新年のご挨拶*2019年元旦 ― 2019年01月01日 14:45
明けましておめでとうございます 今年はどんな映画が見られるの?
★慌ただしい年末に更新もままならず、積み残しをしたまま年が明けてしまいました。去る12月28日からアルバロ・ブレッヒナーの「La noche de 12 años」が『12年の長い夜』の邦題でNetflix配信が開始されました。サプライズと喜んでいいのかどうか複雑な心境ですが、さっそく見てしまいました。本作はベネチア映画祭のコンペティション外で上映後、サンセバスチャン映画祭でもエントリー、ゴヤ賞2019イベロアメリカ映画賞ノミネーション、当ブログではかなり詳しくご紹介してきました。大筋で齟齬はきたさなかったと思いますが、書き足したいこともあり後日アップしたい。地味な映画ですがウルグアイ現代史に止まらずラテンアメリカ史を知る上での情報が詰まった作品です。ウルグアイ前大統領ムヒカ役のアントニオ・デ・ラ・トーレは本作で助演男優賞、ロドリゴ・ソロゴジェンの「El reino」で主演男優賞とダブルノミネート、一ファンとしても今回はぜひ受賞して欲しい。
*「La noche de 12 años」の紹介記事は、コチラ⇒2018年08月27日
(『12年の長い夜』撮影中の監督とアントニオ・デ・ラ・トーレ)
★『12年の長い夜』はゴヤ賞2019イベロアメリカ映画賞にもノミネートされておりますが、受賞はアルフォンソ・キュアロンの『ROMA/ローマ』にほぼ決定でしょうか。2作とも一見すると無関係なテーマに思えますが、深いところで繋がっており、現在のラテンアメリカ諸国が抱えている暗部にメスを入れたことでは、甲乙つけがたいと感じました。どちらもNetflixプレゼンツなのが気になります。キュアロンは「私が大好きな映画の多くは、大画面で見たことがない」と語っていたが、Netflixを受け入れた背景には、このような思いがあるのかもしれません。見たい映画が公開されず、年々街から映画館が消えつつある現代、映画館で映画を見るのは難しくなっている。
(『ROMA/ローマ』のポスター)
★ゴヤ賞にノミネートされている作品賞5作品、イベロアメリカ映画賞4作品は既にご紹介済みなので、新人監督賞のうち未紹介作品&監督紹介から今年は出発したい。次回は将来が楽しみなセリア・リコ・クラベリーノの「Viaje al cuarto de una madre」から、キャストは母親にロラ・ドゥエニャス(主演女優賞候補)、娘にアンナ・カスティーリョ(助演女優賞候補)が扮します。
(ロラ・ドゥエニャスとアンナ・カスティーリョ、「Viaje al cuarto de una madre」から)
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