『雪山の絆』が国際長編映画賞にノミネート*第96回アカデミー賞 ― 2024年01月25日 20:39
『雪山の絆』のほか『ロボット・ドリームズ』や「La memoria infinita」も!

★1月21日、第96回アカデミー賞のノミネートが発表になりました。日本関連の映画については周知のことですから割愛しますが、フアン・アントニオ・バヨナの『雪山の絆』がノミネートされた国際長編映画賞部門には、ヴィム・ヴェンダースの『PERFECT DAYS』(公開中)やイギリスの『関心領域』、イタリアの「Io Capitano」などかなりの激戦区です。本作はメイクアップ&ヘアー賞部門にもノミネートされておりますが、先だってのゴールデングローブ賞ミュージカル部門の作品賞を受賞した『哀れなるものたち』などライバルがひしめいています。

(国際長編映画賞ノミネートの『雪山の絆』)
★パブロ・ベルヘルの『ロボット・ドリームズ』がノミネートされた長編アニメーション映画賞部門には、宮崎駿の『君たちはどう生きるか』がかぶさり、アカデミー会員の高齢化などを考慮すると、ロボットの受賞は難しいでしょうか。しかし開けてびっくり玉手箱は映画賞に限らず世の常です。

(アニメーション『ロボット・ドリームズ』)
★長編ドキュメンタリー賞部門の「La memoria infinita」(英題「The Eternal Memory」)は、チリの監督マイテ・アルベルディの5作目で、彼女は3年前の『83歳のやさしいスパイ』に続いての快挙です。ラライン兄弟の制作会社「Fabula」がプロデュースしており、そのパブロ・ラライン自身が監督したホラーコメディ『伯爵』(原題「El Conde」)の撮影を手掛けたエドワード・ラックマン(またはエド・ラッハマン)がノミネートされ、チリは沸いてます。独裁者ピノチェトが本当は吸血鬼、ドラキュラ伯爵だったという設定、独裁者は死んだのだが、吸血鬼だから実は生きているというダークなコメディ、『トニー・マネロ』が思いおこされる。ラックマンはトッド・ヘインズの『エデンより彼方へ』(02)、『キャロル』(15)に続いて3度目のノミネートですが、彼自身はアメリカ人です。

(ドキュメンタリー「La memoria infinita」のポスター)

(ネットフリックスで配信中の『伯爵』のオリジナル・ポスター)
★この撮影賞部門にはメキシコのロドリゴ・プリエトがマーティン・スコセッシの『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』でノミネートされています。ディカプリオとタッグを組んだ超大作、20世紀初期の先住民迫害という実話をベースにしているから、観たくない会員が多いかもしれない。プリエトは同監督の『アイリッシュマン』に続いて4回目のノミネートになり、そろそろオスカー像が欲しいところです。当ブログ関連のノミネートをアップしました。『伯爵』以外作品紹介をしています。ガラは3月10日(日)、日本放映は翌日午前中になります。
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