ダビ・トゥルエバの「Casi 40」正式出品*マラガ映画祭2018 ⑦ ― 2018年04月04日 17:12
『「ぼくの戦争」を探して』のダビ・トゥルエバの新作「Casi 40」
★開幕10日を切りましたが未だコンペティション部門の全作品発表に至っておりません。現在上映が決定されているダビ・トゥルエバの新作「Casi 40」のご紹介。本映画祭がワールドプレミアということで詳しい情報は入手できていませんが、トゥルエバのデビュー作「La buena vida」(1996)出演のルシア・ヒメネス(1978、セゴビア)とフェルナンド・ラマリョ(1980、マドリード)が主役ということです。二人とも監督同様本作で映画デビューしており、ちょっと話題になりそうです。「La buena vida」はゴヤ賞1997新人監督賞・脚本賞にノミネートされた他、ラマリョも新人男優賞にノミネートされた。カルロヴィー・ヴァリー映画祭特別審査員賞、トゥリア賞(第1作監督賞)を受賞した作品。
◎「Casi 40」 2018年
製作:Buenavida Producciones / Perdidos G.C.
監督・脚本:ダビ・トゥルエバ
データ:製作国スペイン、スペイン語、2018年、マラガ映画祭2018コンペティション部門出品
キャスト:ルシア・ヒメネス、フェルナンド・ラマジョ、カロリナ・アフリカ、ビト・サンス
プロット:青春時代に友人だった二人の男と女の慎ましい物語が語られる。彼女は歌手として成功したが、もうステージからは降りている。彼は化粧品のセールスマンとしてなんとか暮らしているが、若いころの音楽への夢を再び活動させたいと思っている。演奏旅行をするために二人は再び集まることにする。
(ルシア・ヒメネス、フェルナンド・ラマリョ、映画から)
(左から、撮影中のルシア・ヒメネス、監督、フェルナンド・ラマリョ)
★詳しい情報が入手でき次第、追加する予定です。カロリナ・アフリカは脚本家でもあるが、フェルナンド・トゥルエバの「La reina de España」や『「ぼくの戦争」を探して』に出演している。ビト・サンスは前回アップしたマテオ・ヒルのオープニング作品「Las leyes de la termodinámica」の主役を演じている。
★ダビ・トゥルエバDavid Trueba、1969年マドリード生れ、監督、脚本家、俳優、小説家、ジャーナリスト(日刊紙「エル・パイス」や「エル・ムンド」紙)。マドリード・コンプルテンセ大学ジャーナリズム情報科学科卒業、フェルナンド・トゥルエバ監督は実兄。2013年の「Vivir es fácil con los ojos cerrados」邦題『「ぼくの戦争」を探して』では、念願のゴヤ賞2014の作品・監督・脚本・主演男優・助演女優・オリジナル作曲賞の6冠を受賞した。以下で主なフィルモグラフィーを紹介しています。
*「Vivir es fácil con los ojos cerrados」内容紹介は、コチラ⇒2014年1月30日
*監督フィルモグラフィー紹介は、コチラ⇒2014年11月21日
◎ダビ・トゥルエバの主なフィルモグラフィー(短編・俳優は割愛)
1991 「Felicidades, Alberti」(TV映画、脚本)
1992「Amo tu cama rica」(脚本、監督はエミリオ・マルティネス=ラサロ)
1993「El peor programa de la semana」(TVシリーズ5話)監督デビュー作
1996 「La buena vida」(監督・脚本、長編映画デビュー作)
2003 「Soldados de Salamina」(オスカー賞2004スペイン代表作品、コペンハーゲン映画祭脚本賞、
トゥリア賞受賞、ゴヤ賞ノミネーション)
2006「Bienvenido a casa」(監督・脚本、マラガ映画祭監督賞受賞)
2006「La silla de Fernando」(ドキュメンタリー)
2007「Rafael Azcona, oficio de guionista」(TVドキュメンタリー)、
2011「Madrid, 1987」(主役のホセ・サクリスタンがフォルケ賞男優賞受賞)
2013「Vivir es fácil con los ojos cerrados」『「ぼくの戦争」を探して』(2016年発売DVDタイトル)
2016「Salir de casa」
2018「Casi 40」マラガ映画祭2018正式出品
★脚本のみ参加作品は、兄フェルナンド・トゥルエバの『あなたに逢いたくて』(95)や『美しき虜』(98)、エミリオ・マルティネス=ラサロの『わが生涯最悪の年』(94)や、カルロス=ハビエル・バルデム兄弟が出演したアレックス・デ・ラ・イグレシアの『ペルディータ』(97、メキシコとの合作、英語・西語)では、監督やホルヘ・ゲリカエチェバリアなどと共同執筆している。その他、初期には「オチョ・アペジード」で空前のヒット作を生み出したエミリオ・マルティネス=ラサロ監督とのコラボレーションが多く、なかで「Amo tu cama rica」にはハビエル・バルデムも出演、主役を演じたアリアドナ・ヒルと結婚したが後離婚、現在はそれぞれ別のパートナー、アリアドナは『アラトリステ』で共演したヴィゴ・モーテンセンと2009年に再婚している。彼女が主演した 「Soldados de Salamina」は、ハビエル・セルカスの同名小説の映画化、小説は『サラミスの兵士たち』の邦題で翻訳されている。上記したようにオスカー賞スペイン代表作品に選ばれたが落選した。
★「La silla de Fernando」は、監督、俳優として長きにわたって活躍、彼抜きでスペイン映画史は語れないという巨人フェルナンド・フェルナン=ゴメスの人生を語ったドキュメンタリー、本作は批評家から絶賛された。続くTVドキュメンタリー「Rafael Azcona, oficio de guionista」は、脚本の恩師であり、ダビ・トゥルエバのシナリオ作家としての才能を開花させたと言われる名脚本家ラファエル・アスコナの業績を辿った作品、2008年2月に鬼籍入りしたが、現在でも「アスコナ亡き後の脚本は面白くなくなった」と惜しむアスコナ・ファンは多い。
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