ホライズンズ・ラティノ部門ノミネーション*サンセバスチャン映画祭2016 ⑥ ― 2016年08月21日 17:54
ラテンアメリカから新作13本がノミネーション
★スペインが参画していたエリアネ・カフェの“Era o hotel Cambridge”(ブラジル=仏=西)がコンペティションと同時にアナウンスされていましたが、やっとホライズンズ・ラティノ部門全体のノミネーションが発表になりました(8月17日)。カンヌ、ベネチア、トロントなどの各映画祭で既にご紹介している作品も含めて13本、ラテンビートでの上映が期待される部門なので分けてアップしていきます。
★このカテゴリーは、前年のサンセバスチャン映画祭の「Cine en Construcción」(制作中の映画)や「国際フィルム学生の出会い」部門などで上映された短編の受賞作品から選ばれることが多い。つまり主催者の資金援助を受けて製作されたということです。テーマの骨格は同じですがタイトル変更、主人公の入替えなどもあるようです。2016年も前者から5作品が選ばれています。受賞作品には35.000ユーロの副賞が与えられる。審査は第1作から2作までのラテンアメリカの監督とシネアスト志望の学生約300人が選考します。メキシコのアマ・エスカランテ(『エリ』)やアルゼンチンのダニエル・ブルマン(『僕と未来とブエノスアイレス』)のような中堅が含まれているのは勿論です。
★第1弾:各国際映画祭でノミネーションされた折に紹介した作品を含む
1)“Larga noche de Francisco Sanctis”フランシスコ・マルケス&アンドレア・テスタ
データ:アルゼンチン、2016年、78分、軍事独裁時代の政治スリラー、デビュー作、カンヌ映画祭2016「ある視点」ノミネーション作品
*軍事クーデタの翌年、1977年のブエノスアイレス、妻と二人の子供と一緒に政治には一切関わらずに過ごしていたフランシスコを突然襲った恐怖とジレンマ、主人公の内面の葛藤と軍事独裁政権の不条理が語られる。
*監督&作品、キャスト紹介の記事は、コチラ⇒2016年5月11日
2)“La región salvaje” アマ・エスカランテ
データ:メキシコ=デンマーク=仏=独=ノルウェー=スイス、長編第4作目、SFベネチア映画祭2016正式出品、カンヌ映画祭2013『エリ』で監督賞を受賞している。今回撮影監督にデンマークの監督ラース・フォン・トリアーの『メランコリア』(11)を手がけたマヌエル・アルベルト・クラロを起用した。エスカランテの当映画祭出品は、『サングレ』、『エリ』に続いて3作目になる。
*若い主婦アレハンドラは夫アンヘルと一緒に二人の息子を育てながらメキシコの田舎町で暮らしている。彼女の兄弟ファビアンは地元の病院で看護師として働いている。彼らの平凡な生活は謎めいたベロニカの出現で変化をきたす。性愛は強い絆で結ばれた家族、ホモ嫌い、マチスモ、偽善が充満しているこの地方都市に微妙なさざ波を引き起こす。ベロニカは以前隕石が落ちた近くの森のなかに別の世界があることを彼らに分からせる。そこには彼らが抱えている問題のすべての回答があるだろう。危機を迎える若い夫婦と謎に包まれた女性のSF風ドラマ。
*キャスト:シモネ・ブシオ、ルス・ハスミン・ラモス、ヘスス・メラ、
エデン・ビジャビセンシオ
*監督キャリア&フィルモグラフィーの記事は、コチラ⇒2013年10月8日
3)“El Cristo ciego” クリストファー・マーレイ
データ:チリ=仏、2016年、85分、第29回トゥールーズ映画祭「Cine en Construcción」に参画、ベネチア映画祭2016正式出品
*Michaelは30歳の機械工、砂漠のなかで神の啓示を受けたと話したが、誰にも信じてもらえない。それどころか隣人たちは、気が変になったと相手にしなかった。ある午後のこと、竹馬の友が遠くの村で事故に会い苦しんでいるという。彼はすべてを投げうち、裸足で巡礼の旅に出る決心をする。やがて奇跡が起き友人を助けることができた。このことは鉱山会社で働く採掘者や麻薬中毒者の関心を呼び、彼をチリの砂漠の過酷な現実を和らげてくれるキリストのようだと噂した。
*キャスト:Michael・シルバ、バスティアン・イノストロサ、アナ・マリア・エンリケス
*クリストファー・マーレイ Christopher Murrayは、1985年、チリのサンチャゴ生れ、監督、脚本家。長編映画デビューは、パブロ・カレラと共同監督した“Manuel de Ribera”(2010)、本作が第2作目となるが単独は初めてである。他にドキュメンタリー1作を撮っている。主人公のMichael役の表記は英語マイケル、ドイツ語ミハエル、ラテン語ミカエルなど同じなのでカタカナ表記は控えた。主人公を演じたMichael・シルバは、パブロ・ララインの「ネルーダ」に脇役で出演している他、シリーズTVドラでも活躍している。
公開中または近日公開予定のスペイン&ラテンアメリカ映画 ― 2016年06月12日 15:26
*急がないと終了してしまう公開中の映画*
◎『エルヴィス、我が心の歌』原題“Ultimo Elvis”、英題“The Last Elvis” 2012年
