オンライン映画祭 「We Are One :A Global Film Festival」 開催 ― 2020年05月09日 10:48
YouTubeとトライベッカ・エンタープライズ共同のオンライン映画祭
★全世界に蔓延している新型コロナウイリスのため、世界の主要な映画祭が軒並み延期か中止に追い込まれているさなか、4月27日に、YouTubeとトライベッカ・エンタープライズが共同でオンライン映画祭「We Are One:A Global Film Festival」の開催を発表しました。世界の20映画祭が参加する。サンセバスチャンを含めて、ベネチア、カンヌ、ベルリナーレ、サンダンス、グアダラハラ、アヌーシー(アニメ)、トロント、ロカルノ、エルサレム、カルロヴィ・ヴァリ、ロンドン、マカオ、マラケシュ、ムンバイ、ニューヨーク、サラエボ、シドニー、東京も参加する。期間は5月29日から6月7日までの10日間、無料で見ることができるが寄付は歓迎、新型コロナウイリス対策のために尽力している世界保健機構WHOに送られる。
★トライベッカ・エンタープライズとトライベッカ映画祭の代表ディレクターのジェーン・ローゼンタールは「私たちは映画の持つ力についてしばしば語ってきた。今こそ国境や意見の相違を超えて助け合い団結しなければならない。全ての人が治療を必要としている」と、WHOに寄付する理由を語っています。「各映画祭が果たしている芸術の価値や映画の力は比類のないものだ」とも。
(トライベッカ・エンタープライズの設立者のロバート・デ・ニーロと
最高責任者プロデューサーのジェーン・ローゼンタール)
★9月下旬開催のサンセバスチャン映画祭のホセ・ルイス・レボルディノス代表責任者は、まだ当映画祭開催の可能性がゼロになったわけではないが、このプログラム参加に合意したのは「多くのイベントが行える状態にない」ことを上げている。しかし具体的にどの作品を選ぶかは決まっていないが「当映画祭の場合は、比較的直近のスペイン映画になるだろう。つまり未公開作品からは選べない。次の映画祭がどうなるか分からないからです」と。秋開催を依然として諦められないカンヌ映画祭も同じ路線になるのでしょうか。特に映画館上映を前提にしてNetflix オリジナル作品を排除しているカンヌとしては、法的な制約をクリアーしなければならず、困難が予想されます。コロナが世界を変えようとしていることだけは確かです。
★テキサス州オースティンで開催される一大イヴェントSXSW、サウス・バイ・サウス・ウエスト映画祭が含まれていない。今年予定されていた3月13日~22日のリアルな映画祭は中止になったが、短編、ドキュメンタリー、ホラーを含む70作品をYouTubeでのオンラインによる限定公開をしていた。今回の「We Are One:A Global Film Festival」には不参加だが、同じ週にアマゾンを介して何作かを放映する予定だそうです。
(第19回トライベッカ映画祭2020)
★トライベッカ・エンタープライズが主催するトライベッカ映画祭は、同時多発テロ911後の復興を願って2002年に始まりました。今年は19回目を4月15日~26日に開催する予定でした。設立者のロバート・デ・ニーロや製作者のジェーン・ローゼンタールは、3月12日にニューヨーク州知事クオモ氏のロックダウンを受けて中止を発表した。しかし4月10日に観客なし賞ありのオンライン上映を発表、4月29日に結果発表がありました。当然ガラは開催されず、審査員と受賞者のやり取りはオンラインで配信されたようです。インターナショナル・ナラティブ部門のニュー・ナラティブ監督賞を受賞したチリの新人ガスパル・アンティーリョの「Nadie sabe que estoy aquí」が興味深かったので次回にアップします。ラライン兄弟の制作会社「ファブラFabula」が手掛けています。「We Are One:A Global Film Festival」に含まれているかどうか分かりませんが、Netflix が資金を提供しており、いずれ世界配信される予定です。
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