ホナス・トゥルエバの「Quién lo impide」*サンセバスチャン映画祭2021 ⑫2021年08月16日 11:25

   「ドキュメンタリーでもフィクションでも映画でもない」とホナス・トゥルエバ

 

   

 

ホナス・トゥルエバQuién lo impideで再びサンセバスチャン映画祭に戻ってきた。SSIFF 2016セクション・オフィシアルに初参加したLa Reconquistaは、後に『再会』の邦題でNetflixで配信された。そして主役のイチャソ・アラナを起用して撮ったのがLa virgen de agosto19)、『8月のエバ』の邦題でラテンビート2019上映された。新作Quién lo impideのタイトル名は、昨年3月、肺癌に倒れたシンガーソングライターのラファエル・ベリオの歌詞から採られたそうです。『再会』では「アルカディア・エン・フロール」を演奏していた。監督キャリア&フィルモグラフィーは、長編第3Los exiliados románticosがマラガ映画祭2015で審査員特別賞を受賞した折り紹介記事をアップしております。

 

     

              (ホナス・トゥルエバ監督)

 

Los exiliados románticos」フィルモグラフィーは、コチラ20150423

『再会』の紹介記事は、コチラ20160811

8月のエバ』の紹介記事は、コチラ20190603同年1113

 

      

         (イチャソ・アラナ主演の『8月のエバ』のポスター)

 

★新作Quién lo impideは、2018620日にマドリードのシネテカでプレゼンされたQuién lo impide」(4部作282分)がもとになっている。ドキュメンタリー風であったりフィクションの部分が主であったりまちまちのようだ。バルセロナで開催されるD'Aバルセロナ映画祭2019でも上映されているが、再編集されたもののプレゼンはSSIFFが初、どのように220分に編集しなおしたかは目下詳細を明らかにしていない。21世紀初頭生れの10代の若者たちに呼びかけて実施した教育プロジェクトから誕生した。彼らの現在への意見、未来への期待を反映させている。約5年間に及ぶ撮影と編賞を経て完成された。監督が設立した制作会社Los Ilusos Filmsが手がけた。

D'Aバルセロナ映画祭についての記事は、コチラ20210417

4部作のタイトルは、以下の通り:

Quién lo impide: Principiantes60

Quién lo impide: Sólo somos90

Quién lo impide: Tú también lo has vivido52

Quién lo impide: Si vamos 28, volvemos 2880

 

    

               (4部作の各ポスター)

 

製作・製作者:Los Ilusos Films(ホナス・トゥルエバ、ロレナ・ツデラ、ハビエル・ラフエンテ)/ Cineteca Madrid

監督:ホナス・トゥルエバ

撮影:ホナス・トゥルエバ、サンティアゴ・ラカ、ダニエル・オカント、ギジェルモ・ロドリゲス、マネル・アグアド・コル、フェルナンド・メレロ、ロレナ・ツデラ

編集:マルタ・ベラスコ

 

データ:製作国スペイン、スペイン語、2021年、ドクドラマ、220分、サンセバスチャン映画祭2021ワールドプレミア

キャスト:カンデラ・レシオ、パブロ・オヨス、シルビオ・アギラル、パブロ・ガビラ、クラウディア・ナバロ、ナタリア・ウアルテ、イチャソ・アラナ、フランセスコ・カリル、ペドロ・ロサノ、マルタ・カザド、リカルド・ガルシア、マリア・エラドール、ロニー=マイケル・ピンサル、ハビエル・サンチェス、ビクトル・ぺラレス、レナタ・ピコ、クラウディア・ロセット、ほか

 

解説:本作は、若者と青年期についての私たちの認識を変えるための呼びかけです。21世紀の初頭に生まれ、大人になったばかりの人々です。今では全ての罪を犯しているように思われると同時に、彼らは希望が薄れていくのを感じている。ドキュメンタリーとフィクション、そして純粋な証言の記録の狭間で、青年たちは自身の在りのままを見せますが、私たちが彼らを見たり、あるいは私たちに見させたりすることは多くはありません。自分自身をよく見せるために映画用カメラを利用して、将来の自信を取り戻します。弱さと感動から、ユーモア、知性、信念、意見までです。何故なら愛、友情、政治、教育について私たちに話しかける若者は、自分のことだけではなく、年齢に関係なく私たちが常に気にかけていることを話しているからです。「誰がそれを阻止するのか」は私たちについての映画、私たちが何であったか、何であるか、そしてこれから何であろうとするのかについての映画です。

 

 

       

  

           

    

      

                  (4部作の予告編に登場する画像のピックアップ)

 

YouTubeで見られる4部作の予告編では「これはドキュメンタリーでもフィクションでもない」、更には「映画でもない」と。ドキュメンタリーとフィクションのジャン分けをしない(・できない)という監督は沢山いるが、映画ではないと言うなら、じゃこれは何か。これは「人生のようなもの」で「映画(館)に入り込む」のだという。見るのではなく参加するものということか。とにかく現時点では推測するしかない。

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