監督・脚本・製作アルマンド・ボー、脚本(共)ニコラス・ヒアコボーネ、撮影ハビエル・フリア、製作(共)ビクトル・ボー、製作国アルゼンチン、言語スペイン語・英語 91分
キャスト:ジョン・マキナニー、グリセルダ・シチリアニ、マルガリータ・ロペス
*映画祭・受賞歴:アルゼンチン・アカデミー賞2012(主演男優賞以下6部門)、サンセバスチャン映画祭2012ホライズンズ・ラティノ部門作品賞、チューリッヒ映画祭2012初監督賞、ほか多数受賞
渋谷ユーロスペース、5月28日ロードショー
◎『或る終焉』原題“Chronic”、2015年
監督・脚本・編集(共)・製作(共)ミシェル・フランコ、撮影イヴ・カープ、製作ガブリエル・リプスティン他、製作総指揮ティム・ロス他、製作国メキシコ=フランス、言語英語、94分
キャスト:ティム・ロス、ロビン・バートレット、マイケル・クリストファー、レイチェル・ピックアップ、サラ・サザーランド、ナイレア・ノルビンド、他
*映画祭・受賞歴:カンヌ映画祭2015脚本賞受賞
渋谷ル・シネマ Bunkamura文化村 5月28日ロードショー
*当ブログでの紹介記事は、コチラ⇒2015年5月28日
*近日公開予定の映画*
◎『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』原題“Paco de Lucía: La búsqueda”、英題“Paco de Lucia a Journey” 2014年 ドキュメンタリー
監督・脚本(共)クーロ・サンチェス・バレタ、脚本(共)カシルダ・サンチェス、撮影カルロス・ガルシア・デ・ディオス他、製作者アンチョ・ロドリゲス、ルシア・サンチェス・バレラ他
キャスト:パコ・デ・ルシア、カルロス・サンタナ、ジョン・マクラフリン、チック・コリア、サビーカス、ぺぺ・デ・ルシア他多数
*受賞歴:ゴヤ賞2015長編ドキュメンタリー賞、シネマ・ライターズ・サークル賞2015ドキュメンタリー賞、トゥリア賞2015ドキュメンタリー賞を受賞、第2回イベロアメリカ・プラチナ賞ドキュメンタリー部門ノミネーション、他
渋谷ル・シネマ Bunkamura文化村 7月23日ロードショー
*当ブログでの紹介記事は、コチラ⇒2015年01月31日
◎『ラスト・タンゴ』原題“Un tango más”2015年 ドラマ・ドキュメンタリー
監督ヘルマン・クラル、ヴィム・ヴェンダース製作総指揮、製作国ドイツ=アルゼンチン、言語スペイン語、85分
映画祭:トロント、ベルリン、山形、ストックホルム、クリーブランド、各国際映画祭正式出品
キャスト:マリア・ニエベス、フアン・カルロス・コペス、パブロ・ベロン、アレハンドラ・グティ、フアン・マリシア、他多数
渋谷ル・シネマ Bunkamura文化村 7月9日ロードショー
◎『チリの闘い』“La batalla de Chile―La lucha de un pueblo sin armas”1975―1978
ドキュメンタリー三部作
『光のノスタルジア』『真珠のボタン』のパトリシオ・グスマン監督の初期のドキュメンタリー
渋谷ユーロスペースにて9月、日本初公開
*『光のノスタルジア』の主な作品紹介記事は、コチラ2015年11月11日
*『真珠のボタン』の主な作品紹介記事は、コチラ2015年11月16日
(第3部“El poder popular”、2013年9月14日マラガでの上映会のポスター)
*ポルトガル映画ですが・・・*
◎『ホース・マネー』原題“Cavalo Dinheiro”、英題“Horse Maney”2014年
監督・脚本ペドロ・コスタ、撮影レオナルド・ジモエス、製作国ポルトガル、言語ポルトガル語・クレオール語、ドキュメンタリー、104分
*映画祭・受賞歴:ロカルノ国際映画祭20414監督賞ほか3賞、ミュンヘン映画祭2015 ARRI/OSRAM賞、山形国際ドキュメンタリー映画祭2015大賞受賞など、他ノミネーション多数。
渋谷ユーロスペース、6月18日ロードショー、6月27日(18:30~)監督トークイベントあり、上映期間中『ヴァンダの部屋』と『コロッサル・ユース』を上映予定(期間・時間など要確認)
第21回フォルケ賞2016*ノミネーション発表 ― 2015年12月12日 09:27
★師走に入ると「フォルケ賞」のノミネーションが発表になる。もう1年経ったのかと時の速さに溜息が出る。今年から新しいカテゴリー「短編映画」と「Cine y Educacion en Valores」という賞が加わりました。後者は目下ノミネーションが発表になっていない。大事件が起こらないかぎり2016年1月11日に授賞式がマドリードのPalacio Municipal de Congresosで行われる。
最優秀作品賞(長編とアニメーション)
“El clan” 「ザ・クラン」(アルゼンチン=西)パブロ・トラペロ
ベネチア映画祭2015(銀獅子)監督賞受賞
“Nadie quiere la noche” イサベル・コイシェ ベルリン映画祭2015オープニング作品
“A cambio de nada” ダニエル・グスマン マラガ映画祭2015作品賞(金賞) &
監督賞(銀賞)受賞
“Truman” セスク・ゲイ サンセバスチャン映画祭2015
最優秀長編ドキュメンタリー賞
“13, Miguel Poveda” フランシスコ・オルティス
