフランコ独裁政権が終わる1976年まではもっぱらTVシリーズに専念し、コメディ「Las viudas」(777話)で金のTPTP de Oro1978の女優賞、「El señor Villanueva y su gente」と「La barraca」の2作で金のTP 1980女優賞を受賞している。コメディ・ミュージカル「Un paso adelante」(0205)82話に出演してフォトグラマス・デ・プラタ2003TV部門女優賞を受賞、金のTPにノミネートされるなどした。本賞は「テレプログラマ」誌が与える賞で1972年に始まり2011年に終了しており、直前の2010年に生涯功労賞を受賞している。2016年に銀幕からは遠ざかっているが、TVシリーズには「UPA Next」(22~23、8話)他に出演しているが、本命は舞台女優。

      

★さて映画デビューは1970年、ハイメ・デ・アルミニャンの「La Lola, dicen que no vive sola」、マリアノ・オソーレスの「La graduada」(71)、エロイ・デ・ラ・イグレシアの「La semana del asecino」(72)、ジル・カレテロの「Abortar en Londres」(77)、ホセ・マリア・グティエレスの「Arriba Azaña」(78)、1981年には、元夫のダニエル・ディセンタ(俳優、声優2014没)と出演したホセフィナ・モリーナのドキュメンタリー「Función de noche」でコロンビアのカルタヘナ・デ・インディアス映画祭の女優賞を受賞している。本作には二人の間にできた息子ダニエル・ディセンタ・エレーラと娘ナタリア・ディセンタ(女優)も出演している。

   

      

 

★以下に主なフィルモグラフィーを年代順に紹介しておきます。

1982La próxima estacion」 監督アントニオ・メルセロ

1987En penumbra」 同ホセ・ルイス・ロサーノ

1996El amor perjudica seriamente la salud」コメディ 同マヌエル・ゴメス・ペレイラ

2002Primer y último amor」コメディ 同アントニオ・ヒネネス・リコ

2006Por qué se frotan las patitas」コメディ・ミュージカル 同アルバロ・ベヒネス

2016Pasaje al amanecer」 同アンドレウ・カストロ、銀幕最後の作品

 

★ロラ・エレーラは政治的には左派で「自由が大切であると教えられて育った」と語り、「ナディア・カルビーニョ**が劇場にもっとも足を運んでくれた政治家」と語っている。エレーラの家系は母親が95歳、叔母が105歳と長命であり、88歳で旅立つには未だ早いということでしょうか。もはや怖いものなしのチャーミングな女性です。

**2次サンチェス内閣の第1副首相(任期2021年7月~2023月)だった。経済学者でもあり、現職は欧州投資銀行総裁を務めている。

  

第27回マラガ映画祭ノミネーション発表*マラガ映画祭2024 ①2024年02月29日 18:46

           セクション・オフィシアル19作、うち11作がスペイン映画

          

              

           (第27回マラガ映画祭2024の公式ポスター)

 

★今年で第27回を迎えるマラガ映画祭の季節がやってきました。去る215日、マドリードのスペイン映画アカデミー本部でセクション・オフィシアル(全19作)を含む全カテゴリーが、総指揮のフアン・アントニオ・ビガル、マラガ市議会文化市議会員マリアナ・ピネダ、映画アカデミー会長フェルナンド・メンデス=レイテなどの列席にて発表になりました。開催期間は31日から10日まで、前回は10日から19日、前々回は18日から27日でしたので大分早まりました。3月になったらと、のんびり構えていましたがとんだ番狂わせです。セクション・オフィシアルの紹介も間に合わず、すべてが後追いのアップになります。例年通り大賞マラガ―スール賞を含む特別賞から紹介いたします。

    

    

     (後列左から4人目メンデス=レイテ、マリアナ・ピネダ、アントニオ・ビガル)

 

★ナリタ・スタジオ制作の公式ポスターはマラガ市の三大要素を表現したそうで、バックの青色はマラガのコスタ・デル・ソルの海と空、白色は海岸ゾーンの日陰棚パーゴラを表したヤシ林、丸いオレンジ色はマラガを代表するポピュラーなお菓子トルタ・ロカ、パイ生地を2枚重ねた中にカスタードクリームを入れ、上にオレンジのフロスティングとサワーチェリーをトッピングしたケーキの三つです。

 

★マラガ映画祭はスペイン語(カタルーニャ語、バスク語、ガリシア語を含む)とポルトガル語の映画に特化した映画祭、従ってスペイン、ポルトガル以外ではラテンアメリカ諸国からの応募が主ですが、2言語であれば国は問わないということです。210日に開催されたゴヤ賞でもノミネーション、受賞作が本祭から選ばれており、秋のサンセバスチャン映画祭同様重要な春の映画祭です。メイン会場はセルバンテス劇場で、前庭にレッドカーペットが敷かれます。

           

             マラガ映画祭2024特別賞

 

マラガ―スール賞(スール紙とのコラボ)

ハビエル・カマラ(俳優、監督)、1967年ラ・リオハ生れ、舞台俳優を目指してログローニョの演劇学校で演技を学んだ後、マドリードの王立演劇芸術上級学校PESADで本格的に学ぶ。キャリア&フィルモグラフィーは、ダビ・トゥルエバの『「ぼくの戦争」を探して』で紹介していますが、別途アップの予定。

キャリア&フィルモグラフィー紹介は、コチラ20141121

   

    

 

レトロスペクティブ賞―マラガ・オイ(マラガ・オイ紙とのコラボ)

マルセロ・ピニェイロ(監督、脚本家、製作者)、1953年ブエノスアイレス生れ、代表作は実話をベースにした『逃走のレクイエム』(20)がヒット、ゴヤ賞2001スペイン語外国映画賞を受賞した。2009年『木曜日の未亡人』、2013年『イスマエル』、2005年の「El método」でキャリア&フィルモグラフィー紹介をしています。

『逃走のレクイエム』の作品紹介は、コチラ20220616

キャリア&フィルモグラフィー紹介は、コチラ20131219

 

