デ・ラ・イグレシア、ドキュメンタリー”Messi” を完成 ― 2014年07月03日 22:50
★ワールド・カップ2014、アルゼンチンはなんとか「8強」入りを果たしました。メッシの不調が気になりますが、それでも4ゴール、もともとそんなに走り回る選手じゃなかったのでは? 「走らぬ神の子メッシ」とか、「彼には5秒あれば充分」(ハビエル・マスチェラーノ談)とか、今回のトーナメント戦、敗軍の将スイスのオットマール・ヒッツフェルト監督は、「メッシは1秒あれば試合を決められる」と舌を巻いたというが、いくらなんでも1秒では入れられない。
★メッシのテレビ・ドキュメントは何本かありますが、生れてこのかた一度もサッカーボールを蹴ったことがないという<コミック少年>アレックス・デ・ラ・イグレシアが彼のドキュメンタリーを撮った。ワールド・カップ開催中のリオデジャネイロで7月2日封切られた。
データ:スペイン、スペイン語、ドキュメンタリー、2014、撮影地:ロサリオ(サンタ・フェ)、
ブエノスアイレス、バルセロナ
製作:MEDIAPRO、オビエドBS
監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
脚本:ホルヘ・バルダノ
協賛:バルセロナ市、FIFA、リオネル・メッシのファミリー
キャスト:マルク・バラゲル(レオ・メッシ)、ラモン・べサ、アンドレス・イニエスタ(西MF)、ヨハン・クライス(蘭FW/MF、監督)、ディエゴ・マラドーナ(亜FW)、ハビエル・マスチェラーノ(亜・伊MF)、ジェラール・ピケ(西DF)、セサル・ルイス・メノッティ(亜FW監督)、アレハンドロ・サベジャ(亜ナショナルチーム監督)、フランセスク・パヘス(FCバルセロナの経営幹部)、ホルヘ・バルダノ他
*メッシを俳優が演じるわけで純然たるドキュメンタリーではない。インタビューに応じた出演者は分かる範囲で国名とポジションを付け加えた。現役を引退したクライスやマラドーナのポジションは現役当時のもの。メッシの4歳からの記録、アーカイブ、インタビュー、ビデオ録画で構成されている。
★メッシの人気は日本のチビッコにも浸透、メッシの背番号10や名入りのバルサのユニフォームを着ている子供を見かける。成長ホルモン分泌不全性低身長症を克服して一流選手になったことがチビッコの心を打つらしい。マラドーナも小柄だったがメッシは治療費を出してくれたバルサのお蔭で143センチだった身長も169センチに伸びたとか。何しろ最初の頃は小柄だったから、「彼に強くアタックしてはダメだ、小さくて壊れやすいから」と初めて一緒に練習したとき監督に頼まれたとジェラール・ピケ。
★「外へ、中へ、神業のように望むところに運んでいく」とセサル・ルイス・メノッティ。彼はメッシと同郷のロサリオ出身、ワールド・カップ1978では、アルゼンチンを優勝に導いた(八百長の噂あり、当時アルゼンチンは軍事独裁政だった)。FCバルセロナの監督経験もあり(1983~84)、当時マラドーナも在籍していた。
★デ・ラ・イグレシアにとって最初のドキュメンタリーとなるが、サッカー・オンチの監督が撮ったというのがお味噌です。『ブランカニエベス』のパブロ・ベルヘルは、闘牛もフラメンコも見たことがなく知識ゼロだった由、却ってオタクでないほうがいいのかもしれない。アタマのなかに何が詰まっているのか分からない鬼才が撮ったのでご紹介いたしました。準々決勝は7月6日ブラジリアでベルギーと戦う。
★デ・ラ・イグレシアの小説第2弾“Recuérdame
que te odie”がプラネタ社から刊行された。ユーモアと皮肉、激しいアクションが繰り広げられる冒険ものとか。ビルバオ生れのコミック少年も50歳になった。「文学は、映画のように大勢でチームを組むわけではないから、一種の解放感がある、誰も仕上がりを当てにしていないからね」。彼の小説の師は、エドゥアルド・メンドサだそうで、昨年4月来日、セルバンテス文化センターで講演会があった。翻訳書は目下『奇跡の都市』だけだが、これから刊行が予定されているようです。
★映画のほうは“Que
no pare la música”の脚本が仕上がったばかりだそうで、大分先になりそうです。
(一時38キロのダイエットに成功してほっそりしましたが、またぞろメタボまっしぐら?)
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