“2014, Nacido en Gaza” エルナン・シン
“Basilio Martin Patino, La decima carta” ビルヒニア・ガルシア・デル・ピノ
“Ciutat morta” ハビエル・アルティガス&サポ・オルテガ
“I’m Your Father” トニ・ベスタルド&マルコス・カボタ
最優秀短編賞
“Bikini” オスカル・ベマセル
“El corredor” ホセ・ルイス・モンテシノス
“Inside the Box” ダビ・マルティン・ポラス
“Os meninos do rio” ハビエル・マシペ・コスタ
“Oscar desafinado” ミケル・アルバリニョ
最優秀男優賞
ギジェルモ・フランセージャ “El clan”
ルイス・トサール “El desconocido” ダニ・デ・ラ・トーレ監督
サンセバスチャン映画祭2015ベロドロモ、ベネチア映画祭2015コンペ外上映
リカルド・ダリン “Truman” サンセバスチャン映画祭2015男優賞受賞
ハビエル・カマラ “Truman” サンセバスチャン映画祭2015男優賞受賞
ペドロ・カサブランク “B, la pelicula” ダビ・イルンダイン監督
最優秀女優賞
イレネ・エスコラル “Un otono sin Berlin” ララ・イサギーレ監督
ジュリエット・ビノシュ “Nadie quiere la noche”
ペネロペ・クルス “Ma Ma” フリオ・メデム監督
ナタリア・デ・モリーナ “Techo y comida” フアン・ミゲル・デル・カスティージョ監督、
マラガ映画祭2015女優賞受賞
ノラ・ナバス “La adopcion” ダニエラ・フェヘルマン監督
最優秀ラテンアメリカ映画賞
“El club” 『ザ・クラブ』パブロ・ラライン(チリ)
ベルリン映画祭2015審査員グランプリ受賞、ラテンビート2015上映
“El clan” パブロ・トラペロ(アルゼンチン、スペイン)ベネチア映画祭2015監督賞受賞
“El abrazo de la serpiente” チロ・ゲーラ(コロンビア)
“Magallanes” サルバドール・デル・ソラル(ペルー)
“La memoria del agua” マティアス・ビセ(チリ)
★主なノミネーションは以上です。結局、当然といえば当然なのですが、マラガ映画祭やサンセバスチャン映画祭での受賞作、世界三大映画祭(カンヌ、ベネチア、ベルリン)受賞作が選ばれているということで、ゴヤ賞2016のノミネーションも同じ可能性が高い。当ブログで詳細をアップした作品は、「ザ・クラン」、『ザ・クラブ』、“Nadie quiere la noche”、“Ma Ma”、“A cambio de nada”、“Truman”、“Techo y comida”、“Magallanes”“El abrazo de la serpiente ”などです。
(ハビエル・カマラとリカルド・ダリン、“Truman”から)
★個人的な受賞予想は、作品賞は“Truman”か“A cambio de nada”、男優賞はリカルド・ダリンとハビエル・カマラ、混戦なのが女優賞、誰が取ってもおかしくない印象、特にイレネ・エスコラルの評価は高く、それ以上にララ・イサギーレ監督が話題になっている。しかし意外と大変身のペネロペ・クルスかもしれない。ラテンアメリカ映画賞は「ザ・クラン」になると予想しました(長編ドキュメンタリーはどれも見ていないので除く)。
(イレネ・エスコラル、“Un otono sin Berlin”のポスター)
★当ブログ初登場の男優賞ノミネーション、ペドロ・カサブランクの本名はペドロ・マヌエル・オルティス・ドミンゲス。1963年モロッコのカサブランカ生れからとられた芸名。セビーリャ大学で美術を学んだ。映画のほか、舞台、テレビ、監督としても活躍している。テレビや舞台での受賞歴はあるが、フォルケ賞ノミネートは初めて。イマノル・ウリベの『時間切れの愛』に出ていたようだが記憶がない。現在はバルセロナを本拠地にしているのか、セスク・ゲイの“Truman”にも医師役で出演している。ダビ・イルンダイン監督は1975年パンプローナ生れ、テレビ界出身、本作で長編映画デビューした。二人とも来年の台風の目になる予感がするのでご紹介しておきます。
(ペドロ・カサブランク、“B, la pelicula”から)
サンセバスチャン映画祭*ホライズンズ・ラティノ全14作品 ⑤ ― 2015年08月25日 14:04
ブラジル映画を含めて全14作品が出揃いました
★8月4日にアップしたときには、パトリシオ・グスマンのドキュメンタリー“El botón de nácar”(チリ・西・仏)とサルバドル・デル・ソラルの“Magallanes”(ペルー・アルゼンチン・コロンビア・西)の2作だけでした。前者は10月に『真珠のボタン』の邦題で公開が決定しています。ベルリン、カンヌ、ベネチア、各国際映画祭の受賞作品に集中しており、ということはその折々に当ブログでご紹介しているわけです。今年のラテンビート上映作品はまだ3作しか分かっておりませんが、そのうちメキシコのダビ・パブロスの“Las elegidas”が選ばれ、『選ばれし少女たち』の邦題で上映が決定しています。柳の下の2匹目、3匹目の泥鰌を期待して一応全14作をアップしておきます。
