アルゼンチンのイネス・マリア・バリオヌエボの新作*サンセバスチャン映画祭2021 ⑦ ― 2021年08月02日 16:58
コンペティションにイネス・バリオヌエバの「Camila saldrá esta noche」

(主人公のカミラ)
★セクション・オフィシアルの第一陣としてアナウンスされたイネス・バリオヌエバの第4作目「Camila saldrá esta noche」は、サンセバスチャン映画祭 SSIFF コンペティション部門に初参加した3作の一つです。この朗報は「目が眩むほどでした。部屋の中をスキップして走り回りしました。”Julia y el zorro” で SSIFF に行ったことはありますが、魅了されているテレンス・デイビスと同じセクションだなんて、もうクレージーよ」と、アルゼンチンはコルドバ生れの監督は喜びを隠さない。どんな映画なのでしょうか。
「Camila saldrá esta noche / Camila Comes Out Tonight」
製作:Aeroplano Cine / Gale Cine
監督:イネス・マリア・バリオヌエボ
脚本:アンドレス・アロイ(オリジナル脚本)、イネス・マリア・バリオヌエボ
撮影:コンスタンサ・サンドバル
編集:セバスティアン・シュヤーSchjaer
音楽:リベラ・ムシカRivera Música
製作者:セバスティアン・アロイ(Aeroplano Cine)、ルイス・フェルナンド・ブスタマンテ(Gale Cine)、マルティン・ブルリッヒ
データ:製作国アルゼンチン、スペイン語、2021年、ドラマ、100分、製作費65万ドル(推定)
映画祭・受賞歴:第69回サンセバスチャン映画祭2021セクション・オフィシアル正式出品
キャスト:ニナ・ジエンブロウスキーDziembrowski(カミラ)、アドリアナ・フェレール(ビクトリア)、カロリナ・ロハス(マルティナ)、マイテ・バレロ(クララ)、フェデリコ・サック(パブロ)、ディエゴ・サンチェス
ストーリー:未熟だが激しい気性の少女カミラの物語。ブエノスアイレスで暮らす祖母が重病になり、一人娘である母親が介護することになった。カミラはラプラタのリベラルな公立高校から魅力的なレコレタ地区にある私立の伝統的なカトリック校に転校する。突然の友人たちとの別れ、シングルマザーの家庭に起きる問題に巻き込まれる。カミラの未熟だが激しい気性は、状況の急激な変化に試練を受けるが、大都会で彼女を待ち受けていた可能性と体験が組になって彼女を魅惑する。

(公立高校の友人たち、映画から)
★イネス・マリア・バリオヌエボ(コルドバ1980)は、監督、脚本家。マラガ映画祭2020のZonaZineソナチネ部門に出品されたガブリエラ・ビダルと共同監督した3作目「Lxs chicxs de las motitos」(20)が、イベロアメリカ映画賞銀のビスナガを受賞、主演のカルラ・グソルフィノが同女優賞を受賞している。長編デビュー作「Atlántida」は、ベルリン映画祭2014年のジェネレーション14plus部門と初監督作品賞にノミネート、アルゼンチン映画批評家連盟2015(銀のコンドル)のオペラ・プリマ賞にノミネートを受けている。第2作目「Julia y el zorro」はSSIFF2018(ニューディレクターズ部門)とアトランタ映画祭2019にノミネートされ、後者では撮影監督エセキエル・サリナスが特別審査員賞を受賞した。「未だコロナウイリスがなかった時だったが、今回も皆で出かけられ、一緒に映画を見られますように」と監督。

(撮影中のイネス・マリア・バリオヌエボ監督)

(デビュー作「Atlántida」のポスター)
★サンセバスチャン映画祭の朗報は7月15日にもたらされ、正式には19日に発表された。アルゼンチンのフリア・モンテソロのインタビューに「カミラはラプラタで暮らす17歳の高校生、フェミニストで行動派に設定した。オリジナル脚本はアンドレス・アロイだが、私の視点を加えて完成させた。アンドレスと一緒に猛スピードで働き、撮影は2020年の1月にクランクイン、3月に終了したときには私はへとへとでした」と応えている。思春期にある若者たちの混沌に魅了されているとも語っている。デビュー作の「Atlántida」も同じ思春期がテーマだった。

(SSIFFニューディレクターズ部門ノミネートの「Julia y el zorro」のポスター)
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