アントニオ・レシネス*スペイン映画アカデミー新会長 ― 2015年04月03日 12:36
目ぼしい対抗馬がいないのでほぼレシネスに決定!
★去る2月19日、エンリケ・ゴンサレス・マチョが突然の辞任を発表してざわついていたスペイン映画芸術科学アカデミー*も、推薦を受けたアントニオ・レシネスが観念したのか副会長2名を指名して引き受けることにしたようです。目下は厳密に言うと「暫定的な」新会長ですが、新規約では対立者を出さないシステムになったらしくほぼ決定です(立候補届け出締切りは4月1日)。アカデミー会員は約1200人いるが、全員が会費を遅れずに納めているとは限らず、未納だと投票権がない。信任投票みたいなものだから4分の1ぐらいしか投票しないでしょう。レシネスは副会長にグラシア・ケレヘタ監督とプロデューサーのエドモン・ロチを指名してトリオで選挙に臨みます。投票日は5月9日。

(左から、レシネス、ケレヘタ、ロチの3氏)
★2011年4月11日に行われた選挙では、バルセロナ派のビガス・ルナ監督(『ハモン・ハモン』1992)が立候補してゴンサレス・マチョに対戦した。結果は有効投票数357のうちゴンサレス・マチョが256票を獲得、ビガス・ルナは101票で破れた。選挙後もスッキリせずギクシャクが長引いたらしい。そんな経験から対立候補は立てない規則になったのかもしれない。そんなビガス・ルナも2年後の2013年4月6日に癌で旅立ってしまいました。
*AACCE (Academia
de las Artes y las Ciencias Cinematográficas de España) 1986年1月8日設立、初代会長はホセ・マリア・ゴンサレス≂シンデ(1986~88)。任期は3年、2年間は辞任しない決まりだが是々非々で年数は1~6年とバラバラです。大きな仕事はゴヤ賞を組織運営すること、アカデミー賞の代表作品選出など。経験者としてフェルナンド・トゥルエバ、ホセ・ルイス・ボラウ、フェルナンド・レイ、アレックス・デ・ラ・イグレシア、女性ではアイタナ・サンチェス≂ヒホン、マリサ・パレデス、メルセデス・サンピエトロ、アンヘレス・ゴンサレス≂シンデ、彼女は初代会長の娘で任期半ばで第2次サパテロ内閣の文化大臣(2009~11)になった脚本家・監督、「スペイン映画祭2009」で来日しています。トゥルエバ、デ・ラ・イグレシアもラテンビートのゲストとして来日しています。
★前会長ゴンサレス・マチョは「厳密に個人的な」動機が辞任の理由と語っていますが、現在アカデミーの状態が悪くないことも理由に挙げていました。翌日の記者会見で「私は金持ちではないから、自分の仕事もしなければならない」とも説明していたが、激務の割にペイが伴っていないようです。憶測ですけどプロデューサーとしての仕事に専念したいわけです。イマノル・ウリベの“Miel de naranjas”(2012)が最後ですから。片や推薦されたレシネスは、「これは面倒なことになったよ、任期満了前の選挙に呼び出されたんだから・・・」と。でも年貢の納め時、もう後戻りはできません。

(エンリケ・ゴンサレス・マチョ)
★アントニオ・レシネス(1954、カンタブリア)は、1980年フェルナンド・トゥルエバの“Opera prima”でデビュー、マリオ・カムス『蜂の巣』、デ・ラ・イグレシア『アクション・ミュタンテ~』、リカルド・フランコ『エストレーリャ』(ゴヤ賞主演男優賞)、再びF・トゥルエバ『美しき虜』(ペネロペ・クルスがゴヤ賞主演女優賞)、エンリケ・ウルビス『貸し金庫507』、ダニエル・モンソンの『プリズン211』など日本でも認知度はそれなりにあります。

★グラシア・ケレヘタ(1962、マドリード)は、“15 años y un día”がゴヤ賞2014の作品賞他7部門にノミネーションされたとき紹介記事をアップしました。また新作“Felices 140”が間もなく4月10日に封切られます。マリベル・ベルドゥ主演の辛口コメディ。

(新作撮影中のマリベルとケレヘタ監督)
★スペインでも知名度抜群と言えないのがカタルーニャ出身のエドモン・ロチ(1970、ジローナ)、製作者、脚本家、監督。“Garbo:El espía”でゴヤ賞2010最優秀ドキュメンタリー賞、ガウディ賞2010最優秀ドキュメンタリー賞など受賞、他に“Las aventuras de Tadeo Jones”でゴヤ賞2013最優秀アニメーション賞を受賞しています。『エル・ニーニョ』でもゴヤ賞2015プロダクション賞とガウディ賞を共同で受賞しています。レシネスもバルセロナ派から一人選んでバランスをとったのでしょう。

(共同受賞者トニ・ノベリャとエドモン・ロチ、ゴヤ賞2015授賞式にて)
関連記事*管理人覚え
*エンリケ・ウルビス『貸し金庫507』はコチラ⇒2014年6月25日
*ゴヤ賞2014の記事はコチラ⇒2014年1月12日/1月26日/2月6日
*新作“Felices 140”の記事はコチラ⇒2015年1月7日
アルモドバル新作”Silencio”*撮影開始 ― 2015年04月05日 07:34
新「ミューズ」はエンマ・スアレスとアドリアナ・ウガルテ
★前回「イベロアメリカ・プラチナ賞」記事でアドリアナ・ウガルテがアルモドバルの新「ミューズ」とアナウンスしましたが、エンマ・スアレスも今まで一度もクロスしませんでした。二人は同じ女性<フリエタ>に扮します。若いフリエタにアドリアナ、円熟期のフリエタにエンマ・スアレス、舞台背景は1980年代末期から現代までのフリエタの辛い30年間が語られます。1980年代後半は、いちいちタイトルを挙げないでも、アルモドバル女性映画に特徴的な時代設定です。欧米から半世紀ほど遅れてやってきた民主主義が根付き始め、なんとかEUの仲間入りができた時代です。「女性路線だが、あくまでアルモドバル・ワールドに徹し、ゴテゴテせず、ユーモアは控えめ」ということです。男性目線か女性目線かどっちでしょうか。女性映画の触れ込みでも、結果的に<男性映画>だったりしますから。

(エンマ・スアレスとアドリアナ・ウガルテ)
★アルモドバルのキャスト選定のルールは、脇役でお試し起用をして合格点が付いたら次回にヒロインに抜擢する。ペネロペ・クルスも『ライブ・フレッシュ』(97)では、バスの中で男児を出産する娼婦役、冒頭で消えてしまう。しかし疲れ切って無力な未婚の母親を演じて監督を魅了しました。そもそもの出発点が本作、その後の嫉妬を買うほどの躍進に繋がった。しかし今回はこのルールを変えたようです、アドリアナ・ウガルテもエンマ・スアレスもいきなり起用された。アドリアナはTVドラマでは知られた顔だが、「私はTVドラマを殆ど見ない。だからオーデションで決めた」と監督。他のキャスト陣も同じようです。なかにはロッシ・デ・パルマのようにアルモドバルお気に入りのベテランもおりますが。
★エンマ・スアレス(1964、マドリード)が円熟期の女性を演じると聞いて驚く人は、フアン・ムニョスの“La blanca paloma”(89)、フリオ・メデムの『バカス』(92)、『赤いリス』(93)、『ティエラ―地―』、ピラール・ミロの史劇『愛の虜』(96、映画祭題名「愛は奪った」)などの初々しさを知っているファンです。『バカス』で思春期の少女に扮したとき、既に20代後半だったわけです。『愛の虜』でゴヤ賞1997主演女優賞、“La mosquitera”でフォルケ賞2011主演女優賞を受賞、ほか受賞歴多数。