*ホライズンズ・ラティノ*
1)“El club”パブロ・ラライン(チリ・仏・西)オープニング作品
*ベルリン映画祭審査員賞グランプリ受賞作品
*作品 & 監督紹介記事は、コチラ⇒2015年2月22日
2)“600 millas”ガブリエル・リプスタイン(メキシコ)
*ベルリン映画祭2015「パノラマ」部門で初監督作品賞受賞作品
3)“El abrazo de la serpiente”チロ・ゲーラ(コロンビア・アルゼンチン・ベネズエラ)
*カンヌ映画祭「監督週間」正式出品、作品賞受賞作品
*作品 & 監督紹介記事は、コチラ⇒2015年5月24日/5月27日
4)“El botón de
nácar” パトリシオ・グスマン(チリ・仏・西)ドキュメンタリー
*ベルリン映画祭2015銀熊脚本賞受賞作品。『真珠のボタン』10月10日公開、岩波ホール
*作品 & 監督紹介記事は、コチラ⇒2015年2月26日
7)“Las elegidas” ダビ・パブロス(メキシコ)
*カンヌ映画祭「ある視点」正式出品。『選ばれし少女たち』ラテンビート2015上映(10月)
*作品 & 監督紹介記事は、コチラ⇒2015年5月31日
8)“Ixcanul”ハイロ・ブスタマンテ(グアテマラ・仏)
*ベルリン映画祭2015「アルフレッド・バウアー賞」受賞作品
*作品 & 監督紹介記事は、コチラ⇒2015年2月26日
10)“La obra del siglo”カルロス・M・キンテラ(キューバ・アルゼンチン・独・スイス)
*ロッテルダム映画祭2015「タイガー賞」受賞作品
12)“Para Minha amada moeta”Al y Muritiba (ブラジル)
*サンセバスチャン映画祭2014「Cine en Construcción」参加作品
13)“Te prometo anarquia”フリオ・エルナンデス・コルドン(メキシコ・独)
*ロカルノ映画祭2015コンペティション正式出品
14)“La tierra y la
sombra”セサル・アウグスト・アセベド
(コロンビア・チリ・ブラジル・オランダ・仏)
*カンヌ映画祭「批評家週間」正式出品、カメラドール受賞作品
*作品 & 監督紹介記事は、コチラ⇒2015年5月19日/5月27日
★ブラジル映画を含めて未紹介作品4作については、時間が許せばアップしていきます。今回は取りあえずラインナップだけにいたしました。
モンソンの『エル・ニーニョ』16個*ゴヤ賞2015ノミネーション ② ― 2015年01月15日 17:28
『エル・ニーニョ』は何個取れる?
★トータル110作から選定された(フィクション64、ドキュメンタリー42、アニメーション4)。イベロアメリカ映画賞部門は15作から。ノミネーション・フィエスタは1月19日にマドリードのTeatros del Canal で開催される。授賞式は2月7日の土曜日夜から翌朝にかけて、マドリードのホテル・オーディトリアムで開催。総合司会ダニ・ロビラ、演出フアン・ルイス・イボラ、実行プロダクションはエミリアノ・オテギ。
ダニエル・モンソン『エル・ニーニョ』16個!
★授賞式が近づいてきましたので、しばらくゴヤ賞中心にアップします。今年はラテンビート上映作品が3作あり、マラガ、カンヌ、サンセバスチャン、モントリオール、トロントなどの映画祭で既に紹介している作品も多く、加えて『エル・ニーニョ』と“La isla mínima”の2作にノミネーションが集中しているので比較的ラクと踏んでますが、時間切れになるかも。作品賞(5作品)と監督賞(4作品)が重なるのも恒例になっています。毎年この季節になると、「いったい誰が、どういうポリシーで、ノミネーションしているのかしら?」と考え込んでしまいます。
★フォルケ賞では無冠におわりましたモンソンの『エル・ニーニョ』(邦題ラテンビート2014)については、スタッフ・キャスト紹介、プロット、鑑賞後のコメントも既にアップ済み、詳細はこちらへワープして下さい。 (⇒2014年9月20日/11月3日)
El Niño 『エル・ニーニョ』ノミネーション16カテゴリー
作品賞:Telecinco
Cinema / IkiruFilms / Vaca Films 他
監督賞:ダニエル・モンソン
脚本賞:ホルヘ・ゲリカエチェバリア/ダニエル・モンソン
撮影賞:カルレス・グシ
編集賞:クリスティナ・パストール
オリジナル作曲賞・オリジナル歌曲賞:ロケ・バーニョス
美術賞:セラフィン・ゴンサレス
衣装デザイン賞:タティアナ・エルナンデス
メイクアップ・ヘアーメイク:ラケル・フィダルゴ/ノエ・モンテス、他多数
特殊効果賞:フェリックス・ベルヘス/ダビ・カンポス/DDT SFX クルー、他多数
録音賞:オリオル・タラゴー/アルベルト・リバス/ジョルディ・リバス、他多数
プロデューサー:ホルヘ・ツゥカ(テレシンコ代表)/Ghislain バロイス(テレシンコ)/ハイメ・オルティス・デ・アルティニャノ/(エグゼクティブ)ビクトリア・ボラス(IkiruFilms)/(同)ジョルディ・ガスル/(同)エマ・ルストレス、他多数
キャスト
