アルモドバル女性映画にリターン*”Silencio”2015年03月15日 16:25

                       まだ全容がつかめない“Silencio

   

★正月早々、「次回作は女性をヒロインにした“Silencio”、脚本は間もなく完成、クランクインは4月、ロケ地はガリシアの海岸とマドリード」と、監督自らが「ファイナンシャル・タイムズ」のインタビューに語っていました。何故イギリスの日刊紙かというと、『神経衰弱ぎりぎりの女たち』ミュージカル版のロンドン公演のこけら落しが112日、そのプロモーションにロンドン入りしていたからです。自身のブログとかで何人か脇役の名前がアナウンスされていますが、今もって主演者の名前は発表になっておりません。決定している中にはロッシ・デ・パルマがおり(IMDbに唯一アップされています)、ロンドン公演にも駆けつけておりました。アルモドバル映画は7作目となります

 

製作順:『欲望の法則』(86)、『神経衰弱ぎりぎりの女たち』(87)、『アタメ』(89)、『キカ』(93)、『私の秘密の花』(95)、『抱擁のかけら』(09)。1964年マジョルカ島のパルマ生れ、女優、作曲家。生れ故郷から芸名は付けられた。本名ロサ・エレナ・ガルシア・エチャベ。マドリードのカフェでアルモドバルにスカウトされ映画デビュー、それがチョイ役の『欲望の法則』でした。最後の『抱擁のかけら』もカメオ出演でした。

 

       

       (ロッシ・デ・パルマ、マドリードのホテル・インディゴにて 2015114日)

 

★デ・パルマによると、「優しさにあふれた映画、特に女性」路線だが、テーマは口止めされているのか自分の口から「詳しく述べることはできないが、スペイン内戦に言及している映画」だそうです。「少し前から出演が決まっていたが、ペドロが公式に発表するまでは口外できなかった」由。またペネロペ・クルスのプロジェクト参加の可能性についてはかなり少ないと語っていた。どうして突然PPの名前が出てきたかというと、キャストに彼女とバンデラスの名前が噂として飛び交っているからです。

 

★「ファイナンシャル・タイムズ」のインタビューでのアルモドバル発言によると、「脚本執筆中はキャスティングしていると集中できないから」としている。ヒロインにハプニングが起きて悪い方向に転がっていき、観客をノックし続けるという。最近管理人はアルモドバル映画にはノックダウンしていないので大いに期待しています。また、新作には関係あるのかないのか分かりませんが、アメリカのTVシリーズ『ブレイキング・バッド』について、「初期のスコセッシの映画のように、テレビ・ドラマとしては残酷で辛辣・・・アメリカのテレビドラマの最高峰と思う」とコメント。スコセッシは遠藤周作の秀作『沈黙』を脚色して同じ題名“Silence”の映画を計画中です。競合したら邦題はどうなるんでしょうか()

 


★プエルトリコの歌手リッキー・マルティン(スペインの国籍を持っている)が、アルモドバルからオファーを受け、脚本も読んだとと語っています。まだアルモドバル映画には出たことのない女優に「新アルモドバル・ガール」のチャンスを与えるだろうという説も。ゴヤ・トレドの名前も挙がっておりますが、エル・デセオからは公式の発表はありませんから、いずれも憶測の域を出ていません。インタビューでは、4月クランクインを表明しておりますからそろそろでしょうか。

 

★アルモドバルの女性路線は、デビュー作の『ペピ、ルシ、ボン、その他大勢の女の子たち』以来、10作は下らないと思いますが、個人的には『トーク・トゥ・ハー』や『抱擁のかけら』の主人公は、やたら女性が目立ちましたけど男性じゃないでしょうか。いずれ全容が見えてきた段階で触れたいと思います。 


★上の写真は『神経衰弱ぎりぎりの女たち』ミュージカル版出演のタムシン・グレイグTamsin Greigと談笑するアルモドバル監督(2015112日公演初日)。ロッシ・デ・パルマの他、エレナ・アナヤ、ミゲル・アンヘル・シルベストレ、ブランカ・スアレスの面々もロンドン入り、新作に関係ありや?

 

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