スペイン映画アカデミーの新会長にフェルナンド・メンデス=レイテ2022年06月08日 10:53

       スペイン映画アカデミー新会長にフェルナンド・メンデス=レイテを選出

   

     

   (ラファエル・ポルテラ、フェルナンド・メンデス=レイテ、スシ・サンチェス)

 

★去る64日(土曜日)、予定通り第17スペイン映画アカデミー会長選挙が行われ、アカデミー会員は前任者マリアノ・バロッソ路線を引き継ぐことを明言していたベテラン・シネアスト、78歳のフェルナンド・メンデス=レイテを選びました。他の立候補者は製作者バレリー・デルピエール、女優ルイサ・ガバサ、撮影監督テレサ・メディナの女性3人、黒一点?が当選を果たしました。内訳はアカデミー会員2039人、投票権を持っている1846人のうち820人が投票、第一副会長に製作者ラファエル・ポルテラ、第二副会長に女優スシ・サンチェスを従えたメンデス=レイテが348を獲得しました。会員でも会費が未払いだと選挙権がなく、立候補は3人一組のトリオで選挙に臨むのが決りです。新執行部は月曜日から始動します。セビーリャ開催となった第37回ゴヤ賞2023授賞式の日程と司会者選定を急ぐことになります。

 

   

   (左から、立候補者に名乗りを上げていたルイサ・ガバサ、メンデス=レイテ、

    テレサ・メディナ、バレリー・デルピエール)

 

★なり手が無くて押し付け合いぎみだった映画アカデミーも、36年間に16人の会長を選出してきた。前回の第16代会長選挙の立候補はバロッソ会長、副会長にラファエル・ポルテラとノラ・ナバスの3人のみで対立候補がなく信任投票だった。ラファエル・ポルテラは続投することになったわけです。彼はバルセロナ派の監督作品を主に手掛けているプロデューサー、キャリア紹介はアップ済みです。主にプロジェクトの一大イベントであるゴヤ賞の日程表作成を急ぐことになります。彼は新視聴覚コミュニケーション法に関して、「アカデミーとしての位置を明確にする必要があり、対話を通じて解決策を見つけねばなりません」と強調している。

16代会長選挙とラファエル・ポルテラ紹介は、コチラ20180623

 

★新会長メンデス=レイテは、「私は長年、さまざまな政党の政治家に協力してきました。これは私の専門で、自身が直面している難問を解決してきました。文化相や財務相と会って、この新法についても話し合いたい」と語っている。難問は新法に止まらず、映画館での観客の激減、スクリーン向けでない視聴覚製作の増加など新たな課題にも直面している。「アカデミーにはスペイン映画の問題を解決する執行能力は無くても、機関や世論に影響を与える能力はあるでしょう。人々を映画館に戻さねばなりません」と。まわり道でも若者や子供たちにスクリーンで観る楽しさを体験してもらうことが大切、そのための支援が重要です。

 

★『日曜日の憂鬱』でゴヤ賞2019主演女優賞を受賞したスシ・サンチェスは、他の3組の候補者たちに感謝の意を伝え、全員が同じ価値観をもって参加したと語った。「今期のアカデミーが地平線となりますように」と宣言した。以下でキャリア&フィルモグラフィーをアップしています。

スシ・サンチェスのキャリア紹介は、コチラ20180621

 

フェルナンド・メンデス=レイテのキャリア紹介:1944年マドリード生れ、バジャドリード大学で法学を専攻、続いてコンプルテンセ大学で映画を学ぶ。映画・TV・演劇の監督、脚本家、作家、映画評論家、製作者と守備範囲は広い。1967年よりTV界に入り70年代にTVシリーズを手掛ける。1968年から81年までバジャドリード大学で映画理論と現代映画史の教鞭をとる。ICAA映画視聴覚芸術研究所総局長(198688)、1994年に設立されたECAMマドリード・コミュニティ映画視聴覚学校校長を2011年まで務め、1977年以来のマラガ・フェスティバルの運営委員会のメンバーでもある。アカデミー会長就任後も離れることはない。78歳になったばかりだが精力的に活躍している。シネマ・ライターズ・サークル・メダルを1974年「Galería」と「Cultura」(TVシリーズ)でジャーナリズム賞、1980 Fritz Lang でブック賞を受賞している。1966年以来、映画批評を日刊紙プエブロとディアリオ16、フォトグラマ誌ほかに執筆している。

 

★フィルモグラフィーとしては、上記受賞作のほか、カルメン・マウラを起用した「Los libros」(TVシリーズ7477)や、コメディ映画「El hombre de moda」(80)が代表作、TVミニシリーズ「Sonatas」(83)、最も成功したのはクラリンの小説を映画化した「La regenta」(1995)で、主役の裁判官夫人をアイタナ・サンチェス=ヒホンが演じた。その他「¡Ay, Carmen!」(18)、「La corte de Ana」(20)などのドキュメンタリーを監督している。2006年ゴヤ賞ガラのドキュメンタリーを撮っており、このときの体験を「真実はそれが悪夢に外ならなかったということです」とジョークまじりに語っている。しかし再び戻ってきたわけです。

 

    

             (フェルナンド・メンデス=レイテ