赤絨毯にビクトル・エリセの姿はなく・・・*カンヌ映画祭20232023年05月25日 11:53

      カンヌに戻ってきましたがクロアゼットにエリセの姿はなく・・・・

     

   

 

522日(月)、30年ぶりとなる新作「Cerrar los ojos」を携えて、ビクトル・エリセはカンヌのレッドカーペットに現れるはずでしたが、彼の姿はなくホセ・コロナド以下キャスト陣だけの登場になりました。販売代理店のアバロン社が監督のカンヌ出席をアナウンスしていたにもかかわらず、22日のフォトコールにも現れませんでした。監督不在のフォトコールはカンヌではこれまでなかったのではないでしょうか。ただ本人は出席するとは明言していなかった。出席の有無は公式に沈黙が続いたが、結局、映画祭運営に近い情報筋と監督自身が欠席を認めたということです。

         

      

(左から、エレナ・ミケル、ホセ・コロナド、アナ・トレント、マノロ・ソロ、

 マリア・レオン、レッドカーペットにて)

     

    

  (ワールドプレミアに勢揃いしたキャスト陣、522日、フォトコール)

    

★「ヨーロッパ映画界のサリンジャー」と言われるバスクの監督ビクトル・エリセは、1940年バスク自治州ビスカヤ県カランサ生れ、サンセバスチャンで教育をうけた。今は寿命が伸びて82歳が高齢者かどうか微妙ですが、欠席は年のせいではない。誰からのプレッシャーも受けたくないのか、映画ギョウカイに無関心なのか、とにかくインタビュー嫌いで知られている。エリセとカンヌの関係が良好なのは、30年前のドキュメンタリー『マルメロの陽光』(92)に遡り、審査員賞、国際映画批評家連盟賞FIPRESCI を受賞している。2010年にはコンペティション部門の審査員としてカンヌ入りしているほどです。

   

                 

                    (本作撮影中のビクトル・エリセ監督)

    

    

 (左から、主演のホセ・コロナド、アナ・トレント、マノロ・ソロ、フォトコール)

 

★各紙報道によると、エリセは撮影期間中に「この長編は記憶アイデンティティ、そして必然的に芸術的創造のプロセスについての熟考である」と主張していたようです。現在ではエリセの分身と思われるマノロ・ソロが撮影した未完の映像として、コロナド扮する失踪した映画俳優の最後のシーンがYouTube で見ることができます。俳優が生きているようにも見える最後のシーンです。他にもカンヌに来られなかったソレダード・ビジャミルとソロのシーンもアップされており、やはり胸がざわざわしてきます。ワールドプレミアされた22日には、上映館ドビュッシー劇場前に、午後815分開演にもかかわらず午後1時には行列ができたということです。169分の長尺ですから終わるのは夜の11時、お疲れさまでした。

    

       

         (最後のシーンのホセ・コロナド、フレームから)

         

   

   (撮影中のホセ・コロナド、マノロ・ソロ)

 

      

                      (マノロ・ソロ、アナ・トレント) 

   

      

          (半世紀ぶりの邂逅、監督とアナ・トレント)

 

★各紙誌専属コラムニストの記事が出揃うまでには時間がありそうです。映画はカンヌ終了後、第71回サンセバスチャン映画祭(922日~30日)で上映され、閉幕1日前の929日に公開される予定。そろそろサンセバスチャン映画祭の季節が近づいてきました。今年の映画祭の顔は、ドノスティア栄誉賞受賞者ハビエル・バルデムと発表されています。これで夫婦揃ってトロフィーを飾ることになりました。ペネロペ・クルス2019年に史上最年少受賞者になっています。

   

Cerrar los ojos」の作品紹介は、コチラ20230429

Cerrar los ojos」の記事紹介は、コチラ20220715

監督キャリア&フィルモグラフィ紹介は、コチラ20220725


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