(フリオ・メデムのミューズだった頃のエンマ・スアレス、『バカス』より)
★アドリアナ・ウガルテ(1985、マドリード)は、ベレン・マシアスの短編“Mala espina”(20分)でデビュー、アルカラ・デ・エナレス短編映画祭2001のベスト女優賞を受賞した。テレビ界での活躍が続いていたが、サンティ・アモデオの“Cabeza de perro”(06)で映画に戻り、続いてベレン・マシアスの“El patio de mi cárcel”(08)、マヌエル・ゴメス・ペレイラの“El juego del ahorcada”(08、セルバンテス土曜映画上映会『言葉あてゲーム』字幕英語)、サルバドール・ガルシア・ルイスの“Castillos de cartón”(09、『砂の上の恋人たち』DVDタイトル)、ビセンテ・ビリャヌエバのコメディ“Lo contrario al amor”(11)、ダニエル・カルパルソロのアクション“Combustión”(13)で主役を演じ、ドラマ、コメディ、スリラー、アクションと演技の幅は広い。最近はTVに映画にと大忙し、アンドレス・ルケ&サムエル・マルティン・マテオスの“Tiempo sin aire”はマラガ映画祭のコンペティションに選ばれジャスミン賞を競う。フアナ・アコスタやカルメロ・ゴメスなどのベテラン勢に演技をしごかれたはずです。映画祭後すぐの4月30日に封切られる。コロンビア内戦をバックグラウンドにした辛い映画です。年末にもフェルナンデス・ゴンサレス・モリナの“Palmeras en la nieve”の公開が決定しています。

(アドリアナ・ウガルテ、“Combustión”より)
★第20作目となる“Silencio”は、既に2016年3月18日封切りが確定しています。彼の最近の新作公開は春3月と決まっています。5月開催のカンヌ映画祭に焦点を当てている監督は、9月のサンセバスチャン映画祭の時期を選ばない。撮影は3月下旬に始動、期間は12週間。ガリシア、ウエルバの山脈、ピレネーとフリエタは旅をする。大切なある人のこと、人生のある大切なことを忘れるための旅、風景も重要なメタファーとして描かれる。アンダルシアの陽光とは一味違った北スペインの<光と影>も登場人物ということかもしれません。

(撮影に先立ち、エンマ・スアレスのカメラ・テストをするアルモドバル)
★共演者として、ロッシ・デ・パルマの他、インマ・クエスタ(『マルティナの住む街』)、ミシェル・ジェンナー(“No tengas miedo”)、ナタリエ・ポサ(『不遇』)、スシ・サンチェス(『悲しみのミルク』)、ピラール・カストロ(『ベッドサイド物語』)、男優陣はダリオ・グランディネッティ(『トーク・トゥ・ハー』)、ダニエル・グラオ(『ロスト・アイズ』)、ホアキン・ノタリオ(『漆黒のような深い青』)ほか。作品名は必ずしも代表作ではありませんが、邦題が付いたものから選びました。ゴヤ・トレドの名前も挙がっていましたが、まだ未完成のIMDbにはありませんでした。
★ナタリエ・ポサは、マヌエル・マルティン・クエンカの“Malas temporadas”がセルバンテス土曜映画上映会で、『不遇』の邦題で上映されました(字幕英語)。
*ナタリエ・ポサ主演“Malas temporadas”(『不遇』)の記事は、コチラ⇒2014年6月11日
マノエル・ド(デ)・オリヴェイラ逝去*現役監督106歳 ― 2015年04月07日 16:15
「引退と死は同時だよ・・・」
★「・・撮りたい映画が頭の中に山ほどあるから」と生前語っていたように、望み通り「引退と死」は同時でしたでしょうか。去る4月2日の朝、ポルトの自宅で死去したことが親族からメディアに知らされました。1908年12月11日ポルトガルの第二の港町ポルト生れだから、1世紀を優に超える実に長い人生でした。同じ年代生れの監督としては、ジャック・タチ、ロッセリーニ、オットー・プレミンジャー、ロベール・ブレッソン・・・勿論全員アチラに集合しておりますね。10歳年下の夫人マリア・イザベルさんはご健在です。杖をついた写真が多いが、実際に使用したのは最後の数ヵ月だったらしく<伊達ステッキ>でした。授賞式でもトントンと壇上に駆けあがっていました。

(<伊達ステッキ>だった頃のオリヴェイラ、ポルトの自宅にて、2009年12月)
★一族は裕福なブルジョア階級で、父親は電球製造工場などを経営する実業家だった。1919年から兄と一緒に北スペインのガリシア(ポンテベドラ)にあるイエズス会の学校で4年ほど学んでいる(マノエルは三男)。読書や幾何学が好きだったが、映画に夢中になるのに時間は掛からなかったという。最初の長編となる『アニキ≂ボボ』(1942、モノクロ)は戦中のこともあり興行成績は惨敗、一部の批評家にしか受け入れられなかった。こんな映画を作れる監督は、ポルトガルでは前にも後にも現れませんでした。再評価までには10年以上待たねばならなかった。以後14年間映画界を離れて家業に就いていた。長い人生といっても本格的に長編を撮り始めたのは60歳を過ぎた1970年代から、特に『過去と現在―昔の恋、今の恋』(1972)が注目を集めてからでした。

(スポーツマンだった頃の監督、オート・レースに出場、28歳)
★国際スターを起用した最初の映画『メフィストの誘い』(1995)は劇場公開されましたが、彼の代表作というわけではない。しかしポルトガルの俳優にとって、特に若いレオノール・シルヴェイラ(ピエダード)にとって、カトリーヌ・ドヌーヴ(エレーヌ)やジョン・マルコヴィッチのような大スターとの共演は大きなチャンスであったろう。エレーヌとピエダードは結局同一人物なのであるが、二人の女優が同一人物を演じるわけではない。ブニュエル的ではあるが二人の女優が一人の女性を演じた『欲望のあいまいな対象』(1977)とは異なる。オリヴェイラはかつて「私はブニュエルのようなものです。・・・カトリシズム抜きではブニュエル映画は存在しないだろう」と語っていますが、怖れ、罪、性は共通のテーマでしょうか。ルイス・ブニュエルの『昼顔』(1966)の後日談として撮ったゴージャスな『夜顔』(2006)を捧げている。

