ビクトル・エリセにドノスティア栄誉賞*サンセバスチャン映画祭2023 ⑫2023年09月02日 16:27

             二人目の受賞者がビクトル・エリセにびっくり

 

      

 

822日、第71回サンセバスチャン映画祭事務局は、二人目のドノスティア栄誉賞受賞者がビクトル・エリセ(ビスカヤ県カランサ1940)監督とアナウンスしました。一人目が512日に発表された俳優のハビエル・バルデム、第71回の顔になっています。順序が逆のような印象を受けますが、SSIFFの栄誉賞受賞者の公式サイトには、エリセ、バルデムの順になっており、先輩エリセに敬意をはらったようです。

ハビエル・バルデムのドノスティア栄誉賞受賞記事は、コチラ20230609

 

★授賞式は929日、メイン会場クルサールではなく、最新作「Cerrar los ojos / Close Your Eyes」(スペイン=アルゼンチン合作)が上映されるビクトリア・エウヘニア劇場、50年前に長編デビュー作『ミツバチのささやき』73)が上映された劇場です。本作はSSIFF金貝賞受賞作品、2003年には『ミツバチのささやき』金貝賞受賞30周年記念上映会が開催されています。プレゼンターは撮影時7歳だったアナ・トレント、長編4作目となる新作にも出演しています。本祭上映後に、スペインでは一般公開が確定しています。

   

   

(左から、製作者エリアス・ケレヘタ、アナ・トレント、姉役イサベル・テリェリア、

 エリセ監督、サンセバスチャン映画祭2003年)

 

1986年に新設されたドノスティア栄誉賞は、第1回に俳優グレゴリー・ペックを選出、以来演技者の受賞者が続き監督にも光があたるようになったのは、アグネス・ヴァルダ(17)、是枝裕和(18)、コスタ・ガブラス(19)、クローネンバーグ(22)など最近のことです。エリセで受賞者はトータル69人となり、スペイン人の受賞者は今回の2人を含めて7人です。フェルナンド・フェルナン=ゴメス(99)、パコ・ラバル(01)、アントニオ・バンデラス(08)、カルメン・マウラ(13)、ペネロペ・クルス(19)、ハビエル・バルデム、監督一筋の受賞者はビクトル・エリセが初めてでしょう。

 

★授賞理由は書くまでもないのか公式のコメントはありませんし、当ブログでも監督キャリア&フィルモグラフィーは「Cerrar los ojos」で最近アップしたばかり、カンヌ映画祭2023欠席の経緯も紹介済みです。以下の写真は、3つのエピソードで構成されたオムニバス「Los desafíos」(DVD邦題『挑戦』)がサンセバスチャン映画祭1969監督賞を受賞したときの、エリセ他、ホセ・ルイス・エヘアクラウディオ・ゲリンの新人3人です。今は亡き大物プロデューサーであったエリアス・ケレヘタのお眼鏡にかなった3人です。4年後にエリセは『ミツバチのささやき』で金貝賞に輝いたことは上述の通りです。

   

     

    (エリセ、ホセ・ルイス・エヘア、クラウディオ・ゲリン、

   本祭の招待客宿泊ホテルである、マリア・クリスティナ、1969年)

 

Cerrar los ojos」の撮影予告、短編の紹介記事は、コチラ20220715

 全フィルモグラフィーの紹介記事は、コチラ20220725

Cerrar los ojos」内容紹介記事は、コチラ20230429

カンヌ映画祭2023レッドカーペット欠席のニュースは、コチラ20230525

「カンヌ映画祭欠席についての公開書簡」の記事は、コチラ20230530


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