第35回ゴヤ賞2021の授賞式の行方*オンライン上映も選考対象作品 ① ― 2020年06月21日 18:11
第35回ゴヤ賞2021授賞式の延期とルール変更
★2021年2月上旬に開催予定だった第35回ゴヤ賞授賞式の延期が視野に入ってきました。スペイン映画アカデミー会長マリアノ・バロッソによると、6月23日(火)にアカデミーの執行部会議を開催して決定するそうです。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年の各国アカデミー賞ガラは、従来のかたちでの開催の変更を余儀なくされています。第93回目となる米アカデミー授賞式は、2月下旬の最終日曜日2月28日から8週間遅れの4月25日に変更、上映期間に関するエントリー条件も、12月末日から2月末日まで延長することで合意したということです。続いてイギリス映画アカデミー賞 Bafta バフタは、2月14日を4月11日(日)に延期すると発表、これからドミノ現象が起きる可能性も否定できません。出席者が会場に集まれるのかどうかも疑問です。
(マリアノ・バロッソ会長、ゴヤ賞2020のガラにて)
★従来ですと、選考対象作品はネットフリックスやアマゾンプライムでのプレミア上映は基本的には対象外ですが、2021年に限り動画配信も選考対象に含むそうです。しかしコロナ感染拡大のため「オンラインでの公開を余儀なくされた作品限定」です。オスカー賞を例にとると、黒人として初のカンヌ映画祭審査委員長を務めることになっていた、スパイク・リー監督の『ザ・ファイブ・ブラッズ』(Netflix配信)は選考対象になります。少々長尺で詰め込み過ぎですが、巷ではかなりの好感度でオスカー受賞の呼び声も高そうです。
★秋のスペイン関連の主要映画祭、ベネチア、トロント、サンセバスチャン、バジャドリード、シッチェス、セビーリャなどの映画祭で何が起こるか誰も分からないわけですから、「オンライン」でのリリースを受け入れざるを得ないということでしょう。目下進行中の第1波の収束が覚束ない状態では、必ず来るという第2波、第3波を考えると想像するだに怖ろしい。どんな小規模の映画祭でも1000人以下というのはあり得ません。春開催の予定だったマラガ映画祭は8月下旬(21日から30日まで)開催がアナウンスされておりますが、果たしてできるのかどうか。
2021年はベルランガ年の構想、ゴヤ賞の開催地もバレンシア?
★2021年が生誕100年になるルイス・ガルシア・ベルランガの <ベルランガ年> の始動も変更を余儀なくされています。スペイン人が最も愛したと言われる『ようこそマーシャルさん』「プラシド」「カラブッチ」「死刑執行人」の監督を祝う行事は、スペイン映画アカデミー、フィルモテカ、文化省、生れ故郷のバレンシア市議会、バレンシア自治州の後援という大掛かりなイベントです。バレンシアでゴヤ賞という可能性もありそうです。バレンシア市はベルランガ年をゴヤ賞と合流して祝う準備ができていると発表、盛んに目配せしている。5月、コロナウイリスが誘発した経済危機を緩和するための一連の経済対策の中に、ホセ・マヌエル・ロドリゲス・ウリベス文化スポーツ大臣は、ベルランガ年を公共の関心の高い別格のイベントであると述べている。開催場所と日付の決定は、紆余曲折はあるにせよ時間的に待ったなしでしょう。
★前回のアカデミー理事会でグリーン・シール(Sello Verde)の作成が決まりました。環境に対する感受性の高い長編映画やTVシリーズ作品に授与されるそうです。映画アカデミーも環境を尊重する活動に社会的責任があるということです。
*関連記事・管理人覚え*
*『ようこそマーシャルさん』の紹介記事は、コチラ⇒2020年05月22日
*「カラブッチ」の紹介記事は、コチラ⇒2020年06月03日
*「死刑執行人」の紹介記事は、コチラ⇒2020年06月09日&06月10日
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