(カトリーヌ・ドヌーヴとルイス・ミゲル・シントラ、『メフィストの誘い』から)
★最後となった短編“O Velho do Restelo”(2014、仮題「レステロの老人」)は、ヴェネチア映画祭で上映されました。オリヴェイラ映画には欠かせないルイス・ミゲル・シントラや孫のリカルド・トレパ(『家宝』『夜顔』など)が出演しています。ヴェネチアやカンヌなど国際映画祭で高く評価されようが、「カイエ・デュ・シネマ」のアンドレ・バザンがいくら褒めようが、ポルトガル人は彼の作品を観に映画館まで足を運ばない。謎を含んだまま不可解な結末を迎える映画は単純に楽しめないからです。1974年の「カーネーション革命」を感動的に描いたマリア・デ・メデイロスの『四月の大尉たち』(“Capitaes de abril”の直訳)は国民の8割が見たという(!?)。まあ、オリヴェイラも国民のために映画を撮っていたわけではないからおあいこですが。海の向こうの遠い日本でDVD-BOX(23枚組)が発売されていると知ったら、16世紀半ばに「日本発見」(種子島への鉄砲伝来のこと)をした国民はさぞかし驚くことでしょう(笑)。

(ビュル・オジエ、監督、ミシェル・ピコリの三老人、『夜顔』の撮影)
★「・・・撮りたい映画が頭の中に山ほどあるが、さて、すべてを完成させるまで寿命が持つかどうかは分からない」、最期の時になれば(expiración) 悪事は消え去り、贖罪(expiación) が存在するだけだから、「息を引き取るとき結局、私のすべての悪事も終るでしょう」。
オフィシャル・セレクション13作品*マラガ映画祭2015 ③ ― 2015年04月11日 12:26
収益が伸びた2014年を超えられるか?
★昨年が特別だったのかもしれませんが、映画祭主催者は「よし、今年も頑張るぞ」と勢い込んでいます。2013年の収益88.746ユーロに対し、2014年は111.837ユーロと26%も伸びました。この映画イベントでマラガ市が得た経済効果は実に大きく、昨年は1.200.000ユーロと算出しています。内訳は企業や個人の出資、ホテルやレストランの利用、プロダクションが契約したモジュール、テント、オーディオビジュアル機器、開催に伴う雇用の増加、マラガの内外から集まった観客が落としていったお金はバカにならない。Web TVを通じて21カ国に配信された中に日本も入っています。アメリカは勿論、英仏独伊、アルゼンチン、メキシコ、コロンビア、中国、カナダ、オーストラリアなどなど。何でもいいから、とにかくスペインに元気になって欲しい。

(映画祭ディレクターのフアン・A・ビガルとマラガ市議会文化担当のダミアン・カネダ)
ベテランと新人が競うコンペティション13作品
★前回オープニング作品ホアキン・オリストレルの“Hablar”を少しばかり紹介しました(⇒3月21日)。賞に絡むかどうか分かりませんが、話題作を何本か発表(4月26日)に間に合うまでアップしていきます。昨年の「金のジャスミン」賞は新人カルロス・マルケス≂マルセのコメディ“10.000 km”でした。彼はゴヤ賞新人監督賞を受賞し、第2回イベロアメリカ・プラチナ賞のプレセレクション5作品の中にも選ばれています。マラガでプレミアした良作は9月のサンセバスチャン映画祭の「メイド・イン・スペイン」部門で上映され、翌年のゴヤ賞ノミネーション&受賞に繋がっていきます。今年はシビアなドラマが多そうですが、何作ぐらい生き残れるでしょうか。

“Hablar” ホアキン・オリストレル 2015 スペイン 75分
製作:Aquí y Allá Films / Sabre Producciones 支援:Producciones Cristina Rota / Canal +
監督:ホアキン・オリストレル
脚本(共同):ホアキン・オリストレル、クリスティナ・ロタ
キャスト:セルヒオ・ペリス・メンチェタ、エステファニア・デ・ロス・サントス、マリア・ボトー、ラウル・アレバロ、マルタ・エトゥラ、ディエゴ・ボトー、アストリド・ホネス、ダフニス・バルドゥス、メルセデス・サンピエトロ、ヌル・レビ、ミゲル・アンヘル・ムニョス、カルメン・バラゲ、ゴヤ・トレド、セクン・デ・ラ・ロサ、アレックス・ガルシア、アントニオ・デ・ラ・トーレ、メラニエ・オリバレス、ほか

解説:2014年8月のある蒸し暑い夜、舞台は経済的政治的危機にあるマドリードのラバピエス地区、20人ほどの登場人物が繰り広げる群像劇。口論し、泣いて笑って、脅して、つぶやいて、盗んで、怒って、ハグして・・・そして言葉が持つ計り知れない力について熟慮を観客に提案する。‘Hablar’とは「話す」こと。
監督紹介&フィルモグラフィー:ホアキン・オリストレル Joaquín Oristrell Venturaは、1953年バルセロナ生れの監督、脚本家。哲学と文学を専攻。TVドラマ“Un, dos,
tres....responda otra vez”(1982)の共同脚本家としてデビュー、テレビ界ではよく知られている脚本家。コメディを得意とし、現在のスペイン映画でも成功作が多い。例えば、マヌエル・ゴメス・ペレイラの“Todos los
hombres sois iguales”を監督と共同執筆、ゴヤ賞1994オリジナル脚本賞を受賞している。イマノル・アリアスや今度の映画アカデミー新会長となるアントニオ・レシネスが達者な演技を披露した。他にゴヤ賞がらみでは、監督と脚本を共同執筆した“Sin verguenza”(2001)で、オリジナル脚本賞をクリスティナ・ロタ、その他2名と受賞している。ベテラン女優ロサ・マリア・サルダが助演女優賞を貰った。また本作はマラガ映画祭の監督・脚本賞及びベロニカ・フォルケが最優秀女優賞を受賞している。他の代表作に“Inconscientes”(04)レオノル・ワトリングやルイス・トサール、“Hablar”出演のメルセデス・サンピエトロも出演、“Nadie es perfecto”(06)、“Dieta mediterránea”(08)、後者は『地中海式人生のレシピ』の邦題で公開、DVDも発売されています。今回エロイ・デ・ラ・イグレシア賞を受賞するパコ・レオンが出演してました。新作出演のカルメン・バラゲと結婚、子供が二人いる。

トレビア:マドリードのラバビエス地区を舞台に約20人ほどの若手、中堅、ベテランが織りなす群像劇。ラバビエス地区はマドリード南部、ラストロとソフィア王妃美術館の中間あたりに位置し、古くはユダヤ人街だったという。地下鉄の駅名も広場名もラバピエス、庶民の街ですね。あまり馴染みのない俳優が出たり入ったりだとプロットが追えなくてややこしいが、いくら群像劇でもキイパーソンはいるわけですから、それが誰かを捉えることです。ラウル・アレバロ(『マルティナの住む街』)、フアン・ディエゴ・ボトー(『フリアよみがえり少女』)、マルタ・エトゥラ(『プリズン211』)、そのほか今年の「マラガ賞」受賞者アントニオ・デ・ラ・トーレもクレジットされています。
ダニエル・グスマン”A cambio de nada ”*マラガ映画祭2015 ④ ― 2015年04月12日 18:17
コンペティション第2弾
★オフィシャル・セレクション13作品のなかで賞に絡みそうなダニエル・グスマンのデビュー作“A cambio de nada”のご紹介。ワーナー・ブラザーズが配給元になり早くも5月8日のスペイン公開が決まっています。
“A cambio de nada” ダニエル・グスマン 2015 スペイン 114分 悲喜劇
製作:La Competencia / El Nino produccioners / Ulula Films / La
Mirada Oblicua
y Zirco Cine ほか
監督・脚本:ダニエル・グスマン
キャスト:ミゲル・エラン(ダリオ)、アントニオ・バチジェル(ルイスミ)、ルイス・トサール(ダリオの父)、マリア・ミゲル(ダリオの母)、アントニア・グスマン(アントニア)、フェリペ・ガルシア・ベレス(フスト‘カラリンピア’)、パトリシア・サントス、ミゲル・レジャン、フェルナンド・アルビス、マノロ・カロ、ルイス・サエラ、ロベルト・アルバレス、ほか