  

 

マラガ才能賞―マラガ・オピニオン(マラガ・オピニオン紙とのコラボ)

ピラール・パルメロ(監督、脚本家)、北スペインのサラゴサ生れ、2020年デビュー作『スクールガールズ』がベルリン映画祭でプレミアされ、同年マラガ映画祭の金のビスナガ作品賞を受賞した。続く第2作「La maternal」はサンセバスチャン映画祭2022セクション・オフィシアルにノミネートされた。キャリア&フィルモグラフィー紹介をしています。

『スクールガールズ』の作品紹介は、コチラ20200316

La maternal」の作品紹介は、コチラ20220801

   

     

  

リカルド・フランコ賞(映画アカデミーとのコラボ)

アナ・アルバルゴンサレス(美術監督、プロダクションデザイナー、衣装デザイナー)、1962年マドリード生れ、1984年、ヘラルド・ベラが美術監督を務めたイタリアと共同製作したTVシリーズ「Las pazos de Ulloa」の衣装デザイナーとしてキャリアをスタートさせた。1986年、マヌエル・グティエレス・アラゴンの「La mitad del cielo」(金貝賞受賞作品)の衣装を手掛けたベラのアシスタントとして参加、後にベラが監督した「La Celestina」ではゴヤ賞1997美術賞にノミネートされた。当時若手女優として脚光を浴びるようになったペネロペ・クルスやマリベル・ベルドゥが着用する中世末期の衣装の時代考証が評価されたもの。他にカルロス・サウラの『恋は魔術師』(86)、リカルド・フランコの「Berlin Blues」(88)など、ベラのアシスタントとして実績を重ねていく。

   

         

★またイボンヌ・ブレイクのアシスタントとして彼女の薫陶を受けている。ブレイクはイギリス出身だがスペイン映画アカデミー会長を引き受け、その在任中の2018年に急逝したオスカー賞受賞者でもある衣装デザイナーでした。サウラの「La noche oscura」でゴヤ賞1990衣装デザイン賞にノミネート、カンヌ映画祭1995でプレミアされたケン・ローチの『大地と自由』(英独西伊仏米合作)でも衣装デザインを手掛けている。2011年、アグスティ・ビリャロンガ『ブラック・ブレッド』で遂にゴヤ賞ガウディ賞美術賞をダブるで受賞でき、遂にトロフィーを手にすることができた。ビリャロンガとは「Incerta Gloria」でガウディ賞2018にノミネートされている。TVシリーズの超大作『ゲーム・オブ・スローンズ』(1119)に2015年から17年にかけて美術監督として20話手掛けている。TVシリーズではHBOのため2022年「¡Garclia!」(6話)、古くはエンリケ・ウルビスの『貸金庫507』のプロダクションデザインと美術に参加している。

     

   

(美術賞のトロフィーを手にしたアナ・アルバルゴンサレス、ゴヤ賞2011授賞式)

 

ビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞

ロラ・エレーラ(映画、舞台、TV女優)、1935年バジャドリード生れ、88歳の現役女優です。初登場、長いキャリアということで次回別途にアップいたします。

   

     

 

金の映画

Las nuevos españoles」(1974、仮訳「新しいスペイン人」)、監督ロベルト・ボデガス(マドリード19332019)は監督、脚本家。ナショナル・シンジケート・オブ・スペクタル1974年の最優秀芸術功績賞、作品・脚本賞他を受賞。キャストはホセ・サクリスタン、マリア・ルイサ・サン・ホセ、アンパロ・ソレル・レアル、アントニオ・フェランデス、マヌエル・アレクサンドル他、スペインの保険会社が多国籍企業に吸収合併されたため近代化を図ることになる。従業員は新しい状況と目標に適応するための訓練を家族ぐるみで受けねばならなくなる。70年代の多国籍企業のエリート社員をからかったコメディ。

    

     

     (ホセ・サクリスタン、マリア・ルイサ・サン・ホセを配したポスター)

 

★ボデガスはポピュラーとインテレクチュアルの中間を狙った第三の路線〈tercera vía〉を模索した監督。長年にわたって助監督を務め、1971年、「Españolas en París」(仮訳「パリのスペイン女性たち」)で長編デビュー、1970年代にパリにメイドとして出稼ぎに行く女性たちの姿を描いた。昨年鬼籍入りしたラウラ・バレンスエラ、ゴヤ賞2024のホストを務めたアナ・ベレンなどが主演している。1972年のシネマ・ライターズ・サークル新人賞、作品賞、女優賞(ラウラ・バレンスエラ)など受賞歴多数。

    

       

              (晩年のロベルト・ボデガス)


第16回ガウディ賞2024授賞式*受賞結果2024年02月11日 15:59

     作品賞は「Creatura」と『ミツバチと私』と女性監督がトロフィー

 

     

 

24日、第16回ガウディ賞2024の授賞式がバルセロナの国際会議センターで開催されました。開始は4日の2200からでしたが、終了は翌日の午前1時半でした。受賞者全員が舞台に勢揃いしてお開きになりましたが、さっさと帰宅した人、夜が明けるまで粘った人もいたのでした。総合司会者はコメディアンのマリア・ロビラOye Shermanオジェ・シェルマン)とアナ・ポロOye Poloオジェ・ポロ)の二人、オーディオビジュアル界の男女不平等を訴えました。ガウディ栄誉賞2024の受賞者であるロザ・ベルジェスや作品賞(カタルーニャ語映画部門)受賞者のエレナ・マルティン監督なども性的暴行に反対するスピーチをして、今年のガウディ賞はフェミニスト色の濃いガラを印象づけました。

   

     

        (左から、総合司会者のマリア・ロビラ、アナ・ポロ)

           

              

                      (午前2時まで帰宅しなかった受賞者全員)

 

