(続)ベロドロモ部門のアニメーション*サンセバスチャン映画祭2019 ⑦ ― 2019年08月06日 15:26
ビクトル・モニゴテのデビュー作「La gallina Turuleca」
(オリジナル・タイトルのポスター)
★ベロドロモ部門のもう1作はスペイン=アルゼンチン合作のアニメーション、ビクトル・モニゴテ&エドゥアルド・ゴンデルの「La gallina Turuleca」、卵は産めないが、人と話ができるだけではなく歌も歌えるという風変わりなめんどりトゥルレカのお話。もともと同じ題名の童謡があるようです。7月19日のノミネーション発表には、共同監督の一人スペインのビクトル・モニゴテと製作者で脚本家のパブロ・ボッシが出席しました。スペインの子供たちに人気の童謡は、YouTubeで聴くことができます。
(左から、パブロ・ボッシとビクトル・モニゴテ、サンセバスチャン、7月19日)
「La gallina Turuleca」(オリジナル・タイトル「Turu, the wacky hen」)
製作:Brown Films AIE / Pampa Films / Tandem Films / Producciones A Fonsagrada /
Gloriamundi Producciones / Mogambo
監督:ビクトル・モニゴテ、エドゥアルド・ゴンデル
脚本:パブロ・ボッシ、フアン・パブロ・ブスカリニ、エドゥアルド・ゴンデル
音楽:セルヒオ・モウレ・デ・オテイサ
撮影:アレハンドロ・バレンテ
プロダクション・デザイン:ビクトル・モニゴテ
美術:ベアトリス・カストロ・エレディア
プロダクション・マネージメント:フローラ・カンペロ、クリスティナ・スマラゴ、他
録音エディター:フアン・フェロ、他
製作者:アグスティン・ボッシ、クリスティナ・スマラゴ、ディエゴ・ロペス・アルバレス(以上エグゼクティブ)、パブロ・ボッシ、リカルド・マルコ・ブデー、カルロス・エルナンデス、イグナシオ・サラサル=シンプソン、他多数
アニメーション:マティ・ベンリョチ、フェルナンド・ガルシア=ソトカ、エドゥアルド・オリデン・エルミダ、他
データ:製作国スペイン、アルゼンチン、スペイン語、2019年、アニメーション・コメディ、配給元Filmax、スペイン公開2020年01月01日
キャスト(ボイス):エバ・アチェ(めんどりのトゥルレカ)、ホセ・モタ(悪党アルマンド)
ストーリー:トゥルレカは卵を産めないめんどり、そのせいで他のにわとりからの嘲笑に苦しんでいる。しかしながら、元音楽教師イサベルがトゥルレカの特異稀な隠れた才能、人間と話ができるだけでなく歌まで上手に歌えることを発見して以来、トゥルレカの人生は永遠に変わってしまう。二人は親しくなるが、ある日のこと、イサベルがアクシデントに見舞われ記憶喪失になってしまい、大都会の病院に連れていくことになる。トゥルレカは連れていく方法を調査した結果、ダエダルス・サーカスの芸人たちの魅惑的なグループと合流することに決めた。この素晴らしい旅のなか、トゥルレカはその音楽的才能とカリスマ性でサーカスのスターとなっていく。しかし好事魔多し、この奇跡のめんどりを手に入れたい悪党アルマンド・トラマスによってサーカスは脅迫されてしまうのである。
(めんどりのトゥルレカ、アニメーションから)
★共同監督の一人スペインのビクトル・モニゴテ(Vitor "Monigote")は本作で監督デビューしました(monigote は愛称、でくの坊という意味)。イラストレーター、ミュージシャン、歌手、俳優、声優と多才、今回はそれに監督が加わった。「どこがでくの坊なの?」―「背は低いし、ハンサムじゃないし、貧乏だ。ブランコ曲芸師でもサッカー選手でもない・・・」からだそうです。モーターバイクで世界を走り回っている。
(ハンサムでないのは確か、愛車とビクトル・モニゴテ)
★ハビエル・フェセル(1964年生れ)の『カミーノ』に俳優とアートディレクターで参加、「ラテンビート2009」で上映されたとき監督と一緒に来日している。その後、同監督のアニメーション「Mortadelo y Filemón contra Jimmy el Cachondo」(14)にはボイス出演の他、美術とアニメーションを手掛け、翌年のゴヤ賞の美術部門でノミネートされた。ゴヤ賞の美術部門にアニメーションが選ばれるのは初めての快挙だった。もともとはハビエルの兄ギジェルモ・フェセル(脚本家、監督、1960年生れ)と親しく、ギジェルモの「Cándida」(06)出演が俳優デビューだった。モニゴテは年内に公開が予定されているハビエル・フェセルの『チャンピオンズ』(18)でも美術を担当している。
*『チャンピオンズ』の作品紹介は、コチラ⇒2018年06月12日/2019年07月01日
(制作中のビクトル・モニゴテ)
(アニメ「Mortadelo y Filemón contra Jimmy el Cachondo」とフェセル監督)
★共同監督エドゥアルド・ゴンデルEduardo Gondellは、アルゼンチンの監督、脚本家、アートディレクター、俳優。代表作はアニメーション「Valentina, la película」(08、65分)、ホセ・ルイス・マッサの「Un hijo genial」(03)の美術を手掛けている。その他、アルゼンチンのTVミニシリーズを手掛けている。
(英語版「Valentina, la película」のポスター)
★めんどりトゥルレカのボイス出演のエバ・アチェ(本名Eva María Hernández Villegas)は、1972年セゴビア生れ、女優、コメディアン、テレビ司会者、舞台女優として出発した。主に映画よりTVシリーズ出演が多く、国営テレビの他、テレ5、アンテナ3などでテレビ司会者として活躍、お茶の間では知られた顔である。そういうこともあって、ゴヤ賞2012年と2013年授賞式に連続で総合司会者を務めた。
★悪党アルマンド・トラマスのボイスを受けもつホセ・モタJosé Motaは、1965年シウダレアル生れ。コメディアン、俳優、声優、監督、脚本家。サンティアゴ・セグラの「トレンテ・シリーズ」の常連。アレックス・デ・ラ・イグレシアの『刺さった男』(12)では、首に鉄筋が刺さってしまった男を演じ、パブロ・ベルヘルの『アブラカダブラ』(16)では、催眠術にハマってしまったヒロインの従兄役に扮して笑わせた。
*『アブラカダブラ』のスタッフ&キャスト紹介は、コチラ⇒2016年05月29日
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