(バイクで疾走するダリオと親友ルイスミ、映画から)
解説:マドリードの労働者地区で暮らす16歳の若者ダリオの物語。両親の別居でダリオは辛い日々を送っている。ルイスミは近所に住んでいる無二の親友。二人は盗んできたバイクの部品を落ちぶれた工場の経営者フスト‘カラリンピア’に売りつけている。見た目はこの界隈の成功者だが幸せとは言えない人生を送っている。ダリオは「棘の家」を逃れて.‘カラリンピア’の工場で働き始める。間もなく物忘れがひどくなっている年老いたアントニアと親しくなる。捨てられた家具を拾い集めて「蚤の市」で売っている。それぞれ自身の不幸には蓋をして一日一日を生き延びている。やがてダリオ=ルイスミ=アントニア=カラリンピア4人の三世代からなる疑似家族が大都市マドリードの片隅で始まる「ひと夏の物語」。

(左から、ミゲル・エラン、ルイス・トサール、マリア・ミゲル)
監督紹介&フィルモグラフィー:ダニエル・グスマン Daniel Garcia-Pérez Gusmán:1973年マドリード生れ、俳優、監督、脚本家。早くから演劇を学び1989年の“Sueño de una noche”で初舞台を踏む。TVドラマ“Colegio Mayor”(1995)でデビュー、俳優としてのキャリアは長い。よく知られるようになったのは、TVシリーズ“Aquí no hay quien viva”(2003~06アンテナ3)の75話に出演してから。フェルナンド・テヘロのように、このTVシリーズをジャンプ台にして有名になった俳優は数多い。
*映画デビューはイシアル・ボリャインのデビュー作“Hola, ? estás sola ?”(95)、他にマリアノ・バロッソの“Extasis”(96)、フェルナンド・レオンの“Barrio”(98)にバルのボーイとしてカメオ出演している。セサル・マルティネス・エラーダの“Cuando todo esté en orden”でマラガ映画祭2003の最優秀男優賞を受賞、ほかに“Extasis”ではスペイン俳優組合賞の新人男優賞にノミネートされた。現在も俳優として舞台、TV、映画を掛け持ちしている。
*監督歴:2003年に撮った短編“Sueños”がいきなりゴヤ賞2004短編映画賞、バリャドリード映画祭の短編映画部門で「金の穂」賞、トゥールーズ・スペイン映画祭スペシャル・メンションなどを受賞する。他にドキュメンタリー “Mar de fondo”、短編“Inseguridad”、“Takeando”など。
トレビア:長編デビュー作、監督の自伝的な要素が含まれているようだが、ユーモア、楽観主義、喜び、痛みが溢れている悲喜劇。全く演技経験のないミゲル・エランとアントニオ・バチジェルの二人の青年、監督の実の祖母さんアントニア・グスマンを起用して、ルイス・トサール、マリア・ミゲル、フェリペ・ガルシア・ベレス、ミゲル・レジャンなどのベテラン勢が脇を固めている。構想9年、脚本に5年、プロジェクトを立ち上げ資金調達に奔走、撮影準備に3カ月、マドリードの数か所で6週間かけて撮影された。9年越しの「夢」がようやく叶えられた。

(撮影中の祖母アントニアと孫のグスマン監督)
*若いころは‘Tifon’(台風)のペンネームで湾岸戦争などに抗議する反戦絵画を描いていた。またスポーツマンでもあり、2005年にレオン市で開催された赤十字社チャリティー・ボクシング大会にプロの選手としてデビューしている。その後フアン・ビセンテ・コルドバの“A golpes”(05)ではボクサー役を演じた。オートバイレーサーとしてレースに参加、慈善オートレースにも出場している。本作のダリオもバイクでマドリードを疾走する(上記写真)。

(ボクサー、ダニエル・グスマン)
*本作にはスペイン国営テレビ(TVE)、Canal
Sur(RTVA)、Canal +が参画している。
ゴンサロ・ベンダラの”Asesinos inocentes”*マラガ映画祭2015 ⑤ ― 2015年04月16日 14:02
第3弾は大学を舞台に繰り広げられるサスペンス
★既に第43回マイアミ映画祭で英題“Innocente Killers”としてプレミアされた犯罪サスペンス、映画祭ではオベーションを受けたようです。ベンダラ監督、プロデューサーのマルタ・ベラスコ、主演のマキシ・イグレシアスとアウラ・ガリードとが駆けつけた(写真下)。7月3日スペイン公開が決定しています(配給元Filmax)。

(左から、監督、M.ベラスコ、A.ガリード、M.イグレシアス マイアミ映画祭にて)
“Asesinos inocentes” ゴンサロ・ベンダラ 2014 スペイン サスペンス 95分

製作:Aralan Films S.L. 資金参加:TVE
/ Canal Sur(RTVA) / ICAA / アンダルシア評議会文化省
監督:ゴンサロ・ベンダラ
脚本(共同):J. M. Asensio / ゴンサロ・ベンダラ
キャスト:マキシ・イグレシアス(フランシスコ・ガラルダ)、ミゲル・アンヘル・ソラ(エスピノサ教授)、アウラ・ガリード(ヌリア・アブレウ)、ルイス・フェルナンデス(アンドレス・ノガレス)、ハビエル・エルナンデス(マヌエル・バジェステロス)、アルバル・ゴルデフエラ(ラファエル・サンチェス)、カルロス・アルバレス≂ノボア(ガラルダの父)、ほか

(左から、ハビエル・エルナンデス、アルバル・ゴルデフエラ、ミゲル・アンヘル・ソラ、
ルイス・フェルナンデス、マキシ・イグレシアス、映画から)
解説:やる気のない大学生フランシスコ・ガラルダの物語。フランシスコはこの界隈の曰くありげな工場主に多額の借金をしており、脅迫まがいの返済を迫られている。手元は不如意なうえ学位試験も不合格で窮地に追い込まれている。そんな折りもおり、謎めいた心理学教授エスピノサから学位授与と借金返済の肩代わりと引き換えに「ある仕事」を提案される。ある仕事とは何と教授自身の殺害要請、サンフランシスコは即座に拒絶する。がしかし借金取りに追い詰められ出口なしのサンフランシスコは、クラスの三人の仲間を巻き添えにして危うい方向へ転がっていく。
*監督紹介&フィルモグラフィー*
ゴンサロ・ベンダラ Gonzalo Bendala は、1978年セビーリャ生れ、監督、脚本家、製作者。2004年プロデューサーのマルタ・ベラスコと製作会社 Aralan Films を設立する。短編“Días rojos”(04)、短編シリーズ・ドキュメンタリー“La Guerra Civil en Andalucía”(06)、同“Colón al descubierto”(07)、短編“Penunbra 3D”(11)、今回初の長編映画となる“Asesinos
inocentes”を撮る。製作者としては、短編“Espagueti Western”(2007)、同“La leyenda del ladrón del Arbol de los Colgados”(09)、長編“Los niños salvajes”(12)などをAralan Filmsで製作した。現在は長編第2作目となるスリラー“Cuando los ángeles duermen”を準備中。

