「ある視点」にサンティアゴ・ミトレの新作*カンヌ映画祭2017 ⑧2017年05月18日 16:34

        サンティアゴ・ミトレ、滑り込みセーフの「La Cordillera

 

       

         (アルゼンチン大統領のリカルド・ダリンとミトレ監督)

 

★最後のご紹介となったのが、追加作品としてノミネートされたサンティアゴ・ミトレの長編第3作目La Cordilleraです。第2作目の『パウリーナ』15)がカンヌ映画祭と並行して開催される「批評家週間」でグランプリを受賞、今度はカンヌ本体の「ある視点」に飛び級しました。デビュー作『エストゥディアンテ』11)も第2作もラテンビートで上映されたから、本作も今年のラテンビートを期待してもいいでしょう。新作は製作発表当初からリカルド・ダリンがアルゼンチン大統領、パウリナ・ガルシアがチリ大統領、ダニエル・ヒメネス=カチョがメキシコ大統領と、各国の大物俳優が出演するというので話題になっておりました。チリで開催されるラテンアメリカ「サミット」で炙り出されてくる問題は何でしょうか。政治的内容にコミットした映画ではなさそうですが。

 

  「La Cordillera(「The Summit」)2017

製作:Kramer & Sigman Films() / Union de los Rios, La() / Mod Producciones(西) / Movister(西) / ARTE France Cnema() / Maneki Films() / Telefe() /  協賛INCAA

監督・脚本:サンティアゴ・ミトレ(亜)

助監督:マルティン・ブストス(亜)

脚本():マリアノ・リィナス(ジィナス)

音楽:アルベルト・イグレシアス(西)

撮影:ハビエル・フリア(亜、『人生スイッチ』『エルヴィス、我が心の歌』)

美術:セバスティアン・オルガンビデ(亜、『エル・クラン』)

編集:ニコラス・ゴールドバートGoldbart

キャスティング:ハビエル・ブライエルBraier、マリアナ・ミトレ

衣装デザイン:ソニア・グランデ(西)

メイクアップ&ヘアー:マリサ・アメンタ、ネストル・ブルゴス、アンヘラ・ガラシハ

録音:フェデリコ・エスケロ、サンティアゴ・Fumagalli(仏)

プロデューサー:ウーゴ・シグマン(亜)、マティアス・モステイリン(亜)、フェルナンド・ボバイラ(西)、アグスティナ・ジャンビ=Campbell、フェルナンド・ブロム、シモン・デ・サンティアゴ、Didar Domehri、エドゥアルド・カストロ(チリ)、他エグゼクティブ・プロデューサー多数

 

データ:製作国アルゼンチン()=フランス=スペイン、スペイン語、2017年、政治的スリラー、114分、撮影地ブエノスアイレス、アルゼンチン南部バリローチェ、チリのサンティアゴ、首都から46キロ東方のスキーリゾート地バジェ・ネバドなど、期間は8週間。カンヌ映画祭2017「ある視点」ノミネーション524日上映、配給元ワーナーブラザーズ、アルゼンチン公開2017817

 

 主なキャスト

リカルド・ダリン(エルナン・ブランコ、アルゼンチン大統領)亜

ドロレス・フォンシ(マリナ・ブランコ、娘)亜

パウリナ・ガルシア(パウラ・シェルソン、チリ大統領)チリ

ダニエル・ヒメネス=カチョ(セバスティアン・サストレ、メキシコ大統領)メキシコ

エリカ・リバス(ルイサ・コルデロ、エルナン・ブランコの個人秘書)亜

エレナ・アナヤ(クラウディア・Klein、新聞記者)西

アルフレッド・カストロ(デシデリオ・ガルシア)チリ

ヘラルド・ロマノ(カステックス、アルゼンチン首相)

クリスチャン・スレイター(Dereck McKinleyデレック・マッキンリー)米

ラファエル・アルファロ(Preysler、パラグアイ大統領)

レオナルド・フランコ(ブラジル大統領)

マヌエルトロッタ(Yhon

 

プロット:アルゼンチン大統領エルナン・ブランコは、チリのバジェ・ネバドで開催されているラテンアメリカ諸国「サミット」に出席していた。会議のテーマは石油問題であるが、彼は娘婿が関わった汚職事件に巻き込まれており、公私共に非常に重大な決断を迫られていた。父親の依頼によって娘マリナも当地に滞在していた。身の安全と時間稼ぎ、要するに解決策を交渉するためであった。今までの物静かで家庭的な環境とは異なり危険をはらむものに変わろうとしていた。ざらざらした耳障りなストーリー、観客の理解を得られるでしょうか。

