新人監督賞ノミネーション*ゴヤ賞2019⑦ ― 2019年01月31日 15:08
(着々と準備が進んでいるセビーリャ会場の夜景)
★あと数日に迫った第33回ゴヤ賞授賞式は、マドリードを離れてセビーリャで開催されることになっている。セビーリャは、昨年11月に第15回を迎えたセビーリャ映画祭(グランプリ名は金のヒラルダ賞)を開催したばかり、ヨーロッパ映画賞ノミネーションの発表がある国際映画祭として経験豊富、第31回となるヨーロッパ映画賞授賞式もセビーリャで行われました。因みに受賞作品は、ゴヤ賞2019ヨーロッパ映画賞にも名を連ねているポーランドのパヴェウ・パヴリコフスキの「Cold War」でした。スペイン語と英語字幕入りで上映され、国際映画祭の基準を満たしています。セビーリャは、2000年のバルセロナに続いて、マドリード以外の3番目のゴヤ賞ガラ開催都市になりました。
★作品賞にノミネートされた映画は既に作品紹介を記事にしておりますので、今回はまだ本邦ではあまり馴染みのない新人監督4名を纏めてみました。こちらもそれぞれ作品紹介はしておりますが、3人が女性監督という異例の年になりました。なかでアランチャ・エチェバリアが、ラテンビート2018に来日したこともあって一番知名度があるでしょうか。
◎アランチャ・エチェバリア*『カルメン&ロラ』
1968年ビルバオ生れ。二人の主役サイラ・ロメロ(ロラ役)とロシー・ロドリゲス(カルメン役)に挟まれてポーズをとる監督(2018年8月27日)。カンヌ映画祭2018併催の「監督週間」上映作品。ゴヤ賞ノミネーション7部門8個(作品・新人監督・オリジナル脚本・オリジナル歌曲・助演女優・新人男優・新人女優2)、4作のうち作品賞にノミネートされたのは『カルメン&ロラ』だけ、Netflixで配信されていることを考慮すると先頭を切っているのではないか。
*監督紹介記事は、コチラ⇒2018年05月13日
(左から、サイラ・ロメロ、監督、ロシー・ロドリゲス、2018年8月27日)
◎セリア・リコ*「Viaje al cuarto de una madre」
1982年セビーリャ生れ。アランチャ・エチェバリアのすぐ後ろを走っているのがセリア・リコ。先週開催されたフェロス賞では脚本賞を受賞した。ほかにロラ・ドゥエニャスが主演女優賞、アンナ・カスティーリョが助演女優賞、正式カテゴリーではないが観客賞を受賞しているのが大きな強みです。ゴヤ賞では4部門(新人監督・主演女優・助演女優・編集)、フェルナンド・フランコの編集賞は射程距離に入っているか。
*監督紹介記事は、コチラ⇒2019年01月06日
(第6回フェロス賞ガラでのセリア・リコ、2019年1月19日)
◎アンドレア・ハウリエタ*「Ana de día」
1986年パンプローナ生れ。デビュー作「Ana de día」はマラガ映画祭2018コンペティション部門にノミネートされ、その他国際映画祭ノミネーション、及び受賞多数。主役のアナには、フェロス賞授賞式でメイン司会者を務めたイングリッド・ガルシア・ヨンソンが2役を好演したがノミネーションされなかった。今回ゴヤ賞ノミネーションは1部門のみ。
*監督紹介記事は、コチラ⇒2019年01月08日
(本作撮影中のアンドレア・ハウリエタ)
◎セサル&ホセ・エステバン・アレンダ*「Sin fin」
セサル・エステバン・アレンダ(弟)とホセ・エステバン・アレンダ(兄)兄弟。マラガ映画祭正式出品作品、メランコリックなSFロマンス。ゴヤ賞では1部門ノミネーション、主演のハビエル・レイとマリア・レオンは残念ながら選外だった。
*監督紹介記事は、コチラ⇒2018年04月21日
(左側がホセ、エステバン・アレンダ兄弟、2018年10月22日、マドリードのプレス会見にて)
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