ゴヤ賞2016 「栄誉賞」 はマリアノ・オソレス監督が受賞 ①2015年11月18日 17:33

                                 ゴヤ賞2016「栄誉賞」はコメディ監督マリアノ・オソレス

 

★ゴヤ賞授賞式は来年2月と大分先ですが、ゴヤ賞2016の「栄誉賞」はコメディ監督マリアノ・オソレスが選ばれました。昨年のアントニオ・バンデラスのように日本での知名度はありませんが、スペイン人で彼の映画を見たことがない人は少ない。ゴヤ賞とは無縁の監督でしたが、40年間で96作、低予算、短期間で1年間に5作品撮った年もあるとか。どの作品も観客に受け入れられた、つまり映画館に足を運んだ観客は延べ8700万人、総人口の倍近いそうです。スペイン人がコメディ好きなのは、暗い時代が長かったから、せめて映画館の中だけでも笑いたかったのかもしれません。

         

        

               (ゴヤ賞2016の栄誉賞に選ばれたマリアノ・オソレス監督)

 

1926年マドリード生れ、監督、脚本家。両親は俳優だったが監督の道を選んだ。俳優を選んだのは兄弟のホセ・ルイスとアントニオ、最近では姪のエンマ・オソレス、アドリアナ・オソレスなど。「考え深い人で、とても控えめだが、人々を幸せにできる人。驚くべきことは、常に誇りをもって映画に取り組んだ監督、受賞にふさわしい人は彼以外にいない」と映画アカデミー会長アントニオ・レシネスの弁。ゴヤ賞が近づいたら、改めてご紹介いたします。

 

『ミューズ・アカデミー』 がセビーリャ・ヨーロッパ映画祭「金のヒラルダ」受賞2015年11月18日 18:26

        セビーリャ・ヨーロッパ映画祭「金のヒラルダ」を受賞

 

★記憶が残っているうちにアップしようと思っている『ミューズ・アカデミー』「金のヒラルダ」Giraldeillo de Oro)を受賞しました。例年11月半ばにセビーリャで開催される映画祭の最高賞です。ヨーロッパ映画賞の前哨戦の意味合いがあり、この映画祭でノミネーションが発表される(今年は既に発表)。ここでの受賞作品はヨーロッパ映画賞ノミネーションの確率が高く、ただ『ミューズ・アカデミー』は選ばれませんでした。ヨーロッパ映画賞のうち技術部門(音響・衣装デザイン・編集など)は10月末に受賞者が決定されている。

 

    

       (ラファエレ・ピント教授と妻 『ミューズ・アカデミー』から)

 

★『ミューズ・アカデミー』受賞はちょっと意外、というのも下馬評ではポルトガルのミゲル・ゴメスのArabian Nights(“As mil e una noites”ポルトガル、仏、独、スイス)か、トルコ映画“Mustang”が高得点だったこと、既に発表されていたヨーロッパ映画賞の作品賞以下のノミネーションがゼロだったからでした。“Arabian Nights”は「銀のヒラルダ」Giraldeillo de Plata)を受賞、ヨーロッパ映画賞(技術部門)の音響デザイナー賞の受賞が決定しています。

 

★その他では、観客賞受賞のトルコのMustang(監督Deniz Gamze Erguven 仏、独、トルコ、カタール)が作品賞とディスカバリー賞にノミネーションされています。トルコ映画ですがフランス、ドイツが製作国に参加ですから対象作品です。カンヌ映画祭と並行して開催される「監督週間」の話題作、カンヌ以来、世界各地の映画祭、ベネチア、トロント、バジャドリード、ニューヨークと次々に招待され、フランス、ベルギー、アルゼンチンなどで公開、来年にかけても続々公開が決まっています。両親が亡くなり孤児となってしまったトルコ北部の村で暮らす5人姉妹のドラマ、祖母と叔父の庇護のもと、彼女たちがボーイフレンドたちと巻き起こす自由奔放な行動、フリーダム、女性の権利、親族によるレイプ、スキャンダル、死、社会的圧力など、現代トルコが抱える問題が描かれる。

               

                (“Mustang”のポスター)

 

★今年のセビーリャ・ヨーロッパ映画祭の授賞式は、パリで起きた同時多発テロの影響でキャンセルされました。セビーリャのロペ・デ・ベガ劇場で行われる予定だったアメリカの歌手ソフィー・オースターのコンサートも中止となり、テロの影響は深刻です。

 

★『ミューズ・アカデミー』のアップは、1回鑑賞ではすこぶる心もとないですが、「金のヒラルダ」を受賞したことだし、時間が経つと億劫になりそうなので、次回にまとめます。