新人男優賞:ヘスス・カストロ(エル・ニーニョ)
助演女優賞:バルバラ・レニー(エバ)
助演男優賞:エドゥアルド・フェルナンデス(セルヒオ)
★以上がスタッフ、キャスト合計16カテゴリーにノミネートされた。スタッフ陣は、モンソンの前作『プリズン211』、アメナバルの『アレキサンドリア』、バヨナの『インポッシブル』、最近ではパコ・レオンの“Carmina y amén”、マルティネス= ラサロの“Ocho apellidos vascos”を手掛けたTV局テレシンコ・シネマやプロダクションのメンバーたちです。「他多数」としたカテゴリーは数が多いためピックアップして載せています。
★アルベルト・ロドリゲスの“La isla mínima”がフォルケ賞「作品賞」と「男優賞」を獲得しているので、『プリズン211』のように主要な賞を独占することはないと予想しています。このスリラー2作の一騎打ちになることは間違いありません。『エル・ニーニョ』は8月末に封切られて既に5ヵ月経ちましたが、未だ45館で上映中ということなので、作品賞と監督賞が分かれることもあり得ると思っています。「お金の掛けすぎだなぁ」がラテンビート鑑賞後の第一印象、中だるみも気になってスリラーの136分は長すぎるのではないかと感じた。『プリズン211』を見たときの高揚感、実はトサールはこういう役がやりたかったんだという驚きもなかった。ハリウッド嫌いのアカデミー会員の反発があるかもしれないし、個人的には監督賞はロドリゲスにとって欲しい。
★撮影賞、特殊効果賞、録音賞などは確率が高いと思われるが、撮影賞は“La isla mínima”のアレックス・カタラン、特殊効果賞は唯一ノミネートされた“Trente 5”のグループに、など個人的な感情が入るので予想できない。
★キャストで最短距離にいるのが、新人男優賞のヘスス・カストロ、ライバルは“Ocho apellidos vascos”のダニ・ロビラ、ガラの総合司会者でもある。
★助演女優賞のバルバラ・レニーは、“Magical Girl”で主演女優賞にノミネーションを受けているので多分そちらが本命(フォルケ賞を受賞)、そもそもダブル・ノミネーション自体好ましいことではないと思っている。(写真下、映画『エル・ニーニョ』から)
★助演男優賞のエドゥアルド・フェルナンデス、このカテゴリーは誰が貰ってもおかしくない。アントニオ・デ・ラ・トーレ、ホセ・サクリスタン、カラ・エレハルデと拮抗している。中でサクリスタンは2013年“El muerto y ser feliz”で主演男優賞を受賞しているので外れるかな。“La isla mínima”のデ・ラ・トーレは、2007年『漆黒のような深い青』で助演を受賞、“Ocho apellidos vascos”のカラ・エレハルデは、2011年『雨さえも―ボリビアの熱い一日―』で助演を受賞している。エドゥアルド・フェルナンデスも2002年に“Fausto 5.0”で主演、2004年“En la ciudad”で助演を受賞している。各自受賞歴はありますが、作品賞が“La isla mínima”ならデ・ラ・トーレが貰うかも。
(エドゥアルド・フェルナンデス)
第1回ガルシア・マルケス短編小説賞にギジェルモ・マルティネス ― 2014年11月24日 18:17
★新しい文学賞「ガルシア・マルケス短編小説賞」*の第1回受賞者が、アルゼンチンの小説家で数学者のギジェルモ・マルティネスの“Una felicidad repulsiva”(2013、プラネタ社、アルゼンチン)に決定、去る11月21日、コロンビアの首都ボゴタで授賞式がありました。コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領よりトロフィーが手渡されました。ガルシア・マルケスのコロンビアでの国葬に拘った少々目立ちたがり屋の大統領ですね。
*Premio
Hispanoamericano de Cuento Gabriel Garcia Marquezが正式名称、今年4月17日にメキシコ市の自宅で亡くなった『百年の孤独』の著者、コロンビアのノーベル賞作家に因んだ文学賞。ラテンアメリカ諸国とスペインで出版された短編小説に与えられる。コロンビア文化省・国立図書館、及びスペインのセルバンテス協会が主催、賞金は10万ドル(8万ユーロ)。
(フアン・マヌエル・サントス大統領と受賞者ギジェルモ・マルティネス)
★ガルシア・マルケスは1947年の“La tercera resignación”の出版以来、40作以上の短編を書いていたそうで、短編というのは「日常生活での飾らない人間の本質に手を加えずに描くことができるジャンル」と語っていた由。短編は重要だと分かっていても売れないから、出版社はどうしても敬遠する。その短編に光を当てた賞がやっと登場しました。選考委員は、委員長にスペインの作家クリスティナ・フェルナンデス・クバス、コロンビアの風刺作家でジャーナリストのアントニオ・カバジェロ、エルサルバドルのオラシオ・カステジャノス・モヤ、アルゼンチンのメンポ・ジアルディネッリ、メキシコのイグナシオ・パディジャの5人。
★最終選考5作品に残った作家と作品:
カロリーナ・ブルック(アルゼンチン)“Las otras”
