メイド・イン・スペイン部門8作*サンセバスチャン映画祭2021 ㉑ ― 2021年09月14日 10:57
メイド・イン・スペイン部門はドラマ、ドキュメンタリー合わせて8作品
★第69回サンセバスチャン映画祭2021の「メイド・イン・スペイン」には、カンヌ、ロッテルダム、マラガ、ヒホン、各映画祭で話題を呼んだスペイン公開作品8作がアナウンスされました。既に作品紹介をしたものはデータだけに割愛します。このセクションは著作権管理団体であるSGAE財団(Sociedad General de Autores y Editores 著者出版社協会)とタイアップしています。2年前からドゥニア・アヤソ賞の授与式を行っております。この賞は7年前に鬼籍入りしたカナリア諸島出身の監督&脚本家へのオマージュとして設けられた賞。主人公が歴史上の女性、あるいは女性がおかれている社会状況を語った作品に授与されます。同じく財団は2019年から、バスク脚本家専門協会が推進するバスク制作脚本賞を新設して資金提供を行っています。
(監督:アグスティ・ビリャロンガ、アイノア・ロドリゲス、フリア・デ・パス、
エゼキエル・モンテス)
(監督:アドリアン・シルベストレ、ハビエル・エスパダ、ハビエル・トレンティノ、
ルイス・ロペス・カラスコ)
*メイド・イン・スペイン部門*
①「Ama」2021年
監督:フリア・デ・パス(スペイン)長編映画第2作目
★データ:製作スペイン、スペイン語、ドラマ、90分、第24回マラガ映画祭2021銀のビスナガ女優賞(タマラ・カセリャス)受賞作品
*作品&監督キャリア・キャスト紹介は、コチラ⇒2021年07月07日
②「Buñuel, un cineasta surrealista / Buñuel, A Surrealist Filmmaker」
監督・脚本:ハビエル・エスパダ(スペイン)
★データ:製作国スペイン、スペイン語、2021年、ドキュメンタリー、83分、配給コントラコリエンテ・フィルム。
製作Tolocha Productions(ペドロ・ピニェイロ)/ Hemisphere Films(エミリオ・ルイス・バラチナ)、撮影(イグナシオ・フェランド)、編集(カルロス・ベリョンガ、ホルヘ・イエタノ)、音楽(ベニト・シエラ、アルバロ・マザラサ)、カンヌ映画祭2021カンヌ・クラシック部門上映
解説:デビュー作『アンダルシアの犬』(28)以来、最も純粋なシュルレアリスム映画のパイオニア的存在であるルイス・ブニュエルは、第2作目『黄金時代』の後にそれを捨てたかった。しかしメキシコ、フランス、スペインでのキャリアを積みながらシュルレアリスムの基本理念への言及に執着しつづけた。子供のときからあった原則、最も基本的な彼の創造の柱の一部となっている、または彼の映画の特異性の大きな部分を形成している夢のような要素を決して手放しませんでした。ブニュエル映画は、ゴヤ、ティツィアーノ、ダヴィンチなどの古典的な画家に触発され、シネアストに止まらず、作家、画家、劇作家の創造的な指針となっています。このドキュメンタリーは、新世代の若い観客がこの普遍的な映画人を発見する可能性を含んでいる。ブニュエルのビジョンは挑発しつづけ、更にアートや文学と繋がることで際立つでしょう。
③「Destello Bravío」2021年
監督:アイノア・ロドリゲス(スペイン、マドリード1982)長編デビュー作
★データ:製作国スペイン、スペイン語、ミステリアス・ドラマ、98分、第24回マラガ映画祭2021銀のビスナガ審査員特別賞・編集賞受賞作品、ロッテルダム映画祭2021セクション・オフィシアル「タイガー部門」正式出品。家父長制の時代に育ったイサ、シタ、マリアの中年女性3人の人生が語られる。キャストにアマチュアを起用してドキュメンタリー手法で撮ったフィクション。
*作品ストーリー紹介は、コチラ⇒2021年05月13日
④「El año del descubrimiento / The Year of the Discovery」ドキュメンタリー
監督:ルイス・ロペス・カラスコ(スペイン)
