ニューディレクターズ部門14作ノミネート発表*サンセバスチャンFF26 ⑦2026年08月07日 17:26

       クチャバンク賞を競うニューディレクターズ部門全14作のノミネート発表

 

       

 

730日、ニューディレクターズ部門の全14作が出揃いました。この部門はデビュー作を含む2作めまでが対象で、クチャバンク新人監督賞には50.000ユーロが副賞として授与されます。既にスペインが主製作国の映画3作が発表になっており、ラテンアメリカ諸国(メキシコ、チリ)、アジア(日本、韓国、台湾、イラン、カザフスタン)、ヨーロッパ(ドイツ、ノルウェー、イギリス、ブルガリア、ウクライナ)が各1作ずつノミネートされています。スペイン語映画を中心に以下5作を紹介いたします。

 

         ニューディレクターズ部門(スペイン映画)

 

1)El mal hijo / The Bad Son

オープニング作品

データ:製作国スペイン、2026年、スペイン語、ドラマ、106

監督・脚本ハイメ・ロレンテ(ムルシア1991)、共同脚本サルバドール・S ・モリーナ、撮影エリアス・M・フェリックス、音楽ルイスミ・グレス・ベドマル、編集レヒノ・エルナンデス

キャスト:ウーゴ・アルブエス(ルーベン)、ミゲル・アンヘル・プーロ(父)、スシ・サンチェス(祖母パスクアラ)、オスカル・デ・ラ・プエンテ(伯父ファンジ)、アベル・デ・ラ・プエンテ(少年時代ルーベン)、ナイアラ・カルモナ(母)

ストーリー11歳のルーベンの父親が謎の失踪をして、少年はほとんど会ったことのない祖母と暮らため引っ越さねばなりません。時が止まったかのような田舎の環境で、子供は家族の傷が代々受け継がれていることを学び、成長する過程で傷を癒そうと努力するだろう。

 

  

  

            (ミゲル・アンヘル・プーロ、アベル・デ・ラ・プエンテ)

 

  

     (ハイメ・ロレンテ監督)

 

   

   

2)「Bloques erráticos / Erratics」(仮題「不規則なブロック」)

データ:製作国チリ=フランス=ドイツ、2026年、デビュー作、スペイン語、ドラマ、ファンタジー、92分、ロッテルダム映画祭2026でプレミア

監督・脚本トマス・ウッドロフ(サンティアゴ1995,監督、脚本家)、エリアス・ケレヘタ・シネ・エスコラの映画アーカイブコース修了、短編「Fiebre austral」がSSIFF2019ネスト部門の特別賞を受賞、ベネチアFFオリゾンティ、トロントFF短編部門で上映された。共同脚本ヴァレリア・ホフマンアントニオ・ルコ、撮影エミリア・マルティン、製作者パスクアル・メナ、ロドリゴ・ディアス

キャスト:デニス・ラヴァン(リシュアン)、ダニエル・ムニョス

参加者:フランチェスカ・ボッツァーノ(シネマテーク・ドゥ・トゥールーズのコレクション責任者)、ドミニク・ルグピル(フランス国立科学研究センター、作家)、レイナルド・カロ(俳優)、ドミンガ・ソトマヨール(チリの監督)、フェリペ・ガルベス(チリの監督)

ストーリー100年間パタゴニアの氷河に閉じ込められた後、自らを解放した映画監督リュシアン・カステルノーの亡霊は、未来のパタゴニアを彷徨います。そこは技術の進歩が忘れられた物語と激しく衝突しています。彼の映画遺産が見られずにいるあいだ心が休まらず、記憶から消し去られた世界を横断して、歴史のなかの場所と観客を求めて、遂に失われた作品を生き返らせる。

 


   (フランスの名優デニス・ラヴァン)



(トマス・ウッドロフ監督)

  

 

  

3)「Esta soledad / This Solitude」(仮題「この孤独」)

データ:製作国スペイン、2026年、スペイン語、ドラマ、110分、単独監督デビュー作、公開20261030

監督・脚本ハビエル・ギネル(ビスカヤ県バラカルド1977)、監督、脚本家、製作者。2024年、本祭アウト・オブ・コンペティションでコメディYo,adicto / I, Addict」(TVシリーズ6話の3話)をアイトル・ガビロンドと共同監督して、特別上映枠で上映された。監督自身のビオピックで主役ハビエルをオリオル・プラが演じた。短編「El amor me quedad grande」でシネフォリア賞2016監督賞、観客賞受賞、ほか短編多数。

