第7回フェロス賞2020*ノミネーション発表 ― 2019年12月02日 17:44
アルモドバルの「Dolor y gloria」が最多の10部門ノミネート
★去る11月29日、第7回フェロス賞2020のノミネーション発表がありました。昨年は12月に入ってからの発表でしたが若干早まりました。授賞式は2020年1月16日マドリードのアルコベンダス、総合司会は女優のマリア・エルバスです。選考母体はAICE(スペイン映画ジャーナリスト協会)と米ゴールデン・グローブ賞に性格が似ています。ゴヤ賞とはカテゴリーの種類が異なり、映画とTVシリーズ、フィクション部門もドラマとコメディに分かれるなどの違いがあります。ノミネーションは映画のみにして、結果は Netflix などでTVシリーズを観る機会も最近増えているのでアップしたい。
(AICE会長のマリア・ゲーラと女優のグレタ・フェルナンデス)
★アルモドバルの「Dolor y gloria」が最多の10個、数と受賞は必ずしも一致しませんが、今回は一致する予感がします。アントニオ・バンデラスの主演男優賞受賞ももう決りでしょうか。東京国際映画祭とラテンビートで上映されているアリッツ・モレノの『列車旅行のすすめ』の7個にも驚かされました。
(アントニオ・バンデラス、「Dolor y gloria」から)
*映画*(11カテゴリー)
◎作品賞(ドラマ部門6作)
Dolor y gloria El Primer Deseo AIE / El Deseo DASLU (10個)
El hoyo(The Platform) Basque Films (6個)
La trinchera infinita Irusoin / La Claqueta / Manny Films / Moriarti Produkzioak(6個)
Lo que arde Miramemira, SL / Kowalski Filma / 4 a 4 Productions / Tarantura Luxemburgo
『ファイアー・ウィル・カム』(5個)
Los días que vendrán Avalon PC / Lastor Media SL
Quien a hierro mata Vaca Films / Atresmedia Cine, SLU
◎作品賞(コメディ部門5作)
Diecisiete Atípica Films 監督:ダニエル・サンチェス・アレバロ『SEVENTEEN セブンティーン』
El incríble finde menguante Montreux Entertainment / Trepamuros Producciones
Litus A Contracorriente Films / SL AlamoPASL / Neón Producciones SL
監督:ダニエル・デ・ラ・オルデン
Lo dejo cuando quiera Telecinco Cinemas, SAU / Mod Pictures, Mod Producciones, SL
Ventajas de viajar en tren Morena Films / Señor y Señora, SL 『列車旅行のすすめ』(7個)
◎監督賞
ペドロ・アルモドバル 「Dolor y gloria」
ジョン・ガラーニョ、ホセ・マリ・ゴエナガ、アイトル・アレギ 「La trinchera infinita」
ガルデル・ガステル⋍ウルティア 「El hoyo(The Platform)」
オリベル・ラシェ 『ファイアー・ウィル・カム』
アリッツ・モレノ 『列車旅行のすすめ』
◎主演女優賞
ピラール・カストロ 『列車旅行のすすめ』
ベレン・クエスタ 「La trinchera infinita」
グレタ・フェルナンデス 「La hija de un ladrón」 監督:ベレン・フネス
マルタ・ニエト 「Madre」 監督:ロドリゴ・ソロゴジェン
マリア・ロドリゲス・ソト 「Los días que vendrán」 監督:カルロス・マルケス=マルセ
◎主演男優賞
アントニオ・バンデラス 「Dolor y gloria」
アントニオ・デ・ラ・トーレ 「La trinchera infinita」
カラ・エレハルデ 『戦争のさなかで』(4個)
ルイス・トサール 「Quien a hierro mata」 監督:パコ・プラサ
ダビ・ベルダゲル 「Los días que vendrán」
◎助演女優賞
ペネロペ・クルス 「Dolor y gloria」
モナ・マルティネス 「Adiós」
ライア・マルル 「La inocencia」
アントニア・サン・フアン 「El hoyo(The Platform)」
フリエタ・セラノ 「Dolor y gloria」
◎助演男優賞
エンリク・アウケル 「Quien a hierro mata」
アシエル・エチェアンディア 「Dolor y gloria」
エドゥアルド・フェルナンデス 『戦争のさなかで』
キム・グティエレス 『列車旅行のすすめ』
レオナルド・スバラグリア 「Dolor y gloria」
◎脚本賞
ペドロ・アルモドバル 「Dolor y gloria」
ダビ・デソラ&ペドロ・リベロ 「El hoyo(The Platform)」
ホセ・マリ・ゴエナガ&ルイソ・ベルデホ 「La trinchera infinita」
オリベル・ラシェ&サンティアゴ・フィリョル 『ファイアー・ウィル・カム』
ハビエル・グジョン 『列車旅行のすすめ』
◎オリジナル音楽賞
セルティア・モンテス 「Adiós」
アルトゥーロ・カルデルス 「Buñuel en el laberinto de las tortugas」
アルベルト・イグレシアス 「Dolor y gloria」
パスカル・ゲーニュ 「La trinchera infinita」
アレハンドロ・アメナバル 『戦争のさなかで』
クリストバル・タピア・デ・ベエル 『列車旅行のすすめ』
◎予告編賞
ミゲル・アンヘル・トゥルドゥ 「Adiós」
ホルヘ・ルエンゴ 「Dolor y gloria」
ラウル・ロペス 「El hoyo(The Platform)」
マルコス・フロレス 『ファイアー・ウィル・カム』
ラファ・マルティネス 『戦争のさなかで』
◎ポスター賞
ミゲル・ナビア 「El crack cero」
エドゥアルド・ガルシア 「El hoyo(The Platform)」
ラウラ・レナウ 『8月のエバ』 監督:ホナス・トゥルエバ
アイトル・エラスキン&カルロス・イダルゴ 『ファイアー・ウィル・カム』
ホセ・アンヘル・ペーニャ 『列車旅行のすすめ』
★以上11カテゴリーです。最多のアルモドバルの新作は同じカテゴリーに複数でノミネートされているのでそれを差し引くと8部門です。それにしても多い。いずれにしろ来年には公開されるでしょう。作品賞(ドラマ)の中で当ブログで記事にしなかったのに6個もノミネートされたガルデル・ガステル⋍ウルティアの「El hoyo(The Platform)」は、ホラー・スリラー、SF映画のようでトロント映画祭の「ミッドナイト・マッドネス」で観客賞を受賞、続くシッチェス映画祭で作品賞を受賞しました。ノミネートされている予告編を見ただけでも興味が惹かれる。アントニア・サン・フアンの怪演に久しぶりに対面しました。これも本邦上陸するでしょう。
(「El hoyo(The Platform)」のポスター)
★TVシリーズ(6カテゴリー)は、Netflix で配信されている『パキータ・サラス』や『ペーパー・ハウス』が、今年も候補に挙がっています。結果発表後、受賞作品だけアップします。
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