第32回ゴヤ賞結果発表*ゴヤ賞2018 ⑨ ― 2018年02月04日 23:27
フェミニズムの夕べ、パンドラの箱が空きました!
(スペイン映画アカデミーの代表者)
★2月3日22:00、マドリードのマリオット・オーディトリアム・ホテルで開催、約4時間近い長丁場でした。第32回ゴヤ賞授賞式は初めてスペイン映画アカデミー会長不在で開催され、世界のフェミニズムの流れにそって、映画産業界の平等の欠如に警鐘を鳴らす授賞式になりました。「もっと女性にチャンス」という赤い扇子1800本が用意され出席者に配布されました。勿論断るのも自由ということですね。黒が目立つようですが、濃いブルーが写真では黒に見えるのでゴールデングローブ賞のような強制はなかった。ベストドレッサーNo1に選ばれたペネロペ・クルスは白、いつも通りベルサーチでした。レオノール・ワトリングはエレガントな朱色のドレス、ベレン・ルエダはあでやかな紫紅色のドレスでした。
(栄誉賞のマリサ・パレデス)
★総合司会者は3年連続のダニ・ロビラから、スペイン南東部アルバセテ出身のホアキン・レイェスとエルネスト・セビーリャという二人の喜劇俳優にバトンタッチ、評判のほどはどうだったのでしょうか。ガラあれこれは次回に回すとして取りあえず受賞結果をアップしておきます。主演男優・女優賞のように予想通りの受賞と、「La librería」の作品賞受賞のように外れが混在したのも、例年通りでした。それにしても「Handia」のノミネーション13個のうち受賞が10個には驚きました。興行成績はノミネーション作品では下位でした。
(総合司会者のホアキン・レイェスとエルネスト・セビーリャ)
★ゴヤ賞2018の受賞結果は以下の通りです。(ゴチック体は当ブログ紹介作品)
◎作品賞
「El autor」 ノミネーション9個(受賞2個)
「Verano 1993」(『夏、1993』) 同8個(3個)
「Handia」 同13個(10個)
◎「La librería」 同12個(3個)
「Verónica」『エクリプス』 同7個(1個)
(プレゼンターは、カルロス・サウラとペネロペ・クルス)
◎監督賞
マヌエル・マルティン・クエンカ 「El autor」
アイトル・アレギ&ジョン・ガラーニョ 「Handia」
◎イサベル・コイシェ 「La librería」
パコ・プラサ 「Verónica」
(プレゼンターは、フアン・アントニオ・バヨナとグラシア・ケレヘタ)
◎新人監督賞
セルヒオ・G・サンチェス 「El secreto de Marrowbone」
◎カルラ・シモン「Verano 1993」『夏、1993』
ハビエル・カルボ&ハビエル・アンブロッシ 「La llamada」『ホーリー・キャンプ!』
リノ・エスカランテ 「No sé decir adiós」
(赤い扇子を広げて感激のカルラ・シモン)
◎オリジナル脚本賞
パブロ・ベルヘル 「Abracadabra」監督パブロ・ベルヘル
カルラ・シモン 「Verano 1993」
◎アイトル・アレギ、ジョン・ガラーニョ、ホセ・マリ・ゴエナガ、アンドニ・デ・カルロス「Handia」
フェルナンド・ナバロ&パコ・プラサ 『エクリプス』
(トロフィーを手にしているのがジョン・ガラーニョ)
(ホセ・マリ・ゴエナガとアンドニ・デ・カルロス)
◎脚色賞
ハビエル・セルカス、アレハンドロ・エルナンデス、マヌエル・マルティン=クエンカ 「El autor」
コラル・クルス、ジョアン・サレス、アグスティ・ビラリョンガ 「Incerta gloria」
◎イサベル・コイシェ 「La librería」
ハビエル・カルボ&ハビエル・アンブロッシ 「La llamada」『ホーリー・キャンプ!』
◎オリジナル作曲賞
◎パスカル・ゲーニュ 「Handia」
アルベルト・イグレシアス 「La cordillera」『サミット』監督サンティアゴ・ミトレ
アルフォンソ・デ・ビラリョンガ 「La librería」
カルロス・アルガラ&トマス・ネポムセノ 『エクリプス』
(フェロス賞に続いての受賞)
◎オリジナル歌曲賞
「Algunas veces」ホセ・ルイス・ペラレス 「El autor」
「Feeling lonely on the Sunday aftermoon」アルフォンソ・デ・ビラリョンガ 「La librería」
◎「La llamada」Leiva(ホセ・ミゲル・コホネス) 「La llamada」『ホーリー・キャンプ!』
「Rap zona hostil」ロケ・バニョス「Zona hostil」 監督アドルフォ・マルティネス・ペレス
(ホセ・ミゲル・コホネス Leiva)
◎主演男優賞
アントニオ・デ・ラ・トーレ 「Abracadabra」
◎ハビエル・グティエレス 「El autor」
ハビエル・バルデム 「Loving Pablo」監督フェルナンド・レオン・デ・アラノア
アンドレス・ヘルトルディス 「Morir」監督フェルナンド・フランコ
(フォルケ賞、フェロス賞も受賞、『マーシュランド』に続いて2個目をゲット)
◎主演女優賞
マリベル・ベルドゥ 「Abracadabra」
エミリー・モーティマー 「La librería」
ペネロペ・クルス 「Loving Pablo」
◎ナタリエ・ポサ 「No sé decir adiós」
(フォルケ賞、フェロス賞も受賞、初めてのゴヤ賞主演女優賞、プレゼンターは
ホセ・サクリスタンとルイス・トサールでした)
◎助演男優賞
ホセ・モタ 「Abracadabra」
アントニオ・デ・ラ・トーレ 「El autor」
◎ダビ・ベルダゲル 「Verano 1993」
