アントニオ・バンデラス、男優賞を受賞*カンヌ映画祭2019 ⑫ ― 2019年05月26日 17:14
「ペドロのお蔭」とアルモドバルに感謝のバンデラス
★あっという間に終幕、パルムドールは韓国の格差社会批判をエンタメで料理した「Parasite」のポン・ジュノの手に渡りました。2年連続でアジアの家族映画が評価されたわけです。カンヌは1作品1賞が原則、パルムドール発表は最後だから、受賞者が発表になる度にパルムドールは絞られていく。男優賞にアントニオ・バンデラスが決まった段階でペドロ・アルモドバルのパルムドール受賞は消えたわけです。バッドの✖と星★★★★満点で今回は3つ以上が4作もあった。「Parasite」の3.5点が最高、「Dolor y gloria」とセリーヌ・シアマの「Portrait of a Lady on Fire」が3.3点、クエンティン・タランティノの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は✖が1つあったが3点、4作とも何らかの賞に絡んだ。
(パルムドールのポン・ジュノ)
★スペイン映画の受賞歴は12回、うちスペイン人俳優の受賞が5回だそうです。最初が1977年、カルロス・サウラの『愛しのエリサ』のフェルナンド・レイ、1984年マリオ・カムスの『無垢なる聖者』のパコ・ラバル&アルフレッド・ランダ、2006年アルモドバルの『ボルベール<帰郷>』のペネロペ・クルス、カルメン・マウラ含めて6人の女優、20100年は今回の審査委員長を務めたメキシコのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの『ビューティフル』のハビエル・バルデム、そしてバンデラスの順でした。アルモドバルが男女両方の受賞に寄与したことになりました。今回は音楽を手掛けた作曲家のアルベルト・イグレシアスも本賞ではないがサウンドトラック賞を受賞した。1995年の『私の秘密の花』以来、アルモドバル映画のすべてを手掛けている。
★主人公サルバドール・マジョ(アルモドバルの分身)を演じたアントニオ・バンデラス(マラガ、58歳)は、まず監督に感謝のお礼、「みんなが私の演じた人物が彼であることを知っている。素晴らしいのはここに自分が立っていることです」と喜びのスピーチ。19日午前の共同プレス会見で「拍手喝采も賞も重要なことではない。本作の撮影に費やした数ヵ月が私の役者人生で最も幸せな月日であった。この体験は誰も私から奪えない」と語ったように、賞は後からついてきたもののようです。2017年1月、突然の心臓の痛みに即検査入院、離婚後のパートナーである投資銀行家ニコール・ケンプルさんに付き添われ、ジュネーブの心臓外科病院でステント手術を受けていたことを後に明かした。カンヌ映画祭にも彼女を伴って カンヌ入りしていた。
(登壇して聴衆に感謝のスピーチ、右端が審査委員長ゴンサレス・イニャリトゥ)
(一緒にカンヌ入りしたニコール・ケンプルさんとバンデラス)
(アルモドバルの分身サルバドール・マジョを演じた受賞者、映画から)
*バンデラスのキャリア紹介記事は、コチラ⇒2014年06月21日/同年11月05日
*心臓手術の記事は、コチラ⇒2017年04月01日
★スペイン語映画ではありませんが、ブラジルのクレベール・メンドンサ・フィリオ&ジュリアノ・ドルネレスの「Bacurau」が審査員賞を受賞しました。Bacurauバクラウは町の名前のようです。クレベール・メンドンサ・フィリオは『アクエリアス』(16)の監督、ジュリアノ・ドルネレスは美術を担当した。今回の審査員賞は、フランスのラジ・リの「Les misérables」とのタイ受賞でした。
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