第37回ゴヤ賞2023の授賞式がセビーリャに戻ってくる*ゴヤ賞2023 ①2022年06月03日 17:38

        ゴヤ賞2023授賞式の開催地が2回目開催となるセビーリャに決定

   

    

 (マリアノ・バロッソ会長とセビーリャ市長アントニオ・ムニョス・マルティネス)

 

★去る531日、37回ゴヤ賞2023授賞式の開催地がセビーリャと発表になりました。大分先の話になりますが、例年だとその年のクロージングにはたいてい決定しておりました。日程の調整はこれからで、しかし1月から3月の間、ベルランガ生誕100年の締めくくりとして、生地バレンシアで開催された第36回は212日でしたから2月中が予想されます。スペイン映画アカデミー会長マリアノ・バロッソの任期(3年)が終わることになり、間もなくの64日、次期会長選挙が予定されています。新理事会発足後に正式に発表になると思います。

 

★第1回目から長年開催地はマドリードと決まっており、唯一の例外が第142000年のバルセロナでした。その年の総合司会者はアントニア・サン・フアンで、その辛口の司会ぶりが会場を沸かせました。作品賞は、スペイン映画アカデミーとの関係がぎくしゃくしていなかったアルモドバルの『オール・アバウト・マイ・マザー』でした。当時まだアストゥリアス公フェリペ・デ・ボルボンだった現国王フェリペ6世の誕生日(130日)を祝って、監督が「ハッピーバースデー」を披露したのでした。再びマドリードに戻りましたが、2018年(作品賞はイサベル・コイシェの『マイ・ブックショップ』)を最後に首都では開催されておりません。

 

★列挙しますと、先ず33回めの2019年はセビーリャ(作品賞はハビエル・フェセルの『だれもが愛しいチャンピオン』)、続いて34回めの2020年はマラガ(アルモドバルの『ペイン・アンド・グローリー』)、コロナ感染拡大の真っただなか、観客を入れずに開催され視聴率最低を記録した35回めの2021年もマラガ(ピラール・パロメロの『スクールガールズ』)、2022年が前述したようにバレンシア(レオン・デ・アラノアの「El buen patrón」)でした。

 

★開催地に名乗りをあげた都市の中には、有力候補だったバジャドリード市があった。老舗の映画祭が開催されるバジャドリードは、「非常に適していましたが、セビーリャは市議会をはじめとして、市民や地元企業の支援があって、また前回の経験もあり、特に3000人を収容できるFIBES(セビリア会議・エキシビション・センター)があることが強みでした」とバロッソ会長。「マドリードには他に沢山のイベントがある」とも語っていた。新幹線アベを利用すれば不便とは言えない。決め手はセビリア市長アントニオ・ムニョスのポジティブな働きかけが功を奏したようです。

 

   

             (会場となるFIBESの内部

 

★スペイン映画アカデミー選挙には、プロデューサーのバレリー・デルピエール(モナコ1971『悲しみに、こんにちは』『スクールガールズ』ほか)、女優ルイサ・ガバサ(サラゴサ1951「La novia」)、撮影監督のテレサ・メディナ(マドリード1965『あなたに言えなかったこと』)、ドキュメンタリー作家&批評家フェルナンド・メンデス=レイテ(マドリード1944)など、近年見られなかった候補者の多い選挙となり混戦模様ということです。