サンセバスチャン映画祭2015*今年も資金不足が懸念される ②2015年07月07日 10:47

          オフィシャル・パートナーに援助のラブコール

     

★資金不足が恒常的となっている映画祭はサンセバスチャンに限りませんが、昨年度の運営費740万ユーロに到達していないため、事務局はオフィシャル・パートナーの「ガス・ナトゥラル・フェノーサGas Natural SDG, S.A.」以下にさらなる助成金の増額を要請しています。この会社は主たるスポンサーの一つで、スペインのエネルギー(ガスと電力)事業を総括している多国籍企業。協賛金の受付締め切りは628日、月が変わりましたがどうなったでしょうか。

(写真下は左から、アンドリュー・ブエナフエンテ、ホセ・ルイス・レボルディノス、ジョルディ・ガルシア・タベルネロ、パコ・レオン、617日サンセバスチャンにて)

 


918日開催まで3カ月を切りました。ギリシャのデフォルト危機で欧州経済は混迷を深めていますが、スペインも対岸の火事と眺めてはいられないはず。取りあえずガス・ナトゥラル・フェノーサのジョルディ・ガルシア・タベルネロ氏(2009年からグループの情報及びゼネラル・マネジャー)が承諾の署名をしてくれたということです。写真の笑顔から判断するに、映画祭総括ディレクターのJL・レボルディノスは一応胸をなでおろしている様子。一番の大口スポンサーですから。

 

アンドレウ・ブエナフエンテ氏は、バルセロナに本部をおくオーディオビジュアルのプロダクション「El Terrat de Producciones, S.L.」(1989年設立)の創設者、作家でコメディアンと多才な人。テレビ、映画、ラジオ、インターネット、演劇のプログラムを製作している大手プロダクション。『タパス』のホセ・コルバチョ監督、俳優のパコ・レオン、『タパス』やTVドラで活躍のエドゥアルド・ソト、ブエナフエンテの奥さんシルビア・アブリルは女優でコメディアン、サンティアゴ・セグラのシリーズ「トレンテ」345に出演しているから日本でもお馴染みの女優。俳優ほかスタッフ400名が所属している大所帯のプロダクションです。

 

★今年のテーマはユーモアだそうで、ジャンルはコメディが多くなりそう。パコ・レオンは今年は積極的に参加するようで、映画祭用の短編をカルメン・マウラとセクン・デ・ラ・ロサ主演で撮る。他にサンティアゴ・セグラは、アナベル・アロンソ、エンリケ・ビジェン、ホアキン・レイジェスを起用、イサベル・コイシェはシルビア・アブリル、フリアン・ロペス、キラ・ミロー他、監督の要請でブエナフエンテ自身も引っ張り出されるらしい。将来のシネアストのタマゴたる学生たちの参加も予定されている。撮影には「El Terrat」のテクニカル・グループが協力、ホセ・コロナドの援助も得られるとアナウンスされた。どうやら楽しいサンセバスチャンが期待されそう。

 

              

           (映画祭2015のコンペティション部門のポスター)