第21回フォルケ賞2016*ノミネーション発表2015年12月12日 09:27

   

       いよいよ師走、ホセ・マリア・フォルケ賞ノミネーション発表
 

  

★師走に入ると「フォルケ賞」のノミネーションが発表になる。もう1年経ったのかと時の速さに溜息が出る。今年から新しいカテゴリー「短編映画」と「Cine y Educacion en Valores」という賞が加わりました。後者は目下ノミネーションが発表になっていない。大事件が起こらないかぎり2016111日に授賞式がマドリードのPalacio Municipal de Congresosで行われる。

 

  • 最優秀作品賞(長編とアニメーション)

    El clan” 「ザ・クラン」(アルゼンチン=西)パブロ・トラペロ 

  •   ベネチア映画祭2015(銀獅子)監督賞受賞

    Nadie quiere la noche” イサベル・コイシェ ベルリン映画祭2015オープニング作品

    A cambio de nada” ダニエル・グスマン マラガ映画祭2015作品賞(金賞) &

  •    監督賞(銀賞)受賞

    Truman” セスク・ゲイ サンセバスチャン映画祭2015

     

  • 最優秀長編ドキュメンタリー賞

    13, Miguel Poveda フランシスコ・オルティス

    2014, Nacido en Gaza エルナン・シン

    Basilio Martin Patino, La decima carta ビルヒニア・ガルシア・デル・ピノ

    Ciutat morta ハビエル・アルティガス&サポ・オルテガ

    I’m Your Father トニ・ベスタルド&マルコス・カボタ

     

  • 最優秀短編賞

    Bikini” オスカル・ベマセル

    El corredor” ホセ・ルイス・モンテシノス

    Inside the Box” ダビ・マルティン・ポラス

    Os meninos do rio” ハビエル・マシペ・コスタ

    Oscar desafinado” ミケル・アルバリニョ

     

  • 最優秀男優賞

    ギジェルモ・フランセージャ “El clan

    ルイス・トサール El desconocido” ダニ・デ・ラ・トーレ監督

       サンセバスチャン映画祭2015ベロドロモ、ベネチア映画祭2015コンペ外上映

    リカルド・ダリン “Truman” サンセバスチャン映画祭2015男優賞受賞

    ハビエル・カマラ “Truman” サンセバスチャン映画祭2015男優賞受賞

    ペドロ・カサブランク “B, la pelicula” ダビ・イルンダイン監督

     

  • 最優秀女優賞

    イレネ・エスコラル Un otono sin Berlin” ララ・イサギーレ監督

    ジュリエット・ビノシュ “Nadie quiere la noche

    ペネロペ・クルス “Ma Ma” フリオ・メデム監督

    ナタリア・デ・モリーナ Techo y comida” フアン・ミゲル・デル・カスティージョ監督、

      マラガ映画祭2015女優賞受賞

    ノラ・ナバス “La adopcion” ダニエラ・フェヘルマン監督

     

  • 最優秀ラテンアメリカ映画賞

    El club 『ザ・クラブ』パブロ・ラライン(チリ)

  •   ベルリン映画祭2015審査員グランプリ受賞、ラテンビート2015上映

    El clan パブロ・トラペロ(アルゼンチン、スペイン)ベネチア映画祭2015監督賞受賞

    El abrazo de la serpiente” チロ・ゲーラ(コロンビア)

    Magallanes サルバドール・デル・ソラル(ペルー)

    La memoria del agua” マティアス・ビセ(チリ)

     

    ★主なノミネーションは以上です。結局、当然といえば当然なのですが、マラガ映画祭やサンセバスチャン映画祭での受賞作、世界三大映画祭(カンヌ、ベネチア、ベルリン)受賞作が選ばれているということで、ゴヤ賞2016のノミネーションも同じ可能性が高い。当ブログで詳細をアップした作品は、「ザ・クラン」、『ザ・クラブ』、Nadie quiere la noche”、Ma Ma”、A cambio de nada”、“Truman”、“Techo y comida”、MagallanesEl abrazo de la serpiente などです。

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  •              (ハビエル・カマラとリカルド・ダリン、“Truman”から)

     

    ★個人的な受賞予想は、作品賞は“Truman”か“A cambio de nada”、男優賞はリカルド・ダリンとハビエル・カマラ、混戦なのが女優賞、誰が取ってもおかしくない印象、特にイレネ・エスコラルの評価は高く、それ以上にララ・イサギーレ監督が話題になっている。しかし意外と大変身のペネロペ・クルスかもしれない。ラテンアメリカ映画賞は「ザ・クラン」になると予想しました(長編ドキュメンタリーはどれも見ていないので除く)。

     

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  •            (イレネ・エスコラル、“Un otono sin Berlin”のポスター)

     

    ★当ブログ初登場の男優賞ノミネーション、ペドロ・カサブランクの本名はペドロ・マヌエル・オルティス・ドミンゲス。1963年モロッコのカサブランカ生れからとられた芸名。セビーリャ大学で美術を学んだ。映画のほか、舞台、テレビ、監督としても活躍している。テレビや舞台での受賞歴はあるが、フォルケ賞ノミネートは初めて。イマノル・ウリベの『時間切れの愛』に出ていたようだが記憶がない。現在はバルセロナを本拠地にしているのか、セスク・ゲイの“Truman”にも医師役で出演している。ダビ・イルンダイン監督は1975年パンプローナ生れ、テレビ界出身、本作で長編映画デビューした。二人とも来年の台風の目になる予感がするのでご紹介しておきます。

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              (ペドロ・カサブランク、“B, la pelicula”から)