グレン・クローズ、審査委員長をキャンセル*サンセバスチャン映画祭2022 ⑮2022年09月14日 17:32

          グレン・クローズ、家族の緊急事態対応のため来西できず!

   

          

         (グレン・クローズと新審査委員長マティアス・モステイリン) 

 

913日、開催を3日後に控えた第70回サンセバスチャン映画祭事務局は、セクション・オフィシアルの審査委員長グレン・クローズが「家族の緊急事態対応のため」来西できないことを発表しました。新しい審査委員長には、アルゼンチンの製作者マティアス・モステイリンに決定したことも同時にアナウンスされました。

 

★先週、クローズはサンセバスチャン映画祭のコンペティション部門の審査委員長として来西することに興奮しているとSNSに投稿していたばかりです。「今まで経験したことのない新しい冒険」、「大好きなサンセバスティアン、人々は素晴らしいし、優れた映画をたくさん観たいし、他の審査員たちとの出会いにワクワクしている」と、『危険な情事』のストーカー役、自ら製作や脚本も手掛けた『アルバートの人生』などの主役を演じたグレン・クローズは近況を伝えていた。しかし急遽、責任ある今回の仕事を果たすことができなくて悔やんでいると伝えてきたようです。家族の緊急事態の詳細は個人情報として明らかではありませんが、どうやら今回の不参加は動かせないようです。審査員は最低でも10日間は縛りつけられるから、とんぼ返りは許されない。

 

「映画祭に参加できなくて心から残念に思っています。家族の緊急事態が発生してその対応のため自宅を離れることができません。映画祭、審査員、多くのシネアストの方々、ドノスティア賞、映画祭の視聴者の皆さん、どうぞお許しください、皆さんと当地でご一緒できません」

 

★委員長マティアス・モステイリン以下の審査員メンバーは、キャスティング監督アントワネット・ブラ(仏)、監督で脚本家のテア・リンデブルク(デンマーク)、作家でジャーナリストのロサ・モンテロ(西)、監督・脚本家でビジュアルアーティストのレモハン・ジェレミア・モセセLemohang Jeremiah Mosese(レソト王国)、監督で脚本家のフリーヌル・パルマソン(アイスランド)、合計6名です。リンデブルクは昨年の銀貝監督賞受賞者、パルマソンは『ウィンター・ブラザーズ』(17)が「トーキョーノーザンライツフェスティバル2019」で上映されている。

 

★審査委員長マティアス・モステイリン紹介:1974年ブエノスアイレス生れ、製作者。アルゼンチンではモステイリ製作の映画は枚挙に暇がない。パブロ・トラペロのデビュー作「Mundo Grúa」(99)、ベネチア2015監督賞受賞の『エル・クラン』、カンヌの「批評家週間」2001ユース批評家賞受賞のアドリアン・カエタノの「Bolivia」や彼の代表作「Un oso rojo」(02)、ルクレシア・マルテルの『沼地という名の町』『ラ・ニーニャ・サンタ』、カルロス・ソリンの「Días de pesca」(12)、オスカーにノミネートされたダミアン・ジフロンの『人生スイッチ』(14)、アナ・カッツの「Los Marziano」(11)、アルマンド・ボーの『エルヴィス、我が心の歌』(12)、サンティアゴ・ミトレの『サミット』(17)、ルイス・オルテガの『永遠に僕のもの』(18)、セバスティアン・ボレンステインの『明日に向かって笑え!』(19)、スペインとのコラボでは、ダニエル・カルパルソロの『バンクラッシュ』(16)、アレハンドロ・アメナバルの『戦争のさなかで』(19)などがあり、本祭のセクション・オフィシアル、ホライズンズ・ラティノ、ペルラス、メイド・イン・スペイン、いずれかの部門で上映、受賞などしています。当ブログでもそれぞれ作品紹介をしています。

 

        

          (パブロ・トラペロの「El clan」日本語版ポスター)