★大賞に当たる作品賞には、カタルーニャ語部門とカタルーニャ語以外と2部門あり、前者はエレナ・マルティン(監督賞を含めて6部門受賞)の「Creatura」、後者はエスティバリス・ウレソラ・ソラグレン(新人監督賞も含めて3部門受賞)の『ミツバチと私』、共に女性の手に渡りました。しかし負けず劣らず気を吐いたのがダビ・トゥルエバの「Saben aquell」で、主演男優・主演女優賞を含めて7部門受賞、従ってこの3作で全25部門の3分の2を制覇したことになります。

ノミネーションと受賞結果は以下の通りです。(印は作品紹介作品)

 

        16回ガウディ賞2024ノミネーションと受賞結果

 

作品賞(カタルーニャ語)

Saben aquell」 監督ダビ・トゥルエバ   

Els encantats」 同エレナ・トラぺ      

La imatge permanent」 同ラウラ・フェレス  

Creatura」 同エレナ・マルティン   *

     

 

         (製作者と感極まるエレナ・マルティン)

   


         (レッドカーペットに勢ぞろいしたクルー)

 

作品賞(カタルーニャ語以外)

Un amor」(『ひとつの愛』) 監督イサベル・コイシェ   

El maestro que prometió el mar」 同パトリシア・フォント

Upon entry」 同フアン・セバスティアン・バスケス、アレハンドロ・ロハス   

20.000 especies de abejas」(『ミツバチと私』) 

  同エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン  *

   

  

 

    (左から5人目が監督、右隣が製作者バレリー・デルピエール)

 

監督賞

イサベル・コイシェ 「Un amor」   

ダビ・トゥルエバ 「Saben aquell

アグスティ・ビリャロンガ 「Loli tormenta」   

エレナ・マルティン 「Creatura」 

   


 

           (監督賞に選ばれて共演のオリオル・プラと抱き合う監督)

  

新人監督賞

アレハンドロ・マリン 「Te estoy amando locamente

フアン・セバスティアン・バスケス、アレハンドロ・ロハス 「Upon entry」   

ラウラ・フェレス 「La imatge permanent」   

エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン 「20.000 especies de abejas

    

  

     

主演男優賞

エンリク・アウケル 「El maestro que prometió el mar

アルベルト・アンマン「Upon entry

オリオル・プラ 「Creatura

ダビ・ベルダゲルSaben aquell

   

           

  

                  (Saben aquell」のクルー、後列4人目が監督) 

     

主演女優賞

ブルナ・クシ 「Upon entry

ライア・コスタ 「Un amor

パトリシア・ロペス・アルナイス 「20.000 especies de abejas

カロリナ・ジュステ 「Saben aquell

   

    

    

 (左から、ペドロ・カサブランク、監督、受賞者)

     

助演男優賞

ダニエル・ブリュール 「La contadora de películas」 監督ローン・シェルフィグ

ウーゴ・シルバ 「Un amor

ペドロ・カサブランク 「Saben aquell

アレックス・ブレンデミュール 「Creatura

     

 

   

助演女優賞

アイナ・クロテト 「Els encantats

アネ・ガバライン 「20.000 especies de abejas

アナ・トレント 「Sobre todo de noche」 監督ビクトル・イリアルテ 

クララ・セグラ 「Creatura

    

     

 

新人俳優賞

アイナラ・エレハルデ 「Els encantats

アリシア・ファルコ 「Las buenas compañías 監督シルビア・ムント  

ラ・ダニ(ダニ・F.ポソ)「Te estoy amando locamente

クラウディア・マラジェラダ 「Creatura」 

    

   


      

アニメーション賞

Dispararon al pianista」 監督フェルナンド・トゥルエバ、ハビエル・マリスカル 

Hanna i els monstres」 同ロレナ・アレス   

Heavies tendres」 同ジョアン・トマス   

Robot dreams」(『ロボット・ドリームズ』) 同パブロ・ベルヘル   

     

      

            (製作者サンドラ・タピアと監督)

   

       

       (サンドラ・タピア、監督、アルフォンソ・デ・ビラリョンガ)

 

ドキュメンタリー賞

Muyeres」 監督マルタ・ラジャナ

Alteritats」 同アルバ・クロス、ノラ・ハダッド Haddad

Hermano caballo」 同マルセル・バレナ

Mientras seas tu, el aqui y el ahora」 

  同カルメ・エリアスクラウディア・ピント  

 

      

      

        (カルメ・エリアスとクラウディア・ピント)

 

オリジナル脚本賞

エレナ・マルティン「Creatura

エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン「20.000 especies de abejas

イサ・カンポ、アンドレア・ケラルト、ビクトル・イリアルテ 「Sobre todo de noche

フアン・セバスティアン・バスケスアレハンドロ・ロハス 「Upon entry

    

          

                   (左がフアン・セバスティアン・バスケス)

   

    

                  (後列2人目主演男優賞ノミネートのアルベルト・アンマン、

               隣が助演女優賞ノミネートのブルナ・クシ)

 

脚色賞

アルベルト・バル 「El maestro que prometió el mar

ダビ・トゥルエバ、アルベルト・エスピノサ 「Saben aquell

パブロ・ベルヘル 「Robot dreams

イサベル・コイシェラウラ・フェレロ 「Un amor

     

      

    (ラウラ・フェレロ欠席のため、一人で登壇したイサベル・コイシェ)

    


      

編集賞

アナ・ファフ Pfaff 「Sobre todo de noche

ベルナト・アラゴネス 「La contadora de películas

ラウル・バレラス 「20.000 especies de abejas

アリアドナ・リバス 「Creatura

    

    

 

オリジナル音楽賞

アンドレア・モティス 「Saben aquel

クララ・アギラル 「Creatura

マリア・アルナル、ノラ・ハダッド・カサデバル 「Alteritats

アルフォンソ・デ・ビラリョンガ Robot dreams

     

     

              (フェロス賞に続いての受賞)

 

撮影賞

アラナ・メヒア・ゴンサレス 「Creatura

アグネス・ピケ・コルベラ 「La imatge permanent

ベト・ロウリッヒ 「Un amor

ジナ・フェレル 20.000 especies de abejas

   