エクトル・マンハレス(メキシコ)“Anoch dormí en la montaña”
オスカル・シパン(西)“Quisiera tener la voz de Leonard Cohen para pedirte que
te marcharas”
アレハンドロ・サンブラ(チリ)“Mis documentos”
ギジェルモ・マルティネス 省略
*以上は、ラテンアメリカ諸国、スペインで刊行された123作品から選ばれた5作品。
★受賞作“Una felicidad repulsiva”は、2~3ページの短いものから50ページを越える11作で構成されている。審査委員によると、「思慮の錯乱、偶然がなせる不遇、悪夢を引き離して、繊細なスタイルに溢れている」。また「確固として繊細、そして調和がとれていて、このジャンルを見事に手中にしている」短編集、「日常生活から端を発した不条理なもの、恐怖や幻想性、予期しないものに完璧な手さばきで特殊な視点を反映させた作品」ということです。
*ギジェルモ・マルティネスによると、10年間に書きためていた作品で、共通しているのはサスペンスものが多い。「日常生活を描いた物語ですが、ある瞬間に忍びよる不運、悪夢、狂気、ふっと過ぎっていく恐怖」が描かれていると語っている。短編集には、トロツキーの最後の一日について書いたものや、光に当てないで息子を育てている過保護な母親の話、などが入っている。
★ギジェルモ・マルティネス Guillermo Martínez:1962年、ブエノスアイレス州バイア・ブランカ生れ、作家、数学者、文芸評論家。14歳のときから書きはじめたという早熟な少年だが、「私の最初の文学の師は、最近亡くなった父親です。私たち兄弟に本を読むことの大切さや楽しさを教えてくれたから」とインタビューに答えています。
*1984年、国立スール大学数学科卒、1992年、ブエノスアイレス大学で数理論理学の博士号取得、国立学術技術研究審議会の奨学金を得て、オックスフォード大学大学院に留学した。2002年、アイオワ大学の国際作家プログラムに参加した。アルゼンチンの最優秀小説家5人の1人に選ばれている(2004~07年)。
*主な小説と短編集*
1989“Infielno grande”短編集(レガサ社、アルゼンチン/2001、デスティノ社、西)
1993“Acerca de Roderer” (プラネタ社、アルゼンチン/1996、デスティノ社、西)
1998“La mujer del maestro”(プラネタ社、アルゼンチン/1999、デスティノ社、西)
2003“Crímenes imperceptibles”(プラネタ社、アルゼンチン/2004、デスティノ社、西
“Los crímenes de Oxford”に改題)
2007“La muerte lenta de Luciana B”(プラネタ社、アルゼンチン/同、デスティノ社、西)
『ルシアナ・Bの緩慢なる死』(2006、扶桑社、和泉圭亮訳)
2011“Yo también tuve una novia bisexual”(プラネタ社、アルゼンチン)
2013“Una felicidad repulsiva” 短編集(プラネタ社、アルゼンチン)
*他に文芸評論“Borges
y la matematica”(2003)、他
★アレックス・デ・ラ・イグレシアの『オックスフォード連続殺人』(08)を見た人でも、オリジナル・タイトルがギジェルモ・マルティネスの“Crímenes imperceptibles”だというのは、推理小説ファン以外は御存じないかもしれない。上記したように2004年にスペインのデスティノDestino社から出版されたとき“Los crímenes de Oxford”と改題され、映画もこちらを採用、日本で翻訳されたときの邦題も『オックスフォード連続殺人』(06、扶桑社、和泉圭亮訳)で出版されました。本作は現在37の言語に翻訳されている本格的なミステリー小説。
(写真下は映画のポスターから)
(イライジャ・ウッド、レオノル・ワトリング、ジュリー・コックス、ジョン・ハート)
サンセバスチャン映画祭2014*ノミネーション① ホライズンズ・ラティノ部門 ― 2014年09月09日 14:16
★目前に迫ってきた第62回サンセバスチャン国際映画祭(9月19日~27日)、5月20日に今年の映画祭ポスターがメディアに紹介されて以来、飛び飛びに発表されていたラインナップもどうやら出揃いました。オフィシャル・セレクション21本のうちコンペ外3本を除いた18作品で競います。うちスペイン語映画は6本と多く、スペインは合作を含めて4本、アルゼンチン、チリ各1本ずつです。現在開催中のトロント映画祭(9月4日~14日)と作品が重なります。オープニングはアメリカのアントワン・フークワの“The Equalizer”(コンペ外)、クロージングはフランスのエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュの“Samba”と、共にトロントの「ガラ・プレゼンテーション」上映作品です。スペイン語映画は仮に公開されたとしても来年後半以降になりますね。
