セクション・オフィシアル部門のノミネーション*サンセバスチャン映画祭2021 ③ ― 2021年07月26日 17:36
第1弾――ローラン・カンテ以下9作品のノミネーションの発表
★去る7月19日、第1弾として9作品のノミネーション発表がありました。全作揃った段階でアップ予定でしたが、選考が難航しているのか続報がありませんので、先ず9作品だけ列挙しておきます。順番は映画祭事務局の発表に従っています。ポルトガル語を含むスペイン語映画紹介ブログなので、主な作品紹介はスペイン、ラテンアメリカ諸国が中心です。タイトル、製作国、製作年、時間、監督名の順、ゴチック体は紹介予定作品です。
*セクション・オフィシアル部門ノミネーション*
①Arthur rambo フランス、2021
ローラン・カンテ(1961)
紹介:1999年『ヒューマン・リソース』でデビュー、ニューディレクターズ賞を受賞、『南へ向かう女たち』(05)などペルラス部門の常連、2012年セクション・オフィシアル部門に「Foxfire」(『フォックスファイア 不良少女の告白』)がノミネート、ケイティ・コセニが銀貝女優賞を受賞した。カンヌ映画祭2008で『パリ20区 僕たちのクラス』がパルム・ドール受賞。
②Benediction イギリス、2021、77分
テレンス・デイビス(リバプール1945)
紹介:2016年サバルテギ-タバカレラ部門に「Distant Voices, Still Lives」(『静かな情熱 エミリ・ディキンスン』)がノミネーション、1988年『遠い声、静かな暮らし』がロカルノ映画祭で金豹賞、「The Long Day Closes」カンヌ1992のコンペティション部門、他に『ネオン・バイブル』(95)、『愛情は深い海の如く』(11)などがある。
③Camila saldrá esta noche / Camila Comes Out Tonight アルゼンチン、2021,100分
イネス・マリア・バリオヌエボ(アルゼンチンのコルドバ1980)
*監督、脚本家、女優。後日アップ予定につき割愛。
*作品紹介の記事は、コチラ⇒2021年08月02日
④Crai nou / Blue Moon ルーマニア、2021,84分
Alina Grigore アリナ・グリゴレ(ブカレスト1984)
紹介:監督デビュー作、ルーマニアの子役出身の女優、脚本家。アドリアン・シタルの「Ilegitim(Illegitimate)」(16)出演と脚本を監督と共同執筆した。シタル監督がベルリン映画祭フォーラム部門でCICAE賞を受賞した他、ヨーロッパ映画祭などの受賞歴多数。
⑤Distancia de rescate / Fever Dream ペルー・米国・チリ・スペイン、2021,93分
クラウディア・リョサ(リマ1976)
*後日アップ予定につき割愛。
*作品紹介の記事は、コチラ⇒2021年07月28日
(主演のマリア・バルベルデとドロレス・フォンシ)
⑥Du som er i himlen / As In Heaven デンマーク、2021,85分
テア・リンデブルク(1977)
紹介:長編映画の監督デビュー作。Equinox 1985の創設者。新作は1912年に公刊されたデンマークのマリー・ブレゲンダール Marie Bregendahl の古典にインスパイアーされて製作された。舞台は19世紀末の大家族が暮らす農園、9番目の子供の出産を待ち受けている一方、長女は勉学のため出立の準備をしている。TVシリーズの監督のほか、サスペンス「Equinox」(2020年12月30日~、6話)のクリエイター、『はかなき世界』の邦題で Netflix で配信されている。
⑦Earwig イギリス・フランス・ベルギー、2021
ルシール・アザリロヴィック(リヨン1961)
紹介:2004年のデビュー作「Innocence」(『エコール』)がニューディレクターズ賞、本部門の審査員を経験している。長編2作目『エヴォリューション』(15)がセクション・オフィシアル部門の審査員特別賞を受賞している。ほか中編、短編がサバルテギ-タバカレラ部門にノミネートされている。新作はブライアン・カトリング(ロンドン1964)の同名小説の映画化。氷の歯をした少女ミアを育てているアルバートの物語。
⑧Ping Yuan Shang De Mo Xi / Fire on the Plain 中国、2021、113分
Zhang Ji(?)
紹介:監督デビュー作のスリラー、撮影監督として活躍。1997年中国の都市Fentunの若い警察官は、8年前に起きた未解決連続殺人事件についての再調査に乗り出す。
⑨Vous ne désirez que moi / To Talk About Duras フランス、2021,95分
クレール・シモン(ロンドン1955)
紹介:セクション・オフィシアル部門のノミネーションは初めて。イギリス生れのフランスのシネアストが金貝賞を競うのもおそらく初めてでしょうか。最初アルジェリアで人類学を学んだという異色の監督。フィクション、ノンフィクションの垣根を超えた作品が多い。2017年ドキュメンタリー「Le Concours」、2013年「Gare du Nord」、ミニ映画祭で『夢が作られる森』(15)が上映されている。新作はジャーナリストでデュラスと友情を結んだミシェル・マンソーが、マルグリット・デュラス(1914~96)の晩年の恋人ヤン・アンドレア・シュタイナーにインタビューする手法で進行する。
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