(本作撮影中のゴンサロ・ベンダラ監督)
★トレビア
*心理学教授エスピノサ役のミゲル・アンヘル・ソラ(1950ブエノスアイレス)はアルゼンチンの俳優、スペインとの合作映画にも多く出演している。劇場公開された出演作品には、フェルナンド・E・ソラナスの『タンゴ―ガルデルの亡命』(85)と『スール その先は・・愛』(88)、カルロス・サウラの『タンゴ』(1998、西≂アルゼンチン)など。他に『オフィシャル・ストーリー』(85)で初めてアルゼンチンにオスカー賞をもたらしたルイス・プエンソの『娼婦と鯨』(05、西≂アルゼンチン、未公開、DVD発売)にも出演している。最近はTVのシリーズドラマの出演が多く、“Atreverse”(1990~92、Telefé)で念願のマルティン・フィエロ賞を1990年と1991年連続受賞している。海外を含めて映画祭での受賞歴は数えきれないが、評価が高かった“Casa de fuego”(94 アルゼンチン)や“Fausto 5.0”(01 西)は未公開です。舞台俳優でもある。

(若い恋人ミア・マエストロとミゲル・アンヘル・ソラ 『タンゴ』より)
*フランシスコ・ガラルダ役のマキシ・イグレシアス Maxi Iglesias(Maximiliano Teodoro Iglesias
Acevedo)は、1991年マドリード生れの24歳、俳優、モデル、テレビ共同制作者。2005年テレシンコの人気テレドラ・シリーズ“Hospital Central”でデビュー、同年TVEの長寿テレドラ“Cuéntame cómo pasó”にも出演したが、彼をお茶の間の人気者にしたのは“Física o químico”(2008~11、アンテナ3)の主役セサル・カバノ役、57話に出ている。2014年から同じアンテナ3の新シリーズ“Volver”にも主役で出演している。映画ではお茶の間のアイドル総出演となったアルフォンソ・アルバセテ他の“Mentiras y gordas”(09)に出演(邦題『セックスとパーティーと嘘』としてラテンビート2009上映)、本作は「映画はDVDかテレビ放映と決めていた若者たちを映画館に呼び戻した」と話題になった作品。若者をターゲットにした雑誌“¡ QMD !”(¡ Qué Me Dices !)のモデルをしている。マリオ・カサスやウーゴ・シルバの次世代のヒーローとなれるか。

(TVドラ“Física
o químico”でのマキシ・イグレシアス)
*アウラ・ガリードAura Garrido は、1989年マドリード生れ。オリオル・パウロのスリラー『ロスト・ボディ』(12、翌年公開)やロドリーゴ・ソロゴイェンの“Stockholm”(13)に出演している。以下の記事は“Stockholm”紹介の折りに経歴をアップしたものコチラ⇒2014年6月17日
★父親は作曲家で指揮者、母親は画家、母方の祖母と叔母はオペラ歌手だったという芸術一家の出身。4歳からピアノ、5歳でバレエ、女優の道をまっしぐらに歩んできた。テレドラ・シリーズ“De repente, los Gómez”(09)でデビュー、映画初出演のフアナ・マシアスの“Planes para mañana”(10)でゴヤ賞2011の新人女優賞にノミネート、他マラガ映画祭助演女優賞とスパニッシュ・シネマ・ムルシア・ウイークでパコ・ラバル賞を受賞している。ハビエル・ルイス・カルデラの“Promoción fantasma”(12)は『ゴースト・スクール』の邦題で、「スクリーム・フェスト・スペイン2013」ミニ映画祭で上映された。オリオル・パウロの“El cuerpo”(2012、邦題『ロスト・ボディ』)にも出演、本作での演技が認められ「ビルバオ・ファンタスティック映画祭2013」で新人に与えられるFantrobia賞を受賞。“Stockholm”では、マラガ映画祭2013で最優秀女優賞を受賞しており、マラガは縁起の良い映画祭。

(Stockholm”でのアウラ・ガリード)
バーニー・エリオット”La deuda”*マラガ映画祭2015 ⑥ ― 2015年04月19日 23:28
第4弾“La deuda”のテーマは「金と権力と貧困」
★“La deuda”のオリジナル・タイトルは“Oliver’s Deal”、言語は英語ですが、既にスペイン公開が5月15日に決定しているらしく吹替え版で見ることになるようです。マラガ映画祭はサンセバスチャンやシッチェスのような国際映画祭ではなくスペイン語映画に特化しているので、監督がアメリカ人、オリジナル版が英語というのは珍しいケースだと思います。前回に続いて本作も長編デビュー作、新人監督にしては大物俳優を揃えることができました。監督の興奮ぶりはキャスト紹介の監督コメントに入れました。
“La
deuda”(“Oliver’s Deal”) バーニー・エリオット 2014 西=米=ペルー
スリラー 99分
製作:Arcadia Motion Pictures(西) / Atlantic Pictures(米) / Viracocha Films(ペルー) / 他
監督・脚本:バーニー・エリオット
キャスト:スティーヴン・ドーフ(オリバー)、アルベルト・アンマン(リカルド・シスネロス)、カルロス・バルデム(ルーベン・カラベド)、デヴィッド・ストラザーン(ネイサン)、ブルック・ラングトン(ケイト)、ルチョ・カセレス(セロン医師)、ハビエル・バルデス(セニョール・ロペス)、ヘスス・アランダ(マリオ)、ニディア・ベルメホ(ロシオ)、リリアナ・トルヒーリョ(サンドラ)、デルフィナ・パレデス(グロリア)、パコ・バレラ(刑事)他

(左から、S.ドーフ、A.アンマン、C.バルデム、D.ストラザーン スペイン語版ポスター)
解説:異なった二つの国アメリカとペルー、国際金融取引を背景に異なった階級に属する男たち、一攫千金を夢見るハゲタカたちが激しく交錯する骨太な政治ドラマ。オリバーは野心満々のアメリカの実業家、彼の昔からの友人ペルー人のリカルドと一緒にある契約をまとめるつもりである。二人はかつてペルー政府が住民と交していた古い今では忘れられてしまっているある負債を悪用する計画を立てる。オリバーとリカルドは、ペルー山地の村パンパカンチャの土地が思いがけずかなり価値があることに気づく。しかしそこに農民たちの厳格な族長と大土地所有者のカラベドが立ちはだかることになる。二人ともそれぞれ自身の計画を持っていたからだ。

