第63回バジャドリード映画祭2018*マット・ディロンにスパイク栄誉賞 ― 2018年10月27日 15:04
ミゲル・アンヘル・ビバスの「Tu hijo」で開幕


(映画祭総ディレクターのハビエル・アングロ、市長オスカル・プエンテ、
トロフィーを手にしているのが文化担当議員のアナ・レドンド)
★去る10月20日(~27日)、通称SEMINCI(Semana Internacional de Cine de Valladolid、1956年設立、バジャドリード市が後援)で親しまれているバジャドリード映画祭2018がミゲル・アンヘル・ビバスの「Tu hijo」で開幕しました。17歳の息子を殺された父親の復讐劇、その父親にホセ・コロナドが扮します。最優秀作品賞は「Espiga de Oro金の穂」、日本ではゴールデン・スパイク賞と紹介されている。今回スパイク栄誉賞が米国の俳優・監督マット・ディロンに贈られることになって現地はファンで盛り上がっているようです。今年で63回とスペインではサンセバスチャン映画祭に次ぐ老舗の映画祭、過去にはスタンリー・キューブリックの『時計じかけのオレンジ』(71)、ビリー・ワイルダーの『フロント・ぺージ』(74)、ミロス・フォアマンの『カッコーの巣の上で』(75)、リドリー・スコットの『テルマ&ルイーズ』(91)など、伝説に残るような作品が受賞しています。
*SEMINCIの紹介記事は、コチラ⇒2016年11月15日

(本映画祭はレッドではなくグリーンカーペット、マット・ディロン、10月20日)

(ホセ・コロナドからスパイク栄誉賞を受け取るマット・ディロン、10月21日)
★国際映画祭ですが、やはり自国の映画に話題が集中、セクション・オフィシアルのオープニング作品「Tu hijo」のミゲル・アンヘル・ビバス監督以下、主演のホセ・コロナド、その息子になる若手ポル・モネンなどキャスト陣が脚光を浴びているようでした。ホセ・コロナドは昨年4月に心臓のステント手術を受けたばかりですが、仕事をセーブする気配もなく、マドリード暗黒街のドンに扮したTVシリーズ「Gigantes」(8話)出演など、強面が幸いして引っ張りだこ状態です。

(左から、シンボルマークを囲んでポル・モネン、ビバス監督、ホセ・コロナド)

(共演のアナ・ワヘネル、エステル・エクスポシトも加わり、グリーンカーペットに勢揃い)

★映画国民賞にプロデューサーのエステル・ガルシアが受賞したこともあって、初めて女性プロヂューサー27人が一堂に会しました(写真下、前列左がエステル・ガルシア)。日本と比較して多いのか少ないのか分かりませんが壮観です。女性シネアストの機会均等、作品を裏から支えるだけでなく、製作者の可視化も必要ということもあるようです。

(開会式が行われるカルデロン劇場に会した女性プロデューサーたち、10月20日)
★10月26日、今年は以前ジャーナリストであったレティシア王妃が現地を表敬訪問され、サイレント喜劇『ロイドの要人無用』(1923)を鑑賞された(フレッド・ニューメイヤー&サム・テイラー監督の無声映画「Safety Last !」)。主演は三大喜劇俳優の一人ハロルド・ロイド。日本でも無声映画のファンが増え、ロイド喜劇シリーズはDVDで鑑賞できる。

(映画祭関係者に囲まれて記念撮影に臨んだレティシア王妃、10月26日)

(『ロイドの要心無用』のスペイン題「El hombre mosca」のポスター)
★間もなく受賞結果が発表になりますが、いずれアップいたします。以下の写真は主な出席者。

(開会式で挨拶するカルロス・サウラ)

(ファンの求めに応じてスマホにおさまるバルバラ・レニー、グリーンカーペットで)
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