  

         

プロダクション賞

ドレス・メリーナス 「Creatura

エリサ・シルベント、パトリシア・ペレイラ 「La contadora de películas

エバ・タボアダ 「Un amor

エドゥアルド・バジェス 「Saben aquell

   

  

  

短編映画賞

Blow」 監督ネウス・バリュス

La herida luminosa」 同クリスティアン・アビレス

Tots els meus colors」 同アンナ・ソラナス、マルク・リバ

El bus」 同サンドラ・レイナ

  

     

      (左端バレリー・デルピエール、一人おいてサンドラ・レイナ監督)

 

テレビ・ムービー賞(ノミネート2作)

Miró  監督オリオル・フェレル

Quico Sabate, sense destí」 同シルビア・ケル

 

     

 

美術賞

ジョセップ・ロセル 「El maestro que prometió el mar

シルビア・ステインブレチェトSteinbrecht 「Creatura

イサスクン・ウルキホ・アリホ 「20.000 especies de abejas

マルク・ポウ Saben aquell

   

  

   

衣装デザイン賞

イシス・ベラスコ 「Te estoy amando locamente

マリア・アルメンゴル 「El maestro que prometió el mar

マルセ・パロマ 「La contadora de películas

ララ・ウエテ Saben aquell

     

     

           (受賞者欠席につき代理が受けとった

 

 

メイクアップ&ヘアー賞

ダナエ・ガテル、アレックス・サルバト 「Creatura

パトリシア・レイェス 「El maestro que prometió el mar

パトリシア・レイェス、ヘスス・マルトス 「La contadora de películas

ケイトリン・アチソンナチョ・ディアスベンハミン・ペレス 「Saben aquell

   

   

 

視覚効果賞

クリスティナ・ガルモン 「Creatura

ダビ・マルティ、モンセ・リベ 「Secaderos2022年 監督ロシオ・メサ

Wesley Barnard、ミリアム・ピケル 「Saben aquell

ベルナト・アラゴネス 「La contadora de películas

    

  

 

録音賞

アルベルト・ガイ、エンリケ・G・ベルメホ、カルロス・ヒメネス 「Un amor

エバ・バリニョ、コルド・コレリャ、シャンティ・サルバドール 

 「20.000 especies de abejas

レオ・ドルガン、オリオル・ドナト、ライア・カサノバス 「Creatura

シャビ・マスエドゥアルド・カストロヤスミナ・プラデラス 「Saben aquell

 

     

                        (ヤスミナ・プラデラス)

 

 

ヨーロッパ映画賞(5作品)

Aftersun」(『aftersun/アフターサン』)2022、英国 監督シャーロット・ウェルズ

El triángulo de la tristeza」(『逆転のトライアングル』)2022、スウェーデン 

  同リューベン・オストルンド

Las ocho montañas」(『帰れない山』)2022、イタリア 

  同フェリックス・フォン・グルーニンゲン、シャーロット・ヴァンダーメールシュ

Close」(『CLOSE/クロース』)2022、ベルギー 同ルカス・ドント

La sociedad de la nieve」(『雪山の絆』)2023、スペイン 

  同フアン・アントニオ・バヨナ  

   

   

 

            (出演者サンティ・バカ、製作者サンドラ・エルミダ、監督)

   


        

観客特別賞

El maestro que prometió el mar」 

   

         

      

                      (パトリシア・フォント監督)

     


       (左から3人目が主演男優賞ノミネートのエンリク・アウケル)

 

ミケル・プルテー栄誉賞Miquel Porter

ロザ・ベルジェスRosaRoserVergés(バルセロナ1955)、バルセロナ派女性監督のパイオニア的存在であるロサ・ベルジェスが受賞した。代表作はゴヤ賞1991新人監督賞受賞の「Boom, Boom」(90)、他にカタルーニャ自治州映画賞、フォトグラマス・デ・プラタ作品賞などを受賞、「Tic Tac」(97)でシカゴ児童映画祭作品賞、イタリアのジッフォーニ児童映画祭ゴールデン・グリフォン賞などを受賞、「Iris」ではマラガ映画祭2004正式出品、本ガウディ賞の前身でもある2002年設立のバルセロナ映画賞2005の監督・脚本賞にノミネートされている。

 

         

     

 

      

         (ゴヤ賞1991新人監督賞の「Boom, Boom」ポスター)

 

★スペインの映画賞でもカタルーニャ語映画に特化しているガウディ賞は、フォルケ賞、フェロス賞、先ほど受賞結果が発表になったゴヤ賞とはノミネーションからして異なっています。新人監督賞にノミネートされた「La imatge permanent」のラウラ・フェレスは、本賞以外どの映画賞にも名前が見当たりません。しかし作品紹介した折に、有望新人監督の一人と紹介しましたように2作目が待たれる監督です。昨年鬼籍入りしたアグスティ・ビリャロンガの遺作Loli tormenta」も監督賞候補になりました。カタルーニャ映画アカデミー会員は数も少なく賞が僅差で左右されますので、ノミネートされることに意味があります。

      

               

         (映画業界の低賃金年収12.000ユーロは国家の問題と語る、

         カタルーニャ映画アカデミー会長ジュディス・コレル) 

         


         (珍しいツーショット、フアン・アントニオ・バヨナとダビ・トゥルエバ)

        

          

          (カタルーニャ語以外の作品賞プレゼンター、

         マリサ・パレデスとエドゥアルド・フェルナンデス)

         

第11回フェロス賞2024*結果発表2024年01月30日 09:49

     映画部門『ミツバチと私』とTVシリーズ部門「Mesias」が作品賞

 

        

