サンティアゴ・セグラ「金のメダル」授賞式2016年11月23日 12:11

       「トレンテVI」を撮るかどうかはトランプ次期大統領次第?

 

★スペイン映画アカデミー新会長イボンヌ・ブレイクは、「今日はあなたにとって素晴らしい一日になるでしょう。映画アカデミーはこのメダルをあなたに渡せることを誇りに思います」と挨拶、「金のメダル」がサンティアゴ・セグラの手に渡りました。受賞の発表は半年前の4月半ば、決定したときの会長は短命に終わったアントニオ・レシネス執行部でした。授賞式の夕べはアカデミー会員や友人を交えてリッツで開催されました(1118日)。サンティアゴ・セグラのキャリアと毎回高い興行成績でスペイン映画の窮地を救ってきた「トレンテ・シリーズ」の作品紹介は既にアップ済みです。主人公の悪徳警官ホセ・ルイス・トレンテを演じるために体重を20キロ増量して、太ったり痩せたりはきついのか、「トレンテ6」を撮るかどうかはトランプ次期アメリカ大統領次第と記者団を煙に巻いておりました。

 

         

                  (メダルを手に現在は痩せているサンティアゴ・セグラ)

 

メダルの正式名は、Medalla de Oro de la Academia de las Artes y las Ciencias Cinematográficas de España と長く、通称金のメダルです。スペイン映画アカデミーが選考、受賞対象者は、製作者、監督、脚本家、俳優、音楽家、撮影者などオール・シネアスト。「スペイン映画における多方面にわたる全功績に対して」贈られる。

 

 

20キロ増量した第1作“Torrente, el brazo tonto de la ley”のジャケット)

 

サンティアゴ・セグラは、1965年マドリード生れ、俳優、脚本家、監督、製作者。メダルを手に記者団の質問にはユーモアを交えて言葉巧みに応じていたようです。「自分の性格はふさぎ込むタイプ、これはあまり知られていない部分かも知れない。以前の受賞者と比較して、メダルが自分に値するかどうかわからないが、とても誇りに思っている。実際に生きる力になると感じているし、今夜はとても感動している」、「前進しつづけるためのガソリンになった」と。

 

★「私たちシネアストも他の労働者と同じように暮らしは大変だ。時々砂漠の真ん中で叫んでいるのにうんざりしてくる、何時かそれに気づくと思う。トランプはどう思うかだって、メダル受賞の投票からも分かるようにデモクラシーは不完全だ。今は彼が選挙で約束した政策を守らない他の政治家と同じようになることを期待している。映画アカデミー会長は? それはない。首相はどうかだって・・・ねえ、昨日トランプのニュースを見ていて考えたのだが、皆んな今の政治に飽き飽きしているんだよ。「トレンテ6」を撮るかどうかはトランプ次第、もし世の中ひっくり返ったら映画は作れない」。TPPには参加しないと言って、日本政府は慌てているけど・・・

 

今後の予定 アルゼンチンでダニエル・ブルマンのTVミニシリーズSupermaxに出演する。共演者はセシリア・ロス、ハバナ生れだがスペインで活躍するルベン・コルターダなど。他に映画を2本、ガブリエル・ナスシCasi leyenda(アルゼンチン、17)とフェデリコ・クエバのアクション・コメディSólo se vive una vez(アルゼンチン=西、17)をブエノスアイレスで撮影する。「アルゼンチンで自分が好まれているかどうか知らない。シリーズ『トレンテ』は未公開だが、海賊版がスタンドに出回っており、自分も贈呈され持っている。アクセントは耐えられないが同じ言語だからね。映画産業も御多分にもれずグロバリゼーションだね」。撮影終了後、帰国して大晦日のTVバラエティ番組「Fin de Año」の司会をする予定、なかなかもって忙しい。

 

  

                  (“Supermax”撮影中のサンティアゴ・セグラとダニエル・ブルマン監督)

  

★「ゴヤ賞は、短編映画賞新人男優賞新人監督賞3個持っているが、健康に恵まれ今後も仕事が続けられるなら、そのうち栄誉賞がもらえるかも」。「金のメダル」のあと狙うのはゴヤ栄誉賞のようです。

 

「金のメダル」、サンティアゴ・セグラのキャリア&作品紹介は、コチラ⇒2016611