ホライズンズ・ラティノ賞はロミナ・パウラ*サンセバスチャン映画祭2019 ㉗2019年10月03日 13:37

            ホライズンズ・ラティノ賞はロミナ・パウラのデビュー作

 

★ラテンアメリカ諸国の作品がエントリーされる「ホライズンズ・ラティノ部門」の作品賞に、アルゼンチンのロミナ・パウラのデビュー作De nuevo otra vezが受賞しました。作家、舞台演出家、女優と多才な顔をもつロミナ・パウラの監督デビュー作。自分の母親と息子を登場させた。第2席に当たる特別メンションには、ペルー=コロンビア合作La broncaダニエル&ディエゴ・ベガ兄弟の手に渡りました。2作とも既に作品紹介をアップしております。

 

★当部門からは、グアテマラのセサル・ディアスNuestras madres / Our Mothersが、スペイン協同映画賞を受賞しています。本作はカンヌ映画祭併催の「批評家週間」に出品され、新人監督に贈られるカメラドールを受賞している。ほかにはコンペティション外ですが、RTVEスペイン国営ラジオ・テレビが選ぶ「Otora Miradaもう一つの視点」に、アルゼンチンの妊娠中絶合法化運動をテーマにしたフアン・ソラナスのドキュメンタリーLa ola verde (Que sea ley)が受賞した。カンヌ映画祭にも出品され、監督以下関係者が大挙して赤絨毯を踏んで話題になりましたが、こちらサンセバスチャン映画祭でもメイン会場のクルサール・ホールに運動のシンボル緑のリボンをして一堂に会しました。

 

       

       (クルサールを緑の旗で埋め尽くした関係者たち、924日)

 

De nuevo otra vez」の作品紹介は、コチラ20190910

La bronca」の作品紹介は、コチラ20190823

Nuestras madres / Our Mothers」の作品紹介は、コチラ20190507

La ola verde (Que sea ley)」の記事は、コチラ20190811

 

★ニューディレクターズ作品賞は、チリのホルヘ・リケルメ・セラーノAlgunas bestiasが受賞、アルフレド・カストロやパウリナ・ガルシアなどベテラン勢が出演、ある程度予測されていた受賞でした。ニューディレクターズ部門からは、アルゼンチンのアナ・ガルシア・ブラヤLas buenas intencionesが、ユース賞を受賞しました。アルゼンチン、チリの受賞が目立ったニューディレクターズ部門でした。

 

Algunas bestias」の作品紹介は、コチラ20190813

Las buenas intenciones」の作品紹介は、コチラ20190813

 

 

★サバルテギ-タバカレラ作品賞には、ドイツ=セルビア合作、女優で監督、脚本家として活躍するドイツのアンゲラ・シャネレクIch War Zuhause, aber / I Was at Home, Butが受賞、サンセバスティアン市観客賞は、かつて『最強のふたり』でファンを楽しませてくれたフランスのオリヴィエ・ナカシュ&エリック・トレダノのコメディHors Normes / Especialesが受賞、ヨーロッパ映画に与えられるサンセバスティアン市観客賞は、ケン・ローチSorry We Missed Youでした。主な受賞者は以上です。その他、幾つも賞がありますが割愛です。

 

 主な受賞結果

ニューディレクターズ賞

Algunas bestias」 監督:ホルヘ・リケルメ・セラーノ

 

       

              (ホルヘ・リケルメ・セラーノ監督)

 

ホライズンズ・ラティノ賞

De nuevo otra vez」 監督:ロミナ・パウラ

 

       

              (喜びのロミナ・パウラ監督)

 

ホライズンズ・ラティノ特別メンション

La bronca」 監督:ダニエル&ディエゴ・ベガ兄弟

 

      

      (主演のロドリゴ・パラシオスとダニエル&ディエゴ・ベガ兄弟)

 

サバルテギ-タバカレラ賞

Ich War Zuhause, aber / I Was at Home, But」 監督:アンゲラ・シャネレク

 

          
           (アンゲラ・シャネレク監督)
   
     
 

観客賞

Hors Normes / Especiales監督:オリヴィエ・ナカシュ&エリック・トレダノ

  

    

 

ユース賞

Las buenas intenciones」 監督:アナ・ガルシア・ブラヤ

 

   

 

スペイン協同賞(Cooperación española

Nuestras madres / Our Mothers」 監督:セサル・ディアス

   

  

 

   

 

RTVE-Otora Mirada(もう一つの視点)賞

La ola verde (Que sea ley)」 監督:フアン・ソラナス

    

       

   (今年の審査員の一人メルセデス・モランが緑のリボンを高く掲げてアピール)

 

 

 

★アルゼンチン、チリの受賞が目立ちますが、ペルー、グアテマラなどの受賞は、ラテンアメリカ諸国の緩慢でありますが静かな胎動を感じました。授賞式前に帰国してしまった受賞者もいて、あまりいい写真が検索できませんでした。