(オリジナル版“Oliver’s Deal”のポスター オリバー役のS.ドーフ)
*監督紹介&フィルモグラフィー*
★バーニー・エリオット Barney Elliott:2000年5月、サンフランシスコ大学メディア・コミュニケーションを卒業、その後イギリスに渡り、2003年に「ロンドン・フィルム・スクール」修士課程映画監督科を卒業。卒業後、The Art and Technique of Filmmakingで働く。監督、製作者、カメラ技師、編集者としてフィルムとビデオ両方のフォーマットづくりに取り組んだ。フィルム・スクール時代からフリーランスの編集者としてコマーシャル、ドラマ、ドキュメンタリーを手掛けており、ロンドンで仲間と共同でプロダクションAgile Films Ltd. を設立する。
*2006年、短編デビュー作となる“True Colours”(2007、英語)製作のためAgile Films Ltd.を離れる。本作は2007年1月のアンジェ映画祭(仏)で短編監督第1作に与えられる特別審査員賞を受賞する。その後90あまりの映画祭で上映、数々の受賞を果たす。「若手監督のパライソ」と称されるカンヌ映画祭の資金援助財団「シネフォンダシオン」に選ばれ、パリに5ヵ月間(2007年10月~翌年2月)滞在して“La deuda”の脚本を書くことができた。その他、ペルーで短編“Ultimo recurso”(2010、西語、9分)を撮る。バーニーは妻子と2009年10月よりペルーのリマで暮らしている。妻のバレリア・ルイスValeria Ruiz Elliott はペルーの若手監督の一人。

★トレビア
*スペイン公開は、最初4月24日とアナウンスされていましたが、配給元Alfa Picturesの関係で5月15日に変更になりました。これもあくまで予定です。
*撮影はニューヨーク、ペルーの首都リマと中央高地にあるワラス州(Huaraz / Waraq ケチュア語で‘夜が明ける’)で行われた。美しいワラスの風景も一つの見どころのようです。
*映画製作も御多分にもれず多国籍企業化して久しいが、アメリカとペルーの接点がなかなか見えてこなかったのですが、奥さんがペルーでも注目の若手監督の一人バレリア・ルイスと分かってやっと繋がりました。彼女のほうが人生においても監督としても先輩です。いずれ当ブログにも登場させる機会がくると思います。ペルーは映画後進国と言えますが、若手が欧米の映画学校に学びに出掛けており、サンセバスチャン映画祭でも高評価の作品が上映されるようになっています。このバーニー=バレリアのカップルも出会いはヨーロッパでした。
*キャスト紹介*
◎オリバー役のスティーヴン・ドーフ Stephen Dorff は、1973年ジョージア州アトランタ生れのアメリカの俳優。1985年デビュー、1994年イアン・ソフトリーの『バック・ビート』に主役スチュアート・サトクリフに抜擢される。1998年スティーヴン・ノリントンの『ブレイド』で悪役を演じた。吹替え版で放映もされ、DVDも発売されている。
*エリオット監督談「私の長編デビュー作に彼のような俳優が出演してくれたなんて本当にラッキーの一言です。電話で何度も打ち合わせに応じてくれ、私にチャンスを与えてくれた」

◎リカルド役のアルベルト・アンマン Alberto Ammann は、1978年アルゼンチンのコルドバ生れ、俳優。ダニエル・モンソンの『プリズン211』の新任看守役でゴヤ賞2010の新人男優賞を受賞した。生後1ヵ月で家族と共に軍事独裁を逃れてスペインに亡命する。父ルイス・アルベルト・アンマンはジャーナリスト、政治家で作家でもあり、民主化なった1982年帰国する。しかし数年後勉学のためスペインに戻り、フアン・カルロス・コラッサの演劇学校で俳優としての演技を学んだ。2008年TVシリーズ“Plan America”に出演、映画デビューは前述の『プリズン211』、他にキケ・マイジョの『EVA エヴァ』(ラテンビート2012上映)、ダニエル・カルパルソロの“Invasor”(12)など。

◎カラベド役のカルロス・バルデム Carlos Encinas Bardem は、1963年マドリード生れ、俳優、脚本家、作家。女優ピラール・バルデムと父ホセ・カルロス・エンシナス(1995没)の長男、オスカー俳優ハビエルは弟。1955年カンヌで国際批評家連盟賞を受賞した『恐怖の逢びき』の監督フアン・アントニオ・バルデムは伯父(2002没)。マドリード自治大学で歴史学を専攻。小説を既に数冊出版しており、1999年、“Muertes
Ejemplares”でナダル賞の審査員特別メンションを受けている。2010年にダニエル・モンソンの『プリズン211』(2009)のアパッチ役で助演男優賞にノミネート、同作でスペイン俳優組合賞、シネマ・ライターズ・サークル賞、他を受賞しています。
*本作についての記事はコチラ⇒2014年2月2日
*エリオット監督談「スペインにルーベン・カラベド役を探しに出掛けたとき、何人かに接触した。その後カルロスに会い、5分後にはもう彼に決めていた。魅力的なだけでなくポジティブでカラベドにぴったりだったし、何よりも役柄の理解が素早かったからね」

◎ネイサン役のデヴィッド・ストラザーン David Strathairn は、1949年サンフランシスコ生れのアメリカの俳優。1997年カーティス・ハンソンの『L.A. コンフィデンシャル』で脇役だが渋い演技を披露した。毎年一度はどこかで放映されていますね。2005年『グッドナイト&グッドラック』でベネチア映画祭ベスト男優賞を受賞、オスカー賞にもノミネートされた。
*エリオット監督談「カメラを前にしてもステージに立っても動じないのは、もはや語り草になっているけれど、何よりも高潔で親切、少しも偉ぶらない謙虚な紳士です」

ホナス・トゥルエバ”Los exiliados romanticos”*マラガ映画祭2015 ⑦ ― 2015年04月23日 14:37
トゥルエバ一家の期待を背負って「青春の夢を叶える」映画を撮る
★もたもたしているうちに去る17日、既に映画祭は開幕してしまいましたがマイペースで。ホナス・トゥルエバは、父フェルナンド、母クリスティナ・ウエテ、叔父ダビ、それぞれ全員ゴヤ賞受賞者とスペイン映画界でも指折りの毛並みの良さを誇っています。父親は既にオスカー監督、『ふたりのアトリエ~ある彫刻家とモデル』がラテンビート2013で上映されたのを機に初来日しております。母親はトゥルエバ作品を一手に引き受けている辣腕プロデューサー、叔父は“Vivir es fácil con los ojos cerrados”で昨年念願のゴヤ監督賞他を受賞しました。
*フェルナンド・トゥルエバの記事はコチラ⇒2013年
*クリスティナ・ウエテの記事はコチラ⇒2014年1月12日/2月13日
*ダビ・トゥルエバの記事はコチラ⇒2014年1月30日/2月6日

“Los exiliados románticos” ホナス・トゥルエバ 2015 スペイン 青春ドラマ 70分
製作:Los Ilusos Films
監督・脚本:ホナス・トゥルエバ
キャスト:ビト・サンス、フランセスコ・カリル、ルイス・E・パレス、レナタ・アントナンテ、イサベル・ストフェル、ミレン・イサ、バイナ・ジオカンテ
解説:これといった動機もなく三人の若者は冒険旅行に着手する。ある者は青春最後の背水の陣を敷こうじゃないかと言うが、一方他の者は男性性の衰退を嘆いている。つまりそれほど重要とは思えないことどもだ。そうこうするうちに、彼らは彼ら自身も驚くような或るミッションをもった快い束の間のアモールに遭遇、それは彼らに生きる喜びを感じさせるだろう。
★監督紹介&フィルモグラフィー
*ホナス・トゥルエバ Jonás Rodriguez Huete は1981年マドリード生れ、監督、脚本家、俳優。叔父ダビ・トゥルエバの“La buena vida”(96)に高校生に扮して出演。2000年、ホナス・グローチョの名前で短編コメディ“Cero en conciencia”(14分)で監督・脚本家デビュー。以後脚本家としてビクトル・ガルシア・レオンの“Más pena que Gloria”(2000)と“Vete de mí”(05)に監督と共同執筆(当時の恋人がバルバラ・レニー、長編第1作に出演している)、父フェルナンドの“El baile de la Victoria”(09)でも脚本を父と共同執筆し、ゴヤ賞の脚色賞に親子でノミネートされた。本作は「スペイン映画祭2009」で『泥棒と踊り子』の邦題で上映され、その後アカデミー賞スペイン代表作品にも選ばれた。リカルド・ダリンとアリアドナ・ヒルが出演していた。日刊紙「エル・ムンド」のブログに映画評を執筆、監督と‘Dirección Cinematográfica’の教師の仕事を両立させている。