 

      

    (公私ともに岐路に立たされるエルナン・ブランコ大統領、大統領執務室にて)

 

         アルゼンチンとチリの大物揃いの采配に苦労したミトレ監督

 

★スタッフとキャストのリストを一見すれば、監督の苦労が分かります。リカルド・ダリンのために作られた映画ではないかと予想しますが、前回ご紹介した「La novia del desierto」や『グロリアの青春』の主役パウリナ・ガルシア、『バッド・エデュケーション』のダニエル・ヒメメス=カチョ、『ザ・クラブ』のアルフレッド・カストロ、『人生スイッチ』のエリカ・リバス、アルゼンチンではアルモドバルの『私が、生きる肌』でブレークした個性派エレナ・アナヤも短期間ながら昨年10月にブエノスアイレス入りして撮影に臨んだ。同作でゴヤ主演女優賞を受賞しており今後のスペイン映画界を背負う女優に成長した。監督にとっては多くが先輩シネアスト、3作目でよくこれだけオーケーしてもらえたとびっくりしています。

 

★娘マリナ役は監督夫人ドロレス・フォンシ1978年、アドログエ)、『パウリーナ』の主役を演じた理論派というか物言う女優の一人です。本作では離婚して双子を育てている母親という、世間がイメージする大統領の娘とは全然似ていない役柄。「マリナ・ブランコの横顔は、庶民で地位は高くない」という。彼女は役柄のデータは自由裁量ができるほうが好ましいと言う。『パウリーナ』では、自分がどう生きるかは自分で決める、人生の選択権は父親ではないというダイナミックな女性を演じた。まだ恋人関係だったミトレ監督の考えに魅了されたという。「男性に尽くすだけの女性、性的対象の娼婦だったり母親だったりの脚本には興味が持てない」と語っている。

 

     

             (本作撮影現場でのドロレス・フォンシ)

 

                          

                              (「トルーマン」のポスターを背に)

 

エレナ・アナヤ1975年、バレンシア)は、リカルド・ダリン扮する大統領をインタビューする新聞記者という役柄。製作者によれば「この映画の記者を演じるための強さを兼ね備えた」女優だと、日刊紙「クラリン」にオファーの理由を語っている。アナヤは日本でも8月公開がアナウンスされている『ワンダーウーマン』(17)に出演している。「DCコミックス」のアメリカン・コミックの実写映画、彼女はマッドサイエンティストのドクター・ポイズンになりますが、悪役でしょうか。語学が堪能だからスペインだけにとどまっていない。『私が、生きる肌』出演後、「この作品に出る前の自分には戻れない」と語っていたアナヤ、本作では大統領に接近していく小賢しいデーモンたちとも渡り合うようです。

 

     

             (リカルド・ダリンとエレナ・アナヤ)

 

★メキシコの男優のなかでも、ダニエル・ヒメネス=カチョ1961年、マドリード)は公開作品が多いほうでしょうか。マドリード生れということかスペイン監督とのコラボも多い。例えばアルモドバルの『バッド・エデュケーション』、パブロ・ベルヘルの『ブランカニエベス』が公開されている。他ロベルト・スネイデルの『命を燃やして』、ルイス・マンドーキの『イノセント・ボイス』、アルフォンソ・キュアロンのデビュー作『最も危険な愛し方』など、字幕入りで見られる映画が多数ある。今回はメキシコ大統領に扮します。「サミット」が開催されたサンチャゴ東方の海抜3030mのバジェ・ネバドの撮影シーンでは、全員がソローチェと言われる高山病でダウンしたそうです。スキー・リゾート地にある5つ星ホテル「バジェ・ネバド」が会議場になった。

 

  

 (日傘で強い日差し避けて撮影中の、監督、ダリン、ヒメネス=カチョ、バジェ・ネバドにて)

 

★ソローチェに苦しんだのがブエノスアイレスから60か所のカーブを曲がって昇ってきたアルゼンチン組、撮影に同行したクラリンの新聞記者も嘔吐しないように床に横になっていたとか。出席した12か国の大統領の集合写真撮影シーンでも失神する大統領が出たりで、なかなか全員揃ったシーンが撮れず遅延続きだったようだ(笑)。結局会議の模様はブエノスアイレスに戻って、シェラトンホテルに変更して撮ることになったようです。

