イングリッド・ガルシア・ヨンソン、RTVA賞授与式*マラガ映画祭2019 ⑩ ― 2019年03月29日 16:02
第4回RTVAアンダルシア才能賞はイングリッド・ガルシア=ヨンソンに
★3月22日、アルベニス館で第4回RTVAマラガ才能賞が女優のイングリッド・ガルシア=ヨンソンに授与されました。こんな栄誉賞があるとは気がつきませんでした。RTVA(アンダルシア・ラジオ・テレビ)が与える賞でトロフィーはビスナガでなく「El Gilemaエル・ジレンマ」と意味深なネーミングです。授賞式には、チャンネル・スールのディレクターホセ・アントニオ・デル・サス、マラガ映画祭総ディレクターのフアン・アントニオ・ビガルなどが出席、デル・サスより「エル・ジレンマ」のトロフィーが渡されました。
(トロフィーを高く掲げた受賞者とホセ・アントニオ・デル・サス)
★ホセ・アントニオ・デル・サスは、受賞者は「映画界のホープであり、将来が期待される重要な女優」と、ガルシア=ヨンソンを讃えた。またフアン・アントニオ・ビガルは「私たちとRTVAの関係は特別です。映画祭になくてはならない存在、非常に重要な仕事をしています」と、先ずチャンネル・スールが本映画祭に果たしている宣伝及び普及への尽力に感謝の意を述べた。次いで受賞者イングリッドがスペイン映画に果たした実績を称賛した。
(左から、J. A.ビガル、イングリッド・ガルシア=ヨンソン、J. A.デル・サス)
★受賞者イングリッド・ガルシア=ヨンソンは、嵐のような拍手の中で「エル・ジレンマ」のトロフィーを与えてくれたRTVAとマラガ映画祭にお礼を述べた。「このトロフィーは常に私の人生の目印となるでしょう。人間は自分を明確にすることはできませんが、ジレンマを家の中に持ち込むことは私をわくわくさせる」とスピーチした。「自分はアンダルシア人だと思っています。ここで育って、アクセントもアンダルシア訛りです。私に常に幸せを与えてくれるのもここ、さらに常に重要な仕事もアンダルシアでした。アンダルシア万歳、皆さまにも幸運を」と締めくくった。
★イングリッド・ガルシア=ヨンソン Ingrid García Jonsson は、1991年9月6日、スウェーデンで生まれるが育ったのはセビーリャである。父はセビーリャ出身のスペイン人、母はスウェーデン人。現在はマドリード在住、スペイン語、スウェーデン語、フランス語、英語と語学に堪能。彼女の実績でまず取り上げたいのが、ハイメ・ロサーレスのカンヌ映画祭「ある視点」部門に出品された「Hermosa juventud」(14)の主役ナタリア、赤ん坊を抱え将来に夢が描けない若い夫婦の絶望とバイタリティを好演した。本作は受賞には至らなかったがゴヤ賞、フォルケ賞、フェロス賞、ガウディ賞にノミネートされた他、サン・ジョルディ、トゥールーズ(シネ・エスパーニャ)、トゥリア新人賞を受賞した。
(「Hermosa juventud」から)
(左から、ハイメ・ロサーレス、イングリッド、夫役のカルロス・サストレ)
★2015年ラファ・マルティネスのホラー「Sweet Home」、2016年キケ・マイジョのスリラー「Toro」、2018年アンドレア・ハウリエタの分身もの「Ana de día」、今年に入ってからはリュイス・ミニャロの「Love Me Not」、本映画祭のオープニング作品となったアレホ・フラのコメディ「Taxi a Gibraltar」、オスカル・マルティネスが銀のビスナガ男優賞を受賞したサンティ・アモデオのコメディ「Yo, mi mujer y mi mujer muerta」ほか、公開がアナウンスされている映画が数本控えている。シリアスドラマ、コメディ、ホラー、スリラーとジャンルを厭わない。更にはフェロス賞2019授賞式のメイン司会者を一人で務めたばかりの才媛、過去にはアントニオ・デ・ラ・トーレとかコメディアンのシルビア・アブリルなどベテランが仕切ったから、若干27歳の女優の手に委ねたのは異例のことだったのではないか。
(昼のアナと夜のニナの二役を演じ分けた「Ana de día」のポスター)
(主演のオスカル・マルティネスと。「Yo, mi mujer y mi mujer muerta」から)
(女性兵士に扮した「Love Me Not」から
*「Hermosa juventud」の紹介記事は、コチラ⇒2014年05月04日/05月26日
*「Ana de día」のの紹介記事は、コチラ⇒2019年01月08日
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