第2回イベロアメリカ・プラチナ賞結果発表 ― 2015年07月21日 15:34
『人生スイッチ』が作品賞他8賞を独占
★不安が的中、『人生スイッチ』が4個ぐらいは貰うと予想しておりましたが、なんと8個とは! ということで個人的にはいささか不機嫌です。ノミネーション作品をちゃんと見ていたら、もう少しばらつくと思いませんか。カテゴリーはたったの「13」しかなく、いやしくもラテンアメリカ諸国を含め23カ国が参加する国際的な賞とは思えない。これでは「イベロアメリカ映画の<オスカー賞>」という名前が泣くし、イベロアメリカ映画の将来にもよい結果をもたらさない。
★『人生スイッチ』のコメントは、7月25日に封切られますので、鑑賞後改めてアップすることにし、今回は触れないことに致します。ジフロン監督は合計3回登壇して「素晴らしい1日でした」と挨拶。そりゃそうでしょ、彼のために開催された授賞式でした。
(トロフィーを手にした『人生スイッチ』一同)
主なカテゴリー候補と受賞作品・受賞者(ゴチック体が受賞)
*作品賞
Conducta (キューバ)『ビヘイビア』(SKIPシティ映画祭上映)ノミネーション8個
La isla mínima (スペイン)同9個
MR. Kaplan (スペイン、ウルグアイ)同9個
Pelo malo (ベネズエラ、ペルー、アルゼンチン)同8個
Relatos salvajes (アルゼンチン、スペイン)同10個、『人生スイッチ』公開
*監督賞
アルベルト・ロドリーゲス La isla mínima (スペイン)
アルバロ・ブレチネル MR. Kaplan (スペイン、ウルグアイ)
ダミアン・ジフロン 『人生スイッチ』(アルゼンチン、スペイン)(写真下)
エルネスト・ダラナス 『ビヘイビア』(キューバ)
マリアナ・ロンドン Pelo malo (ベネズエラ、ペルー、アルゼンチン)
*脚本賞
アルバロ・ブレチネル MR. Kaplan
ダミアン・ジフロン 『人生スイッチ』
エルネスト・ダラナス 『ビヘイビア』
マリアナ・ロンドン Pelo malo
ラファエル・コボス&アルベルト・ロドリーゲス La isla mínima
*男優賞
ベニチオ・デル・トロ Escobar: Paraiso perdido(スペイン、パナマ)
ハビエル・グティエレス La isla mínima (スペイン)
ホルヘ・ペルゴリア La pared de las palabras(キューバ)
レオナルド・スパラグリア 『人生スイッチ』(アルゼンチン、スペイン)
オスカル・ハエナダ Cantinflas(メキシコ)(写真下)
*女優賞(6名)
エリカ・リバス 『人生スイッチ』(アルゼンチン、スペイン)(写真下)
ジュラルディン・チャップリン Dólares de arena (ドミニカ共和国、アルゼンチン、他)
ラウラ・デ・ラ・ウス Vestido de novia (キューバ)
レアンドラ・レアル O lobo atrás da porta (ブラジル)
パウリナ・ガルシア Las analfabestas (チリ)
サマンサ・カスティージョ Pelo malo(ベネズエラ、ペルー、アルゼンチン)
*撮影賞:“La isla mínima”のアレックス・カタラン
*オリジナル音楽賞:グスタボ・サンタオラジャ『人生スイッチ』
*編集賞:パブロ・バルビエリ、ダミアン・ジフロン『人生スイッチ』
*美術賞:クララ・ノタリ他『人生スイッチ』
*録音賞:ホセ・ルイス・ディアス『人生スイッチ』
*ドキュメンタリー賞: “O sal da terra”(“The Salt of the Earth”)ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガドの共同監督(2014ブラジル、仏、伊)
*アニメーション賞:“O Menino e o Mundo”アレ・アブレウ(2014ブラジル)
*初監督作品賞:クラウディア・ピント“La distancia mas larga”(2013ベネズエラ)
(ピント監督の“La distancia mas larga”から)
★第1回は前年(2013)の1月から12月の作品から選ばれ、ガラは4月に開催されました。製作年ではなく公開年が選定の基本。それで初監督作品賞のようにノミネーションが若干ずれてしまうことがあります。第2回は2014年1月から2015年3月に変更され7月開催となりました。第3回からは前年4月から翌年3月までになるのではないでしょうか。
★“La distancia mas larga”が選ばれたベネズエラではグッド・ニュースと報じられました。カルメ・エリアスがガラに出席していたのは、本作のヒロインだったからでしょう。ハビエル・フェセルの『カミーノ』で頑迷な母親を演じた女優です。
★授賞式に出席した俳優・監督・製作者の顔ぶれ
俳優:マリベル・ベルドゥ、エドワード・ジェムス・オルモス、ピラール・ロペス・デ・アヤラ、ダリオ・グランディネティ、ギジェルモ・フランセジャ、ハビエル・グティエレス、アルベルト・アンマン、カルロス・バルデム、ゴヤ・トレド、インマ・クエスタ、カルメ・エリアス、ジョルディ・モリャ、他
監督:フアン・アントニオ・バヨナ、サンティアゴ・セグラ、フリオ・メデム、他
製作者:アウグスティン・アルモドバル、ホセ・アントニオ・フェレス、他
★授賞式は、スペイン国営テレビで中継された。プレゼンターは俳優イマノル・アリアス、女優アレサンドラ・ロサルド、ジャーナリストのフアン・カルロス・アルシニエガス二。米国在住のスペイン語話者を含めると4億人が見られたはずです(笑)。
★栄誉賞受賞のアントニオ・バンデラスは、プエルトリコ出身ののリタ・モレノからトロフィーを受け取りました。『ウエスト・サイド物語』(1961)でアカデミー賞とゴールデングローブ助演女優賞、他にトニー賞、グラミー賞、エミー賞の受賞者。1931年生れの83歳、伝説的な女優、ダンサー、舞台女優ですから名誉なことでしょう。写真で見る限り83歳には見えない。
関連記事*管理人覚え
◎第1回イベロアメリカ・プラチナ賞の記事は⇒2014年02月20日/03月18日/04月17日
◎第2回イベロアメリカ・プラチナ賞のプレセレクションの記事は⇒2015年03月28日
◎第2回イベロアメリカ・プラチナ賞ノミネーションの記事は⇒2015年06月11日
◎クラウディア・ピント“La distancia más larga”の記事は⇒2013年09月05日
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