メンデス・エスパルサの初ドキュメンタリー*サンセバスチャン映画祭2020⑤ ― 2020年08月05日 16:05
長編3作目「Courtroom 3H」 はノンフィクション

(法廷に入って撮影中のメンデス・エスパルサ監督)
★ アントニオ・メンデス・エスパルサ(マドリード1976)の「Courtroom 3H」(「Sala del Juzgado 3H」)は、長編第3作目です。デビュー作「Aquí y allá」(邦題『ヒア・アンド・ゼア』12)、第2作目の「Life and Nothing More」(『ライフ・アンド・ナッシング・モア』英語)が2017年と5年間もかかった。東京国際映画祭2017に来日した折り、「今度は5年間も開けないで撮りたい」と語っていたが、どうやらその通りになった。デビュー作はカンヌ映画祭と併催される「批評家週間」でグランプリを取り、続くサンセバスチャン映画祭ホライズンズ・ラティノ部門にノミネート、2作目はサンセバスチャン映画祭で金貝賞を競い、国際批評家連盟賞FIPRESCIとスピリット賞の一つジョン・カサヴェテス賞を受賞した。今回の新作は2度目のセクション・オフィシアルのノミネート、本映画祭とは相性がいい。
*『ライフ・アンド・ナッシング・モア』と『ヒア・アンド・ゼア』の作品紹介は、
◎セクション・オフィシアル部門◎
②「Courtroom 3H」(「Sala del Juzgado 3H」)スペイン=米国 ドキュメンター、115分
監督・脚本:アントニオ・メンデス・エスパルサ
撮影:バルブ・バラショユ、サンティアゴ・オビエド
編集:サンティアゴ・オビエド、アントニオ・メンデス・エスパルサ
音楽:N/A N/A
録音:ルイス・アルグェリェス、ナチョ・ロジョ=ビリャノバ
特殊効果:カルメン・ライザック
視覚効果:カジェタノ・マルティン
製作:9AM MEDIA LAB / AQUI Y ALLI FILMS
言語:英語、スペイン語
製作者:ペドロ・エルナンデス・サントス、アルバロ・ポルタネット・エルナンデス、アマデオ・エルナンデス・ブエノ(以上 AQUI Y ALLI FILMS)、(エグゼクティブ)レベッカ・ビリャール・ロドリゲス、アナ・カスタニョーサ(以上 9AM MEDIA LAB)、アンドレア・モヤ・アカソ、(ラインプロデューサー)マリア・ベルトラン、Yalan Hu、他アシスタントプロデューサー

ストーリー:フロリダの州レオン県タラハシーにある統合家庭裁判所、未成年者に関する事件を解決するために設けられた裁判所を舞台にしたドキュメンタリー。主に親子関係の事件を扱う米国唯一の裁判所である。この裁判所の目的は、できるだけ迅速に信頼できるやり方で、こじれた家族をもとに戻すことである。この映画は、米国の作家で公民権運動家でもあったジェイムズ・ボールドウィンの「もしこの国でどのように不正を裁くか、あなたが本当に知りたいと望むなら、保護されていない人々に寄り添って、証言者の声に耳を傾けなさい」という言葉に触発されて作られた。

★前作と同じようにフィクションとドキュメンタリーをミックスさせているようです。監督はマドリード出身だが、現在フロリダのタラハシー市に在住、フロリダ国立大学で教鞭をとっている。
追加情報:『家庭裁判所 第3H 法廷』の邦題で、ラテンビート2020の上映が決定。
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