(“Los
ilusos”撮影中の監督)
★監督・脚本を手掛けたのは:
2010
“Todos las canciones hablan de mí”第1作、コメディ、ゴヤ賞新人監督賞ノミネーション
2013 “Los ilusos”第2作、サンセバスチャンやロンドン映画祭上映、トゥルーズ(スペイン)映画祭で「金のバイオレット」賞を受賞ほか、ノミネーション多数
2015“Los exiliados románticos”第3作、マラガ映画祭2015正式出品
★トレビア
*Los Ilusos Filmsは、監督自身が設立した製作会社、第2作を撮るために起ち上げた。ということは母親が代表者の「フェルナンド・トゥルエバP.C.S.A」を頼らないことにしたわけだから、これはなかなかいいね。監督によれば「軽妙なタッチが見どころの映画を作りたかったが、登場人物も取り巻く状況も重苦しい。肩の凝らない、ドラマチックな展開も盛りこまず、見せかけだけの期待も持たせず、だってそれが人生だからね。少なくとも人生の断片を描こうとしていたら、これは友情についての映画を作っていたことに気づいたんです」と。
*ロドリーゴ・ソロゴイェンの“Stockholm”(13)や、ホルヘ・ナランホの長編デビュー作“Casting”(13)と似通ったテーストの青春友情ドラマのようです。昨夏12日間で撮影したローコスト作品ながら、夏公開も決定しています。
*“Stockholm”はマラガ映画祭2013で監督賞他を受賞した作品。webで資金援助を呼び掛け、集まった資金で製作した。作品紹介記事はコチラ⇒2014年6月17日
*“Casting”もマラガ映画祭2013に正式出品、複数で男優賞・女優賞を受賞したコメディ。

*若者3人のプロフィール:ビト・サンスVito Sanz は“Los ilusos”に脇役で出演、トゥルエバ作品は2度目、他に短編やTVドラにも出演している。今回初めて主役の一人に選ばれた。

フランセスコ・カリル Francesco Carril は“Los ilusos”の主役に起用され、期待に応えてブエノスアイレス・インディペンデント・シネマフェスティバル2013とトゥルーズ・シネエスパーニャでベスト男優賞を受賞している。

ルイス・E・パレス Luis E. Parésは、ルイス・ロペス・カラスコの“El futuro”(13)に脇役で出演、共同脚本にも加わっている。共演者イサベル・ストフェル Isabelle Stoffelは、“Los ilusos”や“Todos las canciones hablan de mí”などトゥルエバ作品に出演している。

『雑魚』のコンビ監督の第2作*マラガ映画祭2015 ⑧ ― 2015年04月26日 17:43
『雑魚』の監督アンドレス・ルケ&サムエル・マルティン・マテオス
★2009年、両監督が初めてタッグを組んで撮った“Agallas”は未公開ですが2010年にDVDが発売されました。邦題『雑魚』はそのときのもの。『時間切れの愛』の主役カルメロ・ゴメスとTVドラのお茶の間アイドルから早く抜け出したいウーゴ・シルバが共演したスリラー仕立てのブラック・コメディ。ルケ監督はボーイ役、マテオス監督は司祭役で二人揃って俳優デビューを果たした(笑)。共作第2弾“Tiempo sin aire”はコロンビアとの合作、前世紀から延々と続いていた複雑なコロンビア内戦が背景にあります。アルベルト・アルベロの『解放者ボリバル』(ラテンビート2014)出演のフアナ・アコスタと久々に主役を演じたカルメロ・ゴメスの共演に惹かれてご紹介する次第です。

“Tiempo sin aire” アンドレス・ルケ&サムエル・マルティン・マテオス 西=コロンビア
2015 撮影地カナリア諸島テネリフェ スペイン公開4月30日決定
製作:Tornasol
Films / Zebra Producciones / Hernández y Fernández 参画TVE 他
監督・脚本(共):アンドレス・ルケ&サムエル・マルティン・マテオス
共同脚本:ハビエル・エチャニス、フアン・ヒル・ベンゴア
キャスト:フアナ・アコスタ(マリア)、カルメロ・ゴメス(ゴンサロ)、フェリックス・ゴメス(イバン)、アドリアナ・ウガルテ(ベロ)、フアン・パブロ・シュク(フェレール)他

(左から、F.ゴメス、J.アコスタ、C.ゴメス、A.ウガルテ マラガ映画祭にて)
解説:マリアはコロンビア人の看護師、かつて一人娘を3人のパラミリタールに殺害された。ここサンタ・クルス・デ・テネリフェに隠れ住んでいるらしい暗殺者を見つけ出し復讐するため、小さな息子を連れてコロンビアからやってきた。入手できた一枚の顔写真には「イバン」と書かれていた。ゴンサロは学校の心理学者、マリアと知り合った日に人生が一変する。絶え間ない追い立てられるような探索にマリアと共に巻き込まれていく。そんなこととは知らないイバンと恋人のベロはカナリア島の中心都市で暮らしていたが、二人の人生はまさに永遠に変わろうとしていた。
★監督紹介&フィルモグラフィー
*アンドレス・ルケ Andrés Luque Péresは、ドキュメンタリー製作者、監督、脚本家。フェリックス・フェルナンデス・デ・カストロのドキュメンタリー“Maria y yo”(2010)、イサキ・ラクエスタの同“El cuaderno de barro”(2011)、アルベール・カサルスの同“Món petit”(2012“Mundo pequeño”)などを共同製作している。3作ともゴヤ賞のドキュメンタリー賞やプロダクション賞にノミネーションされている。当ブログでは“Món petit”が2014「長編ドキュメンタリー賞」部門にノミネートされたとき、作品・監督紹介をしております。監督デビュー作は上記の“Agallas”、本作は第2作目になる。

(アコスタ、マルティン・マテオス、アンドレス・ルケ マラガ映画祭記者会見にて)
*サムエル・マルティン・マテオス Samuel Martin Mareosは、監督、脚本家。監督デビューは上記の“Agallas”、本作が第2作目となる。他にTVドラのシリーズものや、1995年から始まったTVEの“Gente”
という長寿インタビュー番組のホスト役を1996年までしていた。ゲストの多くはシネアストで、そういう関係で映画人に知己が多い。
(デビュー作“Agallas”当時の両監督、2009年)
★キャスト紹介
*フアナ・アコスタJuana Acostaは、1976年コロンビアのカリ生れ、女優。コロンビアでは女優としての地位を確立している。パートナー(あるいは夫)エルネスト・アルテリオ(1970ブエノスアイレス)との間に8歳の娘がいる。1998年セルヒオ・カブレラの“Golpe de estadio”のチョイ役で映画デビュー、代表作にラウル・ガルシア“Kalibre 35”(2000コロンビア)、カルロス・モレノ“El cartel de los sapo”(11コロンビア)、アルベルト・アルベロの“Libertador”(12)は『解放者ボリバル』の邦題でラテンビート2014で上映された。2005年ごろからスペイン映画に出演、エミリオ・マルティネス≂ラサロの“Los 2 lados de la cama”(『ベッドサイド物語』スペイン映画祭2008上映)を皮きりに両国で幅広く活躍(本作にはエルネスト・アルテリオが出演している)。