★ラテンアメリカ映画は、別に「ホライズンズ・ラティノHorizontes Latinos」部門があって、そちらに流れる傾向があります。秋に開催される「ラテンビート映画祭」では、このセクションと「メイド・イン・スペイン」から選ばれることが多いので、「ホライズンズ・ラティノ」から。
*ホライズンズ・ラティノHorizontes Latinos*
★ポルトガル語圏のブラジルを含めたラテンアメリカ諸国の映画、他の映画祭(例えばカンヌ、ベルリンなど)上映作品並びに受賞歴があってもスペイン未公開作品に限る。審査委員にスペイン人はタッチしない(今年は女性3人が選ばれている)。受賞作品には35,000ユーロの賞金がつく。以上のような枠があります。
★今年はアルゼンチンが合作も含めて最多の7本、同ブラジル3本、同メキシコ、チリ、コロンビアが各2本ずつ、ウルグアイ1本、合計14作品です。ブラジル、メキシコ以外は資金的に単独製作が難しいので欧米との合作が多いのが目立ちます。
★審査委員長にブラジルのプロデューサー、サラ・シルベイラ、コロンビアの女優フアナ・アコスタ、メキシコの批評家・脚本家のヌリア・ビダルと女性3人が審査員です。
*委員長サラ・シルベイラは、1981年よりサンパウロ在住のブラジルで最も活躍しているプロデューサーの一人。2004年のサンセバスチャン映画祭の奨学金を貰って製作した“Cinema, Aspirinas e Urubus”が、翌年のカンヌ映画祭「ある視点」に出品、教育国民賞を受賞し、さらにオスカー賞2007のブラジル代表作品にも選ばれた。マルセロ・ゴメスの“Era una vez eu, Veronica”がサンセバスチャン2012の同セクションで審査員特別メンション賞を受賞するなど本映画祭との縁は深い。
*フアナ・アコスタは1976年カリの生れだがスペインのTVドラマの出演も多く、ダビ・トゥルエバの“Bienvenido a casa”、オリヴィエ・アサイヤスのサスペンス伝記『カルロス』などに出演している。
*ヌリア・ビダルは、1949年メキシコ生れ、シッチェス・ファンタジック映画祭(1994~97)、サンセバスチャン映画祭(1998~2006)の運営委員のメンバーだった。
★上映作品(ゴチック体は既に記事にした作品・青字はスペイン語ではないので割愛)
◎Gente de bien 仏≂コロンビア、フランコ・ロジィ
カンヌ映画祭2014「批評家週間」上映(⇒コチラ5月8日)
◎Jauja アルゼンチン≂米国≂メキシコ≂蘭≂仏≂デンマーク≂独 リサンドロ・アロンソ
カンヌ映画祭2014「ある視点」上映、国際批評家連盟賞受賞(⇒コチラ5月6日、5月27日)
カルロヴィ・ヴァリ映画祭正式出品
トロント映画祭2014「Wavelengths」部門上映。
◎Ciencias naturales(Natural Sciences) アルゼンチン≂仏、マティアス・ルッチェシ
ベルリン映画祭2014ベスト・フューチャー・フィルム賞受賞
ブエノスアイレス・インディペンデント・シネマ国際映画祭FEISAL賞受賞、他
◎Dos disparos(Two Shots Fired) アルゼンチン≂チリ=蘭=独 マルティン・Rejtman
ロカルノ映画祭正式出品
トロント映画祭2014「コンテンポラリー・ワールド・シネマ」部門出品
◎Gueros メキシコ、アロンソ・ルイス・パラシオス
ベルリン映画祭2014ベスト・ファースト・フューチャー賞受賞
トライベッカ映画祭2014ダミアン・ガルシアが最優秀撮影賞受賞 他
ラテンビート2014上映予定(10月)
◎Matar a un hombre(To Kill a Man) チリ≂仏、アレハンドロ・F・アルメンドラス
フライブルク映画祭2014ドン・キホーテ賞・特別審査員賞受賞
マイアミ映画祭2014マイアミ・フューチャー・シネマ批評家賞受賞
ロッテルダム映画祭2014 KNF賞受賞 他 ラテンビート2014上映予定(10月)
◎La princesa de Francia アルゼンチン、マティアス・ピニェイロ
ロカルノ映画祭2014正式出品
トロント映画祭2014「Wavelengths」部門上映
◎La Salada アルゼンチン≂西、フアン・マルティン・Hsu (初監督)
サンセバスチャン映画祭2013「En construccion」部門受賞作品
トロント映画祭2014「Discovery」部門上映
(左側が監督、サンセバスチャン2013「En
construccion」授賞式)
◎Casa grande ブラジル、フェリペ・バルボサ
◎Praia do fururo /
Future Beach ブラジル=独、Karim Ainouz
◎Ventos de agosto /
August Winds ブラジル、ガブリエル・マスカロ
★全作品を紹介するのは時間的に無理なので何作か個別にアップしていきます。トロント映画祭と重なる作品は、他のサイトでも検索しやすいので割愛するか。
第17回マラガ映画祭2014*受賞結果① ― 2014年04月04日 19:11
★正式名称はスペイン映画マラガ映画祭ですが、マラガ映画祭で通用しています。2014年は3月21日から29日(例年より2日延長された)の日程で開催されました。デビュー作5本を含む15本が正式コンペティションにノミネート、金のジャスミン賞を争いました。「新人監督の現代的な、かつ各自異なった視点が特徴としてあげられる」と審査ディレクターのフアン・アントニオ・ビガル。グランプリを射止めたのは、カルロス・マルケス=マルセのデビュー作10.000 kilometros(10.000
