マラガ才能賞にオリベル・ラシェ*マラガ映画祭2021 ③ ― 2021年05月01日 17:41
『ファイアー・ウィル・カム』のオリベル・ラシェにマラガ才能賞
(オリベル・ラシェ監督)
★4月29日、マラガ映画祭の特別賞の一つマラガ才能賞―マラガ・オピニオンにオリベル・ラシェ受賞の発表がありました。本賞は日刊紙La Opinión de Málagaマラガ・オピニオンとのコラボレーション、既に受賞歴がある若いシネアストのキャリアをさらに後押しすることを目的とした賞、2019年は初監督作品『物静かな男の復讐』のラウル・アレバロ、昨年はマラガFFの作品賞受賞作「10,000km」でデビューしたカルロス・マルケス=マルセが受賞しています。
*ラウル・アレバロのキャリア&フィルモグラフィー紹介は、コチラ⇒2019年03月22日
*カルロス・マルケス=マルセのキャリア&フィルモグラフィー紹介は、
★オリベル・ラシェOliver Laxe は、1982年パリ生れ、監督、脚本家。授賞理由は「世界についてのユニークな視点と芸術的表現としての映画への強いコミットメント」が際立っていることが評価された。6歳で母親の故郷ガリシアに移住、フランス、スペイン、モロッコで暮らすガジェゴgallego。2010年のカンヌ映画祭併催の「監督週間」に出品したデビュー作「Todos vós sodes capitáns」(「Todos vosotros sois capitanes」カラー&モノクロ、78分、スペイン語/アラビア語/フランス語)が、国際映画批評家連盟賞 FIPRESCIを受賞している。スペイン映画アカデミーが翌年のゴヤ賞新人監督賞にノミネーションしなかったことで一部から批判された。6年ぶりに撮った第2作「Mimosas」(2016「批評家週間」アラビア語、93分)が見事グランプリを受賞、セビーリャ映画際でも審査員特別賞を受賞している。
★2019年、ガリシア語で撮った第3作「O que arde」邦題『ファイアー・ウィル・カム』がカンヌ映画祭2019「ある視点」で審査員賞とセクションの音響賞を受賞した。カンヌ映画祭に出品した作品全てが受賞したのは、ビクトル・エリセも果たせなかったことでした( エリセは1992年の第3作『マルメロの陽光』で審査員賞と国際映画批評家連盟賞を受賞している)。ゴヤ賞2020の4部門ノミネート、作品・監督・撮影(マウロ・エルセ受賞)・新人女優賞(ベネディクタ・サンチェス受賞)、2部門受賞した。ガウディ賞ヨーロッパ映画賞、サン・ジョルディ賞他を受賞している。彼の作品はカンヌ以外でも権威のある国際映画祭、モスクワ、カイロ、サンセバスチャン、トロント、カルロヴィ・ヴァリ、マル・デ・プラタ、ニューヨーク、東京などで上映されている。第16回ラテンビート映画祭2019で上映された折り来日、寡黙ながらQ&Aでは会場からの質問に真摯に応じていた。
*「Mimosas」の作品&監督紹介は、コチラ⇒2016年05月22日
*『ファイアー・ウィル・カム』の作品紹介、カンヌ映画祭の記事は、
*ラテンビート2019のQ&Aの記事は、コチラ⇒2019年11月21日
(ガリシア語のポスター)
★最近、地元のア・カルケイサ協同組合(ホセ・アントニオ・ディアス組合長)とタッグを組んで、ガリシア牛肉の普及に務めている。オンライン視聴者向けの宣伝ビデオを製作、オンラインストアで注文すると配送されるようです。ガリシア牛のハモンセラーノは超高級品、その美味しさはつとに有名です。カンヌで「映画から少し距離をおきたい、ここガリシアに腰を落ち着けて、ここのコミュニティのためにしたいことがある」と語っていましたが、じゃあ第4作目はどうなるのでしょうか。
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