ウルグアイの新人ホアキン・マウアド*マラガ映画祭2021⑫2021年05月30日 17:25

                       3人の姉弟が封印されていた過去へと辿る旅

 

    

   

★今年のセクション・オフィシアル作品はアウトコンペティション4作を含めて23作、ラテンアメリカ諸国からは8作がノミネートされました。ウルグアイ映画は市場が小さいこともあって隣国アルゼンチンとの合作が多い。ホアキン・マウアドAños luzも本祭ではウルグアイ単独として登場していますが、実際はアルゼンチンの制作会社「Pensilvania Films」が資金を提供しています。長編映画デビューは2017年のEl sereno」ですが、これはオスカル・エステベスとの共同監督ですから、単独作としては今作がデビュー作です。

 

Años luz(「Light Years」)2021

製作:Anfinbia Cine(ウルグアイ)/ Benuca Films / Pensilvania Films(アルゼンチン)

監督:ホアキン・マウアド

脚本:ホアキン・マウアド、ガブリエル・ゴメス・ビリャヌエバ

撮影:ディエゴ・パベス

編集:カレン・アントゥネス

音楽:マテオ・エルナンデス、ラウタロ・マンシリャ

美術:フェデリコ・カプラ、Liudmila Gaddjuk

メイクアップ:ホアキン・エスピノ

プロダクション・マネージメント:クレメンティナ・ゴンサレス

助監督:オルタ・クリスチャン、アンドレス・ファイラチェ

製作者:アリナ・カプラン、フェルナンド・モンテス・デ・オカ

 

データ:製作国ウルグアイ、アルゼンチン、スペイン語、2021年、ドラマ、81分、撮影地モンテビデオ、マラガ映画祭2021でプレミア。

 

キャスト:ガブリエラ・フレイレ(ベレン、29歳)、フェデリコ・レペット(マテオ、32歳)、ビルジニア・ファリアス(マリア・ホセ、35歳)、アントニオ・ディ・マッテオ(ダビ)、アドリアナ・アルドゲイン(イネス)、リス・モッタ(マイア)、ほか

 

ストーリー:長らく離れて暮らしていたマテオ、ベレン、マリア・ホセの3人姉弟は、子供のときから大人になるまで暮らしていた家の売却をするために再会を余儀なくされている。一つには父親の古い車で生れ故郷に向かう旅でもあるが、その前途には彼ら自身が封印してきた家族間の軋轢を解決しなければならない旅でもあった。三人は未だに埋めがたい対立に直面するなかで予期しない真実にも出会う。本作は見かけほど壊れていなかった、まだ愛が残っていたある家族の問題が語られる。

 

  

   

    

★監督紹介:ホアキン・マウアド1990年モンテビデオ生れ、監督、脚本家、製作者。2014年ウルグアイ映画学校(ECU)の監督科を卒業。キューバのアン・アントニオ・デ・ロス・バニョスの映画TV学校でも学ぶ。2016アリナ・カプランと制作会社Anfinbia Cineを設立する。カプランは、ウルグアイやアルゼンチンのコメディ、アクション、アドベンチャー作品をプロデュースしている。2012年「Malos hábitos、「Mi amigo verde」(13)、「La casa de Nico」(14)、「Obnubilante」(15)、ほか10本ほど短編を撮る。2017年、オスカル・エステベスとの共同監督で長編「El sereno」を製作した。本作「Años luz」が単独監督デビュー作。

            

                  

                                (ホアキン・マウアド)

    

      

                                (El serenoのポスター)

 

★ウルグアイ映画は国際映画祭に出品される数も少なく、ましてや日本語字幕入りとなるとほんの数えるほどになる。当ブログでもアルバロ・ブレッヒナーLa noche de 12 años18)が12年の長い夜』の邦題でNetflixが配信したことで紹介できた。ブレッヒナーはウルグアイ出身ですが現在はスペインに住んでいます。どうしても映画市場が狭いので海外流出組が多くなるようです。2作目Mr.Kaplan14、独西合作)では、アリナ・カプランがプロダクションマネージャーをしていました。

アルバロ・ブレッヒナーのキャリア&フィルモグラフィーは、コチラ20180827