第4回イベロアメリカ・プラチナ賞2017*ノミネーション発表 ― 2017年06月05日 14:31
「オスカーに匹敵する」賞とケイト・デル・カスティージョがノミネーション発表

★先月31日(水)、ハリウッド映画の中心地ロスアンゼルス(ビバリーヒルトン・ホテル)でイベロアメリカ・プラチナ賞2017のノミネーション発表がありました。ビバリーヒルトンは、例年オスカー賞候補者の昼食会やゴールデン・グローブ賞のガラが開催されるホテル、それでケイト・デル・カスティージョの開会の辞が「オスカーに匹敵する」云々になったようです。デル・カスティージョ(女優1969メキシコ・シティ、現ロス在住)、その他、エドワード・ジェームズ・オルモス(俳優1947ロス)、アンジー・セペダ(女優1974カルタヘナ、現マドリード在住)、ミゲル・アンヘル・シルベストレ(俳優1982カステジョン)の4人(写真中央はCNNの司会者フアン・カルロス・アルシニエガス)が各カテゴリーのノミネーション発表を行った。今年の授賞式会場は、7月22日(土)、マドリードの屋内競技場カハ・マヒカCaja Mágicaで開催される。ここは2020年のオリンピック誘致ではテニス会場になるはずだった。スポーツだけでなく音楽祭なども開催されている。

(左から、エドワード・ジェームズ・オルモス、ケイト・デル・カスティージョ、一人置いて
アンジー・セペダ、ミゲル・アンヘル・シルベストレ)
★最多ノミネーションは、フアン・アントニオ・バヨナの『怪物はささやく』の7個(監督・美術・録音・撮影・編集・オリジナル音楽・価値ある映画と教育)、ただしメインの作品賞には、オリジナル版が英語作品だったため、「言語はスペイン語・ポルトガル語」という条件を満たせず該当外となった。続くパブロ・ララインの「ネルーダ」が5個(2017秋公開が予定されているが、邦題は未定)、ロレンソ・ビガスの『彼方から』、ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーンの『名誉市民』、アルモドバルの『ジュリエッタ』、アルベルト・ロドリゲスの『スモーク・アンド・ミラーズ』、セルソ・ガルシアの「La delgada línea amarilla」の4個でした。当ブログではセルソ・ガルシア作品以外は既にアップ済み。なお写真掲載は1カテゴリー1個に絞った。

(最多ノミネーション7個の『怪物はささやく』)
主要カテゴリーのノミネーション
◎作品賞(ドラマ部門)
「Aquarius」(ブラジル)クレベール・メンドンサ・フィリオ監督
『名誉市民』(アルゼンチン・スペイン)ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン監督
『スモーク・アンド・ミラーズ』(スペイン)アルベルト・ロドリゲス監督
『ジュリエッタ』(スペイン)ペドロ・アルモドバル監督
「ネルーダ」(チリ・アルゼンチン・スペイン)パブロ・ラライン監督

◎監督賞
フアン・アントニオ・バヨナ『怪物はささやく』(スペイン)
クレベール・メンドンサ・フィリオ「Aquarius」(ブラジル)
ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン『名誉市民』(アルゼンチン・スペイン)
パブロ・ラライン「ネルーダ」(チリ・アルゼンチン・スペイン)
ペドロ・アルモドバル『ジュリエッタ』(スペイン)

◎脚本賞
アルベルト・ロドリゲス&ラファエル・コボス『スモーク・アンド・ミラーズ』(スペイン)
アンドレス・ドゥプラット『名誉市民』(アルゼンチン、スペイン)
セルソ・ガルシア「La delgada línea amarilla」(メキシコ)
ギジェルモ・カルデロン「ネルーダ」(チリ・アルゼンチン・スペイン)
パベル・ヒロウド&アレハンドロ・ブルゲス他「El acompañante」(キューバ、ベネズエラ、
コロンビア)

◎女優賞
アンジー・セペダ「La semilla del silencio」(コロンビア)
エンマ・スアレス『ジュリエッタ』(スペイン)
フアナ・アコスタ「Anna」(コロンビア・フランス)ジャック・トゥールモンド・ビダル監督
ナタリア・オレイロ「Gilda, no me arrepiento de este amor」(アルゼンチン)
ロレナ・ムニョス監督
ソニア・ブラガ「Aquarius」(ブラジル)

◎男優賞
アルフレッド・カストロ『彼方から』(ベネズエラ、チリ)
ダミアン・カサレス「La delgada línea amarilla」(メキシコ)
エドゥアルド・フェルナンデス『スモーク・アンド・ミラーズ』(スペイン)
ルイス・ニェッコ「ネルーダ」(チリ・アルゼンチン・スペイン)
オスカル・マルティネス『名誉市民』(アルゼンチン、スペイン)

◎オペラ・プリマ(第1回監督作品、ドラマ部門)
『彼方から』(ベネズエラ、チリ)ロレンソ・ビガス
「La delgada línea amarilla」(メキシコ)セルソ・ガルシア
「Rara」(アルゼンチン、チリ)ペパ・サン・マルティン
「Viejo calavera」(ボリビア)キロ・ルッソ
『物静かな男の復讐』(スペイン)ラウル・アレバロ

(ペパ・サン・マルティンの「Rara」)
★女優賞ノミネートのナタリア・オレイロは、ウルグアイで開催された第3回目の総合司会者、ウルグアイ出身ですが主にアルゼンチンで活躍している(『ワコルダ』)。「Gilda, no me arrepiento de este amor」は1996年交通事故死したアルゼンチンの歌姫ヒルダのビオピック。ソニア・ブラガは第1回プラチナ賞2014の栄誉賞受賞者、「Aquarius」はカンヌ映画祭2016正式出品を皮切りに世界各地の映画祭巡りをした。アンジー・セペダは、今回ノミネーション発表をしたコロンビア出身の女優だが、本拠地をマドリードに移している。ノミネーション発表をした先輩ケイト・デル・カスティージョとは親友同士だそうです。フアナ・アコスタが出演した「Anna」(西語・仏語)は、ゴヤ賞2017のイベロアメリカ映画部門にノミネートされた。2015年製作とやや古い。フアナ・アコスタはエルネスト・アルテリオと結婚、スペイン映画出演も多く、当ブログ登場も多いほうか。エンマ・スアレス他、男優賞ノミネートの紹介は不要ですね。

★その他のカテゴリーとして、オリジナル音楽、撮影、美術、録音、ドキュメンタリー、アニメーション、シリーズのテレビドラマその他がありますが割愛、受賞結果はアップいたします。
◎EGEDA (Entidad de Gestión de Derechos de los Productores Audiovisuales) とFIPCA(Federación Iberoamericana de Productores Cinematográficos y Audiovisuales) が主催します。いわゆる視聴覚製作に携わる人々の権利を守るための管理交渉団体です。EGEDAは1990年創設、活動は1993年から。スペイン、チリ、コロンビア、US、ペルー、ウルグアイ他などが参加しております。
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