★データ:製作国スペイン=スイス、スペイン語、2020年、200分、第35回ゴヤ賞2021長編ドキュメンタリー賞、第26回フォルケ賞2021長編ドキュメンタリー賞、2021年に新設された第8回フェロス賞ドキュメンタリー賞の受賞作品。1992年のムルシア州カルタヘナ市、紫煙立ちこめる或る1軒のバルに集う隣人、若者、失業者の会話を記録する長尺のドキュメンタリー。
⑤「El ventre mar / The Belly of the Sea」(El vientre del mar) 2021年
監督:アグスティ・ビリャロンガ(スペイン、バルセロナ)
★データ:製作国スペイン、カタルーニャ語、歴史ドラマ、75分、イタリアの作家アレッサンドロ・バリッコの小説の映画化。第24回マラガ映画祭2021金のビスナガ作品賞(ハビエル・ぺレス・サンタナ他)、銀のビスナガ監督・脚本賞(A・ビリャロンガ)、同男優賞(ロジェール・カザマジョール)、同音楽賞、同撮影賞の受賞作品。ヨーロッパ映画アカデミー賞のプレセレクションされている。
キャスト:ロジェール・カザマジョール、オスカル・カポジャ、他
*作品&監督キャリア紹介は、コチラ⇒2021年05月09日
*ロジェール・カザマジョールのフィルモグラフィーは、コチラ⇒2021年06月24日
⑥「Hombre muerto no sabe vivir / A Dead Man Cannot Live」2021年
監督:エゼキエル・モンテス(スペイン、マラガ)デビュー作
★データ:第24回マラガ映画祭2021セクション・オフィシアル正式出品、アントニオ・デチェント主演の犯罪スリラー。別途作品紹介予定
キャスト:アントニオ・デチェント、ルベン・オチャンディアノ、エレナ・マルティネス、ヘスス・カストロ、パコ・トウス、他
*作品紹介記事は、コチラ⇒2021年09月18日
⑦「Sedimentos / Sediments」ドキュメンタリー
監督・脚本:アドリアン・シルベストレ(スペイン、バレンシア1981)第2作目
★データ:製作国スペイン、スペイン語、2021年、89分。第24回マラガ映画祭2021ドキュメンタリー部門正式出品、テッサロニキ映画祭審査員特別賞受賞作品。
解説:地球がそうであるように、私たちの内なる自分は異なった地層や階層で構成されており、私たちのアイデンティティをつくり、私たちの人生の物語を語っている。本作は年齢も職業も異なる6人の女性グループと一緒に、レオン地方への旅に寄り添っていく。
キャスト:マグダレナ・ブラサス、ティナ・レシオ、サヤ・ソラナ、クリスティアナ・ミリャン、ヨランダ・テロル、アリシア・デ・ベニト
⑧「Un blues per a Teheran / Tehran Blues」(Un blues para Teherán)
監督:ハビエル・トレンティノ(スペイン)デビュー作、ジャーナリスト、作家、映画評論家。
★データ:製作国スペイン、スペイン語・ペルシャ語・クルド語、2020年、ドキュメンタリー・ミュージカル、79分、製作Quatre Films Audiovisuales(アレハンドラ・モラ)/ Eddie Saeta(ルイス・ミニャロ)、
脚本(ハビエル・トレンティノ、ドリアン・アロンソ)、撮影(フアン・ロペス)、編集(セルジ・ティエス)、配給Surtsey Films
映画祭・受賞歴:ヒホン映画祭2020(11月)クロージング作品、ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア映画祭2021(4月)正式出品、モスクワ映画祭2021正式出品(4月)、サンセバスチャン映画祭2021メイド・イン・スペイン部門、ほかビスカヤ、ナバラ、マドリード、バレンシアなどのフィルモテカでのイベント上映多数。
キャスト:エルファン・シャフェイ、ゴルメール・アラミ、シーナ・デラクシャン、モハマド・ジャハン、他
ストーリー:イランは伝統と現代性が共存し、私たちに異なった顔を見せる国として認識されています。映画監督になりたい若いクルドの詩人エルファンは、音楽とその人々の目を通して、未知であるが洗練された国を発見するよう私たちを導いていく。両親とオウムと暮らしているエルファンは、歌い、詩を書き、しかし未だ愛については何も知らない・・・
★以上ドラマとドキュメンタリー各4作品です。
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