(最近のフアナ・アコスタとエルネスト・アルテリオ 2015年)
*カルメロ・ゴメスCarmelo Gómez Celadaは、1962年レオン県のサアグン生れ、俳優。最初サラマンカへ移住して3年間、舞台俳優の仕事に専念、クラリンの代表作『裁判官夫人』(“La Regenta”)などの舞台に立つ。その後マドリードに出て、演技学校Escuela de Arte Dramático に入学、その後Compañia Nacional de Teatro Clásicoへの加入を許可された。
*映画デビューはフェルナンド・フェルナン・ゴメスの“El viaje a ninguna parte”(86)、フェルナンド・コロモのコメディ“Bajarse al moro”(88)に小さい役で出演した。フリオ・メデムのバスク三部作の第1部『バカス』(91“Vacas”)、第2部『赤いリス』(93)、第3部『ティエラ―地』(96)、3作ともエンマ・スアレスと共演、日本の観客を魅了したのは劇場公開されたイマノル・ウリベの『時間切れの愛』(94)でしょう。同監督の『キャロルの初恋』(02)も第1回ラテンビート上映後、劇場公開された。ピラール・ミロの『愛の虜』(96)、モンチョ・アルメンダリスの『心の秘密』(97)、アントニオ・ホセ・ベタンコルの『マラリア』(98)、マヌエル・ゴメス・ペレイラの『スカートの奥で』(99)エトセトラ、彼ほど公開、映画祭上映、ビデオ発売、テレビ放映の違いはあるが、日本語字幕入りで見られた俳優はそう多くない。
*『時間切れの愛』でゴヤ賞1995主演男優賞、マルセロ・ピニェイロの“El método”でゴヤ賞2006助演男優賞を受賞した他、『愛の虜』で主演男優賞、ゴンサロ・スアレスの“El portero”(00)で助演男優賞にノミネートされている。その他受賞歴多数につき割愛。

(『時間切れの愛』のシーンから)
*ヘラルド・エレーロの青の旅団をテーマにした“Silencio en la nieve”(11)に出演後、エレーロ作品に連続出演しておりますが、そろそろ振り出しに戻って舞台に専念したいと「エル・ムンド」のインタビューに答えている。一人娘ラウラ(21歳)が女優志願、これについて「自分としては打つ手がない」と親心をのぞかせていました。どこの家も「親の心子知らず」です。
★関連記事・管理人覚え
“Món petit”の記事はコチラ⇒2014年1月19日
『解放者ボリバル』の記事はコチラ⇒トロント映画祭2013年9月16日/2014年10月27日
“El método”の記事はコチラ⇒2013年12月19日
マラガ映画祭2015*結果発表 ― 2015年04月27日 14:16
★長編オフィシャル・セレクションの結果が発表になりました。審査員は総勢7人、ジュディス・コレル(審査員長)、ナタリエ・ポサ、マヌエラ・ベラスコ、ウナックス・ウガルテ、サンティ・アモデオ、パウ・エステベ・ビルバ、パトリック・ベルナベ。

“A cambio de nada” ダニエル・グスマン (⇒4月12日アップ)
*特別審査員賞(銀賞)
“Los exiliados románticos” ホナス・トゥルエバ (⇒4月23日アップ)
ダニエル・グスマン “A cambio de nada”

(トロフィーを手に、授賞式にて)
*最優秀女優賞(銀賞)
ナタリア・デ・モリーナ “Techo
y comida” 監督:フアン・ミゲル・デル・カスティージョ

(涙が止まらないナタリア・デ・モリーナ、授賞式にて)
*最優秀男優賞(銀賞)
エルネスト・アルテリオ “Sexo
fácil, películas tristes” 監督:アレホ・フラのデビュー作
エルサ・オリベロ “La
deuda (Oliver’s Deal)” (⇒4月19日アップ)
*最優秀助演男優賞(銀賞)
アントニオ・バチジェル “A cambio de nada”
*最優秀脚本賞(銀賞)
バーニー・エリオット “La
deuda (Oliver’s Deal)”
*オリジナル・サウンドトラック賞(銀賞)
Tulsa “Los exiliados románticos”
マルク・ゴメス・デル・モラル “Requisitos para ser una persona normal”
監督:レティシア・ドレラ
*最優秀編集賞(銀賞)
ダビ・ガジャルト “Requisitos
para ser una persona normal”
*最優秀新人脚本家賞(銀賞)
レティシア・ドレラ “Requisitos para ser una persona normal”デビュー作です。
★審査員長のジュディス・コレルは、バルセロナ生れの監督、ニューヨーク大学で映画を学んでいる。主にカタルーニャ語で映画を撮っており、短編“Escrito en la piel”(1995)がゴヤ賞短編部門で受賞、他に代表作は“Elisa K”(2010)、最新作はノラ・ナバスをヒロインにした“El ultimo balle de Carmen Amaya”(2014)。ジローナ大学他で教鞭をとっている。スペイン映画アカデミーの前副会長を務めていた。
★受賞作のうち“Techo y comida” “Sexo fácil, películas tristes” “Requisitos para ser una persona normal”の3作は時間切れで未紹介、いずれと思っています。“Techo y comida”で女優賞受賞のナタリア・デ・モリーナはダビ・トゥルエバの“Vivir es fácil con los
ojos cerrados”で昨年ゴヤ賞新人女優賞を貰ったばかり、本作では息子のいる母親役でした。男優賞エルネスト・アルテリオはフアナ・アコスタ(“Tiempo sin aire”主演)と赤絨毯を踏みましたが、夫婦でダブル受賞は逃しました(笑)。 レティシア・ドレラは監督・脚本・主演とちょっと驚きです。短編数本を撮った後に、今回長編デビューを果たしました。

(赤絨毯に現れたフアナ・アコスタとエルネスト・アルテリオ)
*観客賞(銀賞)
審査員はコンペティションとは別の、グレゴリオ・ベリンチョン、ホセ・フェルナンデス、マリア・ゲラ、ヨランダ・フローレスの4人。
◎ダニエル・グスマンの“A cambio
de nada”
◎ホナス・トゥルエバの“Los
exiliados románticos”特別メンション
*作品賞と観客賞が重なるのは珍しいケースか。結果的にはグスマンとトゥルエバが大賞を受賞して幕が下りました。
*他にドキュメンタリー、ZONAZINE、ラテンアメリカ部門などマラガはセクションが多く、それぞれに
受賞作が発表になっておりますが割愛ですね。

(“Techo y comida”ナタリア・デ・モリーナ)

(“Sexo fácil, películas tristes”キム・グティエレス、マルタ・エトゥラ)

(“Requisitos
para ser una persona normal”レティシア・ドレラ)
最近のコメント