セクション・オフィシアルの審査員発表*サンセバスチャン映画祭2023 ⑯ ― 2023年09月18日 08:44
審査委員長はフランスのクレール・ドニ監督
★9月8日、セクション・オフィシアルの審査員7名が発表になりました。審査委員長はヨーロッパを代表する監督の一人、フランスのクレール・ドニ監督以下、中国の女優ファン・ビンビン、コロンビアの製作者で監督のクリスティナ・ガジェゴ、フランス出身だがニューヨークで活躍している写真家ブリジット・ラコンブ、スペインの女優ヴィッキー・ルエンゴ、ハンガリーはブダペスト生れだがカナダで主に活躍しているロバート・ラントス、ドイツの監督&脚本家のクリスティアン・ペツォールト、以上女性5名、男性2名となりました。
★審査委員長のクレール・ドニ(ドゥニとも表記、パリ1946)は、1988年『ショコラ』でデビュー、『パリ、18区、夜。』がカンヌ映画祭1994「ある視点」にノミネート、1996年の『ネネットとボニ』はロカルノ映画祭金豹賞を受賞した。ベルリン映画祭2022で銀熊監督賞を受賞した『愛と激しさをもって』は、昨年のSSIFFで特別上映されている。その他、『ホワイト・マテリアル』(09)、SFスリラー『ハイ・ライフ』(18)など。本邦ではミニ映画祭が企画されるなどファンも多く、代表作が字幕入りで鑑賞できる監督。
★審査員ファン・ビンビン(中国1981)は女優、本祭との関りでは第64回SSIFF 2016に、フォン・シャオガンの「I Am Not Madame Bovary」(「わたしは潘金蓮じゃない」)で銀貝女優賞を受賞している。脱税疑惑、消息不明など、映画以外で話題を振りまいた過去がある。
★審査員クリスティナ・ガジェゴ(コロンビアのボゴタ1978)は、製作者、監督。チロ・ゲーラの『彷徨える河』(15)を製作、大成功をおさめた後、ゲーラと共同監督した『夏の鳥』(18)で監督デビュー、カンヌ映画祭併催の「監督週間」のオープニング作品に選ばれた。ガジェゴについてはキャリア&フィルモグラフィーを紹介している。ゲーラとは彼の数人に及ぶ女性セクハラ問題で結婚を解消している。
*『彷徨える河』の作品紹介ほかキャリアについては、コチラ⇒2016年12月01日
*『夏の鳥』の作品紹介は、コチラ⇒2018年05月18日
★審査員ブリジット・ラコンブ(フランス1950)は、ニューヨークで活躍する写真家。スパイク・ジョーンズのデビュー作『マルコヴィッチの穴』(99)、スコセッシの『ギャング・オブ・ニューヨーク』、『マリリン 7日間の恋』などのカメラ部門、スチール写真を手掛けている。写真集多数出版。
★審査員ヴィッキー・ルエンゴ(スペイン1999)は女優、ミケル・グレアがSSIFFでFIPRESCI賞を受賞したスリラー「Suro」(カタルーニャ語)でゴヤ賞2023主演女優賞にノミネートされている。
★審査員ロバート・ラントス(ブダペスト1949)は、ハンガリー出身だがカナダで活躍している製作者。クローネンバーグとタッグを組んだ『イースタン・プロミス』(08)、同最新作の『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』は目下公開中。
★審査員クリスティアン・ペツォールト(ドイツ1960)は、監督、脚本家。ベルリン映画祭2012にノミネートされた『東ベルリンから来た女』で、銀熊監督賞を受賞した。
★ヨルゴス・ランティモスの『哀れなるものたち』を金獅子に選んで閉会したばかりのベネチア映画祭、ハリウッドの全米俳優組合のストライキに賛同した豪華スターの欠席で、レッドカーペットは例年のような盛り上がりがなく、淋しかったとメディアは伝えていた。ベネチアでさえそうなら、サンセバスチャンはもっと淋しいことでしょう。銀獅子の脚本賞を受賞したパブロ・ララインの吸血鬼ホラー・コメディ『伯爵』もネットフリックスで既に配信が始まっています。出だしは結構笑えますが、いずれアップしする予定です。
★現地入りが予定されている海外勢では、昨年のドノスティア栄誉賞受賞者ジュリエット・ビノシュ、アイルランドのガブリエル・バーン、『パリ、18区、夜。』の主役フランソワ・クリュゼ、フランスのエマニュエル・ドゥヴォス、米国のグリフィン・ダン、デンマークのマッツ・ミケルセン、イギリスのジェームズ・ノートンやドミニク・ウェストの俳優、監督や製作者としては新作「イオ・カピターノ」で銀獅子監督賞を受賞したマッティオ・ガローネ、カンヌFF2023で『アナトミー・オブ・フォール』がパルムドールに輝いたジュスティーヌ・トリエ、ベトナム出身だがパリ育ちのトラン・アン・ユン、ロバン・カンピヨ、オーストラリアのクレイグ・ガレスピー、カンヌのグランプリやパルムドールを受賞しているジョナサン・グレイザーなど、日本でも知名度のあるシネアストたちの来西がアナウンスされています。
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