126日、第11回フェロス賞2024の授賞式がマドリードのパラシオ・デ・ビスタレグレで開催されました。総合司会者はコリア・カスティーリョブライス・エフェの重量級コンビが務めました。映画は「20.000 especies de abejas」(邦題『ミツバチと私』)がドラマ部門の作品賞と助演女優賞の2冠、これは想定内の受賞でしたが、「Robot Dreams」(邦題『ロボット・ドリームズ』)がコメディ部門の作品賞、オリジナル音楽賞、ポスター賞の3冠を受賞、ノミネート3個を全部ゲットして、これは少し予想外でした。セリフなしのアニメーション、その魅力的な登場人物(?)や観客の心をとらえた音楽のお蔭でしょう。

       

    

          (コリア・カスティーリョとブライス・エフェ)

    

      

           (『ミツバチと私』のキャストとクルー)

 

TVシリーズのドラマ部門は、ロス・ハビスの「La mesías」が作品・脚本・主演男優・助演男優・主演女優・助演女優賞と6冠、もらえる賞のすべてを独占しましたが、その後遺症が気になります。コメディ部門の作品賞はぺポン・モンテロの「Poquita fe」が受賞しました。

   

     

                       (「La mesías」のキャストとクルー)

 

★ビクトル・エリセの「Cerrar los ojos」(邦題『瞳をとじて』)は、ノミネーション最多の10個でしたが、結局無冠に終わりました。勿論、日本のシネマニアはフェロス賞など眼中にないから痛くも痒くもありません。イサベル・コイシェの「Un amor」(邦題『ひとつの愛』)も7個ノミネーションで無冠、オスカー賞ノミネートに踏みとどまった「La sociedad de la nieve」(邦題『雪山の絆』)のフアン・アントニオ・バヨナが監督賞、他にハリー・イートンが予告編賞を受賞しました。受賞者欠席で共演者のサンティアゴ・バカとアルフォンシナ・カロシオが代理で受けとりました。このアルゼンチン出身の若い二人は昨年のシッチェス映画祭にも監督と参加していましたから次回作に起用するのかもしれません。既に世界の100,000,000人以上が観たということですから310日のオスカー賞が待たれます。脚本賞は「Upon Entry (La llegada)」の監督と脚本を手掛けたアレハンドロ・ロハスとフアン・セバスティアン・バスケスの手に渡りました。

 

★演技部門では、管理人の予想が的中して主演女優賞に「Que nadie duerma」のマレナ・アルテリオ、主演男優賞に「Saben aquell」のダビ・ベルダゲルが受賞、助演部門では「Te estoy amando locamente」のラ・ダニ、「20.000 especies de abejas」のパトリシア・ロペス・アルナイスが受賞、彼女はゴヤ賞では主演にノミネートされています。本作の主役はベルリン映画祭2023の銀熊主演賞を受賞した当時9歳のソフィア・オテロですが、スペインでは子役はノミネートから外されることが多く、これは賢明な判断だと思います。ラ・ダニは出演映画もノーチェックでしたが、ゴヤ賞は新人男優賞にノミネートされています。

 

★過去のフェロス栄誉賞受賞者は、ホセ・サクリスタン、チチョ・イバニェス・セラドール、昨年はペドロ・アルモドバルが受賞して会場を盛り上げました。今年は女優でTV 司会者のモニカ・ランダル(ランドールとも表記)が受賞しました。受賞者は御年81歳、「昨年はペドロ・アルモドバル、今年は私が受賞しました。同じではありません、私たちの美は異なっていますから」とユーモアたっぷりのスピーチをしました。1963年デビュー、銀幕からは引退していましたが、ダビ・ベルダゲルが主演男優賞を受賞したトゥルエバの「Saben aquell」に本人役で出演しています。TV司会者、舞台は現役です。マカロニウエスタン全盛期には多くの作品で活躍した女優です。

 

   

         11回フェロス賞2024結果発表は紹介作品)

 

作品賞(ドラマ)

Un amor」(邦題『ひとつの愛』) 同イサベル・コイシェ  

Cerrar los ojos」(邦題『瞳をとじて』) 同ビクトル・エリセ 

La sociedad de la nieve」(邦題『雪山の絆』)  J. A. バヨナ 

Upon Entry (La llegada)」 同アレハンドロ・ロハス&

               フアン・セバスティアン・バスケス 

20.000 especies de abejas」(邦題『ミツバチと私』)   

製作ララ・イサギーレバレリー・デルピエール 

監督エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン 

 


         (受賞スピーチをするララ・イサギーレ)

   

  

      (真夜中の12時過ぎなのにソフィアも登壇、左が監督)

 

作品賞(コメディ)

Bajo terapia」 監督ヘラルド・エレーロ 

Las chicas están bien」 同イチャソ・アラナ

Mamacruz」 同パトリシア・オルテガ

Te estoy amando locamente」 同アレハンドロ・マリン

Robot Dreams」(アニメーション、邦題『ロボット・ドリームズ』) 

製作アンヘル・ドゥランデスイボン・コルメンサナイグナシ・エスタペ

サンドラ・タピア  監督パブロ・ベルヘル

   

      

       

     (ベルヘル監督も製作に参加、右隣が音楽エディターのユウコ夫人)

 

監督賞

イサベル・コイシェ 「Un amor

ビクトル・エリセ 「Cerrar los ojos

エレナ・マルティン・ヒメノ 「Creatura」 

エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン 「20.000 especies de abejas

J. A. バヨナ La sociedad de la nieve

   

       

         

主演女優賞

ライア・コスタ 「Un amor

キティ・マンベール「Mamacruz

マリア・バスケス 「Matria」 監督アルバロ・ガゴ

カロリナ・ジュステ 「Saben aquell」 同ダビ・トゥルエバ 

マレナ・アルテリオ 「Que nadie duerma」 監督アントニオ・メンデス・エスパルサ 

    

     

        

主演男優賞

アルベルト・アンマン 「Upon Entry (La llegada)

エンリク・アウケル 「El maestro que prometió el mar」 監督パトリシア・フォント

ホヴィク・ケウチケリアン 「Cerrar los ojos

マノロ・ソロ 「Cerrar los ojos

ダビ・ベルダゲル 「Saben aquell」 監督ダビ・トゥルエバ 

      

