短編銀熊賞にアルゼンチンの「Blue Boy」*ベルリン映画祭20192019年02月21日 17:20

            マヌエル・アブラモヴィチの短編「Blue Boy」が銀熊賞

 

★短編部門の銀熊賞と審査員賞を受賞したBlue Boy19m)の監督マヌエル・アブラモヴィチ(ブエノスアイレス、1987)は、ドキュメンタリーの監督、脚本家、撮影監督、製作者。ブエノスアイレスの国立映画制作学校卒、撮影監督としてそのキャリアをスタートさせている。サンセバスチャン映画祭2018SSIFF)「サバルテギ-タバカレラ」部門でご紹介したロラ・アリアスTeatro de guerraで撮影を手掛けました。本作によりイベロアメリカ・フェニックス賞2018の撮影賞にノミネートされています。先にベルリン映画祭「フォーラム」部門でワールドプレミアされ、エキュメニカル審査員賞とC.I.C. A.E.アート・シネマ賞の受賞作でもありました。

Teatro de guerra」の作品紹介は、コチラ20180805

 

       

 

★マヌエル・アブラモヴィチが国際舞台に登場したのは、2013年の短編ドキュメンタリー、カーニバルのクイーンになりたい少女を追ったLa Reina19m「The Queen」)で、監督、撮影、脚本、製作のオールランドを担当、多くの国際映画祭で短編賞を受賞しました。うち代表的なものは、アブダビ、フライブルク、グアダラハラ、ハンプトン、カルロヴィ・ヴァリ、ロスアンゼルス、シアトルほか、各映画祭で短編ドキュメンタリー賞を受賞しました。

 

 

 

★長編ドキュメンタリーの代表作は、第67回ベルリン映画祭2017「ジェネレーション14plus」に出品されたSoldado72m「Soldier」)、上記のTeatro de guerra」同様SSIFFの「サバルテギ-タバカレラ」部門に出品されました。コロンビアのカリ映画祭で審査員特別賞、マル・デル・プラタ映画祭でFIPRESCIを受賞。軍事独裁から民主化されて30数年、戦争のないアルゼンチンで志願兵士になるとはどういうことか、という青年を追ったドキュメンタリー。

   

    

 

『サマ』17)撮影中のルクレシア・マルテル監督の姿を追ったドキュメンタリーAños luz72m「Light Years」)は、ベネチア映画祭2017ドキュメンタリー部門に出品され、Venezia Classici Awardにノミネートされた。『サマ』もコンペティション外ではありましたが出品された。アブラモヴィチによると「『サマ』撮影中のマルテル監督を主人公にしたドキュメンタリーを撮るアイデアをメールしたら」、マルテルから「私が主人公になるの?」と返ってきた。最初は俳優にあれこれ指示している監督を誰が見たいと思うかと乗り気でなかった。マルテルは凝り性で『サマ』も大幅に遅れ、春の一大映画イベントのカンヌには間に合わなかった。彼女がどの部分に拘り、どんな方法で撮るかは、アブラモヴィチだけでなく後進の映画作家には参考になったのではないか。『サマ』出演のダニエル・ヒメネス=カチョ、ロラ・ドゥエニャスなども登場する。

 

         

      

  

   

(中央がマルテル、左側にサマ役のダニエル・ヒメネス=カチョ)

 

★今回受賞したBlue Boyの舞台はドイツの首都ベルリン、まだIMDbにはアップされていないので詳細はアップできないが、ベルリンにあるバー「ブルー・ボーイ」でセックス・サービスを稼業にしている、ルーマニア出身の7人の青年たちを追ったドキュメンタリー。彼らはビジネスや旅行で訪れるお客様を満足させるために役者に変身する。彼らの目は鏡のように私たちの社会を照射する。セックス労働者の自立、都会の孤独が語られるようです。(字幕英語)

 

監督・撮影・製作:マヌエル・アブラモヴィチ、

メイン・プロデューサー:Bogdan Georgescu

録音:フランシスコ・ペデモンテ

キャスト:フローリン、ラズヴァン、ステファン、マリウス、ミハイル、ラファエル、ロベルト

 

   

  (左から、短編銀熊賞のマヌエル・アブラモヴィチと製作者Bogdan Georgescu

 

     

         (誰か同定できないが出演者の青年、映画から)

 

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