イシアル・ボリャインの新作はコメディ*マラガ映画祭2020 ④2020年03月21日 18:34

           イシアル・ボリャインの新作「La boda de Rosa」はコメディ

 

      

319日、映画祭中止の噂も流れていた第73回カンヌ映画(512日~23日)の正式な<延期>発表がありました。事務局は6月下旬、または7月上旬の線で検討しているようです。マクロン政府により1000人以上の集会が禁止されている現状で開催できるわけがありません。一応スパイク・リーが審査委員長に決定しておりますが、ラインナップは4月中旬の予定、予定はあくまで未定です。先日テキサス州オースティンで開催されるはずだったSXSWサウス・バイ・サウスウェスト映画祭の中止がアナウンスされたばかりでした。中止なら1968年の五月革命の混乱を機に、若いシネアストたちの映画祭ボイコットで中断して以来のことになる。

 

★一方、マラガ映画祭のセクション・オフィシアルにノミネートされているイシアル・ボリャインLa boda de Rosaは、主役ロサ(45歳の設定)にお気に入りのカンデラ・ペーニャ(バルセロナ1973)を配したコメディ。ボリャインは自身の監督デビュー作Hola, ¿estás sola?95、コメディ)に、イマノル・ウリベのシリアス・ドラマ『時間切れの愛』で脇役ながら存在感を発揮したペーニャを起用、、両作ともおよそ実年齢と重なる役柄です。映画祭上映になったTe doy mis ojos03『テイク・マイ・アイズ』)にも主人公の妹役に起用している。新作の脚本はTe doy mis ojos」で共同執筆したアリシア・ルナと今回もタッグを組んだ。撮影地にバレンシアのベニカシムを選び、2018年盛夏にクランクインした。

   

   

       (撮影中のボリャイン監督とロサ役のカンデラ・ペーニャ)

 

 

  La boda de Rosa

製作:Tamdem Films / Turanga Films / Setembro Cine / Halley Production  

   協賛Movistar+、RTVE、バレンシア文化協会

監督:イシアル・ボリャイン

脚本:イシアル・ボリャイン、アリシア・ルナ

撮影:セルジ・ガリャルド、ベアトリス・サストレ

編集:ナチョ・ルイス・カピリャス

音楽:バネッサ・ガルド

キャスティング:デボラ・ボルケ、ミレイア・フアレス

美術:ライア・コレト

衣装デザイン:ジョバンナ・リベス

メイク&ヘアー:アネ・マルティネス(メイク)、アンパロ・サンチェス(ヘアー)

製作者:クリスティナ・スマラガ、リナ・バデネス、フェルナンダ・デル・ニド、アレクサンドラ・レブレト

 

データ:製作国スペイン=フランス、スペイン語、2020年、コメディ・ドラマ、97分、撮影地バレンシア州のベニカシム、アルカサル、コスタ・デル・アサアル海岸、他、スペイン公開73日予定

映画祭・受賞歴:第23回マラガ映画祭2020セクション・オフィシアル出品

 

キャスト:カンデラ・ペーニャ(ロサ)、ナタリア・ポサ、セルジ・ロペス、パウラ・ウセロ、ラモン・バレア(父アントニオ)、ハボ・ヒメネス、マリア・マロト、エリック・フランセス、ルシン・ポベダ、マリア・ホセ・イポリト、パロマ・ビダル(マルガ)、他

 

ストーリー45歳を迎えたロサは、自身が自分のためでなく他の人のために並外れた努力をして生きていることに気づく。そこで自分の生き方を変えようと核のボタンを押そうと一大決心をした。人生の主導権を取ること、自身のビジネスをもつという夢を実現することだ。しかしロサは直ぐに、父親や娘や兄姉たちが別のプランをもっていることを知る。人生を変えるのは容易なことではない。それに家族は厄介だ。ロサとおせっかいでエゴイスト、いささかシュルレアリストだがとても愛情あふれた家族の物語。「家族と上手くやるにはどうしたらいい?」「離れて暮らすことだよ」

 

      

 (左から、ラモン・バレア、セルジ・ロペス、ナタリエ・ポサ、パウラ・ウセロ、映画から)

 

★『オリーブの樹は呼んでいる』(16)以来、久々にコメディのメガホンをとった。Yuli18)、『ザ・ウォーター・ウォー』10)の脚本を手掛けた夫君ポール・ラヴァティは参加せず、前述したように『テイク・マイ・アイズ』のアリシア・ルナとタッグを組んだ。クルーの多くが女性であることが列挙したクレジットから察することができます。ボリャインは長らく女優だったこともあり撮り直しを好まない。監督スタートが遅く、従って作品数も多いほうではない。しかし低予算ながら奇をてらわずに社会に疑問を静かに投げかけている。『オリーブの樹は呼んでいる』がラテンビート2016で上映された折り来日した。監督キャリア&フィルモグラフィは以下にご紹介しています。

監督キャリア&フィルモグラフィについては、コチラ20160719

ラテンビート2016来日の記事については、コチラ20161017

 

      

    (ボリャイン監督とラテンビートのディレクターであるカレロ氏、LB2016Q&A

 

★スペインのジョークに「あなたが家族と上手くやるには離れて暮らすことが最善」というのがある。家族は大切だが厄介でもある。女性ならロサは私の分身と感じる方もいると思う。昨年インスティトゥト・セルバンテス東京で開催された「スペイン映画祭2019」で上映されたネリー・レゲラ『マリアとその家族』16)と重なる部分がある。それぞれ特に悪い人ではないがちょっと迷惑な家族、父親だったり兄弟姉妹だったりする。

『マリアとその家族』の紹介記事は、コチラ20190814

 

★主役のカンデラ・ペーニャの他、ボリャイン映画初出演のナタリエ・ポサ(『さよならが言えなくて』『ジュリエッタ』)、セルジ・ロペス(『パンズラビリンス』『ナイト・トーキョー・デイ』)、ラモン・バレア(『列車旅行のすすめ』『誰もがそれを知っている』)、バレンシア出身で『オリーブの樹は呼んでいる』に出演していたパウラ・ウセロなどのベテランが脇を固めている。撮影は下の写真のように笑いが絶えないのがボリャイン流です。

 

      

                   (撮影の合間に談笑する、監督とカンデラ・ペーニャ)

        

    

         (監督、セルジ・ロペス、横向きがカンデラ・ペーニャ)

 

   

       (ナタリエ・ポサ)

 

  

                 (セルジ・ロペス)

 

★本作の製作者は女性が4人、国際的に活躍している先輩格のクリスティナ・スマラガやアルゼンチン出身のフェルナンダ・デル・ニドはそれなりの認知度がありますが、もう一人のエグゼクティブ・プロデューサーリナ・バデネスは、今までドキュメンタリーを手掛けることが多かったので認知度はこれからの人、最近ドラマを手掛けるようになった。2008年バレンシア工科大学オーディオビジュアル・コミュニケーション科卒、翌年キューバの国際映画テレビ学校で1年間ドキュメンタリーと監督のワークショップに参加、2011年 制作会社 Turanga Films を設立、2012年メディア・ビジネス・スクールのマスター・コースでマネージメントと映画製作を学ぶ。ボリャインが初めてドキュメンタリーに挑戦したEn tierra extrañaをスマラガと共同製作、今回コメディ・ドラマを初めて製作した。将来が期待される女性製作者の一人。

En tierra extraña」の紹介記事は、コチラ20141204

 

  

 

                   (リナ・バデネス)