   

   (受賞者欠席のためダビ・トゥルエバ監督がトロフィーを受けとった)

    

   

      (ダビ・トゥルエバ監督と主演者のカロリナ・ジュステ)

 

助演女優賞

アネ・ガバライン 「20.000 especies de abejas

ルイサ・ガバサ 「El maestro que prometió el mar」 

アイタナ・サンチェス≂ヒホン 「Que nadie duerma」 

アナ・トレント 「Cerrar los ojos

パトリシア・ロペス・アルナイス 「20.000 especies de abejas

    

       

     

      (昨年のTVシリーズ『インティミダ』助演女優賞に続いての受賞)

  

助演男優賞

ルイス・ベルメホ 「Un amor

ホセ・コロナド 「Cerrar los ojos

オリオル・プラ 「Creatura

ウーゴ・シルバ 「Un amor

ラ・ダニ 「Te estoy amando locamente」 監督アレハンドロ・マリン

      

      

      

           (登壇から退場するまでエモーショナルなスピーチをした受賞者)

 

脚本賞DANA

エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン 「20.000 especies de abejas

イサベル・コイシェ、ラウラ・フェレロ 「Un amor

ビクトル・エリセ 「Cerrar los ojos

エレナ・マルティン・ヒメノ 「Creatura

フアン・セバスティアン・バスケスアレハンドロ・ロハス 「La llegada

    

   

      

   (黄色の帽子がフアン・セバスティアン・バスケス、アレハンドロ・ロハス)

 

オリジナル音楽賞

フェデリコ・フシド 「Cerrar los ojos

セルティア・モンテス 「Que nadie duerma

マイケル・ジアッキーノ 「La sociedad de la nieve

ニコ・カサル 「Te estoy amando locamente

アルフォンソ・デ・ビラリョンガ 「Robot Dreams

    

        

       (観客の心をふるわせた作曲家アルフォンソ・デ・ビラリョンガ)

  

ポスター賞

20.000 especies de abejas

Cerrar los ojos

O corno」(監督ハイオネ・カンボルダ)

Hermana Muerte」(『ブラックサン』監督パコ・プラサ)

Robot Dreams」 ホセ・ルイス・アグレダ

   

       

      

          (イラストレーター、ホセ・ルイス・アグレダ)

 

予告編賞

20.000 especies de abejas

Cerrar los ojos

Saben aquell

Te estoy amando locamente

ハリー・イートン 「La sociedad de la nieve

      

   

(受賞者欠席のため共演者サンティアゴ・バカとアルフォンシナ・カロシオが受けとった)

    

    

    (左から、サンティアゴ・バカ、バヨナ監督、アルフォンシナ・カロシオ)

 

TVシリーズ作品賞(ドラマ)

El cuerpo en llamamas」(Netflix

El hijo zurdo」(Movistar Plus+)

Rapa 2」(Movistar Plus+)

Selftape」(Filmin

La mesías」(Movistar Plus+)製作ドミンゴ・コラルフラン・アラウホ

       スサナ・エレラスハビエル・カルボハビエル・アンブロッシ

   

         

     

               (6冠制覇の受賞者たち)

 

TVシリーズ作品賞(コメディ)

Citas Barcelona」(TV3, Amazon Prime Video

Esto no es Suecia」(RTVE Play y 3Cat

El otro lado」(Movistar Plus+)

Poquita fe」(Movistar Plus+)

  製作フラン・アラウホイグナシオ・コラレスペペ・リポル

監督(クリエイター)ぺポン・モンテロフアン・マイダガン

   

      

                     (右側がぺポン・モンテロ監督)

   

 

     

TVシリーズ主演女優賞

ウルスラ・コルベロ 「El cuerpo en llamamas

マカレナ・ガルシア 「La mesías

エスペランサ・ペドレーニョ 「Poquita fe

アナ・ルハス 「La mesías

ロラ・ドゥエニャス 「La mesías

     

      

TVシリーズ主演男優賞

ハビエル・カマラ 「Rapa 2

ラウル・シマス 「Poquita fe

パトリック・クリアド 「Las noches de Tefía」(Atresplayer

キム・グティエレス 「El cuerpo en llamamas

ロジェール・カザマジョール 「La mesías」(欠席)

 

   

TVシリーズ助演女優賞

アマイア・ロメロ 「La mesías

タマラ・カセリャス 「El hijo zurdo

フリア・デ・カストロ 「Poquita fe

カルメン・マチ 「La mesías

イレネ・バルメス La mesías

    

     

     

TVシリーズ助演男優賞

アンドレウ・ブエナフエンテ 「El otro lado

チャニ・マルティン 「Poquita fe

ビエル・ロッセル・ペルフォート 「La mesías

ホセ・マヌエル・ポガ 「El cuerpo en llamamas

アルベルト・プラ 「La mesías

    

     

        (受賞者欠席のため共演者4人がトロフィーを受けとった)

 

TVシリーズ脚本賞

ラウラ・サルミエント、エドゥアルド・ソラ、カルロス・ロペス、

ホセ・ルイス・マルティン 「El cuerpo en llamamas

ラファエル・コボス 「El hijo zurdo

ベルト・ロメロ、ラファエル・バルセロ、エンリク・パルド 「El otro lado

ペポン・モンテロ、フアン・マイダガン 「Poquita fe

ハビエル・アンブロッシハビエル・カルボナチョ・ビガロンド

カルメン・ヒメネス La mesías

   

    

   (左から、カルメン・ヒメネス、ハビエル・カルボ、ハビエル・アンブロッシ)

 

フェロス感動賞(フィクション)

Sobre todo de noche」 監督ビクトル・イリアルテ、製作バレリー・デルピエール

    

    

    

     (受賞者ビクトル・イリアルテ、製作者のバレリー・デルピエール)

 

フェロス感動賞(ノンフィクション)

La Singla」 製作ナジャ・スミスパオラ・サインス・デ・バランダ 

        監督パロマ・サパタ

難聴のフラメンコダンサー、アントニア・シングラのドキュメンタリー

   

