フォルケ賞2015ノミネーション発表*『エル・ニーニョ』2014年12月22日 18:11

ホセ・マリア・フォルケ賞2015112日)の各候補が以下のように決定しました。スペイン映画は、男優女優を含めていずれも当ブログでご紹介済みです。いくつも賞があって混乱しますが、フォルケ賞とは: 


★ゴヤ賞の前哨戦といわれるフォルケ賞の正式名は「ホセ・マリア・フォルケ賞Premios Cinematográfico José María Forqué」です。EGEDAの初代会長だったフォルケの栄誉を讃えて創設された賞。監督ばかりが脚光を浴び、製作者が評価されないことを憂えて作られた賞。というわけで最初は作品賞のみで始まり、第9回から長編ドキュメンタリーまたはアニメーション部門が加わり、第15回から男優賞・女優賞、栄誉賞にあたる金賞(ない年もある)が加わりました。男優・女優賞の賞金3000ユーロはAISGE財団**が拠出します。120名以上の映画関係のジャーナリストが選出しています。更に今回からラテンアメリカ映画賞も新設されて規模拡大の傾向にあります。第20回は2013121日~20141130日の1年間に公開された作品が対象。作品賞には3万ユーロ、長編ドキュメンタリーとアニメーション賞には6000ユーロの賞金とビクトル・オチョア製作のトロフィーが授与されます。授賞式はマドリードのPalacio Municipal de Congresos 2015112日に行われる予定。

 

Entidad de Gestión de Derechos de los Productores Audiovisuales の頭文字。いわゆる視聴覚製作に携わる人々の権利を守るための交渉団体です。1990年創設だが活動は1993年から。現会長はエンリケ・セレソ、副会長はアグスティン・アルモドバル。

**Artistas Intérpretes, Sociedad de Gestión の頭文字。声優を含む俳優、舞踊家、映画監督などの権利を守る非営利団体、2002年設立、現会長は女優ピラール・バルデム(バルデム兄弟の母親)。

 

★ラウル・アレバロは、アルベルト・ロドリゲスの“La Isla Mínima”でノミネートされています。マヌエラ・ベジェスは、ハビエル・フェセルの『カミーノ』でカミーノのお姉さんになった女優、現在は2014年から始まったTVドラ・シリーズ“Velvet”(アンテナ3)に出演中。

 

     

         (左から、エンリケ・セレソ会長、マヌエラ・ベジェス、ラウル・アレバロ)

 

★最優秀作品賞(スペイン)

La isla mínima  

El Niño 

Magical Girl 

Ocho apellidos vascos 

Relatos salvajes 

 

★最優秀作品賞(ラテンアメリカ)

Cantinflas メキシコ

Código Paz  ドミニカ共和国

Hoje eu quero voltar sozinho,“The way he looks”  ブラジル

Matar a un hombre  チリ(『殺せ』)

Mr. Kaplan  ウルグアイ

Relatos salvajes アルゼンチン

 

★最優秀男優賞 AISGE財団

-Javier Gutiérrez ハビエル・グティエレス (La Isla Mínima) 監督:アルベルト・ロドリゲス 

-José Sacristán  ホセ・サクリスタン (Magical Girl)  監督:カルロス・ベルムト 

-Karra Elejalde カラ・エレハルデ (Ocho Apellidos Vascos)  
    監督:エミリオ・マルティネス・ラサロ 

-Raúl Arévalo ラウル・アレバロ  (La Isla Mínima)  監督:アルベルト・ロドリゲス 

 

最優秀女優賞 AISGE財団

Bárbara Lennie バルバラ・レニー ( Magical Girl)  監督カルロス・ベルムト 

Elena Anaya エレナ・アナヤ (Todos están muertos)  監督ベアトリス・サンチス 

Ingrid García-Jonsson イングリッド・ガルシアヨンソン (Hermosa Juventud) 

 監督ハイメ・ロサーレス  

Natalia Tena ナタリア・テナ  (10000 km)  監督カルロス・マルケスマルセ

 

★主なノミネーションは以上のようです。結局、マラガ映画祭やサンセバスチャン映画祭での受賞作が選ばれているということで、ゴヤ賞2015も同じ可能性が高い。ラテンアメリカ部門では、チリの『殺せ』とアルゼンチンの“Relatos salvajes”以外記事にしておりません。後者はスペインとの合作なので両方にノミネーションされていますが、かつて『瞳の奥の秘密』がゴヤ賞でダブル・ノミネートでした。個人的にはどちらか一つにすべきと思います。結果は来年112日に、スペイン最初の映画賞発表となります。続いて「フェロス Feroz賞」が125日です。