オリソンテス・ラティノ部門第3弾*サンセバスチャン映画祭2024 ⑭2024年08月25日 17:08

      2013年の金貝賞受賞者マリアナ・ロンドンの新作「Zafari

 

★オリソンテス・ラティノス部門の残り6作を2回に分け、第3弾としてベネズエラ、ペルー、コロンビアの監督作品をお届けします。ベネズエラのマリアナ・ロンドンは、「Pelo malo / Bad Hair」でSSIFF2013の金貝賞を受賞しています。ペルーのサルバドール・デル・ソラルは、オリソンテス・ラティノス部門でデビュー作「Magallanes」を発表、第2作「Ramón y Ramón」で再び戻ってきました。コロンビアのイェニファー・ウリベ・アルサテは、デビュー作「La piel en primavera」で参加します。

 

         オリソンテス・ラティノス部門

 

9) Zafari

  ベネズエラ=ペルー=メキシコ=フランス=ブラジル=チリ=ドミニカ共和国

 ヨーロッパ=アメリカ・ラティナ共同製作フォーラム2019

 2024年、スペイン語、ドラマ、90分、撮影地ドミニカ共和国、脚本マリアナ・ロンドン、マリテ・ウガス、製作者マリテ・ウガス

監督マリアナ・ロンドン(ベネズエラのバルキシメト1966)は、監督、脚本家、製作者。キューバのサンアントニオ・デ・ロス・バニョスの映画学校で学ぶ。その後フランスに渡り、アニメーションを学んだ。第3作「Pelo malo / Bad Hair」でSSIFF2013の金貝賞、セバスティアン賞、SIGNIS賞を受賞。デビュー作のマリテ・ウガスと共同監督した「A la medianoche y media」は東京国際映画祭1999コンペティション部門で『ミッドナイト・アンド・ハーフ』の邦題で上映された。自伝的な要素のある「Postales de Leningrado」は、サンパウロFF2007国際審査員賞、ユース賞を受賞、ビアリッツ・ラテンアメリカFF金の太陽賞受賞、ケララFFFIPRESCI賞、監督賞を受賞するなど寡作だが受賞歴多数。新作で脚本を共同執筆しているマリテ・ウガスは、「Pelo malo」の編集者、「A la medianoche y media」を共同で監督、脚本も執筆している。二人は制作会社「Sudaca Films」の設立者でもある。

映画祭・受賞歴SSIFF2024オリソンテス・ラティノス部門出品

 

キャスト:ダニエラ・ラミネス(アナ)、フランシスコ・デニス(エドガー)、サマンサ・カスティーリョ、クラレット・ケア、フアン・カルロス・コロンボ、バレク・ラ・ロサ、ベト・ベニテス

ストーリー:カラカスの小さな動物園にカバのサハリが到着して、対立する社会階級に属する隣人同士が向き合うことになる。アナとエドガーと息子のブルーノは、退廃した上流階級のビルの窓からすべてを観察している。食料、水、明かりが欠乏するなかで、アナは逃げ出した家族の廃屋になったアパートで食べ物を漁っている。しかし通りから奇妙な音がして恐怖を募らせる。世界は日増しに凶暴になり、いまだに充分な食料をもっている唯一のものがサハリだった。異なる社会階級の隣人関係の二極化が露呈する。ディストピアの寓話。

 

        

     

 

       

      

     (マリアナ・ロンドン監督と共同脚本家兼製作者のマリテ・ウガス)

 

 

10)Ramón y Ramón」ペルー=スペイン=ウルグアイ

 2024年、スペイン語、ドラマ、100分、脚本サルバドール・デル・ソラル、製作者ニコラス・バルデス、マルセラ・アバロス、アルモドバル兄弟のエル・デセオが参画しています。

監督サルバドール・デル・ソラル(ペルーのリマ1970)は、監督、脚本家、俳優。TVシリーズ出演で俳優としてスタートを切る。フランシスコ・ロンバルディの『パンタレオン大尉と女たち』で主役を演じた。マリアナ・ロンドンの「A la medianoche y media」でも主演、『ナルコス』(15)などのTVシリーズ出演が多い。長編デビュー作「Magallanes」がオリソンテス・ラティノス部門にノミネートされている。新作が2作めである。

Magallanes」の紹介記事は、コチラ20150804

映画祭・受賞歴SSIFF2024オリソンテス・ラティノス部門出品

 

キャスト:エマヌエル・ソリアノ、アルバロ・セルバンテス、ダリオ・ヤスベク・ベルナル

ストーリー:疎遠だった父親の遺灰を受け取ったラモンは、新型コロナウイリス感染のパンデミックの最中にマテオに出合う。彼らはその違いにもかかわらず深い繋がりが生まれ、自分自身を見つめなおすことになる。マテオは、ワンカヨに遺灰を撒きに行くというラモンの旅に同行しようと決心する。その道中、ラモンは間違った数々の疑問に答えを求めていたことや、前に進むには内面から治さなければと気づくのでした。

   

  

  

 

  

11)La piel en primavera / Skin in Spring」コロンビア=チリ

 Proyecta 2018 WIP Latam 2022

 2024年、スペイン語、ドラマ、100分、脚本イェニファー・ウリベ・アルサテ、音楽アレコス・ヴスコビッチ、撮影ルシアナ・リソ、編集フアン・カニョラ・ぺレス、録音ロミナ・カノ、製作者アレクサンダー・アルベラエス・オソリオ、レベッカ・グティエレス・カンポス他。長編デビュー作。WIP Latam 2022のタイトルは「Sandra」、公開コロンビア627

監督イェニファー・ウリベ・アルサテ(コロンビアのメデジン1988)は、監督、脚本家。フィクション映画の修士号取得、短編「Like the First Time」(17)を撮っている。

映画祭・受賞歴:ベルリンFF2024「フォーラム」部門出品、韓国ソール女性FF出品、カルタヘナFF2024出品、SSIFF2024オリソンテス・ラティノス部門出品

 

キャスト:アルバ・リリアナ・アグデロ・ポサダ(サンドラ)、ルイス・エドゥアルド・アランゴ(ハビエル)、フリアン・ロペス・ガジェゴ(息子フリアン)、ラウラ・サパタ・アセベド(アンドレア)、クリスティアン・ロペス

ストーリー:メデジンで暮らすシングルマザーのサンドラは、ショッピングモールの新人警備員として働きはじめる。初出勤の日、束の間の付合い相手ハビエルが運転するバス路線243番に乗って職場に向かう。仕事を真剣に受け止めていますが、息子フリアンも15歳になり、何か新しいことを始めるときです。彼女自身の体験を通して内に秘めた人生に立ち向かい、解放の道を模索し始める。サンドラの内面の変化の簡潔な肖像画作成に成功していると高評価。

   

       

                   

      


      

    

   (アルバ・リリアナ・アグデロとイェニファー・ウリベ監督、ベルリンFF2024

   

       

              (左から、フェルナンダ・バラデス、マリアナ・ロンドン、

     サルバドール・デル・ソラル、イェニファー・ウリベ・アルサテ)


コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://aribaba39.asablo.jp/blog/2024/08/25/9711817/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。