 

  

            (バジェ・ネバド・ホテルの全景)

 

★『瞳の奥の秘密』でブレークしたリカルド・ダリンは、何回も登場させているので割愛しますが、「私は政治に巻き込むつもりはないよ」と誓っています。チリ大統領のパウリナ・ガルシアも前回ご紹介したばかりです。彼女はNetflixのシリーズ「Narcos」で麻薬王パブロ・エスコバルの母親役を演じているそうです。二人のツーショットは初めてでしょうか。

 

     

       (チリ大統領のパウリナ・ガルシアとリカルド・ダリン)

 

★予告編でもよく分かるのが大統領たちが着ているスーツの高級感、ダリンが着用している背広は、イタリアのメーカー「エルメネジルド・ゼニヤ」のもの、クラシックでありながら若々しいが売りの世界でも有数の高級服メーカー、銀座にも出店している。もう一つが「伝統を誇るイタリアン・テーラードのブリオーニを選んだ」と衣装デザイナーのソニア・グランデ、ウディ・アレン(『ミッドナイト・イン・バリ』『それでも恋するバルセロナ』)やアルモドバル(『ジュリエッタ』『抱擁のかけら』)が好んで採用するスペインのデザイナー。アルゼンチン大統領府の執務室で撮影したり、大分お金が掛かっているようですが、果たして回収できるでしょうか。

 

★「ある視点」の3作は以上です。ノミーションは全部で18本、どんな結果になるか、いよいよ開幕いたしました。

『パウリーナ』の作品内容、監督経歴、ドロレス・フォンシ紹介は、コチラ2015521

『瞳の奥の秘密』の紹介記事は、コチラ201489


「監督週間」にパブロ・ララインの『ネルーダ』*カンヌ映画祭2016 ⑤2016年05月16日 14:19

               順風満帆のパブロ・ラライン

 

    

 

パブロ・ララインNerudaのほかアレハンドロ・ホドロフスキーPoesía sin fin2がノミネーションされましたが、ひとまずララインのNeruda”から。本作については昨年6月クランクインした折に「ララインの新作」としてアウトラインを記事にしております。カンヌ本体とは別組織が運営する「監督週間」とはいえカンヌですから、公開はさておき字幕入りで見られるチャンスがこれで一つ増えました。ララインによると、「ノーベル賞作家とはいえ、ネルーダは自らを神話化する傾向があり、チリ人はそういうタイプを好まない」そうで、コミュニストだったこともあり、チリではネルーダ嫌いが結構いる。「自らを神話化する」という意味ではホドロフスキーも同じで、チリの人には好かれていない。そもそもチリの監督と紹介するには管理人自身も抵抗があります。ホドロフスキー映画は次回に回します。

新作Neruda”についての記事は、コチラ⇒2015730

 

  

            (ネルーダ役のルイス・ニェッコ、映画から

 

★「パブロ・ララインの新作は『ネルーダ』」と、あたかも邦題が決定したかのごとく紹介しておりますが、勿論まだNerudaです(邦題に不要な修飾語がつかないことを切に願っている)。ベルリン映画祭2015『ザ・クラブ』El Club”が審査員賞グランプリを受賞したばかり、チリでもっとも注目されている若手監督の一人です。1971年ノーベル文学賞を受賞した詩人、作家、外交官、政治家といくつもの顔をもつ、それだけに謎の多い人物の伝記映画です。伝記と言って1949年という地下潜伏と逃避行に明け暮れた激動の時期を切り取った映画です。「ネルーダはネルーダを演じていた」、つまり自分がコミュニズムのイコンとして称揚されるよう、この逃亡劇をことさら曖昧にして詩人自らが神話化した。この映画は「ネルーダの『ニ十の愛の詩と一つの絶望の歌』の詩人の忠実な伝記映画というより、ネルーダ信奉者が作った映画」(監督談)なので、伝記映画としては不正確ということです。

 