キャスト:オリオル・プラ(レオ)、マリナ・サラス(ロレア)、ジェンマ・マルティネス(イラティ)、カイ・エチャニス、イツィアル・ラスカノ(ロレアの母親)、フアン・ビアダス(レオの父親)

ストーリー:ビルバオ、レオとロレアは愛しあっていた。もしかしたら今も愛しあっているかもしれない。しかし二人のなかで何かが壊れてしまった。5年に及ぶ二人の関係は終わってしまった。彼は病気の父親を介護しており、その責任と重くのしかかる虚ろな感情に捕らわれている。彼女は低賃金の仕事や個人的な危機に巻き込まれ、どこから手を付ければいいのか分からず、やみくもに人生を立て直そうとしている。彼らは疲れはてた孤独な二つの体であり、不安定で、解決されない、そして全てがいつも遅れてやってくるように思える或る世代の感情的な遺産が横たわっている。例えば、愛、安定、成熟、静寂、個人的な満足感など。

Yo,adicto」の紹介記事は、コチラ⇒2024年10月09日

  

  

           (マリナ・サラス、ハビエル・ギネル監督、オリオル・プラ)

  


 

4)「Morro」(仮題「モロ」)

データ:製作国メキシコ、2026年、2作め、スペイン語、ドラマ、95

監督・共同脚本・製作者ロドリゴ・ガルシア・サイス(メキシコシティ生れ、監督、脚本家、製作者)、

短編「El hombre que murio de rumor」がアリエル賞1997ノミネート、2023年デビュー作「Lluvia / Rain」がマラガ映画祭2024でプレミア、マイアミ、モレリア、ハバナ、ロスアンゼルスなど各映画祭巡りをした。本作が長編2作めでサンセバスチャンにやってくる。音楽ラミロ・デル・レアル、撮影アルフォンソ・エレラ・サルセド、編集フェルナンダ・デ・ラ・ペサ

キャスト:グスタボ・サンチェス・パラ(獣医マテオ)、アンナ・ディアス(イサベル)、エルネスト・メレンデス(ポンチョ)、アルフォンソ・エスコベド(ダニ)、ホセ・サビノ(ロヘリオ)

ストーリー:獣医のマテオは息子が亡くなって以来、静かな悲しみのなか、譬えようもない罪悪感に満ちた人生を送っている。小さな町の暴力は、終わりのない木霊のように、そこに潜んで直ぐには目に見えない。この壊れやすいバランスは、マテオが地元のマフィアのボスの負傷した犬モロを治療することで崩れます。この動物の日常的な世話は思いがけない絆を生みだし、判断も言葉もない関係を築き、彼は人生の意味を再び取り戻すことになるだろう。

マラガFF2024ノミネート「Lluvia」の紹介は、コチラ20240304日

 

    

  

(グスタボ・サンチェス・パラとモロ)

 

   

                   (ロドリゴ・ガルシア・サイス監督)

  

 

   

5)Sieben tage februar / February, Seven Gays / Siete días de febrero」(仮題「2月の7日間」)

WIP Europa 2025

データ:製作国ドイツ=オーストリア=スペイン、2026年、デビュー作、ドラマ、ドイツ語、ロシア語、ウクライナ語

監督・脚本タチヤナ・ムチニク(ウクライナ、キーウ1988、ドイツ系ウクライナ人、監督、脚本家)、2014年、本祭ネスト部門に短編「Der letzte kuss / The Last Kiss」で参加している。短編、TVミニシリーズ(22)を手がけている。

キャスト:セルゲイ(セルヒー)・コルシコフ(アルカディ)、ヴォロディミル・ホロスニャク、マリア・シュトファ(マリナ)、アルセニ・マルコフ、モイセイ・バジジャン(グランパ・グリシャ)、ダリア・ギトブート(ダシャ)

ストーリー:ウクライナ戦争が勃発する前日のこと、ドイツのシュトゥットガルトに暮らすアルカディは、オデッサから疎遠だった兄とその息子の訪問を受けます。母親の埋葬をするためです。家族の素性についての二つの考え方の違いで対立が生じてしまいます。ロシアによる自国侵攻を背景に、ドイツで再会する兄弟の確執が語られる。

 

フォト

 

  

            (タチヤナ・ムチニク監督)