第26回マラガ映画祭受賞結果*マラガ映画祭2023 ⑪ ― 2023年03月21日 17:44
金のビスナガに「20.000 especies de abejas」と「Las hijas」を選んで閉幕

★3月18日(20:00~)、第26回マラガ映画祭は金のビスナガに、スペイン映画部門はエスティバリス・ウレソラの「20.000 especies de abejas」とイベロアメリカ映画部門にカティア・G・スニィガの「Las hijas」(パナマ=チリ合作)を選んで閉幕しました。偶然でしょうが両部門とも女性監督の手に渡りました。前者は下馬評通りの受賞でしょうか。作品賞2以外の銀賞は監督賞を含む10部門です。今年はアルゼンチンのベテラン俳優、本邦でも知名度の高いダリオ・グランディネッティとジャーナリストのモニカ・カリージョがホスト役を務めました。前者はマリナ・セレセスキーの「Empieza el baile」に主演していましたから受賞の可能性もあったはずです。本作は観客賞と同僚のホルヘ・マラレが助演男優賞を受賞しました。後者のジャーナリストはアンテナ3の「週末ニュース」の司会をしていますので、お茶の間のお馴染みさんです。第27回は2024年3月1日から10日までの予定。

(総合司会者のダリオ・グランディネッティとモニカ・カリージョ)
★ガラの音楽パフォーマンスは、フラメンコ歌手で作曲家のイスラエル・フェルナンデスの情熱的なパフォーマンスで始まりましたが、彼は先だってのゴヤ賞ガラにも出演しておりました。加えてAlizzz y el grupo Amaral、正確にはカタルーニャの25年のキャリアのあるエバ・アマラルとフアン・アギーレのデュオが会場を沸かせましたが、主役はやはり最優秀作品賞の金のビスナガ受賞者でしょう。1作品に固まらず丁寧に選んでいる印象を受けました。審査員は委員長のマヌエル・グティエレス・アラゴン(スペイン、監督)、ガブリエラ・サンドバル(チリ、製作者、プログラマー)、パブロ・ストール(ウルグアイ、監督、脚本家)、フリエタ・シルベルベルク(アルゼンチン、女優)、ゴンサロ・ミロー(スペイン、監督)の5名でした。

(審査委員長マヌエル・グティエレス・アラゴン)

(審査員ゴンサロ・ミロー、ガブリエラ・サンドバル、パブロ・ストール)
*セクション・オフィシアルの受賞結果*
◎金のビスナガ(作品賞・スペイン映画)副賞8.000ユーロ
「20.000 especies de abejas 」製作:Gariza Films / Inicia Films
監督:エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン

(大喜びの子役たち)

(エスティバリス・ウレソラ監督)

(受賞ラッシュの製作者バレリー・デルピエーレ)
◎金のビスナガ(作品賞・イベロアメリカ映画)副賞8.000ユーロ
「Las hijas」(パナマ=チリ)製作:Ceibita Films / Mente Pública
監督:カティアG. スニィガ


(カティア・G・スニィガ監督)

(レッドカーペットに現れたチーム)
◎審査員特別賞(銀のビスナガ)
「Bajo terapia」(スペイン)監督:ヘラルド・エレーロ


◎監督賞(銀のビスナガ)
マティアス・ビゼ (チリ=アルゼンチン)「El castigo」


◎女優賞(銀のビスナガ)
マリア・バスケス (スペイン)アルバロ・ガゴの「Matria」
*予想通りの受賞、「労働者階級の不完全なガリシア女性」というキャラクターを選んでくれた審査員に感謝した。プレゼンターは、アントニオ・レシーネスとラウラ・ガラン。



(マリア・バスケス、レッドカーペット)
◎男優賞(銀のビスナガ)
アルベルト・アンマン(スペイン)
アレハンドロ・ロハス&フアン・S・バスケスの「Upon Entry」
*アンマンは「カップルのプライバシーが侵害される映画を軌道に乗せるようやりくりした監督たちの勇気」を強調した。


◎助演女優賞(銀のビスナガ)
パトリシア・ロペス・アルナイス (スペイン)「20.000 especies de abejas」


(名前を呼ばれて登壇するパトリシア)
◎助演男優賞(銀のビスナガ)
ホルヘ・マラレ (アルゼンチン)マリナ・セレセスキーの「Empieza el baile」
*受賞者の来マラガはなく監督が代理で受け取りました。


(右側が受賞者ホルヘ・マラレ)
◎脚本賞(銀のビスナガ)
ミゲル・イバニェス、エレナ・トラぺ(スペイン)エレナ・トラぺの「Els Encantats」


◎音楽賞(銀のビスナガ)
パブロ・モンドラゴン (コロンビア)ホセ・ルイス・ルヘレスの「Rebelión」

(左が音楽監督パブロ・モンドラゴン)

(左端がルへレス監督、レッドカーペット)
◎撮影賞(銀のビスナガ)
セルゲイ・サルディバル・タナカ(メキシコ)
*カルロス・アイチェルマン・カイザーの「Zapatos rojas」、受賞者はロドリゴ・プラの「Desierto adentro」などでアリエル賞を受賞しているベテラン。今回来マラガはなく監督が代理で受け取りました。

(カルロス・アイチェルマン・カイザー監督)


◎編集賞(銀のビスナガ)
ハロルド・ボルヘス、フリアノ・カストロ(ブラジル)
ハロルド・ボルヘスの「Saudade fez morada aqui dentro」

(ハロルド・ボルヘス)

(レッドカーペット)
★以下は補完的な銀のビスナガです。批評家審査員特別賞の審査員は、アルフォンソ・カロ、アナ・サンチェス・デ・ラ・ニエタ、カルロス・サノンの3名です。観客賞は一般観客の投票50%とダビ・コレアなど7名で構成された専門家が決定しました。
◎批評家審査員特別賞(銀のビスナガ)
「Desperté con un sueño」(アルゼンチン=ウルグアイ)監督:パブロ・ソラルス
*今回、来マラガは監督と主役のルーカス・フェロ少年を含む4人でしたが、二人は帰国してガラ出席は女性陣だけでした。


(パブロ・ソラルス監督と出演者たち、フォトコールから)
◎観客賞(銀のビスナガ)
「Empieza el baile」(アルゼンチン)監督:マリナ・セレセスキー

(マリナ・セレセスキー監督)

★セクション・オフィシアルの受賞者は以上の通りです。金のビスナガを受賞したウレソラ・ソラグレン監督は「トランスジェンダーの子供時代を大切にし、可視化したい願望が高まっていると思います。これらの子供たちが自分たちの居場所を見つけることが重要です。本作では家族のアプローチから、みんなが想像していたのとは異なる方法で自身を表現している人に同行しなければならないとき、周りの人々がどのように変化するかを物語っています」とスピーチしました。もう一人の受賞者カティア・G・スニィガ監督はこのプロジェクトが「9年かけて製作したこと」を強調し、「個人的な物語ですが、素晴らしい映画になる可能性を疑わなかった」と自信のほどを垣間見せたスピーチした。
★モニカ・カリージョの「来年は第27回になります、では映画館でお会いしましょう。ビバ・スペイン映画、ビバ・マラガ!」で締めくくられました。今回は長短はありますが、作品紹介はすべてアップ済みです。

(受賞者、ミュージシャン全員が勢ぞろいしたクロージング)
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