アルモドバルの新作11月公開*「フリエタ」でなく『ジュリエッタ』2016年09月03日 18:24

          危惧した通りの邦題「ジュリエッタ」になりした!

 

  

 ★サンセバスチャン映画祭に関する記事はちょっとお休みして、映画新情報を幾つかアップします。まずアルモドバルの新作Julieta(“Silencio”が途中で改題)が『ジュリエッタ』の邦題で115日に公開されます。危惧した通り「フリエタ」ではなく「ジュリエッタ」になりました。作中で「フリエタ」と呼ばれるシーンが出てくる度に、観客は「ジュリエッタ」という字幕を見るというわけです。スペイン語話者はスペイン、南北アメリカ、赤道ギニア、20カ国42000万人以上に上り、国際会議においては英語、仏語、露語、中国語、アラビア語と並ぶ6つの公用語の1つです。配給会社の関係者が考えるほどマイナー言語ではありません(配給元はブロードメディア・スタジオ)。

 

★当ブログでは既に「フリエタ」でご紹介しております。尚現在のフリエタを演じる女優名は公式サイトではエマ・スアレスですが、過去の「スペイン映画祭」ではエンマ・スアレス、こちらでご紹介しております。30年前のフリエタを演じるアドリアーナ・ウガルテはアドリアナ長音ナシのご紹介です。長音を入れるかどうかは好みの問題という立場をとっております。例年10月に開催される「ラテンビート2016で多分先行上映会されるのではないでしょうか。

 

トロント映画祭2016マスターズ部門ノミネーション、第29ヨーロッパ映画賞2016オフィシャル部門、及び観客賞選考対象作品にノミネーションされています。アカデミー賞外国語映画賞2017のスペイン代表作品に“El olivo”(イシアル・ボリャイン)と“La novia”(パウラ・オルティス)、それに『ジュリエッタ』がアナウンスされています。アルモドバルは『神経衰弱ぎりぎりの女たち』(88ノミネート)、『ハイヒール』(91落選)、『私の秘密の花』(95落選)、『オール・アバウト・マイ・マザー』99年受賞)、『ボルベール』(06最終選考)に続いて6度め、間もなく発表になります。

  

     

       (公開に合わせてイギリス入りしたアルモドバル、2016810日)

 

エマ・スアレスとアドリアナ・ウガルテのキャリア紹介記事は、コチラ⇒201545

アルモドバル、主な作品紹介の記事は、コチラ⇒2016219201658

 

 

      ベネチアとトロントにノミネートされたラウル・アレバロのデビュー作

 

   

ラウル・アレバロのスリラーTarde para la ira(“The Fury ob a Patient Man”)は、ベネチア映画祭の「オリッゾンティ部門」に続いて、トロント映画祭の「ディスカバリー部門」にノミネーションされました。「俳優になったのは監督になる足掛かりをつくるため」と語っていたアレバロ監督、名優にして名監督、フェルナンド・フェルナン・ゴメスの有名な言葉「多くの人は、一介の俳優が監督するなんて、と驚くが少しも驚くことじゃない。監督したくない人なんていない」を引用して、「これは自然なことなのだ!」とベネチア出発直前のインタビューに応えていました。

 

★日本デビューはダニエル・サンチェス・アレバロ監督のデビュー作『漆黒のような深い青』06、ラテンビート2007上映)、アルモドバル作品の常連さん、最近ではアルベルト・ロドリゲスのスリラー仕立ての社会派映画『マーシュランド』が記憶に新しい。

 

  

       (アレバロ監督、マドリードのデボド寺院公園にて、20168月)

 

★盟友アントニオ・デ・ラ・トーレ、ルイス・カジェホのプロ以外に、母親、伯母さん、兄弟、デ・ラ・トーレの娘さん、町を上げての協力のお陰で〈監督デビュー〉できました。それが三大映画祭の一つベネチアへ、米国市場への一番の近道トロントへ、さらに99日スペイン公開も決定しました。

監督&作品の記事は、コチラ⇒2016226

ベネチア映画祭2016の記事は、コチラ⇒201684

 

 

     ヨーロッパ映画祭賞2016オフィシャル部門出品作品

 

『ジュリエッタ』2016、アルモドバル、上記割愛

 

El olivo2016、イシアル・ボリャイン 

マイアミ、シアトル、エジンバラ、各映画祭2016出品、ブリュッセル映画祭観客賞受賞、ほか

作品&監督フィルモグラフィーの紹介記事は、コチラ⇒2016719

 

 

Truman2015、セスク・ゲイ

サンセバスチャン映画祭2015オフィシャル部門、男優賞受賞(リカルド・ダリン、ハビエル・カマラ)、ゴヤ賞2016作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・助演男優賞受賞、ほか

作品&監督フィルモグラフィーの紹介記事は、コチラ⇒201619

 

 

Mimosas2016、オリヴェル・ラセ

カンヌ映画祭2016のパラレル・セクション「批評家週間」のグランプリ作品、トロント映画祭2016Wavelengths部門」出品、ほか

紹介記事は、コチラ⇒2016522