Neruda2016

製作:Fabula(チリ) / AZ Films(アルゼンチン) / Funny Balloons() / Setembro Cine(西)他

監督:パブロ・ラライン

脚本:ギジェルモ・カルデロン

編集・音楽エディター:エルヴェ・シュネイ Hervé Schneid

プロダクション・デザイン:エステファニア・ラライン

撮影:セルヒオ・アームストロング 

音楽:フェデリコ・フシド

プロダクション・マネージメント:サムエル・ルンブロソ

製作者:フアン・デ・ディオス・ラライン、ほか多数

データ:チリ=アルゼンチン=スペイン=フランス合作、スペイン語、2016年、107分、伝記映画、カンヌ映画祭2016「監督週間」正式出品、チリ公開2016811日決定

 

キャスト:ルイス・ニェッコ(ネルーダ)、メルセデス・モラン(妻デリア・デル・カリル)、ガエル・ガルシア・ベルナル(刑事オスカル・ペルショノー)、アルフレッド・カストロ(ガブリエル・ゴンサレス・ビデラ大統領)、エミリオ・グティエレス・カバ(パブロ・ピカソ)、ディエゴ・ムニョス(マルティネス)、アレハンドロ・ゴイク(ホルヘ・ベレート)、パブロ・デルキ(友人ビクトル・ペイ)、マイケル・シルバ(歴史家アルバロ・ハラ)、マルセロ・アロンソ(ぺぺ・ロドリゲス)、ハイメ・バデル(財務大臣アルトゥーロ・アレッサンドリ)、フランシスコ・レイェス(ビアンキ)、アントニア・セヘルスアンパロ・ノゲラ、他

 

解説1947年、ガブリエル・ゴンサレス・ビデラは大統領に就任すると、共産党根絶を開始する。チリ共産党の支援をうけて19453月に上院議員となった赤い詩人ネルーダは苦境に立たされる。1948年共産党が非合法化されると、党は危険の迫った詩人を亡命させることに着手する。1949年の秋、妻デリア・デル・カリルを伴ってのネルーダの地下潜伏とパリへの逃避行が始まった。首都サンティアゴで数カ月潜伏した後、追っ手の目を晦ますため女装してリベルタドール、バルパライソ、ロス・リオス州バルディビア、フトロノ・コミューンなどを転々とした。馬乗してアルゼンチンに脱出すると、やがてピカソなどヨーロッパの多くの友人に助けられて、春4月半ばパリに辿り着く。逃避行の最中に『大いなる歌』が書かれ、謎に満ちたネルーダの脱出劇は伝説となる。

 

トレビア

★ネルーダは1904年生れ、チリ共産党の支援を受けて19453月に上院議員に当選、同年7月に入党している。1948年ガブリエル・ゴンサレス・ビデラ大統領が共産党を非合法化したため、当時の妻デリア・デル・カリルと地下に潜ることになる。ネルーダは離婚を2回しており、本作に登場する妻はネルーダがヨーロッパから帰国した1943年に再婚した2番目の妻(1955年離婚)で、『イル・ポスティーノ』に出てくる妻マティルデは3番目のマティルデ・ウルティアを想定しているようです。現在ネルーダ記念館として観光名所になっているイスラ・ネグラの美しい別荘は、彼女のために建てたものだそうです。移動には女装したとか、フトロノ・コミューンを出てアルゼンチンに行く途中のクリングエ川の急流を渡るときには溺れそうになったとか逸話が多い。

 

      

       (妻デリア・デル・カリルと詩の朗読会用のメイクをしたネルーダ)

 

★「この映画はギジェルモ・カルデロンの脚本なくして作れなかった。自分で脚本を書くのは無謀だとは思わなかったが、結局彼の助けを求めなければならなかった。だからいくら感謝してもしきれない」とラライン。脚本を評価するコラムニストが多い。ネルーダは女好きで誇大妄想きみのブルジョア趣味という反面、深遠な理想主義にもえ寛容、チリの社会にインパクトを与えた人です。だから「ネルーダまたはその造形に挑戦した」映画だとラライン。

 

   

               (パブロ・ラライン監督)

 

★既にネルーダをテーマにした映画やTVドラは多数あります。なかでもマイケル・ラドフォードのイタリア映画『イル・ポスティーノ』(1994)は劇場公開された後、吹替え版、完全版を含めてテレビで放映されています。ネルーダにフィリップ・ノワレ、主人公郵便配達人マリオに病をおして出演したマッシモ・トロイージがクランクアップ直後に他界したことも話題になった。ララインの「ネルーダ」は1949年が時代背景ですが、『イル・ポスティーノ』のほうは1950年代初めのナポリ湾に浮かぶ架空の島が舞台だった。ナポリ湾のプローチダ島で撮影されたが、それはネルーダがカプリ島に潜伏していたときの史実に基づいている。