KM)でした。
(10.000 KM の監督、ナタリア・テナ、ダビ・ベルダゲル)
★今年のマラガは観光客も含めて来場者が40%増と、経済危機にも拘わらず大いに賑わい、マラガ市長もホクホク顔とか。コンペ作品の質が高かったこと、マラガ賞受賞のマリベル・ベルドゥ、エロイ・デ・ラ・イグレシア賞のパブロ・ベルヘル、栄誉賞にあたるレトロスペクティブ賞のホセ・サクリスタン、カルロス・サウラの来場と話題てんこ盛りのマラガでした。更にウナムーノの小説“La tía Tula”(1963)をミゲル・ピカソが映画化したスチール写真152枚の展覧会も併設されるなど、関係者の努力もあったようです。これは『ひとりぼっちの愛情』の邦題で1966年公開された半世紀前の映画でした。
★審査員紹介:マヌエル・ゴメス・ペレイラ(委員長)、エルネスト・アルテリオ、ホセ・アントニオ・ガリーガ・ベラ、マリア・バランコ、ナイワ・ニムリ、ハビ・プエブラ、Jocelyne Faessel
*最優秀作品賞(金賞)
10.000 KM カルロス・マルケス=マルセCarlos Marques-Marcet
*審査員特別賞(銀賞)
Todos están muertos ベアトリス・サンチスBeatriz Sanchís
*最優秀監督賞(銀賞)
10.000 KM カルロス・マルケス=マルセ
*最優秀女優賞(銀賞)
ナタリア・テナ 10.000 KM
エレナ・アナヤ Todos están muertos
*最優秀男優賞(銀賞)
フアン・ディエゴ Anochece en la India
*最優秀助演女優賞(銀賞)
ヨランダ・ラモス Carmina y amén
*最優秀助演男優賞(銀賞)
サルバ・レイナ、エクトル・メディナ 321 días en Michigan
*最優秀脚本賞(銀賞)
パコ・レオン Carmina
y amén
*オリジナル・サウンドトラック賞(銀賞)
Akrobats Todos
están muertos
*最優秀撮影賞(銀賞)
ニコラス・ボルドゥクNicolas Bolduc No
llores, vuela
*最優秀編集賞(銀賞)
ホセ・マヌエル・ガルシア・モヤノ Anochece en la India
*最優秀新人脚本家賞(銀賞)
カルロス・マルケス=マルセ、クララ・ロケ 10.000 KM
*観客賞(銀賞)としてエンリケ・ガルシアの321 días en Michigan が受賞しました。
★ドキュメンタリー賞(割愛)
★他に、ラテンアメリカ映画部門に与えられる賞があり、今年の審査委員は、アレハンドロ・エルナンデス、ルカス・フィゲロア、スサナ・マセイラス。最優秀作品賞には8000ユーロの賞金が出る。今年はアルゼンチン、メキシコ、ベネズエラなど8作品が競ったが、キューバとウルグアイ=ポルトガル合作の2作品に集中する結果となった。受賞作Conducta は3月30日に授賞式のあったメキシコのグアダラハラ映画祭にも唯一のキューバ映画として出品された。マラガとグアダラハラでは映画のポリシーが異なるので重なることが少ない。他にはラウラ・アストルガのPrincesas Rojas (コスタリカ=ベネズエラ)だけだった。
(Conducta のアリーナ・ロドリゲスとアルマンド・バルデス)
*最優秀作品賞(銀賞)
Conducta エルネスト・ダラナス (キューバ)
*審査員特別賞:(銀賞)
Rincón de Darwin ディエゴ・フェルナンデス・プジョル(ウルグアイ=ポルトガル)
*最優秀監督賞(銀賞)
エルネスト・ダラナス Conducta
*最優秀女優賞(銀賞)
アリーナ・ロドリゲス Conducta
*最優秀男優賞(銀賞)
カルロス・フラスカ Rincón de Darwin
*審査員スペシャル・メンション賞をConducta のアルマンド・バルデス(主人公の子役)が受賞した。
*観客賞(銀賞)
Conducta エルネスト・ダラナス
Rincón de Darwin ディエゴ・フェルナンデス・プジョル
★デビュー作は以下の通り:
1 10.000 kilometros Carlos Marques-Marcet
2 Kamikaze Alex
Pina
3 Purgatorio Pau
Teixedor
4 Todos están muertos Beatriz Sanchis
5 321 días en Michigan Enrique Garcia
★本映画祭の受賞作品は9月のサンセバスチャン映画祭の「メイド・イン・スペイン」部門で上映されることが多い。これから順次公開され、批評家の☆の数とか観客の反応などを加味して選ばれるようです。ということで、サンセバスチャン映画祭にはある程度評価の定まった作品が上映されるので、短期間に効率よく鑑賞できます。多分、10.000 kilometros や Todos están muertos は上映されるでしょう。
★受賞作、話題作、トレビア、その他「マラガ賞」などについては、次回②で。
最近のコメント