ゴヤ賞2015ノミネーション*落ち穂拾い ②2015年02月05日 15:39

              激戦区「新人女優賞」

    
★トップを走っていると思われるのが“La isla mínima”のネレア・バロスでしょうか。作品賞・監督賞受賞なら流れとして、譬え出番は少なくても受賞できるのではないか。ナタリア・テナはガウディ賞女優賞に選ばれましたがないかなぁ。夫婦とか恋人同士が遠距離で暮らすことが多くなったスペイン、本作のように妻がアメリカ留学など羨ましいケースで、実際は不況で海外に出稼ぎに行かざるを得ない別居が多い。観客が家族の在り方に疑問をもち、身につまされるプロットが受けているのかもしれません。ナタリア・テナとイングリッド・ガルシア・ヨンソンは主役、ヨランダ・ラモスとネレア・バロスは脇役です。主役のほうが強いかもしれない。

 

新人女優賞の4候補
1)ナタリア・テナ 10.000 km 監督:カルロス・マルケス≂マルセ
2ヨランダ・ラモス Carmina y amén 監督:パコ・レオン
3ネレア・バロス La isla mínima 監督:アルベルト・ロドリゲス
4イングリッド・ガルシア・ヨンソン Hermosa juventud 監督:ハイメ・ロサーレス

ナタリア・テナNatalia Tenaは、1984年ロンドン生れのイギリス人、イギリス育ちの女優、歌手だが、両親がスペイン系でスペイン語が堪能。クリス&ポール()・ワイツ兄弟の『アバウト・ア・ボーイ』(2002)で映画デビュー、もう「ハリーポッター」のニンファドーラ・トンクス役でお馴染み。またジョージ・RR・マーティンのファンタジー小説『氷と炎の歌』をテレビドラマ化したシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』にオシャOcha役で出演。

受賞歴:オースティンのSXSW映画祭2014女優賞受賞、マラガ映画祭2014主演女優賞を“Todos están muertos”のエレナ・アナヤと分け合った(今回アナヤは主演女優賞にノミネートされている)。21日発表になったガウディ賞女優賞を受賞しました。

ゴヤ賞2015ノミネーション⑧ 2015年0130

マラガ映画祭2014 2014年04月04日/0411

 

                  

               (ナタリア・テナ、映画から)

 

ヨランダ・ラモスYolanda Ramosは、1968年バルセロナ生れ、喜劇俳優、テレビの司会者。1998年バルセロナのローカルTV番組のバラエティーショー“El Molino”でデビュー。アンテナ3やテレシンコでテレビ司会者として活躍。特に20144月からテレシンコの番組“Hable con ellas”の司会者、同10月の政治討論番組“Un tiempo nuevo”に出演。映画デビューは、アルモドバルの『ボルベール』のテレビ司会者、サンティアゴ・セグラの『トレンテ 4』の娼婦役、“Carmina y aménが本格的なデビュー。舞台もマドリードのグランビア小劇場の“La Cavernícola”に出演している。

受賞歴:パコ・レオンのカルミナ第2弾“Carmina y amén”でマラガ映画祭2014助演女優賞銀賞年を受賞 前作と同じ母カルミナ・バリオス、妹マリア・レオンの親子三人が中心になって作ったセビーリャ版コメディ。本作で2015年のフェロス賞とシネマ・ライターズ・サークル賞にノミネートされた。

*マラガ映画祭20142014年0413 

                        

                     (マラガ映画祭授賞式でのヨランダ・ラモス)

 

ネレア・バロスNerea Barrosは、1981年、サンチャゴ・デ・コンポステラ生れ、女優。ハビエル・ベルムデスの“Nena”(1997)で映画デビュー、同監督の“León y Olvido”(2004)、“Rafael”(2008)、“El oro del tiempo”などに出演。TVシリーズMatalobos”(200910)や“Volver a casa”(2010)、評価の高かった“El tiempo entre costuras”に1話だけ出演している。今回は失踪した二人姉妹の母親役です。第2回フェロス賞助演女優賞では受賞を逃しました。他にシネマ・ライターズ・サークル賞の新人女優賞にノミネート、ゴヤ賞は初めて。このカテゴリーは予測が難しい、誰が取ってもおかしくない激戦区です。

ゴヤ賞2015ノミネーション⑥ 2015年0124


 

               (ネレア・バロス、映画から)

 

イングリッド・ガルシア・ヨンソン Ingrid Garcia-Jonsson は、スウェーデンの女優だが幼少時はセビリャで育ち、のちマドリードに居を定めている。2006年から舞台俳優としてデビュー、映画はヘスス・プラサの短編“Manual for Bored Girls”(2011)でブロンドの少女役が初出演、代表作はマヌエル・バルトゥアルの長編“Todos tus secretos2014)、アルバロ・ゴンサレスの短編“ El jardinero2013)など。スペイン語の他、英語、仏語、勿論スウェーデン語ができる。長編映画の主役は初めて。スウェーデン人だがマドリードに在住しているから、ナタリア・テナより親近感はあるかもしれない。ハイメ・ロサーレス監督が合格点を与えた新人女優。

カンヌ映画祭2014「ある視点」部門ノミネーションは、コチラ2014年05月04日/0526

 

    

  (イングリッド・ガルシア・ヨンソン、映画から)