     

         (受賞スピーチするパロマ・サパタと製作者たち)

    

      

 

フェロス栄誉賞

モニカ・ランダル(女優、テレビ司会者)1942年バルセロナ生れ。マラガ映画祭2018のビスナガ・シウダ・デル・パライソ賞を受賞した折にキャリア&フィルモグラフィーの紹介をしています。

キャリア&フィルモグラフィー紹介は、コチラ20180330

    

     

     

 

★フェロス賞はスペイン映画ジャーナリスト協会AICEが主催する映画賞、マリア・ゲーラ会長の挨拶スピーチには、カルロス・ベルムトによる3人の女性へのセクハラ告発の問題も含まれていた。これに対してAICEは全面的に被害者を支援するとの表明があった。この件については詳細が分かりませんので後にアップするとして今回は触れません。3時間にも及ぶお祭り気分も吹き飛んでしまいます。

     

        

             

                    (性被害を告発するマリア・ゲーラAICE会長)

   

   

            (煌びやかなベストドレッサーたち)

   

第29回ホセ・マリア・フォルケ賞2024・結果発表2023年12月22日 10:44

       作品賞は『ミツバチと私』と「La mesías」が受賞

   

 

  

1216日(現地22:00rtve play2ホセ・マリア・フォルケ賞の授賞式が2年ぶりにマドリード(Palacio Municipal de IFEMA)に戻ってきました。総合司会はマカレナ・ゴメス & パブロ・チアペリャが務めました。音楽アーティストには、アナ・ゲーラ、アナ・メナ、フラン・ペレア、Taburete タブレテ、Viccoビッコなどが登場、会場を感動で盛り上げました。マカレナはダンスも披露、TVシリーズの長寿コメディ「La que se avecina」(200723)で共演しているパブロと乗り切りました。2000からレッドカーペットに候補者や招待客が続々登場、ガラは2200開始され2時間近い長丁場になり、宵っ張りのスペイン人も疲れたことでしょう。

     

           

     

        (総合司会者マカレナ・ゴメス、パブロ・チアペリャ)

 

★映画部門の製作者に与えられる作品賞は、エスティバリス・ウレソラ・ソラグレンのデビュー作「20.000 especies de abejas」がビクトル・エリセのCerrar los ojosとフアン・アントニオ・バヨナのLa sociedad de la nieve」を抑えて勝利しました。ダビ・トゥルエバのSaben aquell」で主演のコメディアンを演じたダビ・ベルダゲルが男優賞、20年前からアメリカで仕事をしているアントニオ・メンデス・エスパルサが、初めてスペインを舞台にして撮った「Que nadie duerma」の主役マレナ・アルテリオが女優賞、結局のところ大先輩二人は手ぶらで帰ることになりました。もっともエリセ監督は欠席のようでした。作品賞受賞作は「Premio al Cine y a la Educación en Valores」の分野も制し、このトランスジェンダーの子供時代を繊細に描いたデビュー作が、来年のゴヤ賞の本命となる可能性が出てきました。

フォルケ賞の解説とノミネーションの記事は、コチラ20231118

    

      

      (受賞スピーチをするエスティバリス・ウレソラ・ソラグレン)

    

     

        (TVシリーズ作品賞を受賞したロス・ハビスと仲間たち)

 

TV部門の作品賞は下馬評通りハビエル・アンブロッシ & ハビエル・カルボの「La mesías」が受賞、狂信的な両親によって世間から孤立した家族の痛みとトラウマを描いた作品が3賞を独占、つまりこの狂信的な母親を演じたロラ・ドゥエニャスが女優賞、人生の意味を模索する長男に扮したロジェール・カザマジョールが男優賞を受賞ということで、TV部門のすべての賞を攫ってしまいました。

   

      

   (コンチャ・ベラスコにオマージュを捧げたクリスティナ・カスターニョ)

    

★ガラ後半に主催者EGEDA会長エンリケ・セレソが登場、金のメダル受賞者プロデューサーのエドゥアルド・カンポイにトロフィーを手渡しました。またセレソ会長は去る122日に鬼籍入りしたコンチャ・ベラスコ128日明け方心停止のため46歳の若さで旅立ったイツィアル・カストロを偲びました。司会者をフォローしたクリスティナ・カスターニョは子供のときから母親に「歌えて演技も司会も何でもできるコンチャのような女優になりなさい」と言われていたと名女優を讃えた。観客賞を受賞したハビエル・フェセルの「Campeonex」が最後の出演となったイツィアル・カストロも、多分今回のガラにも出席してファンを楽しませてくれるはずだったと思います。受賞者は以下の通りです。

   

          

                      (EGEDA会長エンリケ・セレソ)

 

           

         (金のメダルを受賞したエドゥアルド・カンポイ)

 

  

       29回ホセ・マリア・フォルケ賞2024受賞結果

 

作品賞(フィクション)副賞30,000ユーロ

Cerrar los ojos」(邦題『瞳をとじて』で202429公開)

La sociedad de la nieve」(邦題『雪山の絆』でNetflix 202415日配信開始

Upon entry (La llegada)

20.000 especies de abejas」(邦題『ミツバチと私』で202415日公開)

製作:Especies de abejas, AIE / Gariza Films / Inicia Films, SL. 製作者:バレリー・デルピエールララ・イサギーレ・ガリスリエタ

プレゼンターは、ナタリア・デ・モリーナとエドゥアルド・ノリエガ

      

   

      (受賞スピーチをするバレリー・デルピエールと監督、

    出演者パトリシア・ロペス・アルナイス、 アネ・ガバラインなど)

    

     

       (監督が手にしているのが教育と価値観分野のトロフィー、フォトコール)

   


       

長編アニメーション賞

Dispararon al pianista」(公開済み)

El sueño de la sultana」(1117日公開)

Momias」(Movistar+)

Robot dreams」(『ロボット・ドリームズ』)監督:パブロ・ベルヘル

*製作:Lokis Films, AIE / Lea Films du Worso, Noodies Production / Arcadia Motion Pictures, SL.