 

            

                      (逃避行をするネルーダ夫妻)

  

主なキャスト紹介

アルフレッド・カストロ1955年チリのサンティアゴ)とガエル・ガルシア・ベルナル1978年メキシコのグアダラハラ)については度々登場してもらっているので割愛します。前者はラライン監督のデビュー作 “Fuga” を含めて全作に出演しており、本作ではネルーダ逮捕を命じる大統領として登場します(ララインのフィルモグラフィー参照)。後者はあと一歩のところで獲物を取り逃がしてしまう平凡な刑事役、彼のモノローグが映画の推進役となっている。今回の二人は役柄としては嫌われ役でしょうか。G.G.ガエルによると、「この映画は豊かなネルーダの詩の読者の多くを失望させないと思う、それは間違いない。ぼくたちを映画に導いたのは、ネルーダの素晴らしい詩のお陰なのです」と。他のキャスト陣もラライン映画の常連さんです。

 

    

     (大統領の命令を受けるオスカル、GG・ベルナル、左側の背中が大統領

 

ルイス・ニェッコ  Luis Gnecco(ネルーダ):1962年チリのサンティアゴ生れ、グスタボ・G・マリノ『ひとりぼっちのジョニー』1993)、フェルナンド・トゥルエバ『泥棒と踊り子』09)、ララインNoなど。

メルセデス・モラン Mercedes Morán(ネルーダ夫人):1955年アルゼンチンのサンルイス生れ、ルクレシア・マルテルのサルタ三部作の1『沼地という名の町』01)と同2『ラ・ニーニャ・サンタ』04)、ウォルター・サレスの『モーターサイクル・ダイアリーズ』04)などで登場している。一時『人生スイッチ』愚息出演のオスカル・マルティネスと結婚していた。

 

パブロ・デルキ Pablo Derqui(ネルーダ友人ビクトル・ペイ):1976年バルセロナ生れ、マヌエル・ウエルガ『サルバドールの朝』、ギリェム・モラレス『ロスト・アイズ』

ハイメ・バデル Jaime Vadell(財務大臣アルトゥーロ・アレッサンドリ):1935年バルパライソ生れ、ロドリゴ・セプルベダの代表作Padre Nuestro05)の主役を演じた。「ピノチェト政権三部作」、ホドロフスキー『リアリティのダンス』『ザ・クラブ』ではシルバ神父になった。

 

アントニア・セヘルス Antonia Zegers1972年サンティアゴ生れ、「ピノチェト政権三部作」以降のラライン映画にオール出演、ラライン夫人である。

マルセロ・アロンソ Marcelo Alonso(ぺぺ・ロドリゲス):1969年サンティアゴ生れ、No以外の「ピノチェト政権三部作」、『ザ・クラブ』ではガルシア神父になった。テレビ出演が多い。

マイケル・シルバ Michael Silva(歴史家アルバロ・ハラ):1987年チリ南部アントファガスタ生れ、戯曲家、ミュージシャンとしても活躍。若い頃のアルバロ・ハラ(192398)はコミュニストの活動家だった。ラライン映画は初出演。

 

  *監督フィルモグラフィー(短編・TVシリーズを除く)

2006 “Fuga” 監督・脚本

2008 “Tony Manero”『トニー・マネロ』監督・脚本「ピノチェト政権三部作」第1

ラテンビート2008上映

2010 “Post mortem” 監督・脚本「ピノチェト政権三部作」第2

2012  “No”No』監督「ピノチェト政権三部作」第3部、カンヌ映画祭2012「監督週間」正式出品、

ラテンビート2013上映

2015  “El club”『ザ・クラブ』監督・脚本・製作、ラテンビート2015上映

2016  “Neruda” 監督、カンヌ映画祭2016「監督週間」正式出品

 

★ララインの次回作は英語映画Jackieと、3月にアナウンスされています。「ブルータスお前もか」という心境、彼も英語映画を撮る監督の仲間入りです。政治に絡んだジャッキー・ケネデイの伝記映画。ジャッキーを演じるのはナタリー・ポートマン、劇場公開間違いなしです。

 

       

             (ジャッキーになるナタリー・ポートマン)