フリア・フアニスのリカルド・フランコ賞ガラ*マラガ映画祭2021 ⑯2021年06月09日 16:15

     フィルム編集者フリア・フアニス、映画愛を語ったリカルド・フランコ賞の夕べ

 

      

 

6822時、リカルド・フランコ賞の授賞式がセルバンテス劇場でありました。壇上には、友人や映画仲間が馳せつけました。この賞は映画産業を裏から支えるシネアストに贈られる賞です。今年はナバラ州の小さな村、人口100人ほどのアレリャーノ生れのフィルム編集者フリア・フアニに、30年にわたるキャリアを讃えてビスナガのトロフィーが手渡されました。

 

★フリア・フアニスは、マラガ映画祭とコラボレーションを組んでいる映画アカデミー、30年にわたって自分を支えてくれた製作者、監督、すべての映画人に感謝の言葉を述べた。リカルド・フランコについては、マドリードで働きはじめた最初の映画でその存在を知ったが、フィルム編集者として一緒に仕事をすることはなかったと、その早世を思いやった。

 

     

       (ビスナガのトロフィーを手に受賞スピーチをするフリア・フアニス)

 

★フリアは映画愛を、特に思考やエモーションを強調し、フィルム編集に重要なのはテクニックではなく、創造するプロセスだと主張した。「編集では、直感や生活体験、物事を感じる力がとても大切です。だからあなたが好きならば、おそらく観客も気に入るのです」。オーディオビジュアルの世界がすべてではないのは分かっていますが、新しい言語を取り上げるのは、映画が将来的にも持続して欲しいからです。映像を通して現実に惑わせられないためにも、学校での教育も必要だと述べた。とにかくみんな映画館に出かけてください、「映画は私たちに新しい命を吹き込みます」と締めくくった。

 

★女優エウラニア・ラモンは「フリアは映画のためだけに生きているのではなく、彼女がとてつもなく大きい映画なのです」、監督のアルベルト・モライスは「フリアはスペイン映画の編集者のなかでも最高の存在です。映画のすべてのタイプに精通し、それは他の学問分野にも及んでいる。だから彼女はアーティストでシネアストなのです」とスピーチした。モライス監督とは「La madre」(16)でタッグを組んでいる。

 

          

         (フリアとその映画仲間たち、セルバンテス劇場、68日)

 

 

      映画は「私を興奮させ、物事に敏感にさせ、学ぶことは大きい」

 

★授賞式の前に行われた映画祭恒例のミーティングで、本祭のディレクターを務めるフアン・アントニオ・ビガルは、フィルム編集者だけでなく、短編作家、ドキュメンタリー監督、コラージュ展、ビデオアートなどの芸術作品を手掛ける「多面的な」活躍に触れた。フリアは「これらの仕事は映画と映画のあいだに行い、今日のような危機を迎えて更に新しいことに挑戦しており、それは新しい言語の発見に繋がっている」と語った。

     

      

    (J. A.ビガルからインタビューを受けるフリア・フアニス、ロッシーニ・サロン)

 

★撮影現場はアクティブだが、編集室の作業は「落ちついて、緊張することはありません。私は他人に怒りをぶつけることはいたしません。監督と自分の意見が一致したときはハッピーです。二人の意見が割れたときは自分の考えを言いますが、最終的な決定は監督が下します」と。映画製作者は「すべてを知っている必要がある」とも。

 

            

★大学では医学を学んだが医師の道は選ばなかった。もし選んでいたら良い医者になったろうと思いますが、映画ほど好きではなかったのです。「映画産業とは無縁の家族で学校もありませんでしたが、それでも週末には映画館に行きました。最初に映画を見たのは2歳のときで、幼いころから映画を見てよかったことは夢をもつことができたことでした。夜中には夢で映画の中に入り込んでいました。しかし映画を作れるなんて思いもしませんでした。偶然にも自分の夢に専念することができた」とその幸運を語った。

 

★彼女が興味をもっている映画は、実験的な映画である。これはアクション映画を手掛ける妨げになっているわけではなく、ただ興味を感じないからだと締めくくった。

フリア・フアニスのキャリア&フィルモグラフィーは、コチラ20210507

 

★映画祭も折り返し点を過ぎ、セクション・オフィシアル作品の第1回上映はほぼ終わったようです。海外からの招待客も映画祭を盛り上げているようです。作品紹介が後回しになっていますが、観客の反応を見て受賞に絡みそうな作品に絞ってアップします。