ビル・ナイ 「La librería」
◎助演女優賞
◎アデルファ・カルボ 「El autor」
アンナ・カスティーリョ 「La llamada」『ホーリー・キャンプ!』
ベレン・クエスタ 「La llamada」『ホーリー・キャンプ!』
ロラ・ドゥエニャス 「No sé decir adiós」
(フェロス賞に続いての受賞、ゴヤ賞は初めて)
◎新人男優賞
ポル・モネン 「Amar」 監督エステバン・ガルシア
◎エネコ・サガルドイ 「Handia」
エロイ・コスタ 「Pieles」『スキン あなたに触らせて』
サンティアゴ・アルベル 「Serfi」 監督ビクトル・ガルシア・レオン
◎新人女優賞
アドリアナ・パス 「El autor」
◎ブルナ・クシ 「Verano 1993」
イツィアル・カストロ 「Pieles」『スキン あなたに触らせて』監督エドゥアルド・カサノバ
サンドラ・エスカセナ 『エクリプス』
(ガウディ賞に続いての受賞)
◎プロダクション賞
ミレイア・グラエル・ビバンコス 「Verano 1993」
◎アンデル・システィアガ 「Handia」
アレックス・ボイド&ジョルディ・べレンゲル 「La librería」
ルイス・フェルナンデス・ラゴ 「Oro」 監督アグスティン・ディアス・ヤネス
◎撮影賞
サンティアゴ・ラカRacaj 「Verano 1993」
◎ハビエル・アギーレ・エラウソ 「Handia」
ジャン・クロード・ラリュー 「La librería」
パコ・フェルナンデス 「Oro」
◎編集賞
ダビ・Gallart 「Abracadabra」
アナ・Pfaff プファフ& Didac Palou 「Verano 1993」
◎ Laurent Dufreche &ラウル・ロペス 「Handia」
ベルナ・アラゴネス 「La librería」
◎美術賞(アートディレクター)
アライン・バイネー 「Abracadabra」
◎ミケル・セラーノ 「Handia」
リョレンス・ミケル 「La librería」
ハビエル・フェルナンデス 「Oro」
(『フラワーズ』も手掛けたアートディレクター)
◎衣装デザイン賞
パコ・デルガド 「Abracadabra」
◎サイオア・ララ 「Handia」
メルセ・パロマ 「La librería」
タティアナ・エルナンデス 「Oro」
(『フラワーズ』の衣装も手掛けたビルバオ生れのデザイナー)
◎メイクアップ&ヘアー賞
シルビエ・インベルト&パコ・ロドリゲス 「Abracadabra」
◎アイノア・エスキサベル、オルガ・クルス、ゴルカ・アギーレ 「Handia」
エリ・アダネス、セルヒオ・ぺレス・ベルナル、ペドロ・デ・ディエゴ 「Oro」
ロラ・ゴメス、ヘスス・ジル、オスカル・デル・モンテ 「Pieles」『スキンあなたに触らせて』
(ゴルカ・アギーレ、アイノア・エスキサベル、オルガ・クルス)
◎録音賞
ダニエル・デ・サヤス、ペラヨ・グティエレス、アルベルト・オベヘロ 「El autor」
セルヒオ・ブルマン、ダビ・ロドリゲス、ニコラス・デ・ポウルピケ 「El bar」
『クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的』監督アレックス・デ・ラ・イグレシア
イニャーキ・ディエス&サンティ・サルバドル 「Handia」
◎アイトル・ベレンゲル、ガブリエル・グティエレス、ニコラス・デ・ポウルピケ
『エクリプス』
(録音賞1個で終わった『エクリプス』)
◎特殊効果賞
◎ジョン・セラーノ、ダビ・エラス 「Handia」
レイェス・アバデス&イシドロ・ヒメネス 「Oro」
ラウル・ロマニリョス&ダビ・エラス 「Verónica」
レイェス・アバデス&クーロ・ムニョス 「Zona hostil」
◎ドキュメンタリー賞
「Cantábrico」 監督ジョアキン・グティエレス・アチャ
「Dancing Beethoven」 同アランチャ・アギーレ
◎「Muchos hijos, un mono y castillo」 同グスタボ・サルメロン
「Saura(s)」 同フェリックス・ビスカレット
(フォルケ賞に続いての受賞、親孝行できた監督と母親フリータ、フリア・サルメロン)
◎イベロアメリカ映画賞
「Amazona」(ドキュメンタリー)コロンビア、監督Clare Weiskopt & Nicolas van Hemelryck)
「Tempestad」(ドキュメンタリー)メキシコ、同タティアナ・ウエソ
◎「Una mujer fantástica」(『ナチュラルウーマン』)チリ、同セバスティアン・レリオ
「Zama」(『サマ』)アルゼンチン、同ルクレシア・マルテル
*フォルケ賞に続いて予想通りの受賞、自信をもってチリからやってきました。
(ヒロインのダニエラ・ベガと監督)
★以下は受賞作だけのアップです。
◎ヨーロッパ映画賞
◎『ザ・スクエア 思いやりの聖域』監督リューベン・オストルンド(スウェーデン・独仏ほか)
◎アニメーション賞
◎「Tadeo Jones 2. El secreto del Rey Midas」監督エンリケ・ガト&ダビ・アロンソ
◎短編アニメーション
◎「Woody and Woody」 監督ジャウマ・カリオ
(中央がカリオ監督、スタッフ)
◎短編映画賞
◎「Madre」 監督ロドリゴ・ソロゴジェン
(フォルケ賞に続いて下馬評通りの受賞)
◎短編ドキュメンタリー
◎「Los desheredados」 監督ラウラ・フェレス
(父親と一緒のラウラ・フェレス)
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