 製作者:アンヘル・ドゥランデスイボン・コルメンサナイグナシ・エスタペ

     パブロ・ベルヘルサンドラ・タピア

 

               

   

   (パブロ・ベルヘル監督、音楽担当ハヤミ・ユウコ、製作者サンドラ・タピアなど)

   


     

長編ドキュメンタリー賞 副賞6,000ユーロ

El caso Padilla」(プライムビデオ)

Iberia Naturaleza Infinita」(未)

Samsara」(1220日公開)

Juan Mariné. Un siglo de cine」(未)監督:マリア・ルイサ・プジョール

102歳でゴヤ賞2024栄誉賞を受賞するフアン・マリネの人物像を描いている。

 

     

 

             (監督と映画講義財団のホルヘS. ボネ会長、フォトコール)

  

   

     (フアン・マリネ)

  

  

男優賞 副賞3,000ユーロ

アルベルト・アンマン Upon entry (La llegada)」(Filmin

ホヴィク・ケウチケリアン 「Un amor」(1110日公開)

マノロ・ソロ 「Cerrar los ojos」(公開済み)

ダビ・ベルダゲル 「Saben aquell」(公開済み)監督:ダビ・トゥルエバ

    

    

    

   

女優賞 副賞3,000ユーロ

ブランカ・ポルティリョ 「Teresa」(1124日公開)

ライア・コスタ 「Un amor」(1110日公開)

マリア・バスケス 「Matria」(Movistar+)

マレナ・アルテリオ 「Que nadie duerma」(1117日公開)

監督:アントニオ・メンデス・エスパルサ

    

   

    (ガザ爆撃をやめて休戦を願わざるをえないとスピーチした受賞者)

  


      

TVシリーズ賞(フィクション)副賞6,000ユーロ

30 monedas」(シーズン2)(HOB Max)ホラー・ミステリー

 脚本:アレックス・デ・ラ・イグレシア、ホルヘ・ゲリカエチェバリア

El cuerpo en llamas」(シーズン1)(Netflix『燃えさかる炎』)犯罪ドラマ

 発案:ラウラ・サルミエント・パラレス、監督:ホルヘ・トレグロサ & ラウラ・マニャ

Poquita fe」(シーズン1)(Movistar+)コメディ

 発案:フアン・マイダガン & ペポン・モンテロ

La mesías」(シーズン1)(Movistar+)

 発案:ロス・ハビス(ハビエル・アンブロッシ & ハビエル・カルボ

作品紹介は、コチラ20230719

    

        

          (ママとパパにも感謝を捧げたロス・ハビス)

    

          

 

TVシリーズ男優賞 副賞3,000ユーロ

アルベルト・プラ 「La mesías」(Movistar+)

ハビエル・カマラ 「Rapa」(Movistar+)

ラウル・シマス 「Poquita fe」(Movistar+)

ロジェール・カザマジョール 「La mesías」(Movistar+)

 

  

   (今は亡きアグスティ・ビリャロンガ監督にトロフィーを捧げた受賞者)

   


 

TVシリーズ女優賞 副賞3,000ユーロ

アナ・ルハス 「La mesías」(Movistar+) 

エスペランサ・ペドレーニョ 「Poquita fe」(Movistar+)

ウルスラ・コルベロ 「El cuerpo en llamas」(Netflix

ロラ・ドゥエニャス 「La mesías」(Movistar+)

   

    

            (両監督から祝福を受けるロラ・ドゥエニャス)

     

 

 (両監督に「幸せにしてくれてありがとう」とスピーチしたロラ・ドゥエニャス)



   

短編賞 副賞3,000ユーロ

Actos por partes

París 70

Aunque es de noche」(16分)

監督:ギジェルモ・ガルシア・ロペス

 製作者:Damien Megherbi、ダビ・カサス・リエスコ、マリナ・ガルシア・ロペス、他

マドリードにあるヨーロッパ最大のスラム「ラ・カニャーダ・レアル」では、電力の供給がない4度目の冬を迎えている。住宅問題が何であれ、ここに住んでいる人々は生きることを拒否されている。13歳のトニはナセルと友達になるが・・・。監督ほかトニを演じたアントニオ・フェルナンデスとナセル・ロクニも登壇した。

    

     

       (ラ・カニャーダ・レアルにトロフィーを捧げた)

    


 

ラテンアメリカ映画賞 副賞6,000ユーロ

La pecera」(121Filmin

Los colonos」チリ(未)監督;フェリペ・ガルベス

Puan」アルゼンチン(公開済み)

La memoria infinita」チリ(2024112日公開)

監督:マイテ・アルベルディ、製作:Micromundo Producciones / Fabula Producciones, LTDA.

    

         

        

  

 

Premio al Cine y a la Educación en Valores(映画と価値観教育賞)

Campeonex」(公開済み)

Chinas」(公開済み)

Te estoy amando locamente」(Movistar+)

20.000 especies de abejas」(Movistar+)

監督エスティバリス・ウレソラ・ソラグレンと製作者バレリー・デルピエールララ・イサギーレ・ガリスリエタが登壇した。

  

観客賞

 「Campeonex』監督:ハビエル・フェセル

       

      

  (フェセル監督は脚本家で夫人のアテネア・マタ左端と一緒に登壇した)

   


      

★会場を楽しませてくれたミュージシャンやコメディアンは、こんな歌手、タレントでした。どこの映画賞も年々華やかになってきて、今年はこちらのほうが長かったのではないでしょうか。

     

      

      (アナ・ゲーラ、Chica,yeyé” 

   

      

       (アナ・メナ、Limosna de Amores  A Tu Vera 2曲)

 

      

                    (Tabureteのウィリー・バルセナス)

 

       

                  (Vicco

    

      

                    (コメディアン、司会者のパス・パディリャ)

     

        

              (サンティアゴ・セグラ監督)