第17回マラガ映画祭2014*受賞結果①2014年04月04日 19:11

★正式名称はスペイン映画マラガ映画祭ですが、マラガ映画祭で通用しています。2014年は321日から29日(例年より2日延長された)の日程で開催されました。デビュー作5本を含む15本が正式コンペティションにノミネート、金のジャスミン賞を争いました。「新人監督の現代的な、かつ各自異なった視点が特徴としてあげられる」と審査ディレクターのフアン・アントニオ・ビガル。グランプリを射止めたのは、カルロス・マルケス=マルセのデビュー作10.000 kilometros10.000 KM)でした。

 

     

                (10.000 KM の監督、ナタリア・テナ、ダビ・ベルダゲル)


★今年のマラガは観光客も含めて来場者が
40%増と、経済危機にも拘わらず大いに賑わい、マラガ市長もホクホク顔とか。コンペ作品の質が高かったこと、マラガ賞受賞のマリベル・ベルドゥ、エロイ・デ・ラ・イグレシア賞のパブロ・ベルヘル、栄誉賞にあたるレトロスペクティブ賞のホセ・サクリスタンカルロス・サウラの来場と話題てんこ盛りのマラガでした。更にウナムーノの小説La tía Tula1963)をミゲル・ピカソが映画化したスチール写真152枚の展覧会も併設されるなど、関係者の努力もあったようです。これは『ひとりぼっちの愛情』の邦題で1966年公開された半世紀前の映画でした。

 


★審査員紹介:マヌエル・ゴメス・ペレイラ(委員長)、エルネスト・アルテリオ、ホセ・アントニオ・ガリーガ・ベラ、マリア・バランコ、ナイワ・ニムリ、ハビ・プエブラ、Jocelyne Faessel

 

最優秀作品賞金賞

10.000 KM カルロス・マルケス=マルセCarlos Marques-Marcet
審査員特別賞銀賞

Todos están muertos  ベアトリス・サンチスBeatriz Sanchís
最優秀監督賞(銀賞)

10.000 KM カルロス・マルケス=マルセ
最優秀女優賞(銀賞)
ナタリア・テナ  10.000 KM  

エレナ・アナヤ  Todos están muertos
最優秀男優賞(銀賞)
フアン・ディエゴ  Anochece en la India
最優秀助演女優賞(銀賞)
ヨランダ・ラモス  Carmina y amén
最優秀助演男優賞(銀賞)
 サルバ・レイナエクトル・メディナ  321 días en Michigan
最優秀脚本賞(銀賞)
パコ・レオン  Carmina y amén
オリジナル・サウンドトラック賞(銀賞)
Akrobats  Todos están muertos
最優秀撮影賞(銀賞)
ニコラス・ボルドゥクNicolas Bolduc  No llores, vuela
最優秀編集賞(銀賞)
ホセ・マヌエル・ガルシア・モヤノ  Anochece en la India
最優秀新人脚本家賞(銀賞)

カルロス・マルケス=マルセ、クララ・ロケ  10.000 KM
観客賞(銀賞)としてエンリケ・ガルシアの321 días en Michigan が受賞しました。
★ドキュメンタリー賞(割愛)

 

★他に、ラテンアメリカ映画部門に与えられる賞があり、今年の審査委員は、アレハンドロ・エルナンデス、ルカス・フィゲロア、スサナ・マセイラス。最優秀作品賞には8000ユーロの賞金が出る。今年はアルゼンチン、メキシコ、ベネズエラなど8作品が競ったが、キューバとウルグアイ=ポルトガル合作の2作品に集中する結果となった。受賞作Conducta は3月30日に授賞式のあったメキシコのグアダラハラ映画祭にも唯一のキューバ映画として出品された。マラガとグアダラハラでは映画のポリシーが異なるので重なることが少ない。他にはラウラ・アストルガのPrincesas Rojas (コスタリカ=ベネズエラ)だけだった。

 

  

                (Conducta のアリーナ・ロドリゲスとアルマンド・バルデス)


最優秀作品賞(銀賞)
Conducta エルネスト・ダラナス (キューバ)
審査員特別賞:(銀賞)
Rincón de Darwin ディエゴ・フェルナンデス・プジョル(ウルグアイ=ポルトガル)
最優秀監督賞(銀賞)
エルネスト・ダラナス   Conducta
最優秀女優賞(銀賞)
アリーナ・ロドリゲス  Conducta
最優秀男優賞(銀賞)
カルロス・フラスカ  Rincón de Darwin
審査員スペシャル・メンション賞をConducta  アルマンド・バルデス(主人公の子役)が受賞した。

観客賞(銀賞)
Conducta  エルネスト・ダラナス
Rincón de Darwin  ディエゴ・フェルナンデス・プジョル

★デビュー作は以下の通り:

1 10.000 kilometros  Carlos Marques-Marcet

2 Kamikaze  Alex Pina

3 Purgatorio  Pau Teixedor

4 Todos están muertos  Beatriz Sanchis

5 321 días en Michigan  Enrique Garcia

 

★本映画祭の受賞作品は9月のサンセバスチャン映画祭の「メイド・イン・スペイン」部門で上映されることが多い。これから順次公開され、批評家の☆の数とか観客の反応などを加味して選ばれるようです。ということで、サンセバスチャン映画祭にはある程度評価の定まった作品が上映されるので、短期間に効率よく鑑賞できます。多分、10.000 kilometros Todos están muertos は上映されるでしょう。

★受賞作、話題作、トレビア、その他「マラガ賞」などについては、次回②で。

 

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://aribaba39.asablo